<バレーボール・ネーションズリーグ(VNL):日本3-2イタリア>◇23日(日本時間24日)◇ファイナルラウンド◇3位決定戦◇ポーランド・グダニスク
男子バレーボールで世界ランキング5位の日本が、1977年のW杯以来、世界大会では46年ぶりとなるメダル獲得の快挙を成し遂げた。3位決定戦で同3位のイタリアを3-2で破り、大会初となる銅メダルを獲得した。石川祐希主将(27)が得点王とベストアタッカーに輝き、ベスト6にも選出。攻守にわたる活躍でチームをけん引した。来年のパリ五輪で、72年ミュンヘン大会以来となる金メダル獲得の大目標を公言した。
歴史の針を進めてもなお、石川祐希の表情は引き締まったままだった。
「まだ3位。目標は頂点。そこを狙えるチームになることが僕たちの求めていること」。昨年の世界バレー覇者を下し、46年ぶりとなる世界大会の表彰台。日本のキャプテンはさらにその先を見つめていた。
所属するイタリア1部リーグでの8季の経験と代表主将3年目の自覚が、心身ともに一回りも二回りも大きくさせた。断トツで得点王(275点)とベストアタッカー(237点)を受賞。ベストアウトサイドヒッターに選出された。サーブ部門では全体3位となり、サーブレシーブ部門でも全体2位と攻守で活躍。守りから攻撃のリズムをつかむ伝統の日本バレーの中枢を担った。
貢献は、技術面だけではない。どんなに苦しい局面でも、どんなに大差をつけられても、味方の得点のたびにほえ、ありのままの感情でチームを鼓舞し続けた。かつてコート上で感情を出すことの少なかった青年は、「今は本当に上から下まで全員が仲良くコミュニケーションをとれる関係。思ったことが言いあえるチームは強い」と力説した。
予選ラウンドのブラジル戦、アルゼンチン戦、中国戦、そして3位決定戦のイタリア戦、全てフルセットの熱戦を取り切れたのは、精神的支柱の存在が大きかった。双璧をなす高橋藍からは「キャプテンの『余裕を持ってギアを上げていくぞ』という声がけで本当にチームの雰囲気が変わった」と感謝された。
21年の東京五輪。準々決勝でブラジルに敗れ、人目をはばからず悔し涙を流した。29年ぶりとなるベスト8入りだったが、慢心はなかった。あれから2年。涙は笑顔に、賞状は銅メダルへと変わったが、来年のパリでのさらなる飛躍の誓いに変わりはない。「世界からマークされるチームになったので、勝つのが厳しくなると思う。それを乗り越えていく力は僕たちにあると思っている」。8月中旬のアジア選手権、9月末のパリ五輪予選と戦いは続く。龍神NIPPONの成長曲線は、想像のその先へ伸びている。【勝部晃多】
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