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伊藤 アテネオリンピックへ!

  アテネオリンピック男子4×400mリレーのメンバーに伊藤友広選手(経4)が選ばれました。オリンピック出場を目指し、長い戦いを続けてきた伊藤選手。日本選手権では46秒78で7位、南部記念では46秒48で3位という成績でした。
 オリンピック代表に選ばれた事を聞いたときの様子や今シーズンの感想、アテネへの想いなどを聞いてきました。

今シーズンについて〉
−春先はあまり調子がよくなく、今月の全日本インカレ〈以下全カレ〉のときに悪い流れが改善されてきたと言っていましたが、今シーズンの調子をふり返ってどうでしたか?

前半は全然納得がいかなかったです。オリンピックがあるということで精神的に追い込んでいました。疲労も蓄積していて。練習を変えてキレを出す方法をやりました。全カレはいい感じで走れたのですが。南部記念(以下南部)では、全カレの4本(リレー、400mそれぞれ予選・決勝)の疲れがとれなくて。調子が落ち気味でキレがなくなり、まずいと思いながらもなんとかそれなりに走ることができました。

−疲れといいましたが?
全カレの前と後では体のキレの差がはんぱじゃない。南部での記録は46秒5くらいかなと思っていました。社会人は日本選手権のあと南部まで1ヶ月あいて完全な調整ができるのですが、学生にはきついかなって思っていました。でもなんとかなりました。厳しかったけれど。

−春の取材の時に「日本選手権を目標に」と言っていましたが、ここで出場を決めることができませんでした。このとき、気持ちのきりかえはどうでしたか?
日本選手権で決めたかったけれど、調子のあがらないままむかえて。走って決勝に残ったけれど、予選で走ってみてケツのほうかなって思いました。マイルリレーで代表を4.5人選ぶと聞いていて、そのとき3人しか選ばれていなかったので、チャンスがあると気持ちを切りかえられました。日本選手権の決勝に出たら、南部での追加があることは分かっていたので、夢はつなげられました。

〈走りについて〉
−今シーズンの走りの感覚はどうですか?

キレがないことでうまく前半スピードに乗れませんでした。スピードに乗せないと全部だめになってしまう。前半無理すると硬くなってラストが持たなくなり悪循環になってしまう。キレを戻して楽にスピードを出せるよう修正します。

−余計な力を使わずに走るという目標は?
まだ完璧ではないです。ずっと課題で。春先よりはよくなってきていますが、いまひとつ。調子が上がれば自然にいけると思います。なんとかオリンピックまでには。

−残り100mで体がそらないようにしたいと春の取材でに言っていましたが?
前半うまく走れれば勢いで走れると思います。春よりは減速が少なくなりました。

−自己記録は昨年の静岡国体で出した45秒63ですが、このときはどんなことを感じましたか?
狙った試合ではなかったのですが、毎年国体では自己ベストを出していて相性がいいので。風がまわっていて、全部追い風みたいになりうまくスピードに乗れました。300mくらいまでトップでいて、うまく走れていたのですが後半失速しました。前半は走っていて速いのが実感できました。記録も出るなって思っていて。45秒中くらいは出ると300m前で感じていました。

−自分アピールポイントはどこですか?
大きな舞台で強いことです。プレッシャーのかかっている時のほうが力を出せるので。自分が緊張するくらいの舞台のほうが力を出せる。悪いなりにも自分の力を出します。大崩れはしません。本番いかに爆発させられるか。

−リレーで気をつける点はどこですか?
自分の走りもそうだけれど、バトンをつなぐこと。受け渡しや、他のチームを抜くときのバトンの持ち方。リレーの基本をしっかりと。あと、自分の走りも。

〈オリンピック〉
−南部記念のレースは納得がいかなかったようですが?
キレがなかったです。全体的にも悪かったので。もう少し前半にいって、300mくらいまではトップについておきたかったけれど、4番手くらいで。キレが戻っていませんでした。これから調整すれば修正できると思います。シーズンの終わりにいつも調子が上がっているので。オリンピックに向け調子を上げていく自信があります。

−オリンピック出場の連絡はどうやって聞きましたか?
苅部さんから電話で。

−知らせを聞いたときの気持ちは?
大学に入学したときから4年生になったらオリンピックがあるなと思って、ずっと目標にしてきました。オリンピックが決まるか決まらないかの微妙なラインにいて、朝から緊張はしていました。北海道からの帰りの電車で電話を聞き、携帯を握り締めて。うれしくてすぐに親に電話しました。電車で座って一人でかみしめていました。心の中でよかったと。でもここからが勝負。(リレーメンバーは)5人いて行くだけになりかねないので。ここからが勝負と自分に言い聞かせています。

−みんなからどのように声をかけられましたか?
みんなすっごく喜んでいて。予想以上でした。電話・メールがいっぱいで忙しくて大変でした。みんな自分のことのように喜んでくれて嬉しかったです。

−お祝いは?
発表の前日に、コーチや清水選手、梶川選手、先輩と北海道で飲んでいて、盛り上がって楽しかったので、(その日は)あまり飲むきにはならなかったです。

−オリンピックでの目標を教えてください
出れなきゃ話にならない。調子を上げていってリレーに出て、チームに貢献できるように。決勝で入賞できる力があるので。オリンピックの決勝を経験できる可能性も。

−オリンピックで吸収したいことはなんですか?
海外の一流選手の動き。オリンピック特有の雰囲気を経験したい。スタンドに行くだけでも違うと思うし、試合に出るとまた違うと思います。今後競技をやっていく上でもプラスになるので。得られるものは何でも吸収したいです。

−ライバルは?
他の国のことはあまりよく分かりません。アメリカは強いですけど。

−オリンピックに対する印象、想いは?
オリンピックは小さい頃からテレビで見て、すごいなと思っていました。出られるとは思っていませんでした。雲の上の存在のようなイメージです。夢。

−その夢に手が届きそうですが
まだ、現地にいける段階。走れるかは微妙。出なければ。

−一緒に走りたい人はいますか?
特に思いあたらないです。アメリカの選手での世界選手権でメダルを取ったような人と。実力差があり厳しいけれど。

−JAPANチームに対する想いは?
オリンピックは国民が注目していて、日の丸を背負うというのはそれなりのプレッシャーがあります。自分が遅いとチームに迷惑がかかってしまう。そういうことがないように、足を引っ張ることなくチームを引っ張っていきたいです。みんなが応援してくれていることを自覚し、代表として走らなければ。

−アテネではどんなことをしたいですか?
有名人とふれあいたいですね。誰が出るのかよく分からないですが。

−特に誰と?
野球を小学校から中学までやっていたので、出ていたら長嶋さん。あとは、サッカー。オーバーエイジの小野選手。

−アテネは暑いようですが
八王子も十分暑いです。やばいくらいに。グラウンドも照り返しで37〜38度くらいまであります。日常で(対策は)できています。

−意気込みを聞かせてください
なんとしてでも出て、オリンピックという舞台で最高の走りをしてチームに貢献し、決勝に出て上のほうにいきたい。

−メダルは?
みんなの調子次第。完璧なら狙えないわけがないので、意識しながら。

−法大生や法大OBにメッセージを
とりあえず注目してテレビを見てください!夜中でも起きて見てください!応援よろしくお願いし
ます。

 

取材後記
 多忙の中インタビューに応じてくださった伊藤選手。本当にありがとうございました。今後は国内合宿やテスト、結団式などを経た後、8月14日からフランクフルトで合宿、18日にアテネ入りし、30日に帰国の予定だそうです。伊藤選手には時間がない中、用意した質問にひとつひとつ丁寧に答えていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。伊藤選手のオリンピックでの活躍を期待しています!

スポホウ伊藤選手関連の記事 
・スポーツ法政新聞2003年6月号 関東インカレ優勝
・スポーツ法政新聞2004年4月号 世界への挑戦走れアテネへ(後日アップ予定)
・陸上競技のページ(04年全日本インカレ、関東インカレ、春季トラックシーズンの記事、03年の記事、02年の記事など)

 


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