ホームバックナンバー2002年6月号

スポーツ法政 ’02 6月号

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サッカー:法政のために闘う!新太郎 関東大学選手権 新人戦ベスト4 本紙記者W杯観戦記 アイスホッケー:関東大学選手権V MVP・FW茅森主将 陸上:110mH・内藤V2 総合は今年も7位 野球:春季リーグ完敗 バレー: 次に繋げる、繋がる春 バスケ:試練の8位 相撲:目標さらに高く アメフト:秋へ向けて社会人から得たもの 新人記者コラム:新米記者の目

サッカー部 自分を変えチームを変える
法政のために闘う 主将・山本新太郎

 W杯の熱が日本中を包んだ。ゴールを目指し激しく戦う様は大学サッカーも変わらない。法大は主将・山本新太郎(経4)を先頭に6月23日に開幕した選手権、秋から再開する後期リーグへと熱き戦いを繰り広げる。

恩師の言葉


 「法政、いこう!」。チームが苦しい時こそ、山本は声を大きく張り上げる。仲間の一人一人に声をかけて鼓舞し、常に顔を上げるよう指示を出す。信頼で結ばれていなければ気持ちは伝わらない。最終学年を迎えた今年、山本は主将としてその存在感を見せつけている。
 決して、順風満帆なエリートコースを歩んできたわけではない。法政ニ高から一般入部した当初は「付属校の甘えがあった」。推薦組の同級生たちが一年生から活躍する中、山本は試合にすら出られない日々が二年間続いた。
 毎日のように横谷監督には怒られた。見捨てられてもおかしくない状況。しかし監督は山本に言った。「お前とは一度ゆっくりサッカーの話がしたいよ」と。
 「横さん(横谷監督)で良かった」、山本は今こう振り返る。山本の心を動かしたのは恩師の言葉。現状を打破するため、がむしゃらに練習に打ち込み始めた。長い眠りから覚めたように。

信頼プラス


 転機が訪れたのは三年の時。「カッコ悪くたっていい、恥をかいたっていい」と昔の自分を捨てた山本は、春からレギュラーに定着。「マイナスだった監督からの信頼がゼロにまで戻った」。まさにスタートラインだ。センターバックとしてリーグ戦14試合中13試合に出場。監督、そしてチームからの信頼は確実に“プラス”になった。
 こうして山本新太郎は主将へと成長した。今春の前期リーグは2勝3敗2分の第5位で後期へ折り返し。「決して満足はできない」結果である。しかし、負けたと言えども、対戦相手に圧倒されたのではなく「自分たちに負けた」試合が多い。修正の余地は確実にある。悲願の1部昇格に向けてあきらめている者は誰もいない。
 1987年以来1部を遠ざかり、2部に留まっている法政大学サッカー部。1部に上がるために必要なことを山本は「ダメなことは思いきってすぐ変える」ことと答えた。痛切に味わった屈辱の二年間をバネに山本は変わった。今度はチームを変えようとしている。自らの声と、皆を引っ張る態度と、誰よりもチームを愛する熱い気持ちで。
(鈴木 優介)

後期への展望

 前期は中大が独走。2位日大から最下位の東海大までは勝点差5の中にひしめいている。1部昇格争いは、中大が最有力だが、後期は中大へのマークが厳しくなることは必至のため、上位2つのイスを争う戦いはさらに厳しさを増す。【1位は1部へ自動昇格、2位は1部7位と入替戦を行う。】後期リーグは9月14日から再開。

◎山本新太郎(経4) やまもと・しんたろう 1980年7月1日生 DF・182cm・64kg FC町田〜法政ニ高〜法大 W杯は皆と盛り上がって楽しんだ。 日本代表の戸田選手はFC町田時代の先輩。



関東大学選手権 真剣勝負は続く

 前期リーグ戦、新人戦に続き法大サッカー部が挑むのは、関東大学サッカー選手権大会である。全国大会である総理大臣杯の予選も兼ねているこの大会は、参加32チームによるトーナメント戦で争われる。
6月23日に行われた1回戦の相手は東洋大。格下相手ではあるが、昨年も1回戦で敗退しただけに決して気の抜けない試合となった。
試合は1ー1のまま、延長後半に突入。法大の長沼彰太(経3)がこの試合2得点目となるVゴールを決め、熱戦に決着をつけた。これまで出場機会に恵まれなかった長沼ではあるが、2年振りの決勝進出に向けて更なる活躍を期待したい。
法大が戦うDブロックは、いずれも激戦を制したチームが2回戦へとコマを進めた。それだけに、今後も厳しい戦いが続くことが予想される。
しかし法大にとっては、真剣勝負の戦いができる貴重な機会である。一つでも多く勝ち進めば、後期リーグ戦に向けて大きなステップとなることだろう。
(松本 美希)




新人戦ベスト4 1部昇格へ育つ新しい 芽

 6月1日から、第23回関東大学サッカー新人戦が行われた。
 法大は、予選リーグで1部のチームに対しても、互角以上の力を見せつけ、2勝1分で決勝トーナメント進出を決めた。優勝は惜しくも逃したものの、第3位という好成績を収め、前期リーグ5位という結果に終わった法大には、このルーキーたちの活躍は明るい材料となったに違いない。中でも、既に前期リーグからレギュラーとして活躍しているFW今道秀次(現1)が大暴れ。「点を取ることが自分の仕事」と言う通り、予選リーグで法大の全得点を挙げて見せた。決定力不足に悩む法大の救世主となれるか、選手権、後期リーグでの今道の活躍に期待である。
(大野 純一)

新人戦結果 ○予選リーグ グループB 6/1 法大2−0東学大 得点者 今道秀次2得点 6/2 法大1−1国士大 得点者 今道秀次 6/8 法大1−0日大  得点者 今道秀次 ○決勝トーナメント準決勝 6/15 法大0−1流経大 ○3位決定戦 6/16 法大1−1駒大  得点者 姜成浜 PK戦4−3 ○最終結果 優勝:順天堂大学 準優勝:流通経済大学 第3位:法政大学 第4位:駒澤大学



W杯イヤー スポ法特別企画
本紙記者 ワールドカップ観戦記


カメルーンvsアイルランド


 日本での最初の試合となったこの対戦。私は新潟スタジアムで様々なものを目にした。試合開始直前にアイルランドサポーターから始まったビッグウェーブ。初戦ということもあり、立ちあがりは慎重にボールを回す両国の選手たち。アイルランドに不利な判定があった時に起こる欧州本場のブーイング。エムボマのダイナミックなプレー。イアンハートの足から繰り出されるものすごいカーブボール。これらはW杯の雰囲気を存分に味わえる素晴らしい光景だった。
(斉藤 修一)

日本vsベルギー


 「あかん、あかん。ため息はあかん」。ベルギーに先制ゴールを決められ、頭には一瞬負け≠フ二文字がちらついていた。しかしその声にハッとさせられる。
 試合前、アップをするためにピッチに現れた日本代表はなによりもまず最初に軽くお辞儀し、手を高く掲げ叩いた。まるで5万人を越えるサポーターに、『応援よろしく頼むぞ。』とでもいうように。その選手達が目の前で懸命にプレーし続けている。選手に力を与えたい。そう思った。再び始まった日本コールは選手達を後押しするように、次第に大きなうねりとなって、スタジアムをつつむ。鈴木のシュートが決まった瞬間、二分前のため息が大きな歓声に変わった。
(後藤 芳恵)

日本vsトルコ


 最後まで諦めず、懸命にプレーする選手。勝利を信じて応援するサポーター。  しかし無情にも試合終了のホイッスルが鳴る。それは同時に日本の今回のワールド・カップの終わりをも告げた。  スタジアムは一瞬静寂につつまれ、その後ため息と悲鳴がもれる。しかしそれはすぐに日本の善戦を称える拍手へと変わり、どこからともなく自然に日本コールが起こった。そして私もその中の1人として、力の限り日本コールをした。
(朝山 雄次)



アイスホッケー 関東大学選手権
熱戦!接戦!!大逆転!!!全員の優勝だ! 

 第51回関東大学アイスホッケー選手権大会が、東伏見アイスアリーナで4月7日から29日まで行われた。法大は新主将・茅森康二(文4)のもと、一致団結して戦い、見事、2年連続18度目の優勝という快挙を成し遂げた。個人タイトルにおいても、ベスト6に5人が選ばれ、今大会における法大選手の活躍が目立った。

 試合終了の瞬間、氷上に歓喜の渦が爆発した。リンクの上で法大の選手達が折り重なる。優勝の喜びを全身で表していた。
 優勝への道のりは決して平坦なものではなかった。準決勝・東洋大戦においては、序盤からリードを許し、延長戦にもつれ込んだ末の勝利だった。そして決勝・早大戦においても決して楽な試合ではなかった。試合開始早々10秒で先制を許し、さらに立て続けに2点を入れられてしまう。しかし、「焦る事はないと思って、落ち着いたプレーを心掛けた」(DF松田・法3)「ベンチでみんなが「大丈夫」と言って励ましあっていた」(斉藤コーチ)という様に選手達は、焦ったり動揺する事無く、自分達のプレーを続けた。そして、3ピリにおいて早大選手の反則により、法大選手の流血というハプニングがあり、5対3とパワープレーとなったチャンスを生かし、見事逆転。試合は決した。2年連続18度目の栄冠に輝いた瞬間だった。
 関東大学選手権優勝へのカギとなったもの。それはチームが一つにまとまる事だった。今年の法大アイスホッケー部は、良くも悪くも個性のある人達の集まりであり、「チームの結束力がとれて、気持ち的に一丸となれれば優勝を狙える」(石井監督)という状態だった。そしてチームが一つになれたのは茅森主将(文4)が積極的に声をかけるなどして、チームが一つになったと実感できた時、法大はどんな接戦にも負けない粘り強さを得ることができたのだ。
 優勝後の祝宴会において、選手達から「味方を信じてプレーをした」・「部員全員でつかんだ勝利だ」・(今年のチームは)「素晴らしいチームです」といった、共に戦った仲間への信頼感の大きさが良くわかる言葉が聞かれた。さらに「最後まで法大のホッケーをしてくれると信じていた」という監督・コーチの言葉や「監督を男にしたかった」というGK片山(法3)の言葉から、我が法大校歌の一節――「良き師良き友つどい結べり」が思い出された。
 監督は「今回の優勝はたまたま良い面が出て運が良かった。今回の結果を過信せず、秋へ向けて練習していって欲しい」と語った。勝って兜の緒を締めろである。秋のリーグ戦においても再び選手たちの喜びの表情が見れる様、意識を高めていって欲しい。

(山本 啓介)



FW 茅森主将 MVP 甘さを捨てた男の勲章

 見事な逆転劇で優勝を果たした今大会で、MVPに輝いたのは、法大の主将・茅森康二だった。
 点の取り合いとなった決勝・早大戦で、茅森は主将として、またチームの一員として必死に攻め、必死に守った。そして同点で迎えた3ピリ17分、茅森が放ったシュートが早大のゴールネットを揺らす。
それまで追いついても追い越せなかった法大が、逆転に成功した。茅森は大事な場面できっちりと役目を果たし、結局これが決勝点となった。試合終了後、MVP受賞について「たまたまです」と謙遜(けんそん)した茅森。しかし彼のガッツ溢れるプレー、決定力、そして主将としての役割を考えれば、この受賞は偶然が生んだものではなく、当然の結果だった。
 そんな茅森だが「今まではガキだった」と自分自身を振り返る。試合中、熱くなって気持ちを乱してしまったり、感情に任せてプレーしてしまったり、昨年までは精神的な“甘さ”があった。しかし今年は違う。「キャプテンが冷静じゃないとチームが壊れてしまうから」。こう語る茅森は試合に熱くなりつつも、気持ちを切らすことなく冷静な判断を見せた。主将としての責任感が茅森を大きく成長させたのだろう。そこにはもう、昨年までの“甘さ”はなかった。
 劣勢の状況をものともせず「勝ちたい」という気持ちを前面に出して戦った。茅森はチームの気持ちを『勝利』の二文字に集中させ、ホッケーに対する熱い想いと冷静な心で法大を優勝に導いたのだった。

(小田桐 由紀)




陸上 関東インカレ 110mH 内藤
2連覇達成!次なる狙いは記録更新!

進化への障害

 5月18日、内藤真人(経4)は表彰台の上に立っていた。昨年に続いての、関東インカレ2連覇。 だがその壇上の笑顔とはうらはらに、内藤の心中は複雑なものだった。「優勝できて嬉しいけど、納得のいく記録を出せなかった」と本人が語るように、期待されていた日本記録の更新には程遠いタイムでの優勝だったからだ。関東インカレは内藤にとって、実践的な練習ができる場としての意味合いが大きく、そのためそこでは記録が重視される。”優勝”という結果に一応安堵しながらも、多くの課題を内藤に残した大会となった。
 今季の冬、内藤は走りこみを中心に練習をし、スピードアップを図ってきた。そしてこの目標は達成されたといっていいだろう。確かに内藤のスピードは大きく向上し、体力もついてきた。だが皮肉にもそのことが、内藤を苦しめることになる。「全体としてのバランスが崩れてしまったんです。関東インカレでは、ハードリングと走りがうまく噛み合わなかった。ハードル間の9・14mがこんなに短いと感じたのは初めてですね」と内藤自身もそれを自覚している。スピードが上がり、今までの感覚で行くと、うまくハードリングができない。今、内藤に求められているのは、ハードリング技術の向上である。特にハードル上での動きをスムーズにすることが重要だ。これらの技術的課題をクリアーし、ハードリングと走りのマッチングがうまくいったとき、内藤は新たな境地に足を踏み入れることになるだろう。

世界へ向けて

 この8月から内藤は、ヨーロッパ遠征に乗り出す。「とても楽しみ。欧州GPでの経験はすごい刺激になると思う」と待ちきれない様子だ。また今後の目標もはっきりしている。「今年のアジア大会で経験を積み、来年の世界選手権、そして2004年のアテネ・オリンピックへとつなげていきます。世界との差を、これから少しずつでも埋めていきますよ」と。そう、内藤の世界への挑戦はまだ始まったばかりだ。課題であるハードリング技術を身につけ、走りに磨きをかけた内藤が、世界を舞台に暴れまわる日は近い。
(外山 功)





関東インカレ 法大 総合成績は今年も7位

 徳本(現日清食品)、邑木(現富士通)という大砲が抜け、今年の関東インカレは2部落ちも心配された。4種目を制した昨年とは対照的に、今年は110mHで内藤(経4)が優勝したのみ。しかし、出場した選手達がコンスタントに好成績をおさめ、最終的に昨年と同じ7位だった。
 短距離種目では上位入賞が目立った。特に400mの伊藤(経2)、400mHの大槻(経3)がそれぞれ3位。実力から見て伊藤は「優勝を狙えるはず」(成田監督)とは言うものの、昨年まで決勝進出を果たせなかった選手達が力をつけてきたと言えるだろう。
 一方、秋に箱根駅伝予選を控えている長距離陣では、土井(社4)がハーフマラソンで、黒田(社3)が5000mで入賞し、エースの貫禄を見せた。しかし、長距離全体を見ると前回の箱根駅伝のメンバー以外では、昨年より明確に伸びてきている選手がいないのが現状。インカレに出場していない選手達も含め、これからのレベルアップが課題となってくる。1年生が入部してきたことで危機感、さらには競争心が生まれ、それがいい方向に向かっていけば、予選突破はより確実なものになるはずである。

(望月 春香)



六大学野球 春季リーグ
打撃陣奮わず・・ 法大完敗

 3年連続春季リーグ優勝を狙った法大。東大、早大から勝ち点を挙げ、好スタートを切ったほうだいだったが、続く立大にまさかの連敗。慶大戦では慶大投手陣に打線が抑えられ、優勝の可能性が消えた。その後明大には連勝したものの、結局最終成績6勝5敗1分、勝ち点3で、明大と同率3位に終わった。

中盤大苦戦


 今季、法大は前評判が高く、優勝候補最有力に挙げられていた。そんな中、東大戦を迎え、相手投手松家に苦しめられはしたものの辛勝した。続く早大戦では土居の好投が目立った1,3,4戦目に先発し、フル回転の大活躍。特に4戦目では連投にも関わらず、気迫あふれる投球を見せた。打線も、注目を集める早大・和田を攻略し、勝ち点を挙げる。勢いに乗り、立大戦を迎えたが、立大エース・多田野 に二日連続で抑えられ、まさかの連敗。もう後がない法大だったが、慶大戦でも長田、清見らを攻略できず、立大戦に続く痛い連敗を喫する。この結果、法大は優勝の可能性が消えた。その後、明大には連勝したが、法大は3位でリーグを終えた。

思わぬ誤算


 法大は投手陣に故障者が出たのが痛かった。土居(営4)、奈須(法4)、松本祥(法3)の三本柱で他大にとって脅威となるはずだった投手陣。しかし、奈須、松本祥が故障で戦線離脱。土居以外の投手に期待される選手は多かったが、まだ経験が浅い。案の定リーグ戦では2番手投手が相手打線につかまってしまった。投手陣では「エース土居だけが目立ってしまう」(山中監督)形となった。
 一方、打撃陣。今季も強力打線に見えたが、チーム打率は.214に低迷してしまった。それに加え、細かいミスが多く、チャンスでの適時打も少なかった。それを象徴していたのは慶大1回戦。バント、エンドランのミスが相次ぎ、3度も三塁にランナーを進めながら、外野フライも打つことが出来ずに完封負けを喫した。試合後、山中監督が「今まで監督をやってきた中で最低の試合」と振り返る内容であった。

秋へ向けて


 2年連続で春季に優勝した法大が今季は沈黙してしまった。リーグ戦後、山中監督は「選手達が試合で自信を持ってプレーできるように、日頃から練習し、徹底的に鍛えなければならない」と語った。試合に出た選手、故障した選手、ミスをしてしまった選手。全ての選手が今季は悔しい思いをした。この悔しさをバネに自分達の課題を克服し、更なる向上が求められる。秋季、法大の巻き返しに期待したい。
(伊藤 毅)



バレー部 春季リーグ7位
次につながる春、つなげる春

 1次リーグ7位。続く下位リーグで順位を上げることができなければ入れ替え戦へ。そしてその結果次第では2部降格の可能性も出てきてしまう危機的状況に法大は立たされた。
 「こんなはずじゃなかった」と松本は悔しさをにじませた。1次リーグを振り返ってみると、初戦の日体大戦で勢いに乗ることができず敗戦。この敗戦がその後のチームに影響を与えてしまい、1次リーグ前半戦を2勝2敗で折り返す。この頃のチーム状態としては、勝敗を五分に戻したことで調子に乗りつつあると思われた。しかし、強豪校3校との対戦では、3連敗に終わってしまう。真鍋が言うように「まとまりがなかった」ことがチームとしての歯車をずらしてしまった。セット終盤で接戦になりながらも、勝負強さを欠いた点も勢いをなくす原因になってしまった。だがその後の下位リーグでは法大本来のバレーをし、3連勝。入れ替え戦に回ることは避けられた。
 強豪校とでも自分たちのバレーをすれば勝てるという自信が選手たちにはある。それだけに春季リーグで課題となったレシーブ、簡単なミスを修正していけば、強豪校とでも対等に戦える力は法大バレー部にはあるはずだ。
 これから秋季リーグに向け、主将・真鍋を中心にチーム力の向上を目指す法大バレー部。春の結果は次への糧になる。そして秋にはリーグを荒らす存在になってくれるだろう。

(稲葉 聡)



関東大学バスケットボール選手権
試練の8位


 大会前、優勝候補に挙げられた法大。しかし結果は8位と試練の大会となった。 

波乱


 順調に勝ち進んだ法大はベスト4をかけて2部の東海大と対戦。前半は40対35とリードするが、主将の森(法4)や野尻(営4)といったインサイドの選手がファウルトラブルを起こしてしまう。
 後半、相手の粘り強い守りに苦しみ、自分達のリズムを保てず逆転を許す。「相手のリズムになってチームがバラバラになり、たてなおせなかった」(森)。反撃を試みるもチームが噛み合わず、個人プレーに走る法大の悪い面が出てしまう。昨季、リーグ得点王の澤シも厳しいマークあいに、点を取れない。逆にファウルのできないインサイドを攻められ、66対80でまさかの敗戦。続く筑波大、中大戦もリードしながら逆転される展開で連敗し、大会を終えた。

甘え


 自信と慢心は紙一重。「去年いい成績だったから今年もいけるという甘えがあった。(今後の課題として)個人個人に強い精神力が必要。チーム内の信頼も薄れている。」と森は語る。苦しい時こそ重要となる精神力とチーム力を欠いては優勝できない。法大にとって今大会は不本意なものとなったが、この敗戦を糧に秋の1部優勝という大目標に挑む。
(高坂 知永)




相撲部 東日本学生相撲選手権
目標さらに高く!!

 第81回東日本学生相撲選手権大会が、9日、両国国技館で行われた。昨年に1部昇格を果たした法大は、5人ずつ戦っていく団体戦では上位入賞を狙ってこの大会に臨んだ。まずは予選。3校と対戦し、出場12校のうち上位8校が決勝トーナメントに進む。法大の最初の相手は専大。勝てない相手ではなかったが、まさかの黒星を喫してしまう。次の中大戦では先鋒の遠藤が負傷し、更に3人が戦った時点で1勝2敗と追いこまれた。ここで法大のピンチを救ったのは4番目に登場した副将・加賀谷だった。土俵際に追い詰められながらも一本背負いを披露して勝ちをもぎ取ったのである。これでチームは勢いに乗り、中大から勝利を収め、続く国士大戦では5人全員が勝利し、予選を4位で通過。決勝トーナメントの初戦の相手は拓大だったが、惜しくも敗れてしまった。加賀谷は「最後は気合負けしてしまった」と振り返ったが、法大は健闘を見せた。また個人戦では津々見が16強に入るなど、11月のインカレに繋がる結果だった。

(斉藤 修一)




アメフト 学生に4年ぶりの敗戦
ヨコハマボウル 秋へ向けて社会人から得たもの

 ヨコハマボウル・対アサヒビールシルバースター(以下SS)戦、今春の法大はこの試合に照準を絞っていた。しかし、SS戦を前にして、彼らの楕円球は思わぬ方向へ転がる。  2002年5月19日・専大戦、関東で無敵を誇る法大が敗れた。関東での敗戦は4年ぶりとなる。法大は昨年の甲子園出場メンバーが多数残る。スコアは6−14、奪ったTDは僅か1。オープン戦とは言え、紛れも無い完敗だった。社会人はおろか、過去4年間負けていなかった関東での敗戦は、チームに変化を迫った。
 敗戦の翌週、主将・鷲井(法4)は髪を剃ってSS戦に現れた。大敗こそ喫したが、前半の戦い振りは、スコアには現れない社会人への手応えを確実に感じさせた。QB桑野(営4)、RB伊藤喜(法2)のランは鉄壁のSSディフェンスを幾度も切り裂き、DL西川(文4)はロスタックルを連発した。
「専大戦のあとは選手たちの顔つきが変わった。やっと危機感をもってきた」。大森監督の言葉が意味したものは、日本一を目指す上での明確なビジョンと、それを体現できる力を持つと言う確実な手応えだ。
 秋のシーズンへ向けて新たな力も台頭している。中でもQB・市川尚也(駒場学園出身)は182a75`という恵まれた体格に加え、パスのキレ、精度ともに、十分な素質を感じさせる。  敗戦が与えてくれたもの、社会人から得た確かな手応え、そして新たな力の台頭。今年のスローガン「限界無き挑戦」への布石は固まった。

(武田 教秀)



スポ法新人記者コラム 新米記者の目

 「怪我はもう大丈夫。フル出場したが、スタミナは最後までもった」これが5月18日の東農大戦の後のMF長山のコメントだった。怪我からの復帰戦で2アシスト。負けの続く法大サッカー部が背水の陣で臨んだ試合で見事に結果を出した。今までサイドからの攻撃は右サイドに偏り気味だった。しかし彼の復帰により右の中村と左の長山と言うように両翼のバランスが取れてフィールド全体に秩序がもたらされた。DF陣は今期から取り組んだ慣れない3バックから伝統の4バックに戻した事により安定したように見えた。終盤に相手の交代選手が効果的な働きを見せ、一点返されるものの最後まで逃げ切った。この勝利で油断してしまっては元も子もないが、サイド攻撃の復活などのプラス材料は多い。この試合を足掛かりに昇格への階段を順調に駆け上がっていってほしい。

(箕輪 成晃)

 選手たちの声が聞こえてくる。それほど近い位置で試合を見ることができる。これまで、サッカー観戦はテレビの前だけだった私にとって、生で見る試合は新鮮だった。テレビで見るのとはまったくちがう。実況も、解説もない試合をどんな風に見ればいいのか、初めはとても不安だった。ただひたすら、選手の動きを目で追う。たまによそ見をして、いいシーンを見逃す。90分があっという間に過ぎていく。そんな事を繰り返しているうちに、楽しくなってきた。自分の好きなように、自分の視点でサッカーを追いかけてみよう。それが、サッカー観戦の醍醐味だと気付いた。
 戦う選手たちの声、勝利への熱い思い、ゴールへの執念。全てを感じることができる場所。この場所で得られるもの、そして、選手たちの後ろ姿から学べる事は、大きいはずだ。

(山里 典子)

 アメフトと陸上競技の二つは僕が大学に入学して初めて観戦したスポーツだ。特にアメフトはルールすらもほとんど知らなかった。しかし二つとも見始めると実に見応えがある。またこの二つの競技には似た部分がある。それはある一点を追求している競技ということだ。例えば野球では走・攻・守の三つの技術がすべて一人に求められている。これに対して陸上競技では走・躍・投の三つの競技がそれぞれ分けられている。またアメフトには人数交代の制限がない。そのため攻撃と守備ではメンバーが入れ替わりそれぞれのスペシャリストが活躍する。陸上競技とアメフトの各人それぞれの得意な部分をぶつけ合うという点にスポーツの新しいおもしろさを感じた。これからは今まであまり関心を持たなかったスポーツにも積極的に触れて生きたい。

(早坂 茂)

 家の近くに法政大学の学生寮があり、外から見ると殺風景でいかにもお化けが出そうな建物で、それがそのまま法政大学そのものに対して抱いた最初のイメージとなっていた。
 それから数年後、縁があってこの大学に入って僕はこの大学のあらゆるものに圧倒された。野球もその一つ。野球エリートと呼ばれる高校時代からのスター選手を間近で見た時は、ただ感激するばかりだった。グラウンドの選手達が自分の持ち味を出す一方で、緻密さから裏付けられた、チームプレーに野球の奥深さを知った。早大、和田投手から唯一白星をあげたのはさすが法大。
 そして後日、弟が所属する中学の野球部が法政の付属中と対戦し、手も足も出ずコールド負けを喫した。そのことにまた別の観点から、法政という名の組織のネームバリューをまざまざと思い知らされるのだった。

(深澤 康平)


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