メッシ逆襲ハット!敗退圏からアルゼンチンW杯切符

エクアドル戦で、ハットトリックを決め喜ぶメッシ(AP=共同)

 サッカーのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(30=バルセロナ)が、ハットトリックで18年W杯ロシア大会行きを決めた。10日のW杯南米予選で、アルゼンチンはエクアドルとの最終戦を迎え、メッシの3得点で3-1と逆転勝ちした。予選敗退圏の6位から3位に順位を上げ、4位以内に与えられる本大会出場権を獲得。スーパースターが勝負強さをあらためて証明した。

 

 やはりメッシだった。土壇場でアルゼンチンを救った。過去1度しか勝っていない標高2800メートル高地キトでの敵地戦で、試合開始1分もしないうちに失点。11大会続けてきた連続のW杯出場が途絶えかねない窮地に追い込まれてから、ショーが始まった。

 前半11分にはディマリアとのワンツーから左足を合わせて同点弾。同18分には相手のクリアを奪い、ドリブルで持ち込み、強烈な左足シュートで勝ち越した。後半17分にはGKの頭上を越える絶妙なループシュートで勝負を決定づけた。サンパオリ監督は「幸運なことに世界最高のサッカー選手はアルゼンチン人だった」と喜びを表現した。

 苦しい道のりだった。3月のボリビア戦当日に、直前のチリ戦で審判を侮辱したとして出場停止になった。チームは格下相手に0-2と敗れた。その後、3戦連続で引き分けて6位に後退。国際サッカー連盟(FIFA)ランク4位、過去2度の優勝、16度の出場を誇る伝統国が70年大会以来の予選敗退の危機だった。

 だが、神話は生きていた。今予選ここまでメッシが得点した4試合は全勝だった。メッシが輝けば勝利は手に入ると、この日の大一番でも示した。アルゼンチン紙によると、メッシは「今日我々は最も重要なことを成し遂げたということだ」と話した。FWラベッシに対する大麻疑惑が報じられ、取材拒否を宣言した昨年11月以来初めて地元メディアに口を開いたことが、達成感の大きさの証しだった。