【楽天週間〈1〉マー君で日本一】東北にフラッグ運んだ中0日の15球

ウィークデー通しの楽天特集。第1弾はもちろん、2013年の日本一です。選手権第7戦の9回、マー君が締めくくった11月4日付の1面。ハイライト原稿を復刻します。ヤンキースから復帰して2年目、歓喜を再び。(所属、年齢などは当時)

プロ野球

どこから切り出すかがハイライト原稿の要諦。書き出しの1枚

どこから切り出すかがハイライト原稿の要諦。書き出しの1枚

マー君が、日本一の胴上げ投手になった。楽天田中将大投手(25)が3―0の9回に登板。前日に160球を投げ完投負けしたが、志願のリリーフ登板だった。2死一、三塁と1発同点を招いたが、最後は代打矢野を空振り三振に仕留め、リーグ優勝、CSファイナルステージ最終戦に続く3度目の胴上げ投手になった。楽天は3―0で巨人を下し、対戦成績4勝3敗として、球団創設9年目で初の日本一に輝いた。最高殊勲選手はシリーズで2勝を挙げた楽天美馬学投手(27)に決まった。

★スプリット

これまでで一番力強いガッツポーズだった。9回2死一、三塁。1発同点のピンチで、田中は信じた1球を投じた。巨人の代打矢野をスプリットで空振り三振。両手を天に突き上げ、ありったけの声でほえた。

子どもの頃、平和台球場で見た情景がプロ野球観戦の原点。大学卒業後は外務省に入り、旧ユーゴスラビアのセルビアやクロアチアの大使館に勤務したが、野球と縁遠い東欧で暮らしたことで、逆に野球熱が再燃。30歳を前に退職し、2006年6月、日刊スポーツ入社。
その夏、斎藤佑樹の早実を担当。いきなり甲子園優勝に立ち会うも、筆力、取材力及ばず優勝原稿を書かせてもらえなかった。それがバネになったわけではないが、2013年楽天日本一の原稿を書けたのは幸せだった。
野球一筋に、横浜、巨人、楽天、ロッテ、西武、アマチュアの担当を歴任。現在は侍ジャパンを担当しており、3月のWBCでは米・マイアミで世界一を見届けた。
好きなプロ野球選手は山本和範(カズ山本)。