キム・ハヌル 4万人魅了のセクシー大会制した笑顔

サロンパスカップと優勝杯を持ち笑顔のキム・ハヌル(撮影・柴田隆二)

<女子ゴルフ:ワールドレディース・サロンパス杯>◇最終日◇7日◇茨城GC西C(6670ヤード、パー72)◇賞金総額1億2000万円(優勝2400万円)

 韓国で「スマイルクイーン」と呼ばれる美女ゴルファー、キム・ハヌル(28=韓国)が自身初のツアー2週連続優勝、史上8人目の国内メジャー連勝を成し遂げた。首位から出て5バーディー、2ボギーの69で回り、通算9アンダー279でツアー5勝目を挙げた。「セクシークイーン」アン・シネ(26=韓国)ら美女選手の話題満載となった今大会。4日間を通じたギャラリー数は大会史上最多4万1484人となった。

 周囲に惑わされなかった。最終組で回るトンプソン、川岸という日米の「飛ばし屋」に挟まれても、キム・ハヌルは「私の距離で戦う」と信条を貫いた。常にパットを決めやすいピン手前にボールを運ぶことを意識しながら着実にスコアを伸ばした。3番で2メートルのバーディーパットを沈めた直後の4番。7メートルのロングパットをねじ込んだ。5番も2メートルにつけて3連続バーディー。「あそこで行けるかなと思いました」。

 終盤の17番パー5だけは優勝をつかむため、勝負に出た。残り228ヤードの2打目は3番ウッドで2オンに成功。ピンまで8メートルのイーグルパットは外したが、余裕のバーディー奪取。「優勝が目の前に来ている」。上位陣の誰よりも緻密かつ大胆なコースマネジメントで2週連続優勝、国内メジャーでも昨年11月のツアー選手権リコー杯に続く優勝をつかんだ。11~12年に韓国ツアーで賞金女王に輝いた実力派は「11、12年よりも今の私は成熟している。本当にうれしい」と満面の笑みを浮かべた。

 来日中のプロゴルファーで弟のキム・テウォン(22)による助言も後押しになった。スイング不調になれば動画を送り、意見を聞く関係だ。「自分には助けになる存在」。今回は間近でアドバイスをもらい、好調をキープした。賞金ランクは早くも5000万円を超え前週3位からトップに浮上。2年連続賞金女王イ・ボミ(韓国)と同年齢の28歳は「まだまだボミプロについていけない。私はまだまだ」と謙虚だが、新時代を築く勢いは十分にある。

 勝負色のブルーのベストとヘアリボン、そしてヒラヒラのミニスカート姿でも観客をわかせたキム・ハヌル。「賞金女王の目標は立てていなかったけれど頑張ってみます。(9月の日本女子プロで)メジャー3連勝も頑張りたい」。アン・シネをはじめ、国内外の美女選手が話題となった国内メジャー第1戦は「スマイルクイーン」が最後に笑った。【藤中栄二】