錦織、揺らぐ自信 勝利で取り戻す/インタビュー

全仏オープンに向け練習した錦織(撮影・木下淳)

 【パリ28日=吉松忠弘】世界9位の錦織圭(27=日清食品)が28日に開幕した全仏オープンの初戦を前に、思い描いた結果が出ていない今季の現状を分析した。日刊スポーツの単独インタビューに答え、本音を語った。錦織にとって最も勝率が高い赤土最高峰の今大会を、飛躍のきっかけにすることを誓った。

 今季、錦織はマスターズ初優勝、トップ5定着を目標に掲げてスタートした。しかし、その目標とはほど遠い結果が続く。

 「少し自信がないのかも。ただ、自分がダメになったわけじゃないし、テニスの調子も最高ではないが悪くない。気持ちの問題が大きいと思う。どうしても勝てないと、自信がなくなってくる」

 歯車が狂ったきっかけは、2月の南米2大会だった。リオでは、レベル500以下の大会で3年8カ月ぶりの初戦敗退だった。

 「ポイントを取りにいった2大会だった。そこで、思ったような結果が出なかった。選択を間違えたとは思ってないが、そこで、少し自信が揺らいできた」

 自信がなくなると、コート上で錦織らしいプレーが発揮できない。

 「一番明らかなのは、打たなくてはいけないときに打てない。100%入れるぞという気持ちを持って打てない。試合の中での大事なポイントで守りに入ってしまったり。(ラケットを)振り切れない。そういう点は、自信があるかないかで大きく変わってくる」

 自信を取り戻すには、実戦で勝ちを積み重ねるしかない。だから、本来なら試合を予定しない4大大会前週に、ジュネーブオープンに出場した。

 「試合に勝つことが一番の自信になる。もちろん、(ジュネーブで)優勝できれば良かったが、3試合、十分な試合経験が積めた。体も思った以上に疲れていないので、全仏にいい準備になったので爆発したい」

 世界ランクは9位に落ちた。

 「やっぱり8位以内にはいたい。8と9では大きな違い。8位以内なら安心できるが、8位を外れると、4大大会やマスターズで(シード順から)めんどくさいことになる。8位以内に入っておきたいというモチベーションは大きい。そのためにも全仏で頑張りたい」