【プロテスト合格への道〈2〉】笹原優美が考える「プロ」とは何か

「私は、プロテストを基準にゴルフをやってるわけじゃないので」。今秋、12度目のプロテスト受験に挑戦する笹原優美は、朗らかに明言する。その口調に迷いはない。ゴルフと生きていく信念とプライドを感じさせる。笹原にとって、ツアーで活躍することが、ゴルフに取り組む唯一の目的ではない。

事実、現時点でもゴルフのプロフェッショナルだ。プロテスト合格への道は、1本の道とは限らない。

ゴルフ

◆笹原優美(ささはら・ゆみ)1992年8月4日生まれ、東京都出身。11歳でゴルフをはじめ、法政高卒業後、2014年から18年にかけてJLPGAツアーに64試合出場。16年は年間29試合に出場した。身長162センチ体重60キロ。

笹原優美の仕事とは

「もちろん合格するっていうのが一番の目標設定にはしてるんですけど、そこの合否によって自分のゴルフの良しあしが決まるものではないっていう考え方ですね」

明るい。

苦節11年。といった雰囲気はみじんも見せない。

多くの選手は、狭きプロテスト合格への道のりから、テストそのものに萎縮してしまう傾向もあるという。

「落ちたらどうしよう」「今年こそ合格しなくちゃいけない」

そんな思いは、負のスパイラルの第一歩で、ひとたび沼に踏み込んだら簡単には脱出できない。

イベントでトークする笹原(本人提供)

イベントでトークする笹原(本人提供)

イベントでスイングを披露する笹原(本人提供)

イベントでスイングを披露する笹原(本人提供)

一方で笹原は、ポジティブな思考回路を持ち、今の自分を肯定する。

「私の仕事は、ゴルフをすることなので。プロゴルファーとして、アマチュアゴルファーの方だったり、私のことを見たり応援してくださる方を幸せにすることが私の仕事だと思っているので、これを今、仕事にしているのには変わりない」

イベントでファンと記念撮影する笹原(前列左から3人目。本人提供)

イベントでファンと記念撮影する笹原(前列左から3人目。本人提供)

プロのゴルフアスリートだ。

トーナメントで獲得賞金1億円! もちろんそうした活躍も素晴らしい。もちろん笹原も、その場に立つために鍛錬を継続している。

ただ、ゴルフを通じて、顧客に「笹原優美」を需要してもらっているのも事実だ。

バズったYouTube

YouTubeで笹原優美を検索すると、多くの動画が並んでいる。

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