ロナルド好調要因にジダン監督起用法 出場7試合減

欧州CLで2連覇し歓喜の表情のRマドリードFWロナルド(ロイター)

<欧州CL:ユベントス1-4Rマドリード>◇決勝◇3日◇英カーディフ

 レアル・マドリード(スペイン)のポルトガル代表FWクリスティアノ・ロナルド(32)が、現行方式の大会となった92-93年以降で初の連覇にチームを導いた。2得点とエースの貫禄を見せ、ユベントス(イタリア)に4-1と大勝。大会12得点として、前人未到の5季連続得点王に輝くと同時に最優秀選手に選ばれた。Rマドリードにとって前身の欧州チャンピオンズ杯も含めて12度目の優勝。57-58年以来となるリーグ戦との2冠となった。

 試合終了の笛がなると、ロナルドはピッチに倒れ込んだ。若かりし頃の愛称「クライベイビー(泣き虫小僧)」も32歳。涙は流さず、笑顔で連覇の余韻に浸った。

 ストライカーとしての進化が表れた今大会だった。12得点のうちダイレクトシュートが10得点。2タッチでのゴールが2得点。近年は若いときのようなドリブルを多用することはなく、味方にボールを託し、ゴール前でのポジショニング勝負に持ち込むことで新たな活路を見いだした。「こういう結果を手にするために自分は準備をしてきた」。年齢的な衰えをプレースタイルの変化で補い、5季連続得点王を獲得した。

 同大会クラブ通算500得点目となった前半20分の先制点は象徴的なゴールだった。ボールを持つとすぐさま右サイドを走るDFカルバハルにボールを預け、リターンパスを右足ダイレクト。後半19分のチーム3点目も右クロスをゴール前にタイミング良く飛び込み、右足で合わせた。

 準々決勝から5試合で10得点と、シーズン終盤での好調の要因にはジダン監督の起用法も助けとなった。マンチェスターU時代は名将ファーガソン監督に交代を告げられると、怒りをあらわにしたこともあった。ピッチに出続けることにこだわった。今季リーグ戦出場数は昨季から7試合減の29試合。「シーズンの重要な終盤戦でトップコンディションにするため」とジダン監督からの説得を受け入れた。

 今季はポルトガル代表として欧州選手権も制覇した。「信じられない1年だった。タイトルを獲得でき、記録を打ち立ててシーズンを終えることができてとても幸せだ」と喜びに浸った。ロナルドがまた、サッカー界に新たな歴史を刻んだ。【山本孔一通信員】

 ◆その他の記録 ロナルドは最多タイとなる個人で4度目の優勝。4度の優勝経験は過去7人。優勝したすべての試合に出場したのはセードルフ(ACミランなど)とイニエスタ(バルセロナ)に続き3人目。また、08年(マンチェスターU)、14年(Rマドリード)に続き、決勝の3試合で得点したのは史上初。

 ◆出場 Rマドリードは今年12月にUAEで開催されるクラブW杯に欧州代表として出場する。