松山英樹に「新オプション」マレット型/第1日から

第1Rを終えた松山。左は同組のD・ジョンソン(撮影・亀山泰宏)

<米男子ゴルフ:世界選手権シリーズ ブリヂストン招待>◇第1日◇3日◇オハイオ州ファイアストーンCC(7400ヤード、パー70)◇賞金総額975万ドル(約10億7000万円)優勝162万ドル(約1億7800万円)

 世界ランク3位の松山英樹(25=LEXUS)が7バーディー、6ボギーの69で回り、首位と4打差の15位でスタートを切った。新たに投入したマレット型パターでバーディーを量産して「オプションが1つ増えた」と好感触を得た。ピン型との併用となれば、グリーン上の戦いにも変化が生まれそうだ。

 松山はこの日最多となる7バーディーを奪った。練習ラウンドからテストを重ね「昨日から決めていた」というテーラーメイドのマレット型を投入。スタートの10番で7メートルを決めてバーディー。13番のチップインバーディーの後は、面白いようにカップに沈めて3連続バーディーで一時単独首位に浮上。6メートルを入れた15番のバーディーでは、同組の世界ランク1位D・ジョンソン(米国)の弟でキャディーを務めるオースティン氏から新パター効果をいじられ、笑顔を見せる一幕もあった。

 後半7番で3パット、最終9番では1・5メートルのパーパットを外した。「1回外すと、なかなかうまく修正しきれなかった。上がり3ホールがもったいない」としつつ「(合計11パットの)前半は良かったんで、自分のオプションが1つ増えたかなって感じですね。明日からどうするか、まだ決めてないですけど」。ラウンド後もエースのスコッティキャメロンのピン型と2本態勢で練習し、継続使用を視野に入れている様子。5月のプレーヤーズ選手権などマレット型で試合を戦うケースはこれまでにもあったが、今季最後のメジャーを翌週に控え、グリーン上の引き出しが増えた。

 フェアウエーキープ率35・71%は部門別53位とティーショットが暴れた1日。「なかなか珍しいゴルフしてますよね。7個取って6個ボギーは、なかなかない」と苦笑するものの、首位と4打差は悪くない位置。「離されないように。いいゴルフができれば、少しは差を縮められると思うんで」。終始穏やかな表情で話した後、練習場へ向かった。【亀山泰宏】

 ◆ピン型とマレット型 一般的にピン型は構えやすく操作性が良いとされ、ストローク中にフェースのブレが少ない。低重心のマレット型は直進性の高いボールが打ちやすく、芯を外しても転がりの差が少ないのが利点とされる。世界ランク2位スピース(米国)はピン型を愛用。世界ランク1位D・ジョンソン(米国)や4月のマスターズ覇者ガルシア(スペイン)、元世界1位のデー(オーストラリア)らテーラーメイドの大型マレットを使うトッププロも多い。日本ツアー屈指のパット巧者谷原は、グリーンのスピードによってエースのマレット型とピン型を使い分ける。