錦織圭4大大会初の日韓戦に「長くラリー続く展開」

錦織と鄭現比較表

<テニス:全仏オープン>◇2日◇フランス・パリ◇男女シングルス3回戦ほか

 【パリ=吉松忠弘】世界9位の錦織圭(27=日清食品)は今日3日予定の3回戦で、同67位の鄭現(チョン・ヒョン、21=韓国)と初対戦する。男子の4大大会本戦では、史上初となる日本人と韓国人の対決となる。過去のツアーとツアー下部大会で韓国勢に3戦全勝の錦織は、4大大会では初の“日韓対決”で、初めて4大大会の3回戦に進出した韓国の新星に、アジアの歴代最高選手として力の差を見せつける。

 錦織にとってはもちろん、日本男子にとって4大大会初の“日韓戦”が、赤土最高峰の舞台で実現する。「韓国の希望」と呼ばれる鄭現との初対戦に、錦織は「彼の活躍はこの数年、見ている。ストロークがすごくしっかりしている」と警戒し、「長くラリーが続く展開になる」と、得意の試合展開を思い描いた。

 錦織はこれまでツアー及びツアー下部大会の本戦と予選で計58カ国の選手と対戦してきた。そのうち、韓国勢には3戦全勝だ。初対戦は07年10月に韓国・ソウルで行われたツアー下部大会予選2回戦。当時世界258位の錦織は、日本の近大で学び、04年の全日本選手権で準優勝した権亨胎に1ゲームしか与えない完勝を収めた。ジュニアの国際公式戦では韓国勢と1勝1敗。03年10月に米国の18歳以下の大会の3回戦で敗れて以来、韓国勢には負けていない。

 めがねがトレードマークの鄭現は、ATPツアーが21歳以下の期待される選手を集めた「ネクスト・ジェネレーション」の8人のうちの1人だ。錦織より身長は7センチ高い185センチで、体重は9キロ重い83キロ。がっしりした体格から放つ重い球が武器だ。13~15歳のころは錦織が拠点を置く米フロリダのIMGアカデミーに留学した。08年にツアー最優秀新人賞に輝いた錦織に対し、15年にツアーの「最も躍進した選手」に選ばれた鄭現は「(錦織を)尊敬している。1度プレーしてみたいと思っていた」と初挑戦を心待ちにしている。

 錦織はこの日、初の“日韓戦”に向けて1時間ほど調整した。前日の2回戦の途中でマッサージ治療を受けた右肩を少し気にするしぐさを見せたが、大きな問題はなさそうで、サーブ練習などもこなした。韓国歴代最高の世界36位(07年8月)となった李亨沢を目標とする鄭現の前に、大きな壁となって立ちはだかる。

 ◆テニスの日韓対決 4大大会の男子シングルスでは過去に例がないが、女子シングルスでは3度の対戦がある。80年全豪1回戦で佐藤直子が李徳姫に勝った。96年全仏1回戦では遠藤愛が朴晟希に敗れた。02年全米1回戦では杉山愛が田美螺に勝っている。国別対抗戦では男子のデビス杯で日本は韓国に11勝4敗。女子のフェド杯では日本が7勝1敗と大きくリードしている。

 ◆WOWOW放送予定 3日午後5時55分から。4日午前0時から。WOWOWライブ。生中継。男女シングルス3回戦ほか。