宮原知子「自分のやるべきことできた」凱旋一問一答

平昌五輪の様子を笑顔で報告する宮原知子(撮影・上田博志)

 平昌五輪フィギュアスケート女子で4位入賞を果たした宮原知子(19)が8日、在籍する大阪・吹田市の関大で行われた「平昌五輪凱旋報告会」に出席した。

 壇上では学生の代表2人の質問に答え、五輪での生活の裏側などを約700人の参加者に明かした。主なやりとりは次の通り。

   ◇   ◇

 -五輪の緊張は

 宮原 五輪という特別な舞台なので「本当に緊張するんだろうな」って想像しながら現地に行ったんですが、想像以上に何もかもが楽しくて、緊張よりもワクワクを感じながら滑ることができました。のびのびと団体戦のショート(SP)から、個人戦のフリーまで、自分のベストを尽くせたかなと思っています。

 -大舞台でベストを出せた要因は

 宮原 「五輪に出場したい」っていう気持ちが一番強く、(17年12月の)全日本選手権に向けて、ケガをしている間は頑張ってリハビリをしたり、練習をしてきました。五輪に出場できると決まって「行くだけでは意味がない」と思っていました。しっかり「自分のやってきたことを、ここで出すしかない」って思いながら「絶対にいい演技がしたい」っていう強い気持ちを持って臨むようにしたので、それが良かったのかなと思っています。

 -実際に滑ってみて五輪の会場は

 宮原 それぞれの国を挙げての応援だったり、普通の試合にはないような特別な雰囲気を感じたんですけれど、あまり「特別な場所」って思いすぎないようにしました。「いつもの試合通りのことをやる」ということを考えながら滑っていました。

 -五輪での演技は、その場にいることをかみしめているように見えた

 宮原 演技中、一番は「技術的なことに集中してやらないといけない」と考えていました。それ以外にも、表現の部分ですごく点数が変わってくるので、そこで「自分の練習してきたことを思い切り表現しよう」と思って、とにかく楽しむことを意識して滑りました。

 -自己ベストを出して有言実行だった

 宮原 自分のやるべきこと、できることはできたんじゃないかなって思っていて、この大きな舞台で自分のベストが尽くせて本当にうれしかったですし、支えてくださった全ての方に感謝の気持ちでいっぱいです。

 -選手村での生活は

 宮原 選手村に入るためのセキュリティーチェックがあるので、選手村の外に出たりとか、外から帰ってきた時は、必ずセキュリティーチェックをしてから選手村の中に入りました。入り口に入るとおみやげ屋さんだったり、コンビニエンスストアがあるエリアがあって、宿泊棟とか、食堂とか、レクリエーションセンターとか、「小さく凝縮された街」みたいな感じでした。

 -レクリエーションセンターはどういう施設

 宮原 選手が気分転換して楽しめる場所で、卓球とかエアホッケーとか、マッサージチェアが20台ぐらい並んでいる部屋とかもあって、リラックスするために利用できる部屋です。

 -宮原さんも利用した

 宮原 先生たちと、試合の前の日に卓球をしたりしていました。

 -選手村での寝泊まりは

 宮原 マンションの部屋みたいな感じになっていて、リビングと、個室が3つありました。1人部屋の個室に私と坂本(花織)選手がそれぞれ入って、もう1つは2人部屋の個室で、ペアとアイスダンスの須崎(海羽)選手と村元(哉中)選手がその部屋を使っていたので、4人で1つの部屋を使っていました。

 -一緒に部屋を使っていた人たちとの思い出は

 宮原 試合の時はどうしても時間がそれぞれ違うので、あまりゆっくりとしゃべる時間はなかったんですが、団体戦の時とかには、その日に試合がある人以外はみんな応援に行きました。みんなで一緒にバスに乗って「応援頑張ろうね」とか、そういうふうに会話をしました。

 -他競技の選手とも交流できたのか

 宮原 日本選手団は全員、どの競技も1つの宿泊棟に宿泊しているので、よくエレベーターですれ違ったりとか、さまざまな競技の選手とあいさつできたりしました。特にスピードスケートの高木菜那選手、美帆選手と小平選手は、試合も1度だけ見に行く機会があったので、見に行かせていただいて、いろいろな話をさせていただきました。

 -個人戦から帰国まではどう過ごした

 宮原 (フリーがあった23日は)競技自体がお昼だったので、夕方からは解放された気持ちで、選手村の中でお土産屋さんを見たりしました。次の次の日(25日)にエキシビションがあったので、その練習をしたりしながら過ごしました。

 -お土産はどういうものを

 宮原 実際、選手村以外でお土産を見たりとか、そういう時間が全くなかったです。平昌五輪のグッズでフィギュアスケートのピンバッジとかタオルとか、そういうものをお土産にしました。

 -楽しみにしていた韓国料理は

 宮原 そうですね…。本格的なものは時間がなくて食べられなかったので、もし、次に韓国に行く機会があったら楽しみたいです。

 -世界選手権(21日開幕、ミラノ)が迫っているが、平昌五輪の経験をどう生かしたい

 宮原 五輪という大きな舞台で自分のベストな演技ができたっていうのは、すごく自信になりましたし「もっと自信を持っていいんだ」っていうのも感じることができました。今回の五輪の演技を一番底辺にして、もっといい演技をできるように、世界選手権ではまた気を引き締めて頑張りたいと思っています。