<フィギュアスケート:全日本選手権アイスダンス予選会>◇31日◇ALSOKぐんまアイスアリーナ◇アイスダンス・リズムダンス(RD)
フィギュアスケートの全日本選手権アイスダンス予選会は10月31日、ALSOKぐんまアイスアリーナでリズムダンス(RD)が行われ、本田真凜(25)宇野昌磨(28)組(ともにトヨタ自動車)が58・68点で4位発進した。シングルから転向した愛称「しょまりん」の2人が公式戦デビュー。30年フランス・アルプス五輪を目指し、第2の競技生活に踏み出した。フリーダンス(FD)は1日に行われる。
◇ ◇ ◇
互いの首筋に右手を添えて顔を突き合わせる。フィニッシュポーズを解いても、2人は6秒間見つめ合ったままだった。「どんな点数が出ても『今日よく頑張ったね』っていう感想、この気持ちだけは絶対に変えたくない」と宇野。自分たちで道を決めた初陣を終え、何度もうなずき合った。
地方大会ながら、チケットは完売。練習から大きな拍手と「しょまりん」コールが飛んだ満席の会場で、鮮やかな赤と黒が舞った。「ポエタ」で息の合ったツイズル、重心の安定したリフトを披露。大きなミスなくまとめ、宇野は「誇りに思うべきポイント」、本田も「初戦としてはすごくよかった」と胸を張った。
五輪2大会連続メダルの宇野と16年世界ジュニア女王の本田は、ともに24年にシングルを引退。幼い頃は試合を「怒られないからラッキー」としか思っていなかった宇野が、自分の意思で滑るようになったのは「ここ数年」だった。24年10月に五輪挑戦を持ちかけ、本田も「いろんな選択がある中で五輪を目指すと決断した」。ひざを曲げるタイミングから合わせて2年、「続けることが難しいぐらいの練習」を積み重ねた。
何度も大舞台を踏んだ2人にも、特別な感慨があった。「1回目のデビューは3歳」と笑った本田は「日常でこんなに緊張したり、達成感を得られる瞬間って、なかなかなかった」と25歳の再出発を振り返った。リンクサイドで見守った宇野の恩師ステファン・ランビエル氏も涙。自身の演技に感動することは少ないという宇野も「1人ではない経験を自分の人生でやってよかった」とかみしめた。
まだスタートラインに立ったばかり。ワルツでは決められた足運びなどの正確さが認められず、基礎点が伸ばせなかった。「僕は勝つためにやっているので、そこはもちろん」と宇野。点数と順位がつく勝負の世界を、二人三脚で駆け抜ける。【勝部晃多】