<19年ラグビーW杯5・10運命の抽選会:上>
ラグビーの19年W杯日本大会(9月20日開幕)の1次リーグ組み合わせ抽選会が明日10日午後5時から、京都迎賓館で行われる。前回の15年イングランド大会で躍進を遂げた日本は「ベスト8以上」の目標を掲げ、16年9月に就任したジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)のもと、新たな試みの中で強化を続けている。日刊スポーツではビッグイベントを直前に控え、「5・10運命の抽選会」と題し、日本の現状、抽選方法、世界のラグビー界の流れを2回連載する。
日本は再び世界を驚かすことができるのか-。ジョセフHCは就任後の半年を、目指す戦術の落とし込みと若手育成に充てた。昨秋の欧州遠征では、15年W杯組の堀江、田中、山田、松島らを中心に起用。ボールを保持し、時間をかけて攻める戦術を捨て、キックを積極的に使い素早くボールをつなぐスタイルを新たに取り入れた。勝利こそ逃したものの、敵地で世界ランク6位(当時)の強豪ウェールズと3点差の激闘を演じるなど、大きな可能性を示した。
一方で、選手層を厚くする施策も講じた。世界最高峰リーグ「スーパーラグビー」(SR)の日本チーム、サンウルブズを代表強化の柱と位置づけ、今季開幕前には「W杯メンバーはサンウルブズから選ぶ」と明言。2月から8月までの長期間を同じメンバーで戦える同チームを代表入りの“条件”とすることで、「サンウルブズ=日本代表」の構図を明確に打ち出した。
選手起用に関してもサンウルブズ首脳と連携を取り、自らも合宿に同行。経験の少ない若手に世界レベルを肌で感じさせ、チームの底上げを図った。また、SR開幕に合わせ、日本代表の育成機関「NDS(ナショナル・ディベロップメント・スコッド)」を新設。サンウルブズの海外遠征不参加選手、大学生、トップリーグの若手有望選手を集めた国内合宿を継続的に行い、日本代表の戦術を幅広い選手に理解させてきた。
15年W杯では、組み合わせ決定後からの徹底的な南アフリカ対策により、歴史的な勝利をつかみ取った。6月にはルーマニア、アイルランドとのテストマッチも控え、これまで代表を辞退してきた15年W杯主将リーチ・マイケル(東芝)も合流を予定している。育成から勝利に向けたチーム作りへ。運命の抽選を号砲に、日本が次のステップに入っていく。【奥山将志】