
【鴎→燕・成田翔】秋田行き機内で「保坂さん!」からの長編インタビュー/連載〈1〉
雑誌「輝け甲子園の星」などで、長く高校野球の取材を続けてきた〝ヨシネー〟こと保坂淑子記者が、当時の球児たちに会いに行く「ヨシネー‘sメモリー」。第1回は、現役ドラフトでロッテからヤクルトに移籍した秋田商出身の成田翔投手(24)です。高校3年秋にインタビューした時と同じ「Q&A」にも答えてくれました。(秋田商当時、グラウンドでの写真は、すべて撮影/松橋隆樹)
プロ野球
◆成田翔(なりた・かける)1998年(平10)2月3日生まれ、秋田県出身。秋田商から15年ドラフト3位でロッテ入団。昨年12月に初めて開催された現役ドラフトでヤクルトに加入した技巧派左腕。プロ7年間で通算15試合に登板し0勝2敗、防御率5・64。貴重なリリーフ左腕として期待がかかる。左投げ左打ち。170センチ、78キロ。
機内でバッタリ…ドキッ
2022年12月29日―。実家のある秋田でお正月を過ごすため、羽田空港から秋田行きの飛行機に乗り込んだ。通路側の席に座り、静かに離陸を待っていたところ「保坂さん!」と元気な声に顔を上げた。そこに飛び込んできたのはヤクルト成田翔選手の笑顔 ! マスク越しながらも、そのサワヤカさにドキッとした。
15年夏、故郷秋田県の代表校として出場した秋田商。そのエースとして活躍したのが成田選手だった。しかも友人の甥っ子ということもあり、特別な思いで取材をしたのを今でも鮮明に覚えている。
あれから7年半。昨年12月には現役ドラフトでロッテからヤクルトに加入。どんな思いで23年を迎えたのか。飛行機の機内で見た、笑顔の奥の本音を聞きたくなった。
――自主トレお疲れさま! 今年のテーマは?
成田昨年まではシュートとスライダーで、かわす投球がメインだったんですが、今年はそれだけでは通用しない。もう1度真っすぐを見直そうと、自主トレから取り組んでいます。
――高校時代は真っすぐに自信がありましたよね
成田球速がないので、プロでは自信が持てなくて。キレを磨いて打者が速く感じる真っすぐを投げたいと思っています。
――プロに入った時、そこが壁になった?
成田入団してすぐの3月のオープン戦で変化球も全く通用しなくて「これじゃあ無理だ」と。
――甲子園では投げられていたのに?
成田打者の反応が全然違いました。3年目で中継ぎに転向した頃から、ようやく自分の中で「いけるなー」っていう感じが出てきたんです。中継ぎは1イニング勝負。全力で投げようと考え方を変えたところ、自然と腕が振れて打者がクルクル空振りをしてくれるようになった。ようやく自信をもって投げられるようになりました。
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秋田県生まれ。
2017年まで、日刊スポーツ出版社刊「プロ野球ai」デスク、「輝け甲子園の星」の記者を務める。〝ヨシネー〟の愛称で連載を担当した。甲子園取材は春夏通算50回超え。
著書に「監督心」、「主将心」(実業之日本社)「東浜巨 野球日誌が語る22年」(小学館)など。
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