競泳男子の北島康介(33=日本コカ・コーラ)が10日、日本選手権会場の東京辰巳国際水泳場で記者会見し、引退を正式に表明した。中学生のころから指導を受けた平井伯昌コーチ(52)も同席。しみじみとした雰囲気の中、ときに笑いを誘いながら、思いの丈を述べた。
会場は報道陣であふれかえり、松田丈志(31=セガサミー)ら“戦友”も見守った。リオデジャネイロ五輪代表権をつかめなかった北島は「レースは1、2分で終わるけど、それまでに踏む過程がすごく濃い。その時間がなくなるのは、心に穴があいた感じになるのかなと思う」と寂しさをのぞかせた。
栄光に彩られた競技実績だけでなく数々の名言も魅力だった。2004年アテネ五輪での「超気持ちいい」は「泣きたかったのを我慢して言った言葉だった」と明かした。「流行語大賞は不思議だったけど、今はネタに使ってます」と語ると、会場は笑いに包まれた。
平井コーチは「すさまじい精神力を持った選手だった」とたたえ、北島選手と五輪3大会をともに戦った松田は「目に焼き付けたいと思って見に来た。康介さんが残したものを一番近くで見てきた。若手に伝えるのが僕の役割」と言った。