【還暦野球】少年野球と真剣勝負!親子3代がセンターラインに並んだシアワセ/特別編
野球人口と未来を考えるとき、まずはピラミッドの土台をなす少年野球が思い浮かびます。同じように、シニア層にも「還暦野球」という広大な裾野が広がっていることをご存じですか。神奈川・藤沢を拠点に活動する「湘南ドリームズ」の群像をルポすると、セカンドキャリアの友に収まらない野球の奥深さが透けてきます。メンバーの1人がかなえた夢をルポする特別編。
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◆湘南ドリームズ 1998年(平10)設立。神奈川県還暦軟式野球連盟に所属。「ドリームズ」は、同年に「かながわ・ゆめ国体」の愛称で行われた神奈川国体にちなんだ。07年全国大会8強。還暦、古希、グランド古希の各カテゴリーに50選手が所属している。還暦部門は今季、3部を全勝優勝。来季は2部に昇格する。練習見学、体験は大歓迎。詳細はHP(https://shonandreams.1web.jp/)まで。
暑さに任せて背もたれに張り付いて、大量の業務連絡メールを処理していた9月某日。紛れていた1通が止まり木となって、背筋がピンと伸びた。
「スポーツの日に、やれそうなんです。ぜひ来てください」
差出人は、還暦野球「湘南ドリームズ」の村田義郎さん。1年ぶりに連絡をもらった。
藤沢市を拠点に白球を追うドリームズ。縁あって昨年、半年ほど密着し群像を描き、忘年会まで参加させてもらった。
藤沢の粋人が集う酒場「翻車魚丸」の座敷で、ムードメーカーの村田さんが夢を語ったことがある。
「野球を通して恩返しがしたいんです。野球振興と、地域振興。で、考えたんだけど、小学生のチームと真剣勝負をするのはどうかと」
還暦野球は、小学校の高学年と同じ規定で行われる。ここに目を付けた。
メールに詳細は省かれていたが「やれそう」の内容は明らか。始発の丸ノ内線に乗って、新宿で小田急線の急行に乗り換え、湘南台駅に向かった。
朝6時半のロータリーはがらんとしていた。バス停から遠いって書いてあったな…ぽつんと待っていたタクシーに乗った。「女坂球場まで、お願いします」。
今年の夏は長すぎた。10月13日にして初めて、白い長袖のボタンダウンを着た。初老の運転手には、祝日の朝一番に現れた襟付きシャツが場違いに映ったようだ。ドアが閉まるや、穏やかに話しかけられた。
「女坂球場で、何かあるんですか。そんなキチンとした格好で」
「取材です。湘南ドリームズっていう還暦野球チームと少年野球が、試合をするんです」
1年ぶりの還暦野球は…やっぱり最高でした。終わりなき青春、湘南のフィールド・オブ・ドリームズ。無料会員登録でお楽しみください。
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1999年入社。整理部―2004年の秋から野球部。担当歴は横浜(現DeNA)―巨人―楽天―巨人。
遊軍―デスク―デジタル戦略室―コンテンツ本部―野球部部長。
好きな取材対象は投手、職人、年の離れた人生の先輩。好きな題材は野球を通した人間関係、カテゴリーはコラム。
趣味は朝サウナ、子どもと遊ぶこと、PUNPEEを聴くこと。
