宇野昌磨2位 4回転時代象徴 ハイレベルSP

男子SP歴代得点上位

<フィギュアスケート:世界選手権>◇30日◇フィンランド・ヘルシンキ◇男子ショートプログラム(SP)

 宇野昌磨(19=中京大)が、SP世界歴代3位の104・86点で2位発進した。4回転フリップ、4回転トーループ-3回転トーループなどすべてのジャンプに成功し、自己記録を4・58点更新した。フリーは明日1日に行われる。

 最後のスピンを回り終えると同時に、宇野が右手をぐっと天に突き上げた。「すごく気持ちよく滑れました。今年1年間やってきたことが出せた」。達成感が胸にこみ上げた。

 初出場だった前回は空回りし、自分の力を出し切れず7位。そこから1年。「変わったのはすべてです」と振り返った。昨年4月に世界で初めて成功させ、今季1年かけて磨いてきた冒頭の4回転フリップ。4回転からの連続ジャンプ。音に体を合わせていくステップと手の動き。そして本番で物おじしない心。試行錯誤しながら積み重ねてきた成果を、1つのプログラムにまとめた。

 昨季は欧州や北米の試合で時差ぼけに悩まされた。「体が眠った状態」で試合に臨み、苦い経験を味わった。今回は1週間前にヘルシンキ入り。会場から北に少し離れたリンクで毎日2~3時間、日本と同様の練習を行った。念入りな準備で体にキレを装備。験かつぎも効いた。この日は2種類の衣装のうち「縁起がいい」と青の衣装を着用。約3週間前のプランタン杯で青の衣装で今季初めてノーミスとし、国際スケート連盟非公認ながら104・31点を記録。そこでSPの苦手意識を克服していた。

 SP歴代3位の得点と、2位の好位置に「すごくうれしい」と喜んだが、「フリーは1つのジャンプでひっくり返る。1つ失敗したら10点変わってくる」とすぐに気を引き締めた。フリーでは、4回転ジャンプ4本を跳べるかがポイントになってくるが「ジャンプだけのフリーにしたくない。見どころはすべて、といえる演技にしたい」。1年前の悔しさを胸にやってきた今季の集大成へ。「最後に笑って終われるように」と話す表情には自信がみなぎっていた。【高場泉穂】

 ◆宇野の16年世界選手権 シニア1年目で初出場。SPでは、連続ジャンプでミスがあったものの90・74点で4位と好発進。フリーではジャンプミスだけでなく演技に勢いを欠き、173・51点で6位。合計264・25点で7位に沈み「練習してきたことを、自分で否定してしまった」と涙した。