大坂なおみ、ビーナスも憧れだけど「私はセリーナ」

大坂2回戦試合統計

<テニス:ウィンブルドン選手権>◇5日◇ロンドン郊外オールイングランド・クラブ◇女子シングルス2回戦

 打倒ビーナスだ。女子シングルス世界59位の大坂なおみ(19=日清食品)が、同23位で第22シードのストリコバ(チェコ)を6-1、0-6、6-4で破る金星を挙げ、初出場で3回戦進出。次戦で5度の優勝を誇るV・ウィリアムズ(米国)と対戦する。大坂は、これで4大大会全てで3回戦に進出。日本女子では7人目の選手となった。

 日本が誇る女子テニスの「新幹線」が、聖地で最高の発進だ。愛称をつけてもらった相手に、その名の通り、高速ショットでお礼の乱打を見舞い、フルセットでの金星だ。「とてもうれしい」。久々に出た、たどたどしい日本語で満面の笑みを浮かべた。

 第1セットは1ゲームしか与えず、わずか27分で料理。「まさに新幹線だったわ」。しかし、逆に第2セットは「相手が良くてパニックになった」ことで、逆に1ゲームも奪えなかった。「新幹線、完全に止まっちゃった」。それでも、苦手な忍耐で、振られてもミスを減らしチャンスボールをたたき込んだ。

 最終セットに入ると「また、新幹線、少し動き始めた」。鈍行から快速にスピードを上げ、最後は5本目のマッチポイントで、14年ベスト8の強豪を仕留めた。勝利の儀式はいつものように四方の観客にペコリ、ペコリとお辞儀。最後は手を振って声援にこたえた。

 テーラー・コーチは毎回、試合前に自身のスマホからアドバイスのメールを送る。この日は「相手はパワーがない。球が遅いから、十分に引きつけて打て」。言葉どおりためをつくった「新幹線」ショットがさく裂した。

 次戦は、大坂があこがれてきたウィリアムズ姉妹の姉、ビーナスが相手だ。「姉妹がいなかったら、テニスやってなかったかも」。ただ、どちらかというと「ビーナスも好きだけど、セリーナが私にとってのNO・1」。日本女子は過去にビーナスと27度対戦し、勝ったのは16年BNPパリバ・オープン2回戦の奈良の1度だけだ。大坂も今年1月のASBクラシックで対戦するチャンスがあったが、ビーナスが棄権した。「彼女の一番好きな芝で対戦できるのは最高」。日本が誇る「新幹線」が、再び突っ走る。【吉松忠弘】