【同志社ラグビーよ這い上がれ!〈2〉】昨季全敗からの復活へ~京産大戦をリポート

同志社大学ラグビー部にとって、復活を目指すシーズンが始まる。昨季の関西大学Aリーグ(1部)で7戦全敗。屈辱にまみれた名門は、強さを取り戻すことができるのか-。京都ラグビー祭(5月26日、たけびしスタジアム)の京産大戦をリポートする。(敬称略)

ラグビー

〈京都ラグビー祭 関西大学春季トーナメント2回戦〉京産大43-7同志社大

見えない力が生まれる
関西のライバル対決~

京都は初夏の日差しに包まれた。

青い空、緑の芝生。そのコントラストが美しい。

伝統の「紺グレ」のジャージーで京産大戦に臨んだ同志社大(左)。京都ラグビー祭は両校ともファーストジャージでの対決になった(撮影・宮崎幸一)

伝統の「紺グレ」のジャージーで京産大戦に臨んだ同志社大(左)。京都ラグビー祭は両校ともファーストジャージでの対決になった(撮影・宮崎幸一)

両チームとも、伝統のファーストジャージーでグラウンドへ飛び出してきた。

関西の注目カード。今年に限っていうなら昨季リーグ最下位の同志社大と、関西王者の戦い。

どれほどの点差がつくだろう-。大差がつくことを予想したファンは少なくなかったはずだ。

ただ“ライバル対決”というものは、見えない力が生まれることがある。

2020年の勝利を最後に同大が敗れてはいるが、3年前のリーグ戦は3点差、2年前も最後までもつれた接戦で5点差。

昨秋も28-43の15点差。

全く歯が立たないという試合ではなかった。

【同大の最近5年の京産大戦(リーグ戦)】


2019同大19●27京産大
2020同大49○19京産大
2021同大19●22京産大
2022同大26●31京産大
2023同大28●43京産大

そしてこの試合もまた、前半のスコアを見れば0-12。

おそらくハーフタイムのロッカールームは、同大からすれば多少の手応えを感じ、京産大はフラストレーションがあっただろう。

ただ、スコアには見えなくても決定的な「差」があった。

それは選手たちが、肌で感じていたものだった。

その差を、秋までに埋めることはできるのか-。

復活への道筋を検証する。

京産は春9戦全勝
1年の抜擢を示唆

京産大は5人が代表合宿で不在だった。

日本代表トレーニングスコッドの菅平合宿にSH土永旭(光泉カトリック)。U20日本代表候補のニュージーランド遠征にプロップ八田優太(城東)、ロックの石橋チューカ(報徳学園)、SH村田大和(報徳学園)と高木城治(東福岡)が招集され、同大戦は出場しなかった。

特に最激戦区のSHは3人が不在で4年の西村建哉(京都成章)が先発した。

前半4分にモールを10メートル近く押し込んで早々と先制するも、ミスが多く前半は2トライだけ。後半も取り切れない展開が続き、20分すぎからの4連続トライで一気に突き放した。

就任4季目となる広瀬佳司監督は「5人がいないことを差し引いても、もうちょっといいラグビーがしたかった」と苦笑いを浮かべつつ「セットプレーがチグハグなところもありましたけど、こういうゲームもある。秋の開幕戦で(同大と)当たるので、こういう試合から何を学ぶかが大事」と前向きに捉えた。

そして、秋までに主力に定着しそうな下級生がいることも明言。

共同主将のFB辻野隼大は「同志社は特別な相手。絶対に気を抜いてはいけないという思いで臨んだ」と強調しつつ、次のように試合を振り返った。

本文残り74% (3760文字/5112文字)

スポーツ

益子浩一Koichi Mashiko

Ibaraki

茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。