桐生祥秀「爆発したい」さあ今日9秒台決勝だ

男子100メートル準決勝2組 桐生(右)はゴール手前から山県(左)を見ながら流す

<陸上:日本選手権>◇24日◇パロ瑞穂◇男子100メートル

 男子100メートルで日本歴代2位の10秒01を持つ桐生祥秀(20=東洋大)の、五輪初出場が“決定”した。向かい風1・3メートルの予選2組を10秒37で1着。向かい風1・4メートルの準決勝は10秒29の2着で今日25日の決勝に進出した。桐生は11日に日本陸連の派遣設定記録10秒01をマーク。他に突破者が出ない場合は、決勝を走りきるだけで即時内定の8位以内をクリアできる形だ。

 3レーンの桐生はリードした終盤に首をひねって5レーンの山県を確認した。「悪いところがないレースだった。80メートルぐらいでリードして横を見て。(先に)いかれたけどいいかなと」。4着以内で決勝進出のため焦りはなかった。山県に差されて今季1勝3敗となったが「明日の決勝が勝負。爆発したい」と冷静。着実にリオ切符を手にした。

 待ちこがれた舞台だ。08年北京五輪男子400メートルリレー銅に胸を熱くした。「五輪は小さいころから一番出たいと思っていた大会」。12年ロンドン五輪は滋賀・彦根市内の自宅でテレビで観戦。その時、10秒07を出した山県に憧れた。その相手が今、最大のライバルとなった。「明日は気持ちを高めてもっとスタートでバンといく」。ジェット桐生が優勝で、五輪初出場に花を添える。【益田一弘】

 ◆リオデジャネイロ五輪の陸上日本代表選考基準 日本陸連が定めた派遣設定記録の突破者で日本選手権8位以内の最上位と、国際陸連が設けた参加標準記録の到達者が日本選手権で優勝すれば、代表選出が決まる。日本選手権で派遣設定突破者は8位以内、参加標準到達者は3位以内で代表入りに前進する。男女5000メートル、1万メートルを除き、ゴールデングランプリ川崎、日本グランプリシリーズで日本勢トップになった参加標準突破者は日本選手権に出場した時点で選考対象となる。