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遼クンに恵みの雨?「相当楽しみ」
- 地元で有名なイラストレーターの描いた似顔絵に笑顔をみせる石川遼(右)
【シドニー(オーストラリア)4日=大石健司】遼くんのプロデビュー戦に天も味方した。石川遼(16=パナソニック)が今日5日、夢のメジャー切符をかけて全英オープン豪州予選(ザ・レークスGC)に出場する。公式練習日のこの日は豪雨で、ほとんどの選手がラウンドできなかった。だが、1月29日に現地入りした石川は既に計6ラウンドを消化。この日以外にプレー機会がなかった大多数のライバルに絶対有利な状況で、上位4人に与えられる全英切符に挑戦する。
練習予定を2時間以上も遅らせた。それでも雨脚は衰えなかった。豪雨の中を約10人の選手が強引にスタートした。しかし、石川は満を持して最後のラウンドを回避した。約30分間でショットの確認を済ませると「多分、全選手の中で一番焦っていないのが僕でしょう。やるべきことは今までやってきた。明日は相当楽しみ」と笑った。
決戦前日の豪雨は、石川には「恵みの雨」でもあった。ザ・レークスGCは通常は会員の同伴がなければプレーできないため、石川以外の選手にとって同コースでのラウンド機会は前日の公式練習だけだった。しかし、石川は1週間前から会員に同伴の協力を依頼して、通算6ラウンドもプレーした。コースの特徴も完ぺきに掌握していた。「僕はこういう雨も経験している。他の選手ができなかった分だけ有利になる」。
同コースはロングが5つもある。池も多い。練習ラウンドでは豪雨の中で36ホールで18オーバーという経験もした。しかし、前日3日のラウンドでは本来の攻撃的なゴルフで1アンダーにまとめて手応えをつかんだ。「練習の時は自分が一番下手クソでも、試合の時は一番うまいんだと思って、臨むつもりです」。精神的にも最高の状態で本番を迎える。
16歳のプロデビューは日本国内だけでなく、現地でも注目されている。4日には地元テレビ局も取材に訪れた。しかし、夢舞台の入り口を前に、本人は少しも重圧を感じていない。「不安はないです。ワクワクします。明日は36ホールでバーディーを10個取りたい。(優勝した)マンシングの時も、そう思っていて12個取れたから」。石川は誰よりも自分自身に期待していた。
[2008年2月5日9時16分 紙面から]
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