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スポーツ法政 ’03 6月号

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バスケ:23年ぶりのベスト4へ 板倉 東京六大学野球:法大 実力及ばず4位に終わる バレー:掴んだ躍進の気運 水泳:臼田 世界水泳へ出場決定 事件:市ヶ谷体育館で火災 陸上競技:伊藤 大槻 念願の初優勝 苅部コーチ 法大の強さを語る  全日本駅伝予選会 トップ通過 準硬式野球:無念の2位 アイスホッケー:3連覇届かず…  相撲:まさかの2部落ち サッカー:前期リーグ首位ターン 1部昇格へ前進 後期リーグ戦展望 キャプテン長山インタビュー 関東大学サッカー選手権 ベスト8 新リーグ創設 

バスケ 23年ぶりのベスト4へ導く
オフェンスの鬼 板倉

関東大学バスケットボール選手権

 試合終了のブザーが鳴った瞬間、控えや応援席にいた選手達がコートになだれ込み、まるで優勝したかのように歓喜の輪ができた。過去に何度も壁として立ちはだかってきた宿敵・日体大を倒し、23年ぶり悲願のベスト4を達成したのである。  また、チームを牽引した板倉は得点王と優秀選手賞を獲得した。

打倒日体大


 「オフェンスよりディフェンス勝負」と主将の澤岻(営4)が語ったように、いかに敵の誇る強力なインサイドを抑えるかがポイントとなった。日体大のインサイドの要・鵜澤にはPFの板倉がCとしてマッチアップ。「鵜澤を止めるために本来のポジションから移った。ミスマッチを生かす」(板倉)。守りの時は誰かがヘルプして2人で止めに行き、攻めの時は外で勝負する。「相手守備陣の均衡が破れているところをついた。中はカバーしやすいが、外は難しい」(コーチ)。相手は攻撃の起点を封じられ、思うように攻められない。逆に法大はシュートの確率が高く、いいリズムで試合を運ぶ。「みんなの声援もあり、いつも以上の力が出せた。」と語る板倉は流れを引き寄せるダンクや大事な場面での3Pなど35点と大ブレーク。日体大も反撃するが、「今回はディフェンス勝ち。集中して40分続けられれば勝てると思っていた」とコーチがいうように最後まで集中力は切れることなく必死に守り抜いた。ベスト4への思いが勝利を呼び込んだのである。
 その後、準決勝へと駒を進めた法大は大東大に敗れ、続く専大との3位決定戦も落とし、4位で大会を終えた

法大MVP


 悲願のベスト4進出の立役者はまぎれもなく板倉である。「4年生になり、責任感が増し、勝ちたいという気持ちが強くなった。優勝にできるだけ貢献する」という言葉通り、日体大戦をはじめ、大会を通して活躍。ケガで本調子でない澤岻の分までカバーし、チームを引っ張った。その結果、見事に得点王と優秀選手賞を獲得した。
 「個人よりチームを優先」と常に献身的なプレーを続ける板倉。特に攻撃面での貢献は計り知れない。力強い1ON1、ジャンプ力を生かしたシュート、勝負所で決める精神力。中でも外でも点のとれるオールラウンダーとしてチームを勝利に導いてきた。今後、さらにマークが厳しくなるが、彼の活躍なしに法大の躍進はない。

意識の改革


 今季、法大は佐藤崇行氏のコーチ就任に伴い、新たなチームに生まれ変わろうとしていた。「波が激しいので、ディフェンスからしっかりしていく」とコーチ。昨季まではオフェンシブでいい時と悪い時の差があり、安定感がなかった。更に上を目指すため、1部でもトップクラスの攻撃力に守備への意識を加えようとした。
 改革は着実に進み、選手の言葉やプレーに変化が見られるようになる。そしてベスト4達成。わずか数ヶ月で結果を出すことができたのはコーチの手腕と選手の成長、取り組みに対するお互いの信頼があったからである。大会後、「まだ不安定なところがあるが、少しずつ理想のチームに近づいてきている」(コーチ)、「コーチの考えを完全に理解できた時にはいいチームになる」(板倉)とさらに絆は強まった。
 23年という長い沈黙を破り、進むべき方向を見つけた法大。もう迷ったり、立ち止まったりする必要はない。コーチを、仲間を、そして己を信じて進むだけ。今いる選手達が生まれる前の栄光を取り戻すために。
 
(高坂 知永)



東京六大学野球 法大実力及ばず4位に
届かぬ勝利・積んだ経験

   金光新監督の下、ディフェンスを重視し、総合力で勝てるチームを目標として春季リーグ戦に臨んだ法大。開幕の慶大戦は接戦末惜敗。立大、東大からは勝ち点を挙げるものの、その他の大学には力の差を見せつけられ最終成績4勝7敗、勝ち点2 、4位に終わった。

試練の幕開け


 昨年まで法大投手陣を支えてきた土居(現横浜)、奈須(現 東芝)が卒業しリーグ戦で実績のある山下哲(文4)、松本祥 (法4)らの奮闘が期待されていた春季リーグ戦。しかしケガ による調整不足という厳しいチーム状態のなかで法大は苦戦を 強いられる。慶大戦では清見に2安打に抑えられ、好投の下敷 領(文2)を援護できずに惜敗。2戦目は大事な場面での犠打 失敗が響き連敗してしまう。立大には2勝1敗で勝ち点を挙げ るが続く早大戦、投手陣は2試合で26失点、打線はチャンスを つくるも繋がりを欠き大敗。「チームの勢いの無さがそのまま 出てしまった」(金光監督)と語るように力の差を見せつけら れた。明大戦でも連敗を喫し、優勝の可能性は消えた。東大戦 では連勝するが4位でリーグ戦を終える。
 

投打共奮わず


 打撃には波があるが守備と走塁にはスランプがない。相手に 点を与えない、ディフェンス重視の戦いを目標にしていた法大 。しかし今リーグ戦で投手陣が最小失点に抑え、守り抜いて勝 つという試合ができたのは立大3回戦のわずか1試合だけだっ た。救援投手が打たれさらに失策も重なり1イニングで大量失 点という試合が多かった。
 攻撃面ではチャンスを確実に生かし点を取りにいく野球を目 指した。そのため下位打線からでも攻撃が途切れないよう8番 に投手を入れ、9番には上位に繋がられる打撃ができる選手が 入った。しかし走者を出しても犠打が決まらない、得点圏に走 者がいても適時打が出ない試合が続いた。
 

新戦力の台頭


 投手陣崩壊のなかリーグ戦で成長した選手もいる。下手投げ 投手、下敷領だ。開幕投手を任され好投。勝ち点がかかった負 けられない試合や第一戦目で先発。投手不足というチーム事情 から救援でも登板し投手陣の柱となった。東大戦で完封でした 猪子(法2)。初勝利こそならなかったが先発し自信と次への 目標を得た福山(営2)。「同じ学年にいい投手がいるので負 けないように頑張る」(下敷領)と話すように三人は競争意識 も強い。野手では1年生ながらチャンスメーカーとなりスタメ ンに定着した大引(法1)や長打力も兼ね備えた村上(法2) といった新戦力が台頭した。投手陣の建て直し、守備の強化と 課題は多いが彼らの成長で、秋には総合力で勝てるチームにな るよう期待がかかる。
(前森 恵理子)

新人戦も4位

 6月3〜5日、春季新人戦が行われた。法大は準決勝で早大 と対戦。序盤から乱打戦となる。4点差を追いつくが救援投手 が打たれ競り負ける。3位決定戦では慶大と対戦。同点で迎え た9回1死一、二塁とされると痛恨の失策でサヨナラ負け。4 位に終わる。



バレー 掴んだ躍進の気運

 新チームで春季リーグを戦った法大バレー部。リーグ前半戦、2連敗スタートとなったが、その後波に乗って3連勝し、一時、3位に立つ。しかし後半戦にかけて勢いをなくし、最終成績は6位にとどまった。順位が目まぐるしく変わるリーグ戦の中、主将・鈴木寛史(法3)を中心に攻撃的バレーを展開するも、後半戦は安定感を欠く試合が続いてしまった。順位的には悔しい結果となったが、この思いを胸に次の戦いに挑んでいく。

苦しい序盤

 筑波大、東海大と言う、強豪校との対戦がリーグ戦序盤にあった法大バレー部。リーグ戦が始まったばかりと言うことか、固さの出た法大はサーブミス、スパイクミスなど、ミスが多く出る苦しい展開となった。結果は2連敗スタート。チームの雰囲気に暗雲が立ち込めたかに思われた。
 しかし、その後、法大はまるで生まれ変わったかのように、落ち着いたプレーを見せ始める。日体大、中大、早大を相手にバレーをさせず、逆に自分たちのバレーをやり通し、3連勝。そこでは、しっかりとサーブカットを返した後、チームの大砲・鈴木のスパイクをはじめとした攻撃陣が自分たちの役割をしっかりとこなしていった。その時のチームを「調子が上がっていた」と吉田監督が振り返ったように、安定したサーブカットが法大の生命線になっていた。
 順大、亜大と続く予選リーグの終盤戦。「集中しきれてなかった」(鈴木)ことでミスをし、流れが相手に傾いてしまった結果、痛い2敗を喫してしまった。ここでの勝敗いかんでは、予選リーグ上位4チームからなる決勝リーグ進出へとつながる大事な試合だっただけに、悔やまれる結果となった。結局予選リーグは3勝4敗の5位。予選リーグ下位4チームからなる下位リーグの戦いへと移った。

大きな痛手

 下位リーグの相手は予選リーグで破った3大学。力を出し切れば負ける相手ではない。初戦は日体大。前に勝った相手ということで気持ち的に前のめりでいけず、ズルズルとポイントを奪われて敗戦。続く早大戦は勝ち、最終戦の中大戦。第1セットは奪ったが、その後、中大に傾いた流れを止めることが出来ずに力尽きた。下位リーグでの成績は1勝2敗となり、春季リーグ戦の最終成績は4勝6敗の6位。下位リーグでの敗戦が大きな痛手となってしまった。
 春季リーグの結果について「納得いく結果じゃない」と副主将の中西(営3)は答えた。そして、「(好不調の)波があった」と言う。監督も「満足していない」、「サーブ、サーブレシーブが良くなかった」と今リーグを振り返った。鈴木は選手たちの気の持ち方を強調した。「押されちゃうと引いちゃう。気を強く持って、押されたら押し返すような気持ちでいかないとだめ」。この「強気」の心こそが今季の法大バレー部に必要なものだったのだろう。

掴んだもの

 春季リーグで掴んだものがある。それは「自信」と「経験」。新チームとなって、今までリーグ戦を通して出場してこなかった選手が得たものは大きい。今(文3)、角田(法2)、土田(法1)は、もはやチームに欠かせない選手になった。今は強烈なサーブと切れ味鋭いスパイクが持ち味。何度もチームを波に乗せた。ブロックをよく見たスパイクでサイドアウトが取れるのが角田だ。リーグ戦を積み重ね、着実に成長している。そして、1年生ながらセンターとして出場したのは土田。本来のポジションはレフトだが、持ち前の器用さでリーグ戦に出場し続けた。監督は彼らについて「実力はあった。よくやってくれた」と評価。そして主将の鈴木は今季からスーパーエースにポジションを変えてリーグ戦に挑んだ。ブロックが2、3枚ついてもその圧倒的な高さから繰り出されるスパイクは他大の脅威になった。鈴木は「自信がついた」と語り、今季の自分のプレーに手ごたえを感じた。

次の戦いへ

 今季は大きなケガもなく、リーグ戦を通して固定メンバーで臨めた。その中でお互いに声を出し団結したプレーを出す。そのことはチームにまとまりをもたらし、今後も練習を重ねることでチームはより成熟を増すだろう。
 しかし、春季リーグでは次なる戦いへの課題も見つけた。「サーブカットからの攻め、安定した力」(中西)の確立である。課題が克服できれば、リーグ戦で上位に食い込む可能性は大きい。新チームで迎えた初めての春季リーグは終わったが、まだ戦いは始まったばかりだ。

(稲葉 聡)
 



水泳 臼田 世界水泳出場決定

「小さい子供に夢を与えられるようなスイマーになりたい」。以前、取材をした時に少し気恥ずかしげな表情を浮かべ、こう話したのは臼田だった。第79回日本選手権水泳競技大会。これは世界水泳選手権と、第22回ユニバーシアード競技大会の代表選手選考の場でもあった。
 臼田は100Mバタフライで4位、200Mバタフライで2位と好成績を残し、両大会の代表選手に選ばれた。主将の若林に「こいつは注目の選手だよ」と言われ、困ったような顔をしていた彼は、結果を残すことで逞しい顔になった。
 もう一人、今大会で名を馳せた選手がいる。ユニバーシアード競技大会に出場を決めた中野高だ。200M背泳ぎで予選、準決勝、決勝で1位となり優勝を決めた。世界水泳選手権の代表には選ばれなかったが、手の届く位置にある事を確認した。
 二人の目指す高みは更に上にある。もっと速く、もっと速く。アスリートの尽きる事のない渇望は、昨日より今日の自分を満たすため、選手を成長させていってくれるはずだ。
  
(箕輪 成晃)

▼臼田健太郎
社会学部社会政策学科2年。私立日本大学高校出身。種目はバタフライ。昨年は、インカレ2位(200m)、日本選手権6位(200m)、7位(100m)という戦跡を収める。

▼中野高
社会学部社会学科1年。私立八王子高校出身。種目は背泳ぎ。昨年は、高校生ながら日本選手権優勝、アジア大会2位、パンパシフィック大会4位(200m)という戦跡を収める。



 


事件 炎上!市ヶ谷体育館

 四月二十七日(日)、市ヶ谷総合体育館(一九七五年竣工、鉄筋コンクリート 地上五階、地下二階建て)で火災が発生した。十一時二十五分頃、体育館三階 の空手道場内師範室から出火、三階の約七百五十平方メートが全焼。また、 四階部の窓ガラスが熱で損壊するなどの被害が出た。消防車、はしご車など 二十台あまりが出動し、火は十二時過ぎに鎮火した。
 出火当時、ボクシング部、女子バスケ部、剣道部ら百人が部活動の練習中 などで体育館にいた。そのうち五階で練習をしていた女子バスケ部部員六名と、 受付係員一名が煙を吸い、病院に搬送された。女子バスケ部員六名は全員当日 に退院、受付係員は四月三十日にそれぞれ退院した。
 現場検証の結果、火元は空手道場師範室であること判明したものの、出火当 時、空手道場は無人で、出火原因は不明。本来一階を除き禁煙の体育館だが、 焼け跡からタバコの吸い殻とライターが見つかっており、それが火元になった のではないかと推測されている。
 体育館は現在全焼した三階部分の改修を主とした工事を行っており、八月中 旬には復旧できる見通しである。
  
(高村 篤史)



  

陸上 03関東インカレ 
400m伊藤・400mH大槻 念願の初優勝!

 関東学生陸上競技選手権大会が5月11日に国立競技場で、16〜18日に横浜国際総合競技場で行われた。400mで伊藤友広(経3)が、400mHで大槻雄太(経4)が、念願の初優勝を果たした。法大は戦力ダウンが懸念されたが、総合6位と順位を上げ、大会を終えた。

勝負に撤し

 伊藤の目標は優勝と記録をのばすこと。大会に向けては走り込みの練習を中心に調整。持久力は向上していた。だが、その反面スピード練習が足りず、前半に影響が出てしまう。決勝前半で出遅れてしまったのだ。それでも最後の直線、残り50mから物凄い勢いで追い上げ、逆転優勝した。
伊藤は47秒台の記録に納得のいかないものの、残り50mからの勝利は、集中力と身体能力の高さ。そして、勝負強さ。「よくやってくれた」と苅部コーチは評価する。伊藤の特徴は体がブレず上体が安定していて、余計なところに力が分散せず、スピードにつながること。今後の目標はこの持ち前のスピードに加え、ラスト100mで追い込む力を付けることだ。

不安を制し

 一方、何よりも勝つことを狙っていた大槻には、不安が残っていた。春先の怪我でハードリング練習ができず、5月の試合で調整していった。しかし、練習不足ながらも、ハードリングの上手い大槻は大崩れすることもなく決勝に進む。最後の1台を跳び終え他選手を置き去り、トップでゴールに駆け込んだ。
「勝てたことにほっとしている」と言う大槻。怪我、練習に参加できず生じる不安。そして最高学年という意地。考えるだけでも余りある様々な重圧に打ち勝ち、果たした初優勝。それは小柄な体型を全く気にさせないスピード、自分に厳しく、練習をこなせる力とこうしたいという自主性を持っている大槻の頑張ってきた4年間が結果となった瞬間だった。
  また2人は日本選手権(6月6日〜8日)に出場。伊藤は予選で48秒02と自己最高記録を更新した。課題をクリアした伊藤が45秒台を出す日は近い。
一方、大槻は記録を狙うがケイレンをおこし、残念ながら予選敗退。今後は高い潜在能力を生かすためにも、体力、筋力を付けることが必要だ。そして、4年の大槻は大学最後の大舞台、全日本インカレで49秒台に挑む―。
勝ちにいって勝った、伊藤・大槻の2人。
内藤が抜けた今年、法大短距離陣にさらなる飛躍をもたらす新たな2本の柱が誕生した。
(下田 晶子)




「自由」という厳しさ 〜苅部コーチ、法大の強さを語る〜

 法大短距離の強さを支える苅部俊二コーチ。「こなすだけ、やらされるだけの練習では世界へという意識に持っていくのは難しい。どうしてこういう練習をするのか、そして自分の体がどう動いているのかを知ることが必要」というように、法大の練習の雰囲気は自由。自主性や個性を大切にしているため、選手一人一人に相当に強い意志が要求されてくる。
 法大のお家芸ともいえる400mが強いのにも理由がある。精神力、体力ともにきつくなる最後の100mを走り抜ける力を持っているからだ。苦しい場面で力を発揮できる精神力を鍛える環境こそが、法大の選手の強さの秘訣である。



全日本大学駅伝予選会 トップ通過

6月14日に夢の島陸上競技場にて行われた全日本大学駅伝予選会で、法大は見事トップ通過し、本大会への出場権を獲得した。レース後のインタビューから彼らの強さの秘訣がかいま見えたような気がした。
 1組で登場した秋山和稔(経2)と岡田拓也(経2)。目標どおりの1.2フィニッシュを決めた。1着の秋山は「あいつ(岡田)がいくから俺もいける」2組目は原田誠(社2)と佐藤浩二(経3)。原田が「目標は10位以内と浩二さんに勝つこと」といえば、佐藤は「後輩(原田)に負けたのが悔しい」とさらに互いを意識しあう。3組目で期待のルーキー圓井彰彦(社1)がトップを狙い前を走れば、圓井を強烈に意識していたという中村洋輔(社4)最後の直線で「負けられないという気持ちで」その圓井をかわした。4組目では黒田将由(社4)と長嶺貴裕(経4)が法大内では好記録をたたき出すも、結果に不満が残ったようだ。
 互いを奮い立たせるライバル心。現状に満足しない向上心。これらが法大の強さの秘訣だろう。主将長嶺は「1.2年生の調子があがってきて、3.4年生のいい刺激になっている」と語る。身近にいいライバルがいることで、互いに刺激され、チームとしての力は高まる。力が上がっていくことで、さらにはより大きな目標達成へとつながってゆく。
 昨年以上に魅力的なチームへと、進化をとげつつある法大。本当の実力は秋の駅伝シーズンの到来とともに祖もベールを脱ぐ。



準硬式野球 無念の2位

 全日本大学選手権大会で優勝することを目標に掲げる法大準硬式野球部。そのためにはまず、春季リーグ戦で優勝して、出場権を得なければならない。しかし、本来の実力を発揮できず、2位でリーグ戦を終了。3年ぶりに出場権を逃す悔しい結果に終わった。
 初戦の東大戦に圧勝、続く慶大戦では接戦を制して、順調に勝ち点を積み重ねる。しかし早大戦では、1戦目を取ったものの、2・3戦目は投打にいいところがなく、まさかの連敗で勝ち点を落してしまう。あとがなくなった法大は、首位・明大との対決を迎える。逆転優勝のためにも必ず取りたい1戦目。序盤までに5点を奪い、1点差に詰め寄られるも、4番・畠山直(経4)の適時打で突き放す。8回に失策絡みで同点にされた直後、またも畠山直が適時打を放ち、1点リードして最終回を迎える。しかし、先頭打者に本塁打を打たれ、痛い引分け。2・3戦目も勝利への執念を見せるが、好機を生かせず、また大事なところで失策が出て、目の前で優勝を決められてしまう。その後立大に連勝して、法大は2位でリーグ戦を終了した。
 法大は、各校の好投手に打線が抑えこまれた。また犠打失敗や守備のミスが出てしまった。「普段できることがリーグ戦でできなかった」と主将の森北(社4)は今季を振り返る。どのチームも好投手を擁しているだけに、1点を争う接戦になる。それゆえ小さなミスが、勝負の分かれ目になる可能性が十分にある。
 高いところに目標を置いているからこそ、ミスをなくす必要がある。今泉監督はこう言った。「ここでもう1回立て直して、優勝する」。今季を糧に、法大は一層強くなる。
                    
(朝山 雄次)




アイスホッケー 3連覇届かず
経験積み課題克服へ

 まだ手探り状態のチームで挑んだ関東大学選手権。法大は3連覇こそ達成できなかったものの準優勝と前評判を覆す活躍を見せた。
 新チームでの初の公式戦となった準々決勝の日大戦、1ピリだけで3点のリードを奪うが徐々に日大にペースを握られて3ピリ序盤には1点差まで詰め寄られてしまう。しかし、日大に傾きかけようとした流れを、主将の松田(法4)の一発で再び流れを法大に引き戻し日大を振り切った。準決勝の早大戦、序盤こそ一進一退の攻防となったが3ピリに突入すると、法大のゴールラッシュ。大差で早大を下し、決勝へ勢いづく勝ちある勝利を手にした。決勝の相手は昨季何度も苦渋をなめさせられた明大。1ピリ6分に先制を許してしまうがその後は、ほぼ互角の試合展開を見せる。2ピリの終盤に山田(営1)のゴールで一点差とするが、試合終了間際に追加点を許し力尽きた。
 「敗因は経験の差。力の差はほどんどない」と法大で唯一ベスト6に選ばれた松田主将が言うように、ここ一番の試合でが技術では補えない部分が重要となってくる。この準優勝という結果は、選手たちに大きな自信をもたらしたに違いない。この自信と春の悔しさをバネに秋に飛躍することを期待したい。
(亀田 孝明)




相撲 まさかの2部落ち

 6月8日に東日本学生相撲選手権大会が、両国国技館にて行われた。
 この大会でのチームの目標は1部残留とさらには上位進出であったが、その二つと も果たすことができず悔しい結果にとなった。
 団体戦予選1回戦の相手は駒大。「1部残留のためにはまず駒澤に勝たなければな らなかった」と関谷主将が言ったように大事な緒戦。しかし駒大の圧倒的な押し相撲 に法大は防戦一方で5戦全敗。次戦の日大にも同じく5戦全敗。3試合目の早大戦に はかろうじて勝つことができたが、予選9位で2部落ちが決定した。個人戦でも決勝 トーナメントに残った選手はおらず、不甲斐ない結果に終わった。チームには怪我を している選手もいて、万全な状態ではなかったが「こんな結果になるとは思っていな かった」と関谷主将も落胆した様子だった。これからは1部復帰に向けての戦いとな る。
(深澤 康平)




サッカー 最多得点&最少失点で首位ターン
リーグ優勝、そして1部昇格へ前進

 4月12日(土)から約1ヶ月半に渡って行われた第77回関東大学サッカーリーグ前期戦。2部リ−グを戦う法大は、4勝2分1敗の成績で堂々の首位。最高の形で9月13日(土)より再開される後期戦へ臨むこととなった。今季は例年定評のある守備力に加え、飛躍的に得点力がアップ。リーグの最多得点、最小失点と攻守に抜群の安定力を見せている。しかし、秋までに残された課題も少なくはない。開幕同様、万全の準備を果たし悲願の1部昇格を目指す。

全員サッカー

 昨年までの印象とは明らかに違う。「決定力不足、そして精神的弱さが課題」(横谷前監督)であったチームが、大きな成長を遂げてこのリーグ戦に戻ってきた。法大は従来「守備を第一と考える」(照井監督)サッカーをしてきた。今季も基本的にそのスタイルは変わらず、その結果リーグでの失点はわずかに8と、リーグナンバーワンの守備力を誇っていることは確かだ。だが、今季の法大はそれだけではない。「得点できることが今の法大の強さ」(長山一也・社4)というように、リーグ戦前期の法大はリーグ最多の14得点を上げ、決定力不足を見事に克服した。昨季は完封負けに幾度となく泣かされて来た。それだけに、今季の得点力の向上は、法大躍進の大きな原動力となっていることは間違いない。そうはいっても、今の法大には飛び抜けた点取り屋がいるわけではない。個人の能力ではなく、チームとしての強いまとまりによる攻撃が特徴である。「起用する選手がよくやってくれている」(照井監督)というように、まさにチーム全員でつみ上げた得点が、好結果に結びついている。全員守備、全員攻撃の全員サッカー。それが、今季の法大のサッカーなのだ。その中でも中心となるのは、「チームリーダーとしてみんなを良く引っ張っている」(照井監督)主将・長山だ。一昨年アシスト王を獲得したそのスルーパスもさることながら、それ以上に今季は「いつも練習している」(長山)FK(フリーキック)が特に輝きを放っている。
 第3節の国武大戦。前半19分に得たゴール前でのFKで、直接ゴールネットを揺らし貴重な先制点を叩き出した。さらに、第6節の慶大戦。試合はリーグ最下位であった慶大相手にまさかの2失点。チームも精彩を欠き、無得点のまま時間だけが過ぎていく状況であった。万事休すかと思われた後半30分に得たFK。長山が蹴り出したボールは綺麗に慶大ゴールにつきささった。長山が上げた反撃の狼煙が、3分後、FW荒木洋太(社4)の同点ゴールを呼んだ。勝ち越しとはいかなかったものの、負け試合を振り出しに戻すその流れを生み出した。「常にみんなを励ますことを心がけている」(長山)頼もしきキャプテンの右足から繰り出されるFKは、チームに勇気を与え、試合の流れを大きく引き寄せる法大の大きな武器となっている。

上を目指して

 そんな長山と同様、FWの荒木と蔭地弘貴(経2)が後期リーグ戦にむけ、攻撃の中心となるはずだ。「2トップを固定して攻撃のバリエーションを増やす」(川勝コーチ)。開幕から数試合、唯一固定されていなかったFWのポジションのレギュラーに抜擢されたのはこの2人だった。前期リーグは荒木、蔭地ともに怪我に悩まされていた。途中出場の試合も少なくはなかった。しかしその中でも、荒木はリーグ3得点、蔭地は2得点とFWとしての役割をこなしてきた。思い起こせば、昨季リーグ戦でのラスト3試合を3連勝へ導いた立役者もこの2人。怪我を完治させ、長山、荒木、蔭地を中心とした全員攻撃のサッカーが"勝負の秋"に確立した時、さらなる得点力アップが望めることだろう。
 より完成度の高い全員守備、全員攻撃の全員サッカーを目指して、そして1部昇格を目指して、法大の挑戦はまだまだ始まったばかりだ。
(大野 純一)




昇格へ!後期リーグ戦展望

前期リーグ戦を首位で終えた法大は1部昇格へ最も近い位置からのスタートとなる。しかし追ってくる他大学の足音は決して小さくはない。勝ち点1差で2位につけているのは流経大。関東大学サッカー選手権では2年連続準優勝という成績を収めた。また前期リーグ最終節で法大が1敗目を喫したのもこの流経大である。昨年も苦戦を強いられた相手だけに昇格に向けて最大のライバルになるだろう。3位以下も混戦で1つの負けが命取りになりかねない状況である。
 第2節終了時点から首位を守りつづけてきた法大は、追われる立場として前期リーグを戦ってきた。そして後期もその首位の座を守り続けなければならない。照井監督も「相手も法大のサッカーを研究してきていて簡単には勝てなくなる。そんな中でどれだけ100%の力まで近づけてプレーできるかが問題」と語るように、確実に前期以上に厳しい戦いを強いられるだろう。追われる立場として戦わなければならない難しさを克服できるかどうかがカギになってくるのではないだろうか。
 しかし今年の法大にはそれを成し遂げられる力があるのも事実である。前期リーグでここぞというときに確実に勝利してきた勝負強さを見せ、優勝、そして1部昇格を果たせるか。秋からの法大の戦いから目が離せない。
(松本 美希)




特別インタビュー 長山キャプテンに聞く 

  法大の頼れる司令塔、長山キャプテンに前期リーグをふり返り、そして後期に賭ける  熱い想いを聞いた。

 −前期4勝2分1敗、首位ターン、この結果は?
    「満足していますね。いけるっていう手応えはあったので」

 −自分たちのサッカーは、どれくらいできました?
    「まだ、たぶん発展途上っていうか、完璧にはできてないと思いますね。精神的な面で強くなって、   "パスをつなぐ"ってことがこれから課題になってくると思います」

 −今までの3年間と比べると、どうですか?
 「意識が今までとは全然違いますね。引っ張っていこうっていう考えとか、自分で1部に上げるって   いう意識が強い。その分、やっぱり賭けてるものも違いますね。今、すごいやりがいもあるし、   楽しいです。やっぱり1部に行きたいですね。1部に行かせたいです、後輩に」

 −1部に上がるのに、必要なものとは?
 「一人ひとりがもっと大人になっていけばいいんじゃないかな。持っているものは皆、いいもの   を持ってるんで、それを試合で出すのに、自分たちが何すればいいかっていうのを、個人個人   考えられるようになって、グラウンドに立てるようになっていけば、いけると思います」

 −最後に、後期の抱負を
 「もっと自分自身、貪欲に得点を狙っていきます。もう"全勝"っていう意識でやっていきます!!

(取材・大橋 裕子)

*なお、今回、紙面上で載せきれなかった笑いあり、涙あり?長山キャプテン、インタビューは当ホームページ、サッカーコーナーに掲載中!合わせてご覧下さい。



第17回関東大学サッカー選手権
全国逃すもベスト8

 勝つか負けるか。トーナメント戦は結果が全てである。リーグ戦とは違う貴重な経験の場、関東大学サッカー選手権。夏の全国大会への出場権をかけた大会でもある。法大は1、2回戦を順調に突破するも、準々決勝、第5代表決定戦では敗北を喫し、全国への夢はついえた。しかし、この大会で4試合を戦い抜いたことは、確実に選手たちを成長させたはずだ。
 延長戦でも決着がつかずPK戦にもつれ込んだ1回戦。苦しい戦いとなったが、「最後までみんな諦めずに頑張ってくれた」という長山の言葉通り、気持ちでつかんだ勝利と言えるだろう。どんな時でも勝ちを取りにいく強い気持ち。1部昇格を目指す法大にとって、必要不可欠なものだ。続く2回戦は、順大相手に互角以上の試合を展開し、1部のチームにも勝てる力がある事を証明した。そして準々決勝。チャンスをなかなか生かせず、「決定力に差が出た」(MF津島・社3)試合となったが、攻め続ける姿勢を見せた法大。3失点についても「追いつくために攻めにいった結果」(照井監督)と、前向きにとらえている。全国への最後のイスをかけた青学大戦は、同じ2部所属、しかも前期は法大が勝利を収めているだけに悔い残る結果となったが、この悔しさをバネに、今後ますます強くなってほしい。
 全国大会に出場できないことは残念だが、今年の法大の1番の目標は、「1部昇格」である。この選手権を通して法大は、昇格への階段をひとつ上った。
(山里 典子)
   



新リーグ創設、新たな舞台

「より多くの体育会サッカー部員に公式戦の出場機会とチャンスを!」というような主旨で創設されたリーグ、インディペンデンスリーグ(以下、Iリーグ)。照井監督が「Iリーグを補欠の調整の場とは考えない。このリーグをは獲りに行く」と言うように、ただの2軍リーグではない。試合をする環境は決して良いとは言えない。土煙が舞い、ボールはイレギュラーするグラウンド。しかし視線を上に定めた選手達が繰り広げる試合は胸に詰まるものがある。現在、法大は2勝1敗と好調である。上を目指し、輝こうとする原石がひしめきあう、このIリーグ。これからも本紙は追い掛けていきたい。                        
(箕輪 成晃)




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