スポーツ法政 ’02 4月号

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野球:河野新たなる挑戦 リーグ戦展望 二大エース土居・奈須 松本勉首位打者へ 後藤主将に聞く 期待のニューフェイス ラグビー:必勝!主将・麻田 コラム アメフト:上昇!QB桑野 コラム スケート:本田武史 アイスホッケー スピードスケート バスケ: 目標は一部優勝 マネに注目! 陸上:世界の内藤へ 応援団:絆と信念をもとに バレー:優勝へ向けて フェンシング:七連覇へ サッカー:主将・山本新太郎 GK・為田 OBインタビュー:法大OB・水沼貴史W杯を語る

東京六大学野球'02 新たなる挑戦 河野
捕手へ再コンバート

 2002年東京六大学野球春季リーグが4月13日に開幕する。法大がリーグ戦優勝を目指す上でキーマンになるのは河野友軌(営4)。昨年、外野手として活躍をした彼が、今年は捕手としてチームを支えることになった。チームのことを第一に考える河野の活躍が法大には不可欠だ!!

チームのため


 昨シーズンは外野手として頭角を現した。春は全試合1番打者を務め、打率・362という好成績を残した。秋にはクリーンアップを任されるなど、チームの主力選手に成長した。
 そんな河野が、大学最後の年にとてつもなく大きな挑戦を始めている。捕手として入学した彼は、外野手に転向して実績を残した。しかし、チーム事情により、捕手への再転向を山中監督から言い渡されたのである。ようやく外野手に慣れてきたと思った矢先のこの出来事だった。普通なら戸惑いを隠せないはずだ。だが、当の本人は「自分が捕手をすることがチームにとってプラスになるのであれば、それに従う」と、全く驚きはなかったという。 河野は中学・高校の頃から、チーム事情によって様々なポジションをこなしていた。したがって、「チームで必要とされる状況によって動く」というプレースタイルを確立してきた彼にとっては何でもないことであったのだ。

捕手の難しさ


 とはいえ、2年間遠ざかっていた捕手の感覚を取り戻すのは容易ではない。捕手は、キャッチング、スローイングといった基本動作が他のポジションとは根本的に異なる。また、「捕手はフィールド上の監督」ともいわれる。相手打者の特徴、状況に応じた相手チームの作戦などを瞬時に読み取って配球を考え、投手をリードしていかなければならない。河野は「全ての面においてまだまだ」というように、試行錯誤を繰り返しているようだ。山中監督も「オープン戦などで、どんどん実戦経験を積んでもらうしかしかない」と、リーグ戦開幕まで長い目で見守っていく構えだ。

常に前向き

 しかし、河野の表情に悲壮感は見られない。「1日1日を大切に、必死に練習している」と、強い気持ちを持って日々の練習に取り組んでいる。同じ捕手であるチームメイトにもアドバイスを求めるなど、あらゆるところから吸収しようとしている。
 また、河野は2月から、プロ野球・日本ハムのキャンプに参加した。当初は外野手で選ばれたが、山中監督の要望で、捕手として参加することになった。そして、2月下旬から行われた「台湾・日本交流野球大会」の代表メンバーにも選出され、国際舞台を経験した。こうしたことも本人にとって大きなプラスになっているはずだ。
   河野が1つ1つの課題をクリアし、捕手というポジションを会得した時、法大が春季リーグ制覇に大きく近づくことになるのは間違いない。
(斉藤 修一)

友軌の野球人生

 小3の時、狭山台キングスに入団、本格的に野球を始める。小6までは捕手としてプレー。狭山台中では1、2年次は外野手。3年の時は投手を務めた。狭山清陵高に進学後、1年次は外野手、2年次は三塁手、3年次は投手と捕手を兼任。また、高二の秋にサイクル安打を達成し、強打者として注目を集めた。その後、捕手として法大へ。しかし2年の時、外野手へ転向。故障で1年間を棒に振ったものの、3年春に1番打者として神宮デビュー。秋には中軸を任された。そして今年−捕手へ再転向。様々なポジションをこなしてきた河野が、打撃力はもちろん、俊足も活かせる捕手として、法大の本塁を死守する。

◎河野友軌(こうの・ゆうき)― 1980年(昭和55年)11月1日、埼玉県狭山市生まれ。175cm、79kg。A型。右投左打。 好きな野球選手―フランクトーマス(ホワイトソックス) 目標とする選手―チームの期待にこたえられる選手。 趣味―バック転。 リーグ通算成績―打率.316 本塁打2本 打点11 盗塁10。2001年春ベストナイン。背番号28。



秋季の雪辱を胸に・・ V奪回だ!

 春季リーグ戦開幕まであとわずか。今年は例年になく各大学の戦力が均衡する中、今年就任9年目の山中監督が率いる我が法大はどう戦うのか?その戦力を探ってみた。

復調の投手陣

 今年の投手陣の中で中心となるのは、土居龍太郎(営4)、奈須耕一(法4)である。昨年、両選手とも春は縦横無尽の活躍で、通算40度目の優勝に大きく貢献した。しかし、秋は怪我に泣き、奈須はシーズン前半を、土居はシーズン全てを棒に振ってしまうことになった。怪我から復帰した両エースにかけられる期待は大きい。そして、二人はその期待に見事にこたえてくれるに違いない。さらに投手陣には、昨秋先発した亀川裕之(文4)や、加藤銘(法3)、岩浅達也(文2)、加藤光教(環2)といった厳しい練習をつんで、成長著しい選手たちが揃い、確実に層は厚くなってきている。これらの選手にも出場の機会は十分にある。

奮起の打撃陣


 しかし試合では投手力だけでなく、打撃力も同じくらい重要だ。今期の打撃陣の中心となるのは、主軸である4番・三塁手の後藤武敏(文4)だ。昨年こそ成績不振に苦しんだものの、最年少三冠王の実力は健在である。大阪近鉄のキャンプに参加し、中村紀洋選手に手ほどきを受けた打撃はチームを勝利に導くものとなる。さらに、今年から捕手となった3番・河野友軌(営4)や、2番で遊撃手が有力な澤村幸明(営4)といったチャンスに強い打者がいる。また、1番打者は、昨秋1番を務めた普久原淳一(法2)や、佐藤崇典(文3)が有力である。そのほかにも、金井淳一郎(法4)、長崎清一(営4)、人見剛(営4)、伊藤義之(営4)、門間勇介(法4)、佐々木勇喜(法3)、田中彰(文2)など、実力のある打者がたくさんおり、打撃陣の厚みを感じさせる。この打線の中で山中監督が重要視しているのが5番打者である。有力なのが松本勉(営3)だが、いまだ確定してはおらず、監督の頭を悩ますことになるだろう。

力を結集して


 今年の法大のスローガンは「朋心」。力を合わせ、みんなでひとつの物事に当たるという意味だ。監督は「チームが一つにまとまって、やるべき事をしっかりやり、各試合に応じた戦い方をすることが勝ちに繋がっていく。特に接戦をものにできる力を身につける事が大事」と語る。今、チームは後藤主将のもと、一つにまとまりつつある。選手全員が、監督が言うようにやるべき事をしっかりやればおのずと優勝できる。法大の展望は明るい。
(山本 啓介)




法大の誇る二大エース 土居・奈須
勝ちにこだわる!!

 法大投手陣を支える二人のエース、それが土居龍太郎(営4)と奈須耕一(法4)である。昨秋は共に故障で戦線離脱したが、今はその故障も癒え、春季リーグ戦開幕に向けて上り調子だ。法大が今春再びリーグ戦を制覇できるかは、この二人にかかっている。

土居 龍太郎 手術からの復帰


   「自分がいなかったから優勝できなかった・・」。
 2位に終わった昨年の秋季リーグを振り返り、法大のエース土居は悔しさをかみし め静かに語った。しかしその言葉の裏には確かな自信が秘められている。
 01年8月、投手の生命線ともいえるヒジにメスを入れた。手術自体に不安はな かったとは言うものの、入院生活で筋力が落ちた。翌月、春季リーグ戦が開幕した が、そこに土居の姿はなかった。エースの抜けたチームで仲間が必死に戦っている 間、土居は今季開幕に照準を合わせ、ひとり懸命にリハビリとトレーニングに明け暮 れていた。12月にやっとボールに触れ、チームに合流して練習を再開したのは今年 に入ってからだ。
 そして今、土居の調子は戻りつつある。オープン戦では先発するなど、順調な仕上 がりのようだ。また、持ち前の140キロ超のストレートとスライダーに加え、以前 からの課題であった新しい球種も身につけた。これを早く試したい気持でいっぱい だ。
 4年の彼にとって今年は色々な意味で最も重要な1年となるだろう。「1試合1試 合の対戦を大事にしたい」と抱負を語った土居。今季の復帰にかけるエースの意気込 みは計り知れない。

最上級生として


 今季、副主将兼バッテリー責任者に選ばれた。部員をまとめ、バッテリー陣で話し 合う場を持ち、チーム力の向上を目標としてきた。後輩を育てるという意識も強く芽 生えた。
 昨秋には、エースに代わって神宮のマウンドに立った奈須、松本祥(法3)らにア ドバイスを送った。故障中の経験から、法大がチームとして勝つことの意義を学ん だ。そしてそのための自分の役割を見いだした。
 「野球人としてだけでなく、一人の人間として尊敬される選手になりたい」(土 居)。彼の真面目さ、野球に対する熱意がきっと後輩や観衆に伝わっていくことだろ う。

4・20開幕へ

 「今年はフルで投げて、日本一になる!」、「自分が投げていない時も勝ちたい、 勝って終わりたい」という土居の言葉からは並々ならぬ勝利への決意が伝わってく る。
 長い冬はチームを外から客観的に見つめ、弱い部分を研究する時間を彼に与えた。 マウンドに立てず悔しい思いをした時間は決して無駄にはならなかったはずだ。むし ろ、土居を一回り成長させたのではないだろうか。
 痛みの消えた彼の右腕がどんな球を魅せてくれるのか。目前に迫った開幕の日が待 ち遠しい。
(マ田 愛)

★土居 龍太郎(どい・りょうたろう)1981年1月11日生まれ。右打右投。1 82a78`。高知高出身。(通算成績)15勝6敗、防御率1・50。

奈須耕一 今季こそは


 長身から投げおろす速球が武器。法大投手陣を支える奈須にとって、学生最後の1年が始まろうとしている。最上級生になり、当然責任感も強くなった。卒業後にプロという最高の舞台に立つために、そして何より法大のリーグ優勝のためにも、より一層の活躍が必要だ。
 法大が昨年の春季リーグ戦を制したのは、奈須なしには語れない。打線が得点力不足に苦しむ中、土居と共に奮起し、チームを優勝へ導いた。春秋連覇を狙う法大にとって、奈須がなくてはならない存在だったのは言うまでもない。
 しかし秋季リーグ戦が開幕したとき、神宮に奈須の姿はなかった。リーグ戦前に腰痛に見舞われたためである。戦列に復帰したのは後半戦にさしかかった早大戦。自分が投げていれば・・・という悔しさが残るシーズンだっただろう。だからこそ今季にかける意気込みも強いはずだ。「優勝するためには、時分が投げるときに必ず勝つことが前提。ただ勝つだけでなく、結果を意識していきたい」と力強く語った。

優勝目指して


 奈須の言う『結果』とは何か。
 法大のエースとして優勝を目指すのは当然のこと。それに加えて奈須が個人として狙うのは最優秀防御率。2年秋、3年春と二度防御率2位を経験しているだけに、特にこのタイトルにはこだわりたいところである。
 リーグ戦制覇には、もちろん高い打撃力が必要不可欠。投打がかみ合ってこそ栄冠を手にすることができるのだ。だが、いつも打線の援護があるとは限らない。
 エースとは、打線がふるわないときでも勝利をもたらすことのできる存在。その奈須がエースとして十分な役割を果たしたとき、きっと我々は法大ナインが神宮で歓喜する姿を目にすることだろう。
(望月 春香)

★奈須 耕一(なす・こういち)1980年7月2日生まれ。右打右投。1 85a96`。高鍋高出身。(通算成績)6勝2敗、防御率1・58。




フル出場!V!!首位打者!!! 松本勉内野手

 「期待に応えられなかった事が悔しかった」。そう振り返ったのは松本勉内野手(営3)。高校では数々の実績を残してきた男が今季、ケガからの再起に懸ける。
 横浜高時代、レギュラー唯一の2年生として、甲子園での春夏連覇に大きく貢献。3年時には主将を務めるなど、チームの柱となり活躍した。大学入学後も有望株として期待をされていた。  ところがその後右肩を痛め、一年半近くボールを投げられない日々が続く。その痛みは今でもまだ少し残っているという。
それでも昨年の秋季リーグ戦(対早大)ではスタメン出場を果たし、初安打を放つ。しかし、本調子にはまだ程遠いものであった。
 そして迎えた今季、同じ二塁手の染矢(文4)の故障もあり、ようやくチャンスが巡ってきた。だが選手層の厚い法大だけに油断はしていられない。本人も「どんどんアピールして、自分をもっと売り込んでいきたい。今は一日一日を大事にしている」。そう話す言葉の陰には気合いとこれまでの思いが入り混じっていた。もともと定評のある守備に加え、課題としていた打撃面でも積極的に打っていく構えだ。
今季は松本のプレー全てに注目していきたい。目標はまず「全試合出場」。そして、中学・高校で経験した日本一を今度は大学でも。目標を明確に見据えた新生松本が、今新たなスタートを切り始めた。
(一宮 大輔)




チームあっての自分 後藤主将に聞く

 今年、法大の主将を務めるのは後藤武敏内野手。2年春季に戦後10人目、史上最速の三冠王を達成し、注目を集めた。しかし、昨季は本塁打を追求するあまりに本来の打撃のフォームを崩してしまい、満足のいく成績を残すことができなかった。そして心機一転を図る今年、主将としてもチームを引っ張っていくことになったのである。
 後藤は、「自分が主将になるとは思っていなかった」という。従って、彼は自分の性格を変えることから始めた。もともと言葉で引っ張るタイプではなかったのである。しかし、「チームあっての自分」(後藤)という考え方をもとに、時には選手に厳しい言葉をかけたりもしてきた。最近では人前で話すことにも慣れてきたようで、山中監督も「チームはまとまってきている」と後藤を評価する。  もちろん、自分の技術を磨くことも忘れていない。「本塁打のこだわりは捨てていない」いう後藤は冬にウエートトレーニングを行い、体が一回り大きくなった。またプロ野球・近鉄のキャンプに参加し、中村紀洋選手からも指導を受けた。2月下旬に行われた台湾・日本交流野球大会では2本の本塁打を放ち、自信をつけた。
後藤は「どんな時でも気持ちに左右されずにチームを引っ張り、1戦1戦勝つことだけを考えてやっていきたい」とリーグ戦への意気込みを力強く語った。
 後藤を中心に、法大野球部は「大学日本一」に向けて突き進む!

プロフィール・・・・後藤武敏(ごとう・たけとし)1980年6月5日、静岡・浜松市生まれ、176cm88kg、愛称・ごっちゃん。小学3年生から野球を始める。その後横浜高校に進学し、3年時には松坂大輔(現西武)らとともに、甲子園春夏連覇をなしとげた。法大では、2年春に史上最速の3冠王を達成。秋には2季連続首位打者にも輝いた。(リーグ戦通算成績)打率.350、本塁打6本、打点44



獲れたて!期待のニューフェイス'02

 投手陣の中で注目したいのは明豊高校出身の嶋田。昨夏の甲子園で左のエースとして初出場のチームをベスト8に導く原動力となった。強気で負けず嫌いな性格と直球で押す投球が魅力の選手である。経験を積み一日も早く法大の左のエースに成長してもらいたい。
 次に注目したいのは、百合丘高校出身の猪子である。私立高校の台頭が目立つ神奈川県で昨年、県立高校としては25年ぶりに春の関東大会にチームを導いた。「春のリーグ戦から投げたい」と本人は意気込み十分である。既にオープン戦に登板し好投を見せており、早くも神宮デビューの可能性もでてきた。
 その他にも、春の選抜に出場した福山(高知高)、夏の甲子園出場の藤本(玉野光南高)、法大には珍しい右下手投げの下敷領(上宮高)とタレント性豊かな人材が揃った。
 一方、野手陣の中で目を引くのが横浜高校出身の松浦である。バッティングが持ち味の選手で「神宮で本塁打を打つのが夢」と語る将来の四番候補である。目標とする選手は、横浜高校の先輩にあたる後藤主将。彼にも後藤同様に三冠王を目指し頑張ってもらいたい。
 その他にも高校時代主将で四番として活躍した今村(西日本短大付属高)、春の選抜に出場した西村(鳥栖高)、同大会の優勝メンバーだった熊野(常総学院)、先頭打者として高校時代活躍した村上(桐蔭学園)。野手も投手同様に楽しみな存在が多い。
 彼らの神宮デビューを待ちきれないという人は、春と秋のリーグ戦終了後に行われる新人戦に足を運んでみて欲しい。ここで挙げた選手以外にも高い実力を持った選手がいるので自分だけの注目選手をみつけるのもおもしろいだろう。新人選手達のこれからの成長と飛躍を期待したい。
(亀田 孝明)




打倒!関東学院大!!必勝主将・麻田
実りの秋に向けラグビー部始動!

 ここ1年国立の舞台には立つものの、優勝を逃している法大ラグビー部。昨季までヘッドコーチを務めた山本寛氏を監督に迎え、新たな1年が始まった。SH麻田主将を中心に悲願の大学日本一を目指す

挑戦

 正月の国立の舞台からはや三ヶ月。関東学院大に敗れた法大はSH麻田主将(社4)、LO磯岡和副将(経4)の新体制のもと新たなシーズンを迎えた。
 前主将・浅野(現NEC)は関東学院大戦直後に「BKは負けていない。FWが、頑張れば絶対に勝てる」とコメントを残した。その言葉どおり昨季、二度敗れた関東学院大にはPR山村、HO山本、LO斎藤といった日本代表に選出されるFWが揃っており、ここぞというところで彼らの個人能カにやられて声た。法大もPR,HOの控え選手を多めにベンチに入れ、度れが出た選手を代えるなど工夫はしてきたが、最後には「FWでやられた」(武村前監督)。法大は今季も彼らと対戦しなくてはならない。

期待

 しかし今季、法大FWも昨年からのメンバーが多く残る。LO磯岡和副将や法大・魂のタックルを受け継ぐFL神山(法4)など4年生を中心に、関東学院大にも負けないFWを作り上げてくれるに違いない。また磯岡和とLOでコンビを組むであろう佐藤平(経3)は今春、日本A代表(日本代表の次のレベル)に選出された。そこでの経験は法大に大きなプラスアルファをもたらすだろう。
 メンバーが大きく入れ替わるのは、法大自慢のBK陣である。昨季のレギュラーから5人の4年生が抜けることを麻田に尋ねると「心配はしていない」と意に介さなかった。実際、3月24日の全法大対全中大の試合では、麻田と高校時代からコンビを組むSO坂本(社4)や昨季にブレイクした大型FB遠藤(経4)が生きのいいプレーを見せた。万能プレーヤー小吹(経3)も才能あふれるプレーで2トライをあげ法大ファンを安心させた。BK陣を生かす麻田の球捌きも相変わらず冴えわたっていた。
 麻田は「関東学院大には勝ちたいが他の試合も気台が抜けない」と言い、気を引き締めた。しかし関東学院大に勝てるチームを作ればおのずと結果はついてくるだろう。関東学院大に最後に勝ったのが三年前のリーグ戦。その時、一年生で唯一グラウンドに立っていた男・麻田が法大ラクビー部を大学日本一へと導く。
(庄司 岳史)

◎麻田一平(あさだ・いっぺい)―166a66`。大阪工大高出身。社会学部4年。ポジション…SH(スクラムハーフ)。'99高校日本代表に選出される。'01年には日本代表に選出。今季の選出はなかったが、未来の日本代表としてラグビーファンの期待も大きい。 今季の目標―全勝して大学日本一 読者へ一言―頑張ります。




ラグビーコラム 栄冠目指して
華麗に激しく 法大ラグビー

 大学ラグビーでは毎年選手が大きく入れ替わる。その結果、好成績を収めても次の年は下位に低迷することが珍しくない。しかし、戦力が変わっても各大学には伝統的なスタイルが根付いてきた。有名なところでは明大のFWを前面に押し出す「前へ」や早大の展開ラグビーがある。そして法大にも伝統的なスタイルが根付いている。
 そのスタイルとは華麗なBK攻撃身上とした「ランニングラグビー」だ。深いラインを敷き、そこから相手のDFラインを切り裂き最後はWTBがトライを取る。BKばかりが目立つかもしれないが、このスタイルはFWの堅実なプレーがなくては成り立たない。FWがひたむきに確保したボールをBKがダイナミックに展開する。
 そしてもう一つ特筆すべきものはタックルだ。法大のタックルは攻撃的であり、タックルから相手ボールを奪いそのままトライまでいくシーンをたびたび見ることができる。そのすさまじさは、常に相手に脅威を与えてきた。タックルといえば一昨年度の大学選手権・慶大戦が思い出される。FW,BKすべての選手が80分間、強烈なタックルを繰り返し優勝候補の慶大から勝利をもぎ取った。あのタックルに心を打たれた人は多かったはずだ。 この二つを軸にする法大ラグビーは観ていて本当におもしろい。麻田主将が今季のチームをどこまで洗練させてくるか、秋のシーズンが待ち遠しい。

(庄司 岳史)




アメフト部 打倒!関西学院大!!上昇QB・桑野
雪辱を胸に絶対的存在へ

 昨年、関西学院大に敗れ、甲子園ボウル連覇を逃した法大トマホークス。王座奪回に燃える今年はQB桑野智行(営4)の下、法大伝統のオプションと新たに導入するショットガンで生まれ変わった新生トマホークスが日本一を狙う。

米国の経験

昨年3年生ながらQBのスターターを獲得したのが桑野だ。ランとパスを使い分けるバランスアタックを掲げたトマホークス。桑野はオプションで最大の武器の足を使ったキーププレーで幾度となく相手守備陣を突破し、数多くのTDを演出し、チームを甲子園ボウルに導いた。一方で、パスは「投げるのは好き」だと言うが、失敗が失敗を呼ぶ悪循環で泥沼にはまり、満足のいく結果を出せなかった。
 今年2月ハワイで全米大学のスター選手を集めて行われたフラボウルに桑野を含む5人の日本人選手が初めて招待された。試合に出場する機会はなかったが、本場の選手たちと一緒に練習をして、「フットボールを楽しめた」と言う。さらに「決して異次元の世界ではない。到底及ばないが雲の上の存在ではない。」と確かな手応えを感じたようだ。

絶対的自信

 「昨年は遠慮していた」という桑野も「一番上になって吹っ切れた。今年は自分のやり方でできる。法大伝統のいいものはそのまま取り入れて、そこから自分色のチームを作りたい。」と意気込みも十分。オプションをさらに活かすため、そして甲子園ボウル制覇のために今季新たによりQBに比重を置いたショットガンに挑戦する。それに伴い、パスの多投も予想されるが、パスに対しても、「苦手意識はもうない。春からロング・ミドル・ショート、バランスよく投げて、パスを磨いていきたい。」と自身十分。
 「絶対的存在でなければならない」。これは理想のQB 像を尋ねた時の桑野の答えだ。絶対的存在になるということは生半可なことではない。しかし、桑野が常に自分の持てる力を存分に発揮し、絶対的存在になった時、トマホークスは2年ぶりの 栄冠に輝く。
(高村 篤史)

◎桑野智行―174a78`。明学東村山高出身。経営学部4年。中3の秋に友達に誘われたのがきっかけでアメフトを始める。昨年QBのスターターを獲得。 愛称―くわまん 好きなタイプ―加藤あい オフの過ごし方―ドライブ 学生に一言―試合を見にきてください。



アメフトコラム 遥かなるエンドゾーン
2002年 NO LIMITへの挑戦

 昨季、日本アメリカンフットボール界に激震が走った。学生日本一と社会人日本一が真の日本一を懸けて戦うライスボウル。学生は5年間その勝利から遠ざかり、法大も2度苦汁を呑まされている。他のスポーツ同様、社会人との差は広がっているかのように思われていた。しかし、甲子園ボウルで法大を下し学生日本一に輝いた関西学院大が、社会人を撃破し日本一の座についた。社会人と学生との差を組織力で克服して見せた。
 法大トマホークスは関東8連覇中。関東では圧倒的な力を誇り、もはや敵無しと言っても過言では無い。しかし、その法大も関西一位と学生日本一を懸けて戦う甲子園ボウルで勝つことは容易ではない。8年連続で挑むも、その成績は1勝6敗1分と負けが込んでいる。関東との差、関西との差、そして社会人。法大はその狭間でいかなる目標で臨むのか今季は注目が集まる。
 「目標は日本一」新主将・鷲井(法4)は語った。「日本一には色々な意味がある。可能性を追求する姿勢をチーム全員が持つこと、環境への感謝、そして目標を同じくしてチーム全員が信頼し合うこと、その先にあるものが日本一」(鷲井)と自分達の可能性に限度を作らないという意味での日本一。それは『NO LIMIT』という今季のスローガンにも現れる。「相手がどうとかではなく、フィールドで自分達フットボールが出来るかどうかが力の差になる」と語る鷲井。
 春の合宿を終えた法大。「いつもの年よりかなり仕上がりが早い」(鷲井)。秋のトマホークスの勇姿が今から待ち遠しい。

(武田 教秀)



フィギュアスケート 本田武史 銅メダル
4位→3位へ華麗にジャンプ


 長野五輪から4年。日本のエース本田武史(法4)は世界へとはばたいた。ソルトレーク五輪では日本人男子史上最高の4位。長野世界選手権ではついに夢の表彰台に立った。

夢の舞台で


 2月12日(日本時間2月13日)、本田にとって2度目の五輪が始まった。ダグ・リーコーチのもと、カナダで表現力を磨き、万全の状態で臨んだソルトレーク五輪。ショートプログラム(以下SP)は、ヤグディン(露)が完ぺきな演技をした後の、歓声が渦巻く中での演技だった。4年前の本田なら、その会場の雰囲気に飲み込まれていたかもしれない。しかし、今の本田は違う。自分のSPに集中し、ミスのない演技。途中で笑顔がこぼれ、最後のスピンを終えると、ガッツポーズも見せた。ヤグディンに負けないくらいの歓声が会場を包む。
 続くフリー。4回転で少しステッピングアウトしてしまったものの、素晴らしい演技を見せ、見事に4位入賞。日本人初の快挙に、国中が湧いた。
 しかし本田はこの4位入賞に満足してはいなかった。ソルトレーク五輪から1ヶ月、地元、日本で行われた世界フィギュア―。ここで本田は五輪での雪辱を果たすことになる。

世界選手権


 3月18日。『ソルトレーク五輪4位』という肩書きを得た本田は、自信を持って世界フィギュアに臨んだ。今大会は予選、SP、フリーの三構成。大きなミスの許されない予選で、本田は序盤、4回転を失敗してしまう。それ以降も、4回転が3回転になるなど安定した滑りができず、精彩を欠いた。この時点で、他の有力選手から一歩遅れをとる形となった。続くSPでは序盤、4回転からのコンビネーションジャンプを決め高得点を出した。他の選手も失敗が少なかったため、この時点で4位。そして最後のフリーへ。本田は最後まで責めの気持ちを忘れずに次々とジャンプを決めていく。終盤のトリプルルッツのミスはあったものの、演技点が高く、本田は見事3位に入り、世界選手権初の表彰台に上がった。

トリノへ


 今まで『練習王』と言われ続けてきた本田。しかし、五輪、世界フィギュアと、練習王の汚名を返上できた。もう『練習王』とは言わせない。長野五輪から4年。正確なジャンプとファンを魅了する表現力をそなえた本田は、ソルトレークで4位入賞、そして世界フィギュアで銅メダル。どんどん飛躍し続けている。次は4年後のトリノ五輪。さらに表彰台の高い位置を目指し、本田の新たなる挑戦は始まった。
(小田桐 由紀)




アイスホッケー 法大の時代へ 連覇しかない

 4月7日から始まる関東大学選手権。昨年、圧倒的な強さで優勝した法大は、連覇へ向け、走り出した。
 「ウチ(法大)には絶対的なスーパースターがいない」。石井監督が語るように、法大は誰か一人に頼るのではなく、全員ホッケーで戦い抜くチームである。毎年、4年生がどこまでチームをまとめられるかがカギとなる。そんな中でも、今年の4年生は「個性は揃い」(斎藤コーチ)。良くも悪くも下級生に大きな影響を与える存在である。今までは、やんちゃぶりを発揮し、大暴れしてきた彼ら。しかし今、最高学年としての意識をしっかり持ち、チームを「引っ張っていこう」(波多野副主将・営4)としている。この意識が練習にも表れ、石井監督は「考えていた以上に良い方向に向かっている」と語った。
 モチベーションは上がっている。もちろん、やる気を継続することは難しい。しかし「みんなの気持ちが落ちてしまった時こそ、4年生が引っ張っていく」と茅森主将(文4)が語るように、4年生が良い影響を与えてくれるに違いない。
 個性派集団の気持ちが一つになりつつある今、氷上に再びオレンジの風が吹き荒れる日は近い!!

(小田桐 由紀)




スピードスケート 今年は期待大◎

 昨年は思うような結果が残せなかったスピード部門。しかし倉沢主将(営4)は「今年は期待できる」と語った。それは、短距離の小嶋(営3)と松本(文2)が、全日本の大会への出場権を得たからである。彼らは大舞台を経験することで、技術・意識の両面において、大きな成長を遂げるだろう。また、彼らに触発され、入学当初から期待されてきた知久(営3)も本来の力を見せてくれるに違いない。この3人が中心となり、厳しい練習を乗り切れば、その先には栄光が待っているはずである。

(小田桐 由紀)




バスケ部 目標は一部優勝!!

 新生法大バスケ部始動。昨季は2部降格候補に挙げられながらも、リーグ5位と大健闘を見せた。1部でも十分に戦えるという自信を持って望む今季。新主将には監督と去年の4年生による話し合いで森(法4)が選ばれた。「去年までは自分のことだけでよかったが、今年からはチームのことも考えていかないといけない」と森は主将になった気持ちを語る。
 去年に引き続きコーチがいないため、4年生が先頭に立って練習をしている。法大はリーグ戦で得点王と3P王に輝いた澤低(営3)を申心とするアウトサイド主体のチーム。しかし更に上を狙うため、主将でありセンターの森は「オフェンスは外だけでなく中でも点を取る。相手に中でくるこ とをイメージさせないと外の選手へのディフェンスがきつくなる」とインサイドの強化を図っている。1部でトップクラスの力を持つアウトサイド。ここにインサイドが加わればへ当然へ優勝も夢ではない。しかも法大には去年のリーグ戦のスタメン5人の内4人が残っている。「今季の目標は最低ラインが5位以上、そして1部優勝」と言う森の言葉が現実昧を帯びてくる。それだけ選手達の中に自信が満ち溢れているのだ。秋にはどんな結果が待っているのだろう。きっと彼らは期待に応えてくれるに違いない。もう降格候補とは言わせない。法大は優勝候補の一角なのだ!

(高坂 知永)




マネージャーに注目!!

 実カ急上昇の中にいる法大バスケ部。頑張っているのは選手だけではない。試合を見ていると必ずベンチから聞こえてくる、ひときわ高く大きな声。他大学のどこのマネージャー(以下マネ)よりも大きな声で選手を応援するのは西出マネ。常に選手の体調や練習申の雰囲気を見てる彼女は「今年 はすこくやる気がある。みんなの意識が高まっています」と話す。
 表舞台に立つことがないマネ。しかしチームにとって縁の下の力持ち的存在。これからも支え続けて、一体となって頑張って欲しい。

(高坂 知永)



陸上部 目指すはアテネ世界の内藤へ

 昨年は内藤正人(経4)にとって、まさに飛躍の年だった。高記録を次々とたたき出し、日本新記録を樹立。世界選手権にも出場を果たし、名実ともに日本を代表する選手となった。それは同時に、今まで挑戦する立場にいた内藤が、挑戦される立場になったことも意味している。さらに陸上部主将にも選ばれたが、内藤は「僕がやることは、一競技者として自分の力を最大限に発揮すること」とマイペースを崩さなかった。ここに内藤の強さがある。周りがどうあろうと、自分を見失わない精神の強さ。この強さが昨年の内藤の急成長を支えたのだろう。
 今季初レースとなった、日本・中国対抗室内陸上。ハードリング練習を2,3回程度しかしていない状態での参加だったが、結果は2位。内藤は、「冬からずっと走りこんできた成果が出たと思う。今は110メートルHの走りへの移行期。うまく調節して、6月の日本選手権にピークを持っていきたい」と語った。だが内藤にとって、それは通過点にすぎない。
 彼の目はすでに”世界”を捉えている。「目標はアテネオリンピックです。そのためにすることはまだたくさんある」。自らを奮い立たせるように、内藤は言った。今季の彼の課題は、好記録を安定して出すための土台を作ることだという。ハードリング技術の向上はもちろん、好記録が出る時の感覚を体に染み込ませ、常に自己ベストを狙えるようにする。内藤が”世界”を意識し続ける限り、彼 の進化は止まらないだろう。

(外山 功)




絆と信念のもとに応援団あり

新体勢になって


 渡邊隆弘(経4)を団長とし、活動し始めた第77代法大応援団。中でもリーダー部14人と大人数であり、いっそうの盛り上がりが期待される。
 今年度のスローガンは「絆と信念を基に」。応援団はリーダー部、チアリーディング部、吹奏学部で成り立っているが、それぞれはまったく異質なものである。そのため、経験だけでに基づいて話すと衝突が起こることも多い。しかし応援団という組織の原点に立ち帰ってみると、大事なことは『絆』と『信念』なのではないか、という結論に達したのだという。
 両方とも抽象的な表現だが、あえてそうすることで1人1人が応援団の在り方や向上すべき点を考え、そして全員で話し合い、共有できるようになる。幹部だけでなく、下級生達も応援団として高い意識を持つべきだという意味がこめられている。

学生に近い存在


渡邊団長は学生にこう呼びかける。「応援団を好きか嫌いかは両極端に分かれる。自分達はおもに体育会の応援をリードしているが、それにとらわれず競技を見たいと思っている人がいるのが事実。けれど、少しでも『嫌い』をなくし、一般学生と近づいた存在になりたい」。
応援団は大学、学生あってのもの。応援する対象がなければ存在意義がない。彼らが自ら外へ発信しようとしているように、一般学生達にもぜひ応援団と積極的に触れ合ってほしい。
(望月 春香)




バレー部 優勝へ向けて大ジャンプ

中心選手


 例年にない早さで桜前線が北上し、既に桜は満開である。昨季、不本意な成績で、春・秋リーグを法大バレー部に「優勝」という花は咲くだろうか。
 昨季の主軸であった「真鍋、松本(法4),畑田(営4)がプレー、精神面、雰囲気作り、リーダーシップで中心になる」と期待を込めている吉田監督。昨年の秋季リーグで猛打賞4位、スパイク賞5位の真鍋は今期チームの攻撃的柱となるだけでなく、新主将になった。「責任感が強くなった」というように主将としてチームを支える自覚もある。そしてキレのあるスパイク、サーブが武器の新副主将松本も「チームを引っ張る」といってくれた。さらに、高さとパワーのあるスパイクを持つ畑田もチームの中心の一人として期待される。
 また、昨年、1年生ながらもセッターとして実績を積んだ中西(営2)、そしてブロックの要となる鈴木(法2)もチームに欠かせない。そこに新戦力がどう加わってくるか、ということもチーム内の競争を高める上で重要だ。

伝統復活

 そして今年の目標は勿論、優勝である。近年、優勝から遠ざかっているが、かつてはリーグを幾度も制した伝統がある。監督も「少しでも多く勝って伝統あるバレー部を復活させたい」と語る。今年は、昨年の大型選手が抜けたため、守備からの攻撃が重要になる。サーブカットをはじめとしたレシーブ、しつこいブロックからの攻撃で、今季は守備的要素の出来が上位進出の鍵となるだろう。
 昨季の主軸が残った法大が、昨季の攻撃的バレーから守備からの攻撃で今季こそ優勝を狙う。
(稲葉 聡)




突き進め7連覇へ!! フェンシング部

勝利に向け


 4月21日に開幕する春季リーグ。昨年度の男子フルーレ部門で5大会制覇、また現在リーグ戦6連覇中と、勢いのとまらない法大フェンシング部の目標は、もちろん「優勝」の二文字しかない。主将の東(法4)も、トップであるが故の「プレッシャーは感じない」と飄々と答える。
 一方女子も男子に負けてはいられない。部員数5人という団体戦には苦しい人数ながらも、リーグ戦に挑み上位を狙う。「4年生でチームを支え、下級生のプレッシャーを和らげたい」(菊山・文4)と信頼関係も強い。また男子と共に練習することでレベルもアップ。「きついのによく頑張って いる」と監督も評価している。男子と共に鍛え上げたスピード感は、試合で彼女たちの自信となるだろう。

師の言葉


 練習後、選手たちを集めた監督。そしてその言葉に耳を傾ける選手たち。その表情は互いに真剣だ。「明確な目標を持て。そして何事にも真剣に取り組めば、必ず勝利の女神は微笑んでくれる」。そう選手たちに言い聞かす。
 監督に法大の強さの理由を訊ねると――。「ここの競技者としての意識がしっかりとしており、他の大学よりフェンシングへの情熱が強いからであろう」という答えが。「そう簡単に手に入れることのできるものではないが、(連覇の)記録を更新していきたい」。
 監督と選手のその熱い思いが、そして目標が、勝利の女神をよび、わが法大フェンシング部をさらなる栄光へと導いてくれるだろう。
(稲葉 聡)




サッカー部 新キャプテン・山本新太郎

 悲願の1部昇格を目指した戦いがまもなく始まろうとしているサッカー部。主将をDF山本新太郎(経4)が務めることになった。
今季は、後方から声を出しチームを統率する新主将・山本から目が離せない!

信頼

山本に対するチームメイトからの信頼の厚さは、同学年の部員の全員一致で主将に選ばれたという事実から容易に判断することができる。まさに山本は、誰もが認める新主将なのである。しかし本人は「最初は、自分が主将になることがチームにとって本当にベストなのか考えた」と話す。プレー中はもちろん、全てにおいてチームをまとめていかなければならない主将という役割は、生半可な気持ちで務められるようなものではない。こういったことを考えるのも当然のことだろう。しかし、今ではその迷いも消え「実感もわき、日に日にやりがいを感じている」と話す。そう語る姿には、すでに主将としての風格が漂いつつあった。

変化

そんな山本は、「まずは自分が変わる」という言葉を何度もくり返していた。「今までは自由だったが、これからは最上級生としての自覚を持って、チームのことを考えていかなければならない」という気持ちが込められた言葉である。昨期も多くの試合に出場した山本ではあるが、最上級生として、そして主将として迎える今期に向け、決意を新たにしている様子がうかがえる。この決意が他の選手にも伝われば、チームは昨期1部にあと一歩及ばなかった部分を埋めるのに余りある変化を遂げるのではないだろうか。

誇り

また、法政二高の出身でもある山本は、「法政という名に対して誇りを持っている」と語った。その気持ちが、山本にとって更なる力を生み出す源となっているのだろう。新主将・山本新太郎に、自らの誇りである法政を1部へと導く活躍を期待したい。
(松本 美希)

山本 新太郎(経4)(やまもと・しんたろう)―DF・180cm・60kg1980年7月1日生まれ



「かっこいい」GK為田に注目!!

 今年、法大守備陣のキーマンの一人として活躍が期待されるGK為田聡史(社・2)は力強くこう語る。「見ている人がダサいと思うようなプレイはしたくない。とにかくかっこいいプレイをすれば周りは認めてくれるはず」と。
 昨年は、リーグ戦後期から正GKとして活躍。「自分が試合に出られるとは思ってなかった。出来すぎ」と本人は振り返るが、今年の関東選抜候補に選出され、その実力を周囲に認めさせる"かっこいいプレイ"をみせた。だが今年はケガのため、昨年の勢いに乗れず、調整は遅れ気味。現在も急ピッチで調整を続けている。しかし、「もし、本番に間に合わなかったとしても、すばらしいGKは他にもたくさんいるし、自分が出られなくてもチームが勝てればそれでいい」とあくまでもチーム愛を大切にする姿勢は忘れない。それは、「一部昇格が最低条件。ケガをせず、最後にはみんなが笑顔でいられるような一年間にしたい」という自らの目標にも見て取れる。
 一部昇格―。昨年、それは慶大に惜しくも阻まれてしまった。しかし、今年為田の"かっこいい"プレイが見られる程、それは再び現実味を帯びてくるに違いない。

(大野 純一)




4月号恒例!スポ法OBインタビュー
埼玉で育ち、横浜を愛す!水沼貴史W杯を語る!

水沼貴史―ワールドカップを語る。
日韓ワールドカップ開催の記念すべき年にスポホウOBインタビュー初登場!埼玉で育ち、横浜でプロ生活を送った水沼さん。奇しくも、埼玉は日本第一試合目のベルギー戦、横浜は夢の決勝戦の舞台となった。
 サッカーどころを渡り歩いた男が、ワールドカップヘの想いを今、語り尽くす。

浦和


―サッカーを始めたきっかけは?
 僕は出身が浦和なのね。浦和は今レッズがあるけど元々サッカーがさかんな町だったのね。小学校の練習で、今でいうポールボーイのようにボール拾いしてたのが僕らの遊ぴだった。練習終わったら、一緒に入れてもらってたよ。
―高校は名門の浦和南ですよね?
 今年選手権に出れたから名前を知ってくれた人もいるだろうけど。それまでは昔強かったけど「浦和南ってどこ?って感じだったよ。
 初めて国立競技場で試合した時は感覚が違った。スタンドがせり上がってたり、ゴール裏がすごく広かったりして慣れるのには苦労したよ。
 卒業してから、自分の学校を応援しに行くのが夢で、大学生の時に一回あったんだけど、それ以来だからすっごく嬉しかった。やっぱり気持ちは入っちゃうね。
―法大を選んだ理由は?
 大学でやりたいサッカーがあって、例えば個人技を生かしたやつとか。高校の時に、大学の遠征にも一緒に行ってて、その時法政の人が多かったってのもあるね。今神戸で監督やってる川勝さんとかもいたよ。
―サッカー部での思い出は?
 何と言っても寮生活!ひどい寮で、初めて入った時はホームシックになるぐらいだった。夏は暑いし、冬は寒い。カプセルホテルみたいで大変だったよ。

横浜


―日本リーグ時代の思い出は?
 日本リーグはプロではなかったけど、その当時では日本最高のリーグで、そこでやりたい、それが日本代表につながるなってずっと思ってたよ。
 大学生の時に、どこの企業に入ろうかってすごく悩んだのね。その時は会社に入るわけだから就職なわけだよ。サッカーは限られた時間しかできないし、会社に残ってどういう仕事をしていこうかなってことまで考えたね。ただ、会社に残るにせよ、やりたいサッカーをやらなかったら会社に残ってもたぶんおもしろくたいだろうなって。いろいス考えて日産に入ったけど、僕は二年経って契約選手になったから、会社には二年で行かなくなったんだ。
―93年にはJリーグが開幕しましたね。
 タイミング的には非常に良かったね。もっと前に始まればって言ってくれる人もいたけど。自分の中では30歳まではやるっていうのがあった時に開幕が決まったから、もう3年がんばろうっていうモチベーションを与えてくれたよ。
―開幕のヴェルディ戦の雰囲気は?
 全然違うよね。自分たちが所属しているチームが満員の中で試合できるっていうのは、涙が出たし、そこに自分が立てる喜ぴと自分たちがやってきたことが認められたっていう思いで一杯だった。  自分たちのプレーを見て感動して、勇気をもらってくれる人がたくさんいるっていう幸せを感じられる舞台だったね。
―引退を迎えた時は?
 3年目の時に、半年の契約にしたんだ。半年で自分が結果を出せなければやめるっていう覚悟でいて。開幕戦に出場した後は、監督の交代や若手も伸ぴてきたりして出れなかった。でもその年はチャンピオンになれた。自分が1試合でも貢献できたし、優勝して良かったという思いもあり、一方、今の仕事の話も頂くようになってたから、やめようとも思ったんだ。

W杯


―いよいよ今年はワールドカップですね。
 埼玉と横浜、決勝をどっちでやるかってのはすごい複雑だったのね。自分の生まれた町で決勝やるのと、自分が今住んでる町ですぐそこで決勝やるっていうので。これは悩んだよね。俺が悩んでも仕方ないんだけどね(笑)
―日本戦の予想をして頂けますか?
ベルギー
 初戦はカギだね。日本は最初から120%のコンディションでいっていいと思う。120ぐらいじゃないと勝てない相手なのよ、W杯の舞台だと。絶対に力を抜いて勝てる相手なんていない。でもベルギーには勝つ!大きな選手ばかりだけど。
ロシア
 ベルギーよりテクニックが高い。中盤もそろっているし、国際経験も豊富だからね。チームとしてまとまりはあるけどキレやすいね。だから、いらだたせていくようなDFをしていくことかな。
チュニジア
 ここに勝負がかかる可能性が大だね。DFは甘いと思う。高いけど遅いね。でもジャマイカの二の舞もあるから注意しないと。
―決勝トーナメントに行く可能性は?
 普通に考えて日本は前回のW杯で勝ち点O、得点1、1勝もできてない。まず2点とろうよとか、1勝しようよとか、そういう目標になってくるかもしれない。よく言われるのは、開催国は予選敗退がない。それはそれ、そういうことじゃなくて、日本の今のチームカ、サポーターの応援、相手がベルギー、ロシア、チュニジア、総合的に考えて、決勝ラウンドに行く可能性は51%。でも、この1%は、とてつてもなく大きな1%なんだよ。
―今回は韓国との共催ですね。
 僕らの中で韓国ってのは永遠のライバルで、いつも僕らの上には韓国がいた。でも、歴史的背景とかを勉強してみると、まだわだかまりとかもあるだろうけど、今回のW杯を手を組んで一緒にやるってことで、一つきっかけ作りができると思う。お互いがアジアのリーダーとなって、アジアを強くしていこうってね。今回W杯をやったから良かったねじゃなくて、これからが大事なんだ。
―解説業は難しいですか?
 難しいね。僕は嫌いじゃないけど。テレビを見る人にはいろんな人がいるから、どうやったらわかりやすく解説できるかいつも考えてる。
―『スーパーサッカー』等のTV出演も多いですね。
 雰囲気はとっても良いね。加藤浩次は、わからないことはわからないって言うし。自分がサッカーやってたって前面に出さないしね。(白石)美帆ちゃんが何言ってんのって時にも二人でつっこめるっていう役割がはっきりしてきたね。
―休日は何してますか?
 子供たちとサッカーはするよ。仕事で家をあけることが多いから、家にいる時は良きパパでいたいね。もちろん子供たちだけじゃなく家内にも。家をあける時は家内一人で頑張らなきゃいけない時問が多いから。デートとかするからね俺。港北とかでショッピングとか。俺もそういうの好きなんだよね。(笑)
―法大生へ最後にメッセージをお願いします。
 大学生活は、僕は学生として楽しんだってのがなかったから、大学生である以上、勉強もバイトもそうだし、社会勉強はしてほしいね。時間はあるだろうから、社会に役立つ何かを見つけてほしい。僕もサッカーやっていて四年問努力したことは無駄じゃなかったし、ましてや4年で2部に落ちて、最後の一年を2部で過ごすことになったのは、結構大きい影響あったんだよね。何とかしなきゃと思って、総理大臣杯も優勝できたし、1部にも昇格できた。自分にとっては大きな一年だったよ。そういう時を四年問の中で見つけてほしい。

取材後記


 一期一会―取材を通して出会う人たちが発する言葉はいつも印象的だ。
 水沼さんはJリーグ開幕のピッチ上で、人から必要とされる幸せを感じたと言う。
 「自分がやってきたことが認められるって幸せだよね」。
 経験に裏打ちされた先輩の言葉を自分への糧としていきたい。
 お忙しい中取材にこ協力頂きました水沼さん、誠にありがとうこざいました。さらなるこ活躍を期待しております。
(取材班 鈴木 優介・斉藤 修一・稲葉 聡)

プレゼント  水沼貴史さんの直筆サイン色紙を10名様にプレゼント致します。色紙には、「感謝の気持ちを忘れずに」という恩いを込めたオリジナルサンキューシール付き。プレミア必至です!
 葉書に、住所、氏名、年齢、紙面を読んだ感想を明記し、スポーツ法政新聞会(1面参照)宛までこ応募下さい。

◇水沼貴史(みずぬま・たかし)1960年5月28日・埼玉県生まれ。浦和南高を卒業後、法政大学法学部へ。大学時代は、4年時に主将を務め、総理大臣杯優勝、一部昇格へとチームを導いた。  83年卒業後、日産に進み、日本リーグでは161試合33得点。86年〜87年シーズンでは17アシストでアシスト王を獲得。この記録は日本リーグにおいて歴代1位。  Jリーグ開幕年から横浜マリノスでレギュラーとして活躍。通算42試合5得点。  引退後は、解説者として、お茶の間の人気者に。TBS「スーパーサッカー」、「ジャスト」、TVK「キックオフF・マリノス」等に出演。  家族は妻に一男一女。




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