【虎番秘話】思い悩んだ岡田彰布「プロを大切にする」信条とのギャップ/連載〈6〉
阪神担当記者がシーズン中に書き切れなかった話題をつづる「猛虎リポート特別版」。第6回は磯綾乃記者が見た岡田彰布前監督(66)です。指揮官が選手たちに求めたのは「当たり前」で「普通」の野球。試合後の囲み取材で何度もぼやいていた裏で、人知れず苦悩をもらしていました。
プロ野球
◆岡田彰布(おかだ・あきのぶ)1957年(昭32)11月25日生まれ、大阪府出身。北陽から早大に進み3年秋に3冠王。通算打率3割7分9厘と81打点は現在も東京6大学記録。79年ドラフト1位で6球団競合の末、阪神入り。80年に新人王を受賞。85年にはバース、掛布雅之とともに強力打線をけん引し日本一となる。94年オリックスへ移り95年引退。現役通算1639試合、1520安打、247本塁打、836打点、打率2割7分7厘。現役時代は175センチ、77キロ。右投げ右打ち。引退後はオリックスと阪神でコーチや2軍監督を歴任し、04年に阪神監督に就任。05年にはセ・リーグ優勝へと導いた。08年に退任。10~12年オリックス監督。23年には阪神監督に復帰し、日本一を成し遂げた。今年11月から「オーナー付顧問」に就任。
苦言ではなく苦悩
リーグ優勝から日本一へ、みるみる駆け上がっていた昨季とは大きく違った。
今季の試合後の囲み取材では、岡田前監督が険しい表情を浮かべ、激しい苦言を並べることも少なくなかった。
だがそれは、指揮官のほんの一面に過ぎなかった。
自ら車を運転して自宅へ帰り、やっと戦いのよろいを脱ぐ。
家で待つ陽子夫人と顔を合わせ、ほっと一息つくと、自然と心の内がもれ出した。
「何でできないんやろな…」
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1991年(平3)埼玉県春日部市生まれ。早大から14年入社。
整理部を経てアマチュア野球担当、阪神担当からサッカー担当に。
大学時代はインドの国民的スポーツ「カバディ」に夢中になり、全日本カバディ選手権で4強入り(出場6チーム)。