【沢木敬介】苦しむ日本代表、W杯への鍵は選手の「経験値」と「旬」の見極め SHは?SOは?

2023年8月5日、フィジー戦後に場内1周する姫野(右)ら日本フィフティーン

9月8日開幕のラグビーW杯フランス大会に向かう日本代表が、7月からの国内5連戦を終えた。

サモア戦(7月22日)、フィジー戦(8月5日)で前半に退場者を出すなど苦戦が続き、1勝4敗となった。

15年W杯イングランド大会で代表コーチを務め、南アフリカ戦の歴史的初勝利を経験した沢木敬介氏(48)は、選手の「経験値」と「旬」の見極めを、躍進へのキーポイントに挙げた。

15日にはW杯メンバー33人が発表され、26日(日本時間27日未明)の敵地イタリア戦を経て、9月10日のW杯1次リーグ初戦チリ戦に臨む。

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国内5連戦は難しい戦いだった。サモア戦でリーチ、フィジー戦でラブスカフニが前半から退場。15人を前提に試そうとしたプランを変更せざるを得なくなったが、前向きに考えれば、W杯でも起こり得ることを体験できたといえる。

またフィジー戦の後半29分に自陣からCTB長田が独走した場面など、ボールが動いて相手の脅威となっていたシーンもあった。こういったプランを遂行できれば、W杯で勝つチャンスが増える。

どのチームもW杯は経験を大事にする。調子のいい「旬」と、「経験値」のある選手で、いかにバランスを取るかが重要。15年W杯前は、WTBに福岡堅樹を多く起用していたが、最終的には調子のいい松島、山田章仁の2人が軸になった。選手の「旬」を見逃さない起用が、チームの自信にもつながる。

それも踏まえて、注目ポジションを挙げる。

◆SH(流大×斎藤直人)

現在のチーム状況を踏まえ、私であれば19年W杯経験者の流を先発で起用する。キックを含めたゲームコントロールがうまく、リーダーシップもある。厳しい戦いでも70分ぐらいはプレーできる。今回の5戦中4戦で先発した斎藤も潜在能力があり、途中出場でのかじ取りもできるようになると思う。

◆SO(松田力也×李承信)

首脳陣も悩んでいる部分だと思う。W杯を経験した松田が軸と考えられるが、調子のいい方を先発に選んでいく流れになるだろう。

◆CTB(中村亮土×長田智希×中野将伍)

長田が「旬」といえる。今回の5戦で国際舞台のレベルで通用すると証明した。フィジカルが強く、プレーに一貫性がある。経験値では中村だし、ボールを前に進められる中野も控えている。

◆フランカー(ピーター・ラブスカフニ×福井翔大)

15日のメンバー発表へ、難しい選択になる。フィジー戦で一発退場したラブスカフニは、数試合の出場停止となるだろう。仮にW杯第2戦まで出られないのであれば、大会全体の流れを左右する重要な序盤2試合の選択肢から消える。そこを考慮し、例えば調子のいい福井を入れるかどうか。福井は強さがあり、精神面も世界の舞台で戦うために必要なものを持っている。

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大事になるのはイタリア戦だ。15年W杯直前のジョージア戦もスクラムや、フィジカルにたけた相手に勝ることで自信をつけられた。今の代表も、本番直前にイタリア戦を組んだ意図が、必ずある。

重要なのは期待や重圧を感じて、小さくならないこと。日本のスタイル、そしてプランでやりきれれば、培った自信がW杯本番の後押しになる。(横浜キヤノンイーグルス監督)

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