強ウン明大中野「実力」突破 28大会ぶり花園1勝

和歌山工戦の後半、中央ラックから右隅にトライを決める明大中野CTB亀丸(左)(撮影・奥田泰也)

<高校ラグビー:明大中野31-10和歌山工>◇1回戦◇27日◇花園

 ウンによる1回戦突破じゃない。27大会ぶり3度目出場の明大中野(東京第2)が和歌山工(和歌山)を31-10で下した。11月の都大会決勝では強豪の国学院久我山と引き分けの末、抽選で花園出場を決めた。主将でSHの今井快(かい、3年)は、当たりくじを引いた1カ月半前の“運”ではなく、実力と強調した。30日の2回戦では新潟工(新潟)と対戦する。

 紫紺ジャージーが花園に帰ってきた。前半5分。モールからNO8加藤が中央へ先制トライ。しかし、その後は、和歌山工の果敢な攻撃にボールが前へ進まない。「声を出せ!!」。今井が何度も声を張り、徐々に得意とする左右でボールを動かす展開ラグビーが形になった。今井は「初戦で硬くなりすぎた。1本目のトライで気の緩みが出た。花園1勝は良かったが、自分たちらしいラグビーはできなかった」と猛省し、気を引き締めた。

 花園の切符が遠かった。前回大会までの26年間で、都大会決勝に7回進出して全敗。花園の常連の国学院久我山や東京朝鮮高などに敗れてきた。だが、今年は19-19で国学院久我山と引き分け、抽選で今井の「神の手」で出場権をつかんだ。

 この強運の裏にはウンが関係していた。決勝当日、今井は自宅トイレで座って用を足しながらスマートフォンでラグビー動画を視聴していた。だが、気が緩みスマートフォンを便器に落とした。「決勝前に動揺しました。ドライヤーで乾かして何とか回復しました。ラッキーでした」。その後の決勝は引き分けによる抽選となり、見事、出場権獲得の封筒を当てた。チームメートからは「ウンチがついて、運があったのかもな」と笑いながら言われたという。

 試合内容は不完全燃焼だったが、28大会ぶりの花園1勝は大きな価値がある。「今日はウンではなく、実力です。勝ち続けます」。運も味方にした今井が力強く言った。【峯岸佑樹】

 ◆明大中野ラグビー部 1980年(昭55)創部。明大の付属校として明大ラグビー部の「前へ」の精神を持つ。週4日、明大八幡山グラウンドで大学生の指導も受けながら成長した。花園には第68回大会に初出場し、2回戦で日大山形に勝ち、3回戦で東山(京都)に敗れた。第69回大会は初戦の2回戦で行田工(埼玉)に敗退。部員60人。勝田宗頼監督。