関西学生代表が出遅れを取り戻せず、7トライの猛攻に屈した。前半で7-40と圧倒され、後半は26-7と巻き返したが、時すでに遅し。フランカーの島根一磨主将(4年=天理大)は「ターンオーバー(攻守交代)へのリアクションや、ブレークダウン(接点)の激しさで差があった」と振り返った。
明暗がくっきりと分かれた前後半だった。前半の苦戦の要因はラインアウト。相手先発のFW第2、3列の身長は198センチのロック、シャングスターを筆頭に5人中4人が190センチオーバー。一方の関西学生代表はロック伊藤鐘平(3年=京産大)の188センチが最長身で、体格差は明らかだった。
マイボールであっても相手は高さを生かし、前方でボールを奪いに来た。関西学生代表のボール保持の選択肢は徐々に減り、ミスを連発。前半30分には自陣ゴール前でのラインアウトを相手に奪われ、そのままトライに結びつけられるなど大苦戦だった。島根は「前半はラインアウトの精度が悪くて、一気にいかれてしまった」と肩を落とした。
一方で後半に入ると、15分に相手陣奥深くのペナルティーから島根が速攻を仕掛けて反撃のトライ。押し込み続けたスクラムでは、試合終了間際の39分にペナルティートライを奪うなど見せ場を作った。
ラインアウトはハーフタイムで新しいサインを作り、少しずつ修正した。この日まで2度しか練習の機会がなかったが、代表としてのプライドがにじんだ。伊藤は「関東のチームも(体が)大きい。今回のニュージーランドと似ている部分がある。打倒関東につなげていきたい」。小松節夫監督(天理大)も「ラインアウトは見通しが甘かった」としながらも「一致団結して関東(の大学)にぶつかる空気が出てきている」と秋以降のシーズンの「打倒関東勢」に向けて収穫はありそうだ。
会場には5650人が駆けつけ、イベントとしても盛況に終わった。今回のニュージーランド学生代表の関西での滞在費用は、特別協賛の「ムロオ」などスポンサーによる計500万円以上の資金で賄われた。昨年は関西学生代表がニュージーランド遠征を実施。近年、関西もスポンサーなどの力を借りながら、国際交流が盛んになってきた。小松監督は「関西学生代表をみんなが目指すようになってきている。ステータスが上がっている」。関西ラグビーの底上げに向けた取り組みは続いていく。