<陸上:さいたま国際マラソン>◇13日◇さいたまスーパーアリーナ発着
日本人最高の5位でゴールした那須川瑞穂(36=ユニバーサルエンターテインメント)は、充実の表情で会見場に現れた。2時間33分16秒で、来夏の世界選手権(ロンドン)へ向け、日本陸連が設定する派遣標準記録2時間22分30秒には遠く及ばなかったが、「精いっぱいの走り。今の自分を受け入れて、力を出し切れた」と話した。
35キロ付近。1番苦しい時間帯で那須川は一瞬、笑った。沿道に目を送ると、両親が声援が聞こえてきた。それを見ると、一緒に走っている気がした。自然と力が湧いた。ケバソ(31=ニトリ)を抜き去って5位に浮上。「両親もこれだけ私が長く競技を続けると思っていなかった。試合に勝てば、喜んでくれる。残念な結果だと、一緒に悔しがったり、悲しんでくれた」。この日は父の誕生日だった。「まだ『おめでとう』と言ってない」と苦笑いだったが、最高のプレゼントになった。そのまま5位を死守し、笑顔でゴールした。
30キロ手前。ペースメーカーのルーシー・カブー(ケニア)にも声をかけられた。「自分を信じて」「前に行けるからね」。選手同士で話しながら、走ることはあるが、ペースメーカーにも励まされるのは珍しい。那須川の温かい人柄が凝縮されていたレースだった。