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ジャイアンツ世紀の番狂わせ/NFL

<NFL:ジャイアンツ17-14ペイトリオッツ>◇3日(日本時間4日)◇スーパーボウル◇米アリゾナ州グレンデール

 ジャイアンツが世紀の番狂わせで、17年ぶり3度目の優勝を飾った。史上2チーム目の全勝優勝を狙ったペイトリオッツを17―14で破った。4点を追う第4Q終了間際の攻撃で、QBイーライ・マニング(27)が粘り強いパスプレーを披露。最後はWRバレスへTDパスを通し、名QBモンタナをほうふつとさせる逆転劇を演じた。最優秀選手にも選ばれ、昨季の兄ペイトン(31=コルツ)に続いてNFLの頂点に立った。

 大波乱の主役は、なかなか笑みを浮かべようとしなかった。チームメートに肩を抱かれても、マニングは放心状態から抜け出せない。「去年、兄貴が立った舞台をテレビで見た。そこに僕たちがいるなんて」。ペイトリオッツの全勝優勝を打ち砕く大立ち回り。2TDパスでMVPまで獲得したのだから、実感がないのも無理はなかった。

 粘りと執念で、歴史的な番狂わせを手繰り寄せた。残り2分39秒で4点差。逆転にはTDを奪うしかない攻撃シリーズで、マニングは一世一代の大技を決めた。残り1分あまりの第3ダウン。2人の守備選手にジャージーをつかまれながら、密集を抜けてWRタイリーへ32ヤードパスを送った。2分足らずで83ヤードを進み、最後はバレスへ逆転TDパス。モンタナ(49ers)の「ザ・ドライブ」を再現するような展開に、コフリン監督は「スーパーな活躍。すごくクールで落ち着いていた」と目尻を下げた。

 コルツの兄ペイトンが昨季、初めてスーパーボウルを制した。その瞬間、あこがれの存在はライバルに変わった。試合前には「外に出ず試合に集中しろ」と忠告されたが、「仲間たちと街に出るよ」と自分を貫いた。父アーチー氏は元セインツの名QB。アメフト一家で「最も出来が悪い」と言われ、チームの放出候補だった末っ子は、無冠の父を超え、優等生の兄にまで並んだ。

 圧倒的優勢が伝えられた無敵のペ軍に対し、チームの下馬評は「2TDの大差負け」だった。しかし、12月の直接対決で3点差と善戦し、大一番での逆転に自信を見せていた。ジャイアンツが全勝優勝を阻止したのは、これで史上2回目。旧NFL時代の34年には、13戦全勝のベアーズを優勝決定戦で下していた。「これ以上の物語はだれも書けないだろうね」。マニングの言葉とは裏腹に、チームは逆境をはね返す運命にあるのかもしれない。



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