裏カジノ桃田賢斗のバド復帰、12日理事会で承認へ

15年12月、全日本総合の決勝でネット際のシャトルに食らいつく桃田

 20年東京五輪に向け、日本バドミントン界のエースが復活する。昨年4月に発覚した違法カジノ問題で、日本バドミントン協会から無期限試合出場停止処分を受けている桃田賢斗(22=NTT東日本)が、早ければ4月中にも処分を解除される見通しとなった。4日、都内で行われた日本協会理事会に出席した銭谷欽治専務理事(63)が明かした。次回、12日の理事会で処分解除を検討し、方針を決める予定だ。

 桃田に復帰の道筋が見えてきた。この日の理事会後、銭谷専務理事が処分解除について「12日の理事会までに意見を集め、満場一致で『戻そうよ』という意見であれば(解除を)決定する可能性はゼロではない」と発言した。また「社会的制裁は十分受けた。試合で活躍することをファンのみなさまも期待していると思う」と、復帰の是非を判断する段階となった背景も説明した。

 NTT東日本からは定期的に桃田の活動報告を受けており、同専務理事は「以前はほとんどしていなかった仕事もこなし、ビジネスマンとしても成長していると聞く」と現状を評価した。ボランティアを含めた社会貢献、仕事と練習に真剣に向き合う姿を認める声も挙がっていた。

 注目の復帰時期は、1年間の出場停止となった古賀輝(NTT東日本)の処分が4月9日に解けるため、同10日以降となる。12日に決まらなければ、5月27日の理事会で再審議し、その場合は即日の処分解除になる可能性がある。

 桃田は元世界ランキング2位で、リオデジャネイロ五輪男子シングルスのメダル候補だった。だが、賭博行為が発覚して五輪出場がなくなり、世界ランキングも抹消された。20年東京五輪を目指すには、日本代表に復帰して国際大会でポイントを稼ぎ、ランキングを上げる必要がある。桃田は昨年の全日本総合選手権に出ておらず、規定で今年の国際大会に出られない。ただ、特例として、選手強化本部長の許可があれば自費で出場でき、この方法で東京五輪への道を歩み出すことになりそうだ。

 4~5月に処分解除となれば、5月27日から開催される日本ランキングサーキット大会(さいたま市)が復帰戦とみられ、国際大会は7月ごろから出場するもようだ。

 ◆桃田賢斗(ももた・けんと)1994年(平6)9月1日、香川県三豊市生まれ。吉津小2年からバドミントンを始め、福島・富岡高3年時にジュニア世界選手権で日本人初の優勝。14年の国別対抗トマス杯で日本初優勝に貢献。15年世界選手権では日本男子初の銅メダルを獲得した。同年12月にスーパーシリーズ・ファイナルで優勝。世界ランキング最高位は2位(16年4月)。家族は両親と姉。175センチ、70キロ。左利き。A型。