コンフェデ杯、ビデオ判定2戦4回で3度も判定覆る

カメルーン対チリ 前半、スルーパスに抜け出したFWバルガスが決めたがオフサイドとなりノーゴール(ロイター)

<コンフェデレーションズ杯>◇18日(日本時間19日)◇1次リーグ2試合◇ロシア・カザニほか

 A組の優勝候補のポルトガル(欧州)は、メキシコ(北中米カリブ海)と2-2で引き分けた。後半41分にDFセドリックが勝ち越し弾を決めたが、同ロスタイムに失点した。B組のチリ(南米)は、カメルーン(アフリカ)に2-0と快勝。途中出場のFWサンチェスが2点を演出した。この日の2試合でビデオ判定が合計4回行われ、判定が3回覆った。

 試験導入されているビデオ判定で、判定が3度も覆った。使用されるのはゴール、PK、レッドカード、選手の誤認の場面に限られ、この日は4度ともゴールに関係する場面だった。

<ポルトガルvsメキシコ>

 ▽シーン1 0-0の前半20分、ポルトガルFWロナルドのシュートがクロスバーに当たり、こぼれ球をMFゴメスがゴールに入れた。副審はオフサイドの旗を揚げていなかったが、一連の流れをさかのぼった場面がオフサイドの判定。

 ▽シーン2 1-1の後半41分、ポルトガルMFマルティネスの右クロスがDFに当たり、こぼれ球をセドリックが右足で決めた。ビデオで確認され、当初の判定通り。

<チリvsカメルーン>

 ▽シーン3 0-0の前半ロスタイム、チリMFビダルのスルーパスに抜け出したFWバルガスがゴールに入れた。副審はオフサイドと判定しなかったが、ビデオ判定で覆った。

 ▽シーン4 1-0の後半46分、スルーパスに抜け出したチリFWサンチェスがシュート。DFに当たり、こぼれ球をバルガスが決めたが、副審はバルガスのシュートの場面をオフサイドと判定。サンチェスの抜け出した場面がビデオ判定の対象になったが、オフサイドはなく得点と認定。

 「シーン3」で判定が覆り、主審に詰め寄ったビダルは現地メディアのADNに「ビデオ判定を待つのは少し奇妙だった」とコメント。ポルトガル代表のサントス監督もESPNに「サッカーに役立つなら素晴らしいことだが、まだ、誰も対処できていない」と指摘した。

 この日はビデオ判定がなければ勝ち点が異なっていた可能性もある。機械の目で判定は正確になったが、これまではなかった中断時間があるなど、課題も残されている。

 ◆ビデオ判定 正式には「ビデオ・アシスタント・レフェリー・レビュー」。ゴールシーン、PK、レッドカード、選手誤認の4つの場面で誤審を防ぐ目的に試験導入中。正式に来年以降の国際サッカー評議会(IFAB)の総会で正式採用かが決まる。判定は別室で審判団(今回は3人)が映像を確認し、副審と同様に主審へ助言できる。最終的な判定は主審が決める。国際サッカー連盟(FIFA)の国際大会での採用は昨年のクラブW杯、U-20W杯に続き、今回が3度目。FIFAのインファンティノ会長は来年のW杯ロシア大会での導入に前向きな考えを示している。