専門家は「A案充実」アレンジ◎東京五輪エンブレム

 2020年東京五輪・パラリンピックの公式エンブレム4案が8日に公表され、日刊スポーツは11日午後2時までインターネット投票を行った。投票総数は2251票、1番人気は743票を獲得したD案の「朝顔」だった。専門家の中ではグッズやポスターへの展開力などの観点から「A案有利」との見方が強い。その展開例についてエンブレム委員会がホームページ上での開示を検討していたが、開示しないことが11日までに大会組織委員会への取材で分かった。

 8日の公表会見で、エンブレム委員の夏野剛氏が「展開例開示」の検討を約束した。しかし、組織委によるとエンブレムに加えた微修正が展開例にまで及ばず、11日までに開示しないことが決まった。

 日刊スポーツが取材した複数の関係者によると「展開例の充実」を想定したデザインはA案だという。格子柄の集合体であるA案は、格子の組み合わせによってデザインを変化させることができる。さらに展開例では、藍色以外の色を使ってバリエーションが増える。佐野エンブレムでも展開例の豊富さが採用の決め手になっていた。

 ある専門家は「A案はデザイン界の経験豊富なトップチームが絡んでいる可能性が高い」。展開例を開示すれば専門家の中では、どのグループが制作したか予想がつく可能性があるので「開示は難しいのでは」と話した。

 一方で旧審査委員だったデザイナー平野敬子氏はブログに、旧審査を仕切った組織委の元クリエーティブディレクター高崎卓馬氏から得た「修正経緯の書類」を転載。その中に「IPC(国際パラリンピック委員会)サイドより、アンバランスなデザインへの危惧共有」との記載がある。今回の4案で左右対称はA案のみ。組織委は旧審査で「非対称は避けるべき」と知っていたのに今回、4案中で3案も「非対称」を選んだことに疑問が残る。