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箱根駅伝コメント集

◆1区中尾栄二(人3)
「(3位は)満足してはだめなんだろうけど流れを見るとよかった。個人的にはもったいない。最後もっといけたんじゃないかと思う。展開が遅かったけど自分が完全の状態まではいかなかったのであのペースでよかった。弱気じゃないけどうまく先頭についていい意味で流れをつくれた。秒差を見れば少なくてよかったけど、順位を見ればワセダの選手の中では下のほうなので不完全燃焼です。
(来季は4年生だが?)やはり4年生が引っ張っていかないといけない。強い世代が引っ張るのを一つ下で見てきたので続けていきたいと思う。(来年の目標は?)それはもう、総合優勝です。2時おきでも3時おきでもいいからいいところ走りたいですね」

◆2区原田正彦(人4)
「自分にできることをした。区間賞はおまけみたいなもの。3位はチーム一丸となった証明だと思う。自分の力を出すために、コーチに自分たちから仰いで、自分たちで身として、最後チームとしてまとまって襷をつなげた。エースとしてやるべきことを考えると微々たることしかできなかった。敦之さん(佐藤敦之、平13人卒=現中国電力)のようにエースたらんとして普段から周囲にずっとその姿を見せていた人とは一回の結果だけじゃ間がある。(4年間終えて?)終わったな、って感じ。言葉にできない、ワセダでしか味わえないことが味わえた」

◆3区森村 哲(人3)
「襷が前半からいい流れでつながった。前に2校いることも事実だから悔しい。でも本当にいい駅伝ができたのも事実。反省するところは反省して喜ぶべきところは喜びたい。(調子は?)良かった。(当日が)ピークだったと思う。(補欠は)万が一に備えて。区間記録を狙って走った。トップなら差を広げる。それ以外なら全部抜く。そういう意味では役割を果たせたと思う。前半は満点。後半は落ちてしまったので不満。タイム見たら区間賞は無理だと思った。だから悔しさも半分というところ。それでも他チームを全部引き離せたのは良かった。(来季に向けて)今年は本当にいろいろあった。すべて含めて来年に生かしたい。みんなに迷惑かけたので、今度は自分が頼られる存在になりたい」

◆4区新井広憲駅伝主将(人4)
「それぞれが自分の行きたい区間を走ったのでいい流れができた。うまく相乗効果が働いてブレーキのない全員駅伝ができたと思う。誰も弱さを出した人がいなかった。スタートラインに立ったら足が痛いのも関係ない。タフさが(今年のチームには)あった。自分の足にふがいなさを感じる。終わってみて負けはしたけどワセダの駅伝、チームの色はアピールできたと思う。みんなには胸を張ってほしいし、(胸を張って)いいと思う。負けたのは相手が上手だったからでまた今年1年頑張ればいい。納得はしているし悔いもない。実力は出し切りました。
(原田区間賞について?)原田の区間賞はやる気にさせられた。学生日本一ですから。(2区以外に強い選手がいても、2区に)来なかった選手は言い訳にならない。(個人の走り、トップで襷もらって)生きた心地がしなかったですね。はじめは気持ちよく走れたけど後ろから追ってきて・・・ラスト5,6キロは詰めてきたこと知ってたんで粘って・・・。抜かれたのは悔しいけど(当日の)自分ではあれがベスト。不満はな,u「ぁw)。自分の差で負けたんだから」

◆5区五十嵐毅(人2)
(神奈川大・吉村に並ばれて)(吉村は)うちの学年で1,2位にすごいやつ。区間記録で1分以内でいきたかった。せってラスト勝負したかった。4日前に発熱したけど仕上げに問題はなかった。昨年に比べて慣れた走り方ができたと思う。(途中で腹部をおさえていたのは?)筋肉痛で腹がつりそうになった。(来年に向けて)自分自身の甘さが出た。勝つ気持ちを持って練習し、2区で他大と戦える選手になりたい。今年3位なんで優勝したい。プライドを持って取り組みたい」

◆6区相楽 豊(人3)
「予選会の時から優勝を目指していた。シーズン当初から4年生が優勝を口にし続け、引っ張ってくれたおかげ。(自分の走りについて)スピードに乗り切れなかった。自分で優勝の流れを切ってしまった。1年の時(5区)と昨年の変更(6区)があったからどっちにも対応できていた。前日のチームの走りを見て勝つ意思を思い出した。大東にも勝つつもりで挑んだ。ずっと昨年のシード落ちの悔しさがあった。箱根直前は全日本の2位(一時)で手ごたえとやればできる気持ちと不安とが入り混じるよい状態だった。
(今年振り返って)平地での走力アップが目標だった。最後の最後で力がつき始めた。(来季主将になるが)新井さんとは個人的にも一番仲がよかったし、新井さんのような主将を目指したい。次は上(優勝)しかない。優勝を口にし続けてよい結果を求めたい。気持ちでチームを引っ張りたい」

◆7区空山隆児(人1)
「大学入ってずっと波がなかったけど、今日(当日)はそのなかでもよかった。自分の区間はしっかり走ろうと思っていた。
(強気なレース展開だったが?)前にも(選手が)いるんで、一緒に走っていても仕方がないと思った。前を追っていこうと思っていた。(区間賞は?)揖斐さん(駒大)に近づける走りを、と思っていた。取れるとは思っていなかった。最後に沿道から区間賞という声がかかって頑張れた。(来季につながる走りだった)(来季は)トラックをしかっり走れるようにしたいと思う。(箱根振り返って?)面白くもあり、大変でもあった」

◆8区植竹誠也(人3)
「空山がいい流れで来てたのでそれをストップさせてしまったのが先輩として情けない。(良かったのは)責めの走りができたこと。(反省点は)やっぱり後半・・・。駒澤を抜くべきだった。ワセダ記録である1時間6分25秒を目標にしてたけど、狙いは駒澤だった。中川(順大)がかなりゆさぶりをかけてきた。くらいついていったけど離されてしまった。後半向かい風があったんでそれもちょっときた。
(来年に向け、先輩からは?)上に駒澤、順大とあと2つあるんで、優勝目指して頑張るようにと。今の4年生は1年の時からお世話になった先輩なんで心からご苦労様でしたと言いたい。1年前は悲しい涙だったけど、今日はうれしい涙でよかった」

◆9区後藤信二(理工3)
「(順大と)1分30秒差なら9,10区で逆転可能だと思い、前の長山を目指して走った。一人旅になる9,10区は1,2年の時にも走って慣れていたので走りにくいという意識はなく、ひたすら前を目指して走った。19キロくらいから沿道の声で迫っていることは分かった。全日本で抜かれたように、また同じことが繰り返されるのでは、という心配が1キロ以上続いた。残り3キロは気持ちにゆとりができたのか、気持ちを切り替えることができた。
(区間4位は?)非公式だが法大の記録を入れると5位なので満足はしていない。でも思い通りのペースで走ることができた。昨年のような後悔はない。来年があるので負けないように頑張る」

◆10区櫻井勇樹(教4)
「順大を抜かすことだけを考えていた。タイム的には差があったけど自分は目がいいので、走り始めてすぐ前は見えた。ただ、途中タイム的には差が詰まっているはずなのになかなか前が近づいてこないのが嫌だった。優勝したかったが、全員がしっかり走ってこの順位だから仕方ない。自分自身は予選会以降、調子を落とすことなくずっと上り調子で箱根まで来れた。肉体的にも精神的にも今回は踏ん張りが効いた。集中力もすごかった。
(4年間終えて)昨年のシード落ちがすべてだった。あれで本当に自分自身も、チーム全体も変わることができた。今回の箱根は学生最後だという気持ちも加わったことがこの結果につながったのだと思う。悔しい気持ちを忘れなかったからこそ、ステップアップしてこれた。1,2年生は走る力は十分あると思うので、心の部分をしっかり鍛え、頑張ってほしい」


箱根駅伝

第78回箱根駅伝(1月2・3日 東京・読売新聞社前〜神奈川・芦ノ湖 往復)

★往路
 駅伝の流れを作る重要な1区。早大は故障から復帰し、実力を取り戻してきた中尾を起用した。レースはけん制のしあいとなりなかなk集団がばらけない。中尾は終始集団の前方か中盤に位置し様子をうかがう。レースはそのまま中継所付近まで持ち込まれラストのスピード勝負となる。中尾はこのスパートにやや置いていかれるかたちとなり9番目で襷リレー。それでもトップ順大とはわずか15秒差に抑え、上々の滑り出しを見せた。

 各校のエースランナーが集う花の2区には原田が登場。法大のエース徳本の途中棄権、駒大の神屋が遅れだすのど波乱の2区となったが原田は自分の走りを崩さずに好走。山梨学院大・モカンバ、亜大・前田とともに先頭集団を形成する。一時は二人に放されたが後半も粘りを見せ、前田をとらえ2位で襷を渡した。原田はモカンバとともに区間賞を獲得。エースの名に恥じない見事な走りだった。

 3区は当日変更の森村。序盤から積極的な走りで、すぐに前を行く山梨学院大をとらえてトップに。その後は他を寄せ付けない独走。前半は区間新記録も夢ではないペースで飛ばす。後半はペースダウンし、区間新記録はならなかったが、原田に続いて区間賞を獲得。一気にチームに流れを引き寄せた。

 首位でたすきを受けたのは新井駅伝主将。前半から落ち着いたペースで首位をキープする。しかし駒大のエース・松下が猛追し、その差はぐんぐん迫ってくる。新井も必死で粘るが残り1`付近にきてついに抜かれてしまう。それでも何とか粘ってトップと11秒差の2位で襷を渡した。区間順位は5位で、過去3年間二桁順位に甘んじた新井だが、最後の箱根でしっかりと結果を残した。

 5区の山上りを担当したのは2年連続で五十嵐。5区は2区以上に有力選手が集まり、過酷な区間となった。五十嵐は自分のペースを守りたんたんと山を上っていく。しかし駒大との差は開き、後ろからも神奈川大・吉村、順大・野口といったあたりが確実に迫ってくる。それでも五十嵐は粘りの走りを見せ、一時は再びトップに接近。あわよくば往路優勝の夢を抱かせた。最終的には吉村に抜かれペースダウン。下りに入りお腹をおさえる場面もあり、4位でのゴールとなったが、次回につながる走りをしたといえる。

★往路成績(上段は個人順とタイム、下段は総合及び往路順位とタイム)
1区
(21.3km)
2区
(23.0km)
3区
(21.3km)
4区
(20.9km)
5区
(20.7km)
中尾栄二(人3) 原田正彦(人4) 森村 哲(人3) 新井広憲(人4) 五十嵐毅(人2)
(9)1:04:36 (1)1:08:35 (1)1:04:27 (5)1:04:13 (7)1:15:53
〔2〕2:13:11 〔1〕3:17:38 〔2〕4:21:51 〔4〕5:37:44

★復路
 復路は鬼門の山下りからスタート。当日変更で起用された相楽は昨年は走らなかったが、もともとは6区を走る予定だった選手。なかなかいいペースで下っていく。後ろからは山下りのスペシャリスト、大東大・金子が迫るが、相楽は粘りに粘って前を譲ろうとしない。そのかいもあり金子には抜かれたものの、神奈川大をとらえ順位はキープ。タイムも1時間1分00秒と、近年の早大には見られない好タイムで復路の流れを作った。

 7区は期待のルーキー・空山が登場。スタミナに不安があると言われていたが、それを吹き飛ばすかのように前半から積極的に飛ばす。神奈川大、大東大と3位集団を形成し神奈川大を振り切ると、2位順大もとらえ、そのまま大東大との2位争いに。ラスト勝負で3位での襷リレーとなったが、駒大・揖斐ら有力選手を抑え見事区間賞を獲得。1年生にして快挙を成し遂げた。

 いい流れを維持したままレースは8区に。8区は学生駅伝初出場となる植竹。今季力をつけた植竹は安定したタイムを刻み2位争いを展開する。しかし順大・中川が追いつきそのままペースアップ。大東大は振り落とされるが植竹は中川についていく。植竹は粘ったが次第に放され差は広がっていく。それでも3位は死守し2位と1分31秒差で襷を渡した。植竹は区間6位。初出場にしてはなかなかのできといえる。

 復路のエース区間といわれる9区は2年連続で後藤が担当。後藤は終始一定のペースで走っていく。一時は後続との差を詰められたが、後半また引き放す後藤らしいレース運びで3位をキープしアンカーへ襷を渡した。後藤は区間4位の好走。昨年よりもまたたくましくなったことを印象付けた。

 アンカーの10区に起用されたのは当日変更の櫻井。序盤から勢いよく飛び出していくと、そのまま区間新記録の勢いで爆走。2位順大にわずか20秒というところまで追い上げる見事な走りで区間賞、そして区間新記録も達成した。これで早大の区間賞は4つ目で、区間新記録は今大会唯一のものとなり、価値ある結果となった。

★復路成績(中段は復路順位とタイム、下段は総合順位とタイム、太字は区間新記録)
6区
(20.7km)
7区
(21.2km)
8区
(21.3km)
9区
(23.0km)
10区
(23.0km)
相楽 豊(人3) 空山隆児(人1) 植竹誠也(人3) 後藤信二(理工3) 櫻井勇樹(教4)
(8)1:01:00 (1)1:03:33 (6)1:06:57 (4)1:10:22 (1)1:10:18
〔3〕2:04:33 〔6〕3:11:30 〔5〕4:21:52 〔2〕3:06:44
〔4〕6:38:44 〔3〕7:42:17 〔3〕8:49:14 〔3〕9:59:36 〔3〕11:09:54


箱根駅伝事前特集
◆区間エントリー
1区 中尾栄二
2区 原田正彦
3区 矢花 誠
4区 新井広憲
5区 五十嵐毅
6区 松村啓輔
7区 空山隆児
8区 植竹誠也
9区 後藤信二
10区 大塚邦広
補欠 櫻井勇樹、森村哲、相楽豊、篠浦辰徳

◆変更について
 箱根駅伝は補欠4人からの当日変更が可能。そのため直前の調子を見てで選手を入 れ替えることができる。主力選手を補欠に回し、他校の出方をうかがい区間を決め る作戦も毎年見られるが、区間交代はできないため(1区の選手と2区の選手の入れ 替えなどは不可能)補欠から入れ替えるにしてもその区間は限られてくる。

◆早大の変更予測
 早大は櫻井と森村の二人が補欠に回った。実力からすれば走ることは濃厚で当日 変更の可能性は高い。3区、7区、10区あたりからの交代になりそうだ。また山の区 間は調子が悪ければ走るのが困難なため、この区間も当日変更で選手が入れ替わる 可能性がある。

◆展望 〜前半に主力投入〜
 当日変更によって変わる可能性もあるが、例年同様往路に主力を投入した。今回 は順大のエース岩水が故障もあり9区に回った。山梨学院大のカリウキも5区と各校 とも往路の中でも前半がやや手薄になった印象を受ける。中尾、原田の走り次第で は先頭争いは十分可能だ。往路は4区に新井駅伝主将も控え、かなり先頭に近い位置 でゴールできるだろう。その順位を守り、なおかつ前を追えるかが復路のカギ。毎 年苦戦する6区でこらえることができれば3位以上の可能性も出てくる。

★戦力分析

 例年になく個々の実力、選手層が充実した。エース不在と言われ続けた中で原田がエースへと成長。他大のエースと互角に戦えるのは頼もしい限りだ。それに続く新井駅伝主将、森村、中尾、後藤。櫻井、植竹も府中では好調をぶりをアピール。1年生も空山、篠浦と元気だ。全日本では6位に終わったが今回のチームは3位以内も狙える。優勝争いも夢ではない。

 駅伝の流れを作る1区には中尾が有力。今季、力を取り戻し始め、周囲からの期待も一段と高くなった。スピードがあり集団層の走りも得意と1区には向いている。全日本でも1区を任され、9位。予選会の疲れを考えればまずまずの出来だった。箱根ではさらに磨きがかかった走りが見られるだろう。調子次第では区間賞も狙える。各校のエースが集う2区はやはり原田が適任。関東インカレハーフ優勝、箱根予選会4位(チーム1位)、全日本4区区間賞、区間新と実力も申し分ない。先頭争いに果敢に食い込んでほしいところだ。法大・徳本、順大・岩水らとの区間賞争いも注目だ。

 3区はつなぎの区間。各校ともにルーキーの起用が目立つ。空山あたりが有力。スタミナにやや不安があるならば、前が見える位置ということもあり走りやすいだろう。ただしここで遅れるようだと痛い。早大は過去、主力選手を配したことも多々ある。新井を起用し一気に流れをつかむのもひとつの手だ。準エース区間と称される4区は森村か。スタミナもスピードもチームトップレベル。山へつなげる重要な区間だが、実力的には区間上位は取れる。いい形で山へ渡したい。

 5区山上りは2年連続で五十嵐。2年前には相楽も経験している。五十嵐は前回区間9位。ここを区間5位以内でカバーできれば面白い。往路は主力級をかなり投入することが予想され、うまく流れに乗れば先頭に近い位置でゴールすることができるだろう。

  一方の復路は最初に最大の難関、6区山下り。経験者はいないが、前回は相楽が下る予定だった。当然相楽は候補に入ってくる。1年の篠浦も面白そう。脚力とスピードに器用さも併せ持つ好選手。猛スピードで幾つものカーブを下りていく6区には適正もありそうだ。1年から走れば経験を積むこともできる。相楽、篠浦と同じく三千b障害専門の矢花も山向きに見える。

 7,8区は櫻井、植竹、大塚、松村あたりが候補。当然山を走らなかったメンバーも7,8区の候補になる。実績では櫻井、植竹の二人が頭ひとつ抜けている。安定感もありこの区間には向いている。7区は苦手の6区の後ということもあり、主力を投入することも十分ある。復路のエース区間9区は新井、後藤あたりか。新井はどの区間でも結果を出せる。順当にいけばこうした9区などを任されそうだが作戦によっては3区、7区あたりも考えられ、新井の位置も注目したい。後藤は長い距離ではチームトップレベル。9区でなければ同じく最長距離の10区を走るだろう。10区は植竹などの一人で確実に走れるランナーも考えられる。

 今回は区間配置によっても順位が大きく変わりそうだ。コーチの手腕にかかっているといってもよい。適材適所の配置で3位以内を目指してほしい。

★エントリーメンバー〈凡例@生年月日A学部学年B身長a、体重`C血液型D出身地・出身校(全国高校駅伝出場者には◎)E過去の箱根成績F4年生の進路先(〇は競技を続ける)〉

新井広憲 @昭54・9・19A人4B179、62CBD兵庫・◎報徳学園E99・3区11位、00・1区10位、01・1区11位F〇中国電力
今季早大を率いる駅伝主将。高校時代は高校駅伝全国制覇も経験。過去3年間は故障に悩まされたが今季は順調に練習を積み本来の力を取り戻してきた。箱根は過去出場した3回すべて二桁順位。最後の箱根に対する思いは強い。

大塚邦広 @昭54・10・21A政経4B175、54COD岡山・井原Fみずほフィナンシャルグループ
最終学年の今季、念願のメンバー入り。4年間こつこつ積み上げた努力が実を結んだ。スピードよりもスタミナ型で長い距離に強く力を発揮する。毎年4年生が爆発する早大だけに期待は高い。堅実な走りで最後の大舞台に挑む。

櫻井勇樹 @昭54・7・21A教4B168,59CAD東京・◎早実E00・7区5位F〇NTTPCコミュニケーションズ
直前の故障でメンバーを外れてから1年。全日本、府中と確実に調子を上げてきた。悪いなりにも踏ん張れる走りができるようになり頼もしさは増した。前回の屈辱を晴らせるか。

原田正彦 @昭54・9・3A人4B172,53COD岡山・◎早実E00・4区2位、01・4区8位F〇エスビー食品
名実ともにエースへ成長。もはやその実力を疑うことはできない。全日本では4区区間賞で11年ぶりとなる区間新記録も達成。各校のエースに劣らぬ走りを見せてほしい。

矢花誠  @昭55・3・16A人4B173,56CAD長野・伊那北Fパルコ
今季は故障もなく順調にこれた。一万、20`、ハーフで自己ベストを更新。過去3年間は箱根経験なし。最初で最後の箱根の舞台で有終の美を。

植竹誠也 @昭55・9・16A人3B168,52CBD静岡・伊豆中央
長い距離を得意とするスタミナタイプのランナー。その安定感はチームでもトップレベルだ。今回は初のメンバー選出。府中で見せた粘りの走りができれば区間上位も見えてくる。

後藤信二 @昭55・9・22A理工3B170,53COD愛知・豊橋東E00・10区8位、01・9区7位
とにかく長い距離では強い。箱根には最適な選手。昨年度の府中以来その実力はさらに磨きがかかった。全日本では不本意だったがその悔しさを胸に箱根は爆発してくれるだろう。

相楽豊  @昭55・5・2A人3B171,55CAD福島・安積E00・5区11位
前回の箱根は当日変更で走れず、今回にかける思いは強い。山は上りも下りもできる器用な選手。来季の駅伝主将にも決まっており快走を期待したい。

中尾栄二 @昭55・4・13A人3B174,55CAD兵庫・◎西脇工E01・7区13位
今季ようやく復調の気配。高校時代は全国の長距離ファンを沸かせ、将来を嘱望された潜在能力抜群の選手。箱根で快走し完全復活をアピールしたい。

松村啓輔 @昭56・2・13A人3B174,56CBD東京・◎早実
高校時代は櫻井、原田とともに都大路も経験。今季急成長しメンバー入りを果たした。高島平20`で優勝。長い距離のほうが力を出せるタイプだ。

森村哲  @昭55・10・22A人3B172,58CABD富山・富山中部E01・2区12位
昨季は急成長を遂げ、一躍チームの柱へ成長。しかし今季は前半低迷し苦しい時期が続いた。それでも秋口あたりから本来の走りを取り戻し、昨年のような頼れる存在になった。前回2区12位に沈んだ借りを返したい。

五十嵐毅 @昭57・2・1A人2B177,60CAD山形・◎山形中央E01・5区9位
前回は1年生にして山上りを経験。今季はスタミナもつき安定感も出てきた。持ち前の力強い走りで区間上位を目指す。

篠浦辰徳 @昭57・9・2A人1B168,53CAD愛媛・松山北
高校時代は中距離ランナーとして大活躍。スピードがある大型ルーキー。スタミナもつき長い距離にも対応できるようになった。三千b障害で見せるハードリングの巧さなど、器用さがある選手。今後の成長にも注目。

空山隆児 @昭58・2・13A人1B176,53CBD広島・◎世羅
ルーキーにして主要大会はほとんど走破。将来のエースと期待される逸材で、スピードのきれは一級品。鮮烈な箱根デビューに期待したい。


府中多摩川マラソン

府中多摩川マラソン(11月23日 東京・府中市民健康センター)

 箱根駅伝に向けて最後の前哨戦となる府中ハーフ。この大会ではメンバー入りを狙う選手にとっては格好のアピールの場となる。今回は箱根駅伝予選会、全日本大学駅伝と連戦になったことも考慮し、主力の一部は温存し臨んだ。

 チームトップは新井広憲駅伝主将(人4)で全体でも3位に入った。新井は秋に入ってから連戦続きだったのにもかかわらずしっかりと結果を残した。箱根本線でもチームの核としての活躍が期待できる。チーム2,3位には櫻井勇樹(教4)、植竹誠也(人3)が入った。特に植竹は今大会で一番の収穫。レース終盤まで先頭についていくことができ、箱根でのメンバー入りをほぼ手中に入れた。

 一方で課題として残ったのはメンバー入りを狙う選手たち。暑さもあり決していいコンディションではなかったがもう少し前に喰らいついてほしかった。チームの底上げという面ではかなり不満の残るレースとなった。

記録

3位 新井 1’04’46 7位 櫻井 1’05’01 8位 植竹 1’05’03 

21位 稲吉 1’06’21 22位 空山 1’06’21 29位 大塚 1’06’58 40位 杉山 1’07’45 45位 尾崎 1’08’05

府中終えて一言

櫻井「走れたことは走れたけどタイムも順位も不満。この大会では2分台を出したいと思っていた。シーズン故障などもあったけど予選、全日本ときて質の高い練習もできたから3分台かそれに近いタイムは出したかった。(調子は)よかった。走るたびに上がってきている。このままいくと絶対ケガするんで一回落としてつくり直したい。(箱根に向けて)一人で走る力をつける。(目標は)区間賞を取る」

植竹「4分台から3分台でいきたかった。気負わず走ろうと思った。他校と競えるのはあんまりないので、他校との勝負を意識して走った」

空山「(調子は)よくなかった。最後まで先頭についていって粘ろうという展開を目標としたがスタミナ不足。(今後は)距離をのばすことを目標に取り組む」

杉山「ケガ明けで久しぶりのレースだったので練習の一環というか、ビルドアップしていこうと思った。(ケガは)9月終わりか中旬くらいにシンスプリントを痛めた。思ったより遅く練習不足を実感した。(箱根メンバー入りに向け)ぎりぎりのところだと思う。どんなことをしても走るという気持ちでいく」

尾崎「1年半くらい前から腰を痛め今もまだ完全ではない。(今日は)調子の目安のために出場した。ステップアップというか、何かのきっかけをつかめればいいと思っていた。(箱根に向け)自分のことよりもチームのためになる走りをすることを目標とする」

新井駅伝主将「さすがに体は疲れがあった。今日も出なくていいと言われたけど自分は出たかったので出た。コーチからは『無理せずついていって、最後に勝て』と言われた。『タイムはいい』と。(最後2人に放されたのは)甘かった。仕掛けたんだけどラスト200で抜かれてしまった。(チームとしては)残念。タイムも遅かった。本当はこの試合はAチームの下の方やBチームの上の方が頑張らなくてはいけない試合なのに。空山は連戦の疲れはあったと思うけどあのレベルの選手なら、今日くらいのタイムならついてきてほしかった。杉山はケガ明けの試しのようなもの。今日よかったのは植竹。今までタイムはいいけど順位が(悪い)、というのが多かったので今回のは自信になると思う」

遠藤コーチ「タイムはあまり問題にしていない。(櫻井、植竹は)このくらい走れれば(問題ない)。植竹にしても新井と同じくらいで走れたし。(空山は)まだ頑張りどころが分かっていない。(杉山は)ケガ上がりだからあのくらい。(尾崎は)元気がない。一度走れてふっきれればいいんだけど。(箱根は)ケガを出さずにスタートを切れればある程度まではいけると思う」


府中多摩川マラソン 展望

 毎年、箱根駅伝メンバーを決める上で重要となる府中ハーフ。今年は箱根駅伝予選会から2週間あいて全日本大学駅伝と連戦になったこともあり、主力の一部は休ませる可能性もあるが、箱根前最後の重要レースに変わりはない。昨年はこの大会で森村哲(人3)が3位に入る活躍。更にチーム2位の後籐信二(理工3)が63分台の好記録をたたき出し、一気にチームの柱になるなど収穫の多いレースであった。

 今回のレースでは、主力がどこまで他校の選手と渡り合えるかということもあるが、14人のメンバー入りを懸けて走る選手たちにも注目したい。その成績次第で、早大の選手層がどれほどのものなのかを知ることができる。メンバーに入るためには64分台か最低でも65分台前半あたりが目安となる。できれば63分台あたりにも数人送り込みたい。63分台で走ることができれば、他校の主力級のランナーとも互角に戦うことが可能になりチームレベルは非常に高くなる。ちなみに早大の中では、現在63分台のタイムを持つ森村、後籐、新井広憲駅伝主将(人4)に加え、予選会のタイムを参考にすると、原田正彦(人4)、中尾栄二(人3)にも63分台の力がある。

 また1年生がどこまで走れるかも気になるところ。空山隆児(人1)や篠浦辰徳(人1)はすでに予選会で長い距離にも対応できることを証明しているが、今年はその他にも関東インカレ千五百bで入賞した杉山一介(人1)、全日本のメンバーにも選ばれた田中健雄(人1)がいる。さらに出雲を走った坂口哲雄(人1)、岡部祐介(人1)と将来有望な選手が例年になくそろっている。この中から一人でも多く箱根メンバーに名乗りを挙げてくるようになるとおもしろい。

 その他としては毎年早大は府中に出場しなかったメンバーが箱根の山を走る傾向もあるので出場メンバーにも注目したい。


全日本大学駅伝

第33回全日本大学駅伝対抗選手権大会(11月4日 愛知・熱田神宮〜伊勢神宮)

レース展開
箱根駅伝予選会を好成績で通過し挑んだ今回の全日本大学駅伝。早大は過去に栄光の4連覇を達成したこともあるが、ここ数年は不振続きである。全日本での成績はそのまま箱根駅伝の結果につながるケースも多く、この大会で流れをつかむことが重要になる。早大は2週間前に予選会を戦っているため、選手の疲労などが心配された。

レースは1区中尾、2区森村が区間9位、7位と今ひとつながら前とはそれほど離されずに最低限のかたちを作ってスタート。3区に起用された駅伝主将の新井が2チームをかわし6位まで順位を上げ流れを呼び込む。そして4区の原田が序盤から積極的なレースを展開。順大・坂井を振り切るといっきに4チームをごぼう抜きし、チームを2位に引き上げる。区間タイムは40分24秒と実にこの区間11年ぶりとなる区間新記録を達成し、駒大のエース・神屋を抑えて区間賞も獲得した。しかし5区空山、6区五十嵐、7区櫻井と区間順位は6位、5位、6位と無難にまとめたものの、守りのレースになってしまい順位は低下。アンカーの後藤も本調子ではなく区間13位と振るわず、チームは6位でゴールした。6位までが来年のシード権が与えられるため、早大は予選会からのスタートはまぬがれた。

総評
 今回の大会で大きな収穫と大きな課題が残った。まず収穫は原田の区間新記録。予選会に続く快走で、早大は絶対的エース不在と言われるなかで、待望のエース誕生を予感させた。駅伝においてエースの役割は大きい。例えば1998年(平10)の箱根駅伝は梅木蔵雄(平10人卒=現中国電力)が2区で区間賞の快走を演じ、いっきに流れに乗った早大は5区途中まで先頭を走った。一方昨年の箱根は佐藤敦之(平13人卒=現中国電力)が抜けたことによりチームは文字通り崩壊。10位でシード落ちを味わっている。今回の結果を受けて他校は原田をマークしてくることが予想され、原田と同じ区間の選手にプレッシャーをかけることができる。そして何より各校のエースが集う区間で原田が快走となればチームは上昇気流に乗ることが可能になるはずだ。エースの快走が他の選手の相乗効果を生む。理想的なレースを展開することができる。

一方の課題は流れに乗れなかったこと。エースの話とも共通するが駅伝には流れがあり、それが重要な要素となる。今回3区新井が中継所直前で優勝候補の順大を抜き去りタスキ渡し。追い上げムードを高めた。その走りを受け継いだ原田が2位にまで浮上と、流れは完全に良い方向へと向いた。しかし後続がその流れに乗れず、順位は低下してしまった。「自分が一番足を引っ張った」という6区五十嵐は区間5位。決して悪くはない成績だ。しかし5区空山が何とか2位を保持したのに対し、ここで3位に後退し、なおかつ離されてしまうことで流れは止まってしまった。7区櫻井もまた一つ順位を落とし、今度は一つでも順位を落とさないでゴールする、というような守りのレースになってしまい、結局は総合6位。ここ3年間の成績は9位、9位、11位のため躍進したことは事実だが、すっきりしない終わり方であったことも否めない。全体的に安定した走りができるようにはなってはいる。ルーキーの空山も区間6位で、ラストスパートで見せたスピードは各校にとって脅威になるはずだ。1,2区の中尾、森村も今ひとつの結果ではあるがそれなりのかたちは作った。今後は原邸w)弔,u辜Gース級の選手が作った流れに他の選手がどう乗っていくかが課題となりそうだ。

★総合成績 6位 5時間19分49秒

★区間成績(上段が区間順位とタイム。下段が総合順位とタイム。太字は区間新記録)

1区
(14.6km)
2区
(13.2km)
3区
(9.5km)
4区
(14.0km)
5区
(11.6km)
6区
(12.3km)
7区
(11.9km)
8区
(19.7km)
中尾栄二(人3) 森村哲(人3) 新井広憲(人4) 原田正彦(人4) 空山隆児(人1) 五十嵐毅(人2) 櫻井勇樹(教4) 後藤信二(理工3)
(9)43:58 (7)39:09 (5)28:07 (1)40:24 (6)35:06 (5)36:26 (6)35:43 (13)1:00:56
〔8〕1:23:07 〔6〕1:51:14 〔2〕2:31:38 〔2〕3:06:44 〔3〕3:43:10 〔4〕4:18:53 〔6〕5:19:49

全日本終わって一言

中尾「もうちょっと流れを作れたんじゃないかと思う。でもこれが今の現状。1区は自分の希望が通った。後半のアップダウンに苦しんだ。体ができていなかった」

森村「自分のところでもっと頑張ってかせがなくてはならないのに、流れを絶ってしまう感じもあった。自分には今、勝つという気持ちが足りない。予選会の結果に甘えてしまった」

新井駅伝主将「目標は3位以内だったのに当初の予定から遠ざかって6位争いで(一喜一憂して)すごいだめだった。原田が快走して順位を2位に上げたのにそこから6位まで落ちる一方で。粘りが足りない。結果は6位だったんですがあと2カ月あるんで、改善できるところは改善していきたい。十分に対応できると思うんで、自身を持って。原田以外はみんな悔しい思いをしてるんで強気と自身を持って次のレースに臨みたい」

原田「4区という区間を考えると先頭でタスキを渡すのが自分の仕事でそれを精一杯やっただけ。(前が)見える位置にいたから走りやすかった」

空山「できは60パーセント。とりあえず順位は守れてよかった。でも練習してきたことが出せていない。積極的に前を追うレースができなかった」

五十嵐「チーム内で一番自分が足を引っ張ったので悔しい。強気にいけなくて、前にいた見えない駒沢に勝ちにいくレースができなかった」

櫻井「準備不足。野口(順大)がきたときの対応ができていなかった。予選会のあと2週間だったからというより故障続きだったのが原因」

後藤「中央の藤原が調子いいのは意識してたけど、法政に抜かれたのは自分の油断だった。正直(8区を)任されたときは不安のほうが大きかった。遠藤コーチに信頼されているのだと思い、ベストを尽くそうと思っていた」

遠藤コーチ「もう一歩、二歩。短い区間でもう少しやってくれると思っていた。(予選会からの疲れは)それを言ったらね。でも特に後藤なんかは厳しかったかな。(目標は)3位。上にくるチームを脅かすようなレースをしたかった。(新井の3区起用)空山も考えたけど距離よりも流れを考えて新井にした。力は新井のほうが上なんで。3,4区で流れを作りたかった。(原田について)練習見ててもできるようになってきた。(4区起用は)前のほうで勝負をかけたかった。予選(の好走)と今回8区に置くと、そのあと疲れも出るだろうと思った。(アンカーの後藤は)本調子とは程遠い。でも悔しい思いをしたと思うんで箱根ではやってくれると思う。(レース後は選手に何を言った)シード権を確保するためにきたんじゃない。まだ甘い。個人が勝てる努力をするようにと言った。(箱根までの課題)何をやっていくというよりも、どういう気持ちを持っていくか。何を目標にするのか、それを明確にしていきたい」,uヲ福w)鹿仂w)屡匸w)w)者疎姪暑u梳コ埖歪拆w)梹メ匸鹿墟昭s堆潰昭s疎姪暑uコ堊駄?硼鰾纈衆矼梧ホ痲粡鈑衆矼梧ム鞜竕鈑衆蜆謠T弘暑u梳コ埖歪拆w)梹メ匸w)梳梹メ麦砒衷跫鮟8旭旭鮎柴藁圉竢跫鮟f聿聿缺w)樓駕繽U徐ぢ全日本大学駅伝(伊勢駅伝) 展望

◆エントリーメンバー

4年 新井広憲(人4)、原田正彦(人4)、櫻井勇樹(教4)、矢花誠(人4)、尾崎章嗣(教4)
3年 中尾栄二(人3)、森村哲(人3)、後藤信二(理工3)、植竹誠也(人3)、高橋耕(人3)
2年 五十嵐毅(人2)
1年 空山隆児(人1)、田中健雄(人1)

 過去には4連覇を達成したこともある全日本大学駅伝。早大はここ数年不本意な成績 が続いているが、今年は箱根駅伝予選会を堂々の1位で通過し、いい流れを維持したまま臨むことになる。

 重要区間は1区(14.6k)、2区(13.2k)、4区(14.0k)、8区(19.7k)の4つの区間。各校とも主力を投入してくる。早大はこの4つの区間に「5つの大砲」と遠藤コーチが言う新井、原田、森村、中尾、後籐の5人のうちからの起用が有力視される。注目は中尾。故障も癒えようやく本来の力を出し始めた。今大会でも快走が期待でき、勝負の流れを作る1区、2区あたりの起用か。予選会で好タイムを出した原田も最長の8区を中心に重要区間を任せられそうだ。

 その他のメンバーの力はほぼ横一線だろう。その中でもルーキーの空山に期待。20キロの距離ではまだ及ばない選手も多いが、今会の10キロを中心としたレースでは存分に持ち味を発揮しそうだ。また同じくルーキーの田中も新戦力として台頭するか楽しみなところ。

 今年は2週間前の予選会の影響から、疲労、調子を考慮し、ベストな布陣を組めるかどうかは分からない。実力者でも補欠に回ることは十分に考えられるが、今年の選手層はとにかく厚い。前半の1区、2区でいい流れに乗れればそのまま上位争いに加われそうである。


箱根駅伝予選会

お詫びと訂正 篠浦選手のコメントを間違って植竹選手としておりました。お詫びして訂正いたします。

第78回箱根駅伝予選会(10月20日 東京・昭和記念公園)

 10月20日、箱根駅伝予選会が行われ早大は期待を裏切ることなく圧倒的強さを見せ、見事1位で本戦への切符を手にした。チームトップは原田で59分26秒という素晴らしいタイムを出し総合でも4位に入った。2位には森村が入りこちらも60分を切る59分59秒の好タイム。そして故障続きだった中尾もチーム3位と結果を残した。またルーキーの空山、篠浦も上々のタイムを出し、総合では10人が62分を切るという好結果だった。

総評

 1位の原田はエースの風格がにじみ出ていた。関東インカレハーフ優勝の実績を引っさげて挑んだこのレースで序盤から先頭に食らいつき、更に成長したことを証明した。59分26秒というタイムは他校のエースとまったく遜色ない好タイム。昨年故障に泣かされた分、今季にかける意気込みは高そうである。2位の森村も春先の不調が嘘のような走りで復調をアピール。60分を切りチームの中心になるべき選手が頼もしくなって帰ってきた。

 そして今回最も注目すべきなのが中尾。故障に泣かされ続けた大器が終始落ち着いた走りでチーム3位、タイムも60分17秒と結果を出した。今まで周囲の期待にこたえられなかったが今季は期待に添う走りを見せてくれそうだ。4位の新井はインカレの状態を考えればよくここまで調子を戻したという感じ。駅伝主将として大事なレースで十分責任は果たした。5位の後藤は相変わらず長い距離は得意そうで、ある意味予想どうりの好走。6位に入った五十嵐は今季に入り試合に出場していなかった分不安の声も高かったが、その不安を吹き飛ばす快走で存在感を大きくアピールした。

 7、8位の植竹、矢花は序盤から確実な走りでそれぞれ61分台でまとめ、チームに貢献。20キロへの対応が焦点となった1年の空山、篠浦も好タイムで距離も問題にしないことをアピールした。特に篠浦は高校時代中距離専門だったことを考えると、今回の結果は大いに評価できるものである。

 櫻井はチーム11位となりやや不本意な成績だが、悪いなりにも62分でまとめたのはさすがである。万全な状態なら上位選手に劣らない結果が望めそうだ。12位となった高橋は大舞台は初経験。64分台と決してよくはなかったが今回の経験は必ず生きるはず。今後の成長が楽しみだ。

全体的にレベルアップを証明する大会だった。2年前の予選会は62分を切る選手が5人しかいなかったのに対して今回は2倍の10人。合計でも8分近く上回った。例年の予選会と比較しても群を抜く結果だ。今季の箱根では昨年のような屈辱を払いのける快走が見られそうだ。

総合成績

1位 10時間07分45秒(上位10人の合計タイム)

個人成績

順位 選手 タイム
原田正彦(人4) 59:26
10 森村哲 (人3) 59:59
13 中尾栄二(人3) 1:00:17
15 後藤信二(理工3) 1:00:23
23 新井広憲(人4) 1:00:51
26 五十嵐毅(人2) 1:00:53
36 植竹誠也(人3) 1:01:06
55 矢花誠(人4) 1:01:24
80 空山隆児(人1) 1:01:41
87 篠浦辰徳(人1) 1:01:45
102 櫻井勇樹(教4) 1:02:00
190 高橋耕(人3) 1:04:41

予選を終えて一言(一部紹介)

原田 「75点。日本人が多くて予想と違った。レースを見ながら走ろう、と思っていた。負けたことが悔しい。(目標は)箱根優勝は変わらない」

森村 「うれしいような悔しいような複雑な気持ち。タイム的には60分を切って目標をクリアできたけど、相対的にみて先頭集団から遅れてしまったので」

中尾 「それなりに自信はあった。あまり良くなかったなりに気持ちで走った。後は去年の借りを返すだけ」

五十嵐 「半年振りにはしては良く走れたので満足の走り。箱根はチーム状態からみて3位は狙える」

後藤「落ち着いて走れた。不安はあったが積極的な走りをしようと思っていた。1,2年で走った箱根の結果は納得していない。区間上位に食い込みチームの原動力となる走りをしたい」

空山 「良くも悪くもない。スタミナがない。夏前と比較したら(力は)あがったとは思う」

矢花 「もう少し走れるかと思ったけど、プレッシャーや緊張があって十分ではなかった。15キロくらいからもう少しスピードを上げたかった」

篠浦「自分の記録を2分以上縮められたので良かった。100点中80点くらい」

新井駅伝主将「切符は手にしたので後2ヶ月かけてものにしていきたい。全日本をステップに箱根でも応援のしがいのあるチームにしたい。全員が取りこぼしなく走れたので良かった」

遠藤コーチ

(今日のレース)62分くらい出せば安全圏だと思っていたので後ろの選手でも62分半から63分くらいを目安にしていた。思った以上に早いタイム。全員レベルアップしていたし、周り(の学校)もレベルアップしていた。(今日は誰が核となる選手だと思っていた?)原田、新井、森村、中尾、後藤の5人。どでかい大砲はいなけれど、5つのでかい大砲がいたので。(中尾について)故障も直って練習ができた。できれば、もともと身体能力も高いし、競技に対する姿勢も良いので上がっていく。まだまだレベルアップする。今日は過程でのレースだけど、合格点。(空山、篠浦の1年生について)20キロは未知数だった。よく走ってくれた。自信になったと思う。(杉山、田中あたりは?)1年生ということもあって疲労が強かったので次の機会にして、今回は確実に走れる選手を起用した。実力的には今日走った二人(空山、篠浦)と互角かそれ以上だと思っている。今日の結果が刺激になったと思う。(次の全日本に向けて)早くうまく走ったこぁw)箸,u忘れさせる。期間も短いので疲労を取る」

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箱根駅伝予選会展望

 今年の箱根で無念のシード落ちを味わった早大は2年ぶりに予選会からのスタートとなる。

予選会参加校の中では実力、選手層ともトップレベル。本戦参加資格が与えられる6位には大きなアクシデントがない限り入れそうである。メンバーは駅伝主将の新井を中心に主力を投入してきた。新井に加え関東インカレハーフで1,3位を占めた原田、後藤、春先の不調から復調の兆しを見せる森村など頼もしい布陣。この4人が中心となりそうだが、1年の空山がどこまで20キロに対応できるか、また中尾が復活ののろしを上げるかにも注目したい。

エントリーメンバー

新井広憲 人間科学部4年 兵庫・報徳学園(学部学年 出身県・出身高校

 チームメイトからの人望厚い駅伝主将。今季は犬山ハーフ優勝、全日本大学予選では28分近いタイムをたたき出すなど、勝負強い走りを見せる。インカレは振るわなかったが、信頼はチーム1。

尾崎章嗣 教育学部4年 神奈川・桐蔭学園

 中距離を得意とするスピードランナー。昨年はケガで本来の力を発揮できず。最終学年の今季、持ち前のスピードを生かし昨年の悔しさを返したい。

櫻井勇樹 教育学部4年 東京・早稲田実業

 2年時の箱根7区で区間5位。昨年は出雲3区3位と好調だったがケガで箱根は走れず。今年に入りようやく復調。好不調の波はあるが、やっぱり頼りになるランナー。

原田正彦 人間科学部4年 東京・早稲田実業

 2年時の箱根で4区2位。時期早稲田のエースとして期待されたが、昨年はケガ持ちで今ひとつの出来だった。迎えた今季は関東インカレハーフで初タイトルを獲得。安定感がありチームの核。

矢花誠 人間科学部4年 長野・伊那北

 特選入試で入学し、周囲の期待も大きかったが故障の連続に悩まされた。しかし今季は記録会で一万b29分台をマークするなど確実に力を付けた。もともとはスピードタイプだが、長い距離での安定感も魅力。

植竹誠也 人間科学部3年 静岡・伊豆中央

 長い距離を中心に確実に成長を遂げてきたランナー。安定感は抜群で予選会には欠かせないタイプ。このレースで弾みをつけ、初の箱根メンバー入りを狙いたい。 

後藤信二 理工学部3年 愛知・豊橋東

 ハーフを中心に長い距離ではチームトップレベル。立川ハーフ2位、関東インカレハーフ3位と確実に結果を残してきた。持ち前の粘り強い走りで上位に食い込みたい。

高橋耕 人間科学部3年 福岡・宗像

 これまで大きなレースに出場したことはなかったが、今季急成長を見せ予選会メンバーに。初のビッグレースに臆することなく日ごろの練習の成果を見せつけたい。

中尾栄二 人間科学部3年 兵庫・西脇工業

 過去2年間は故障の連続で結果を残せず。今年は継続的な練習を積むことができ、期待も高い。素質は抜群で早稲田だけでなく、日本中が中尾の快走を待っている。

松村啓輔 人間科学部3年 東京・早稲田実業

 今季急成長を遂げたランナー。全日本大学駅伝予選会では今ひとつの結果だったが、夏合宿で一回り大きくなった姿をこのレースで見せ、箱根に向けて勢いをつけたい。

森村哲 人間科学部3年 富山・富山中部

 昨年は大ブレーク。チームの中心となり大活躍を見せた。しかし今季は春先から不調で結果が出ず苦しんだ。実力は十分なだけにこのレースを機に昨年の力強い走りを取り戻したい。

五十嵐毅 人間科学部2年 山形・山形中央

 今年の箱根では1年ながら山登りの5区を担当。周囲からの期待も大きい。今季はここまでレース出場が見られないが、持ち前のパワフルな走りで存在をアピールしたい

篠浦辰徳 人間科学部1年 愛媛・松山北

 高校時代は三千b障害で大活躍。スピードがウリの将来性の高い選手。出雲での経験を生かし、長い距離にも対応できるところを見せたい。

空山隆児 人間科学部1年 広島・世羅

 誰もが認める大物ルーキー。スピードはすでにチームでトップレベル。インカレ五千bでは序盤先頭を引っ張るなど積極性もあわせ持つ。スピードを生かし長い距離を克服したい。


出雲駅伝

第13回出雲全日本大学選抜駅伝(10月8日 島根・出雲大社〜出雲ドーム)

駅伝シーズンの始まりを告げる出雲駅伝。今年は2週間後に箱根駅伝予選会を控えるチーム事情から、主力を温存しての参加となった。早大は序盤から大きく遅れ最終的には15位。順位は決して結果とはいえないが、1,2年生を中心に将来有望な選手が大舞台を経験し、また強豪校の選手とともに走れたことは今後の競技人生において必ずプラスになることである。この経験を生かし今後の大会でさらに飛躍した姿が見れるだろう。

結果

1区(8.0k) 篠浦辰徳 O25:09

2区(5.8k) 相楽 豊 P18:39  N43:48

3区(8.5k) 吉原健一 R28:15  P1:12:03

4区(6.5k) 坂口哲雄 J19:35  O1:31:38

5区(5.0k) 岡部祐介 M15:35  N1:47:13

6区(10.2k) 宗  尚 P33:11  N2:20:24

合計(44.0k) 15位 2:20:43

※丸数字は区間順位。右列は中継所通過時点の総合順位とタイム


日本インカレ

第70回日本学生対校選手権(9月28〜30日 東京・国立競技場)

学生一を決める日本インカレが東京国立競技場で開催された。早大は短距離の不振が目立ち、個人では男子二百bの中川博文主将(人4)、女子百bの高野香織(人3)がそれぞれ6位に入賞しただけにとどまった。今年5月の関東インカレで連勝がスットプした男子四百bチームは雪辱をかけて今大会に挑んだが、第三走者大前祐介(人1)が肉離れを起こし失速。何とかバトンはつないだがそのまま最下位の8位に終わった。大前は日本ジュニア選手権二百bで日本歴代3位となる20秒29の好タイムを出すなど、周囲からの注目も受けていたが、この影響で翌日の二百bも棄権し残念な結果に終わった。

中距離は男子八百bに出場した増原琢磨(法4)が4位に入り、今大会男女合わせ最高成績を収めた。タイムも1分51秒04と好タイムだったが本人の目標としていた優勝には届かなかった。

長距離は箱根駅伝予選会も近いことから五千bの空山隆児(人1)と一万bの新井広憲駅伝主将(人4)の二人のみの出場となった。空山は序盤先頭を引っ張る果敢なレースを展開し1年としては最高位の10位でゴール。タイムも14分10秒とまずまずで今後の活躍を予感させるものだったが、新井は先頭から大きく遅れ、最終的には31分15秒とまったく振るわなかった。

記録

【男子】▽二百b 6位 中川▽八百b 4位 増原▽五千b 10位 空山 14分10秒46

▽一万b 21位 新井 31分15秒 

▽四百bリレー 8位 早大 穴井伸也(人2)、中川、大前、小島茂之(人4)

【女子】▽百b 6位 高野 

空山「100%に持っていくつもりはなかったのでいいかなという感じ。(序盤)何も考えずに走ったら先頭に出ていた。タイムには納得」

新井「一生で一番長い一万bだった。(コーチからは)走れなかった理由はあるはずだから自分で考えるように言われた。(夏合宿、チーム状況)みんなしっかり走れている。ケガ人が少なく、欠けたらダメな選手が走れている。(自分自身)4年間で一番練習ができている」

中川「短距離陣の結果としては満足いく結果ではなかった。練習は積んだが、ケガ人が多く出てしまった。来年は今年を教訓にしてやってくれると思います」

増原「優勝しか狙っていなかったので満足はできない。エンジのユニフォームを着るのは最後だったので。位置取りをミスったのが勝てなかった原因。周りに高いレベルの選手が多くて刺激しあって強くなれたんだと思っている。最高の4年間でした」


全日本大学駅伝予選会

全日本大学駅伝関東学連選考会(6月16日 東京・夢の島陸上競技場)

 毎年11月に伊勢で行われる全日本大学駅伝。その予選会が今年は東京・夢の島で行われ、早大は5位通過で本戦出場権を手にした。この大会は一万bを4組に分けて行い、1組に各チーム2人ずつが参加し、その合計タイムを競うもの。上位5大学に出場権が与えられる。早大はぎりぎりの通過となった。

 一組目には故障明け最初の本レースとなる桜井勇樹(教4)と今季の記録会で30分を切った矢花誠(人4)が登場。序盤から終始スローペースとなるが後半を過ぎて徐々にペースアップし、ロングスパートを掛けた桜井が1位でゴールに飛び込んだ。一方矢花はペースアップに対応しきれずに10位となった。桜井は復帰戦としては上々の出来といえる。

 二組目にはロードで強さを発揮する後藤信二(理工3)と成長株の松村啓輔(人3)が出場。一組目同様にスローペースでレースは展開する。後藤は終始先頭集団の前方でレースを展開、何度か先頭に立って集団を引っ張る場面もあったが、周りを突き放すほどのスパートは見せずラストのスピード勝負で置いていかれ8位でゴール。松村は初めから集団の後方に位置し放されない粘りも見せたが中盤あたりからずるずると後退。最終的には27位でタイムも31分台と振るわなかった。

 三組目には不調続きの森村哲(人3)と期待のルーキー空山隆児(人1)の二人が登場。前の2組に比べると早いペースで進むが、それでも1`を3分上回る展開。空山は途中から集団の前方に位置取りをし、森村は後方につく。中盤から徐々にペースが上がると森村が集団から遅れ始める。それとは対称的に空山は積極的な走りを見せ、一時は先頭に立ち集団を引っ張った。それでもラストスパートにはついていけず6位。タイムは30分01秒と、自己ベストを1秒更新した。森村はその後も遅れるいっぽうで20位。タイムも30分41秒と、自己ベストを1分30秒近く下回った。この時点で早大は6位。このままでは本戦に出場できないという苦しい状況に立たされる。

 全てが託された最終組には新井広憲駅伝主将(人4)原田正彦(人4)が登場。法大・徳本や平成国際大・ムヒアら学生長距離界を代表するランナーに引っ張られレースはハイペースで展開する。新井、原田ともに先頭集団につくが、中盤を過ぎてから原田が徐々に後退。一方の新井は落ち着いた表情で集団前方でレースを進める。8千b過ぎに新井が先頭に立ちスパート、場内を沸かすが残り1`を切り徳本もスパートをかけ新井は放されてしまう。しかしラスト1周で新井も猛烈なスパートをかけ先頭を追う。結局4位に終わったが、タイムも29分02秒と好タイムで、収穫の多いレースとなった。中盤から遅れだした原田はその後は粘り強いレースを展開し、11位。29分20秒と自己ベストの13秒には及ばなかったが、力のあるところを見せつけた。この結果総合で5位となり本戦出場を決めた。

 新井、原田と確実に走れることが分かったのは大きな収穫。特に新井はその潜在能力が開花しつつあるといって過言でない。昨年の10月あたりから練習を再開し、それからおよそ半年でハーフ、一万ともに大幅に自己記録を更新した。夏合宿を終えた秋口には各校のエースと互角かそれ以上の力をつけてきそうだ。また原田も関東インカレ・ハーフで優勝してから好調。2年時に次期エースと言われながら、3年時は故障に泣かされた。そのうっぷんを最終学年となる今年にぶつけてほしい。1年生もかなり期待が持てそうだ。空山を初め、オープンで30分20秒を出した田中健雄(人1)、関東インカレ千五百b7位の杉山一介(人1)と好素材がそろう。三千b障害で高校日本人チャンプだった篠浦辰徳(人1)も楽しみなところ。一方昨年大ブレークした森村は不調続き。昨年の佐藤敦之(平13人卒、現中国電力)の例もありやや心配なところだ。また矢花、松村と今ひとつ実力を発揮できなかった選手や、五十嵐毅(人2)のように調子が上がってこない選手もおり、まだまだ課題は多そうぁw)澄,u殷・ #

記録

一組目 1位桜井 30分25秒94 10位矢花 30分41秒だ12 早大1位

二組目 8位後藤 30分13秒81 27位松村 31分09秒75 早大5位

三組目 6位空山 30分01秒95 20位森村 30分41秒14 早大6位

四組目 4位新井 29分02秒42 11位原田 29分20秒17 早大5位

全日本予選終わって一言

 桜井「調子は良かった。あがりを14分30秒くらいでいきたかった。一組目なのでトップで当たり前。久しぶりの試合だったけど思ったより戻っていた」

 後藤「自分の力を疑って周りに合わせてしまった」

 松村「前半余裕を持って、後半ペースを上げるように言われていた。緊張感のあるレースで結果をださなければならない」

 空山「タイム的には満足していない。僕ら1年生がまだ大学レベルに達していない。僕らのレベルが上がればチームは活気づく」

 新井(今日のレースは?)プレッシャーをかけないためかもしれないけど、コーチからは記録会みたいな位置づけだと言われた。三組目が終わって6位だったけど走れる自信があった。主将として自分がやらなければと思っていた。だからスタートから飛ばしていった。自分の調子もよくハイペースでもついていこうと思ったけど、ペースが思う以上に上がらずいらいらしていた。(8千過ぎで前に出たのは?)我慢しきれなくて出た。あの時はチームのことを忘れてましたね(笑)(チームとしては?)教育実習あけなのに原田と桜井が走ってくれたのが嬉しかった。信頼している仲間です。犬山ハーフ(新井が優勝した大会)や関カレハーフ(原田が優勝)などでお互い刺激しあっていい感じできている。(今後に向けて?)これでトラックは一区切り。駅伝シーズンに向けて走りこんでいく。トラックでは出なかった桜井、中尾(栄二=人3)、尾崎(章嗣=教4)がキーマン。三人とも走れている。今回の大会は良い結果とは言えないけど、箱根駅伝優勝に向けてチームを盛,u「蝓w)上げていくのが自分の役目です」

遠藤司コーチ(今日の結果について)不本意。ここにピークを持ってくることができなかった。新井は力がついてきて安心して見られるようになった。森村は試合に出しすぎてバランスが崩れている。休ませてリフレッシュさせたい(今日出なかった選手は)中尾は決して悪いわけじゃない。長い目で見たとき今は試合に出さないで回復させる期間だと思っている。杉山は出させたかったけど足を痛めたので休ませた」


関東インカレ

第80回関東学生対校選手権(5月13,18〜20日 東京・国立競技場 神奈川・横浜国際競技場)

今シーズン初のビッグゲームとなった関東インカレだが、短距離、長距離ともに苦しい出だしとなった。男子短距離では新人の大前祐介(人1)が百bで6位に入る健闘を見せたが、その他の競技では故障者も多かったこともあり振るわず。4連覇のかかった四百bリレーでは東海大に敗れ2位に終わり、連勝記録が止まるとともに、自身の持つ日本学生記録及び単独チーム日本記録(38秒91)を百分の1秒更新(38秒90)された。そんな中、女子は高野香織(人3)が百、二百bで二冠を達成。百bは昨年に続き2連覇となった。

長距離は13日に行われたハーフマラソンで原田正彦(人4)が優勝。後藤信二(理工3)も3位に入る最高のスタートを切ったが、トラック競技では惨敗。五千、一万bでは新井広憲駅伝主将(人4)森村哲(人3)など実力次uメが登場したが振るわなかった。一方で千五百bでは実徐ぢ杉山一介(人1)鹿他が7位入賞を果たし、大物ぶりを発揮した。

フィールド種目では女子棒高跳で森永麻里子(人2)錦織育子(人4)が1位2位を独占したのが目立った。

  記録

▽百b 6位 大前 10秒67 ▽八百b 4位 増原琢磨(法4)1分52秒94 ▽千五百b 7位 杉山 3分51秒59

▽五千b 9位 新井 14分18秒70  14位 森村 14分30秒06  15位 空山隆児 14分35秒24

▽一万b 9位 原田 29分13秒40  14位 新井 29分52秒81  15位 森村 30分01秒95

▽ハーフマラソン 1位 原田 1時間5分44秒  3位 後藤 1時間5分58秒

▽三千b障害 7位 相楽豊(人3) 9分02秒87  9位 篠浦辰徳(人1) 9分14秒13 

▽四百bリレー 2位 早大 <安川嘉亮(人3)、中川博文(人4)、大前、小島茂之(人4)> 39秒21

【女子】▽百b 1位 高野 12秒02  ▽二百b 1位 高野 24秒17  ▽四百bリレー 4位 早大 46秒97  ▽棒高跳  1位 森永 3m70 2位 錦織 3m70(順位は試技回数による)

関カレ終わって一言

高野「二百で勝てると思ってなかった。苦手な後半で追い込みがかけられた」百b、二百bの二冠達成

森永「体が軽くて1本飛べてからは調子よくいけた。(錦織と)1位2位を取ろうと言ってた」女子棒高跳で優勝

小島「スピードに乗り切れない大前に気づかず早く飛び出してしバトンミスをしてしまった。記録はいつか破られる。また破り返せばいい」四百bリレー、ケガをおしての出場も2位に終わり記録も破られる

大前「すべてオレの責任」四百bリレーに出場。バトンミスについて

原田「タイトルを取ろうと思っていた。取れてよかった。やっと(取れた)という安堵感」ハーフで初タイトル

後藤「タイムは気にせず勝負だと思っていた。3位はびっくりしている。去年の屈辱を胸に走った」昨年惨敗のハーフで3位表彰台

杉山「緊張したけど楽しんで走ろうと思った。タイムはベストだけど、順位は最後抜かれての7位なのですごい悔しい」1年にして千五百b入賞

森村「散々。全然ダメ。シーズン入ってから何かおかしい。(コーチから)疲れだとも言われたけど、自分ではそう思わない。原因不明の不調」昨年飛躍した今大会で惨敗

新井「くだけた。でも実のあるレース、次につながる。(チームとしては)故障者が直って上向き」主将として迎えた今季、五千、一万bに出場

大沢短距離コーチ「最悪。(リレーは中川(博)、小島が軸だと思っていたが、二人ともケガ! で結果は悪くて当然。大前は一番調子がよかった。小島は走るのは無理と言われていたが、本人の希望で決勝だけ走らせた」

遠藤長距離コーチ「万全の状態で臨めなかったのがこの結果につながった。原田、後藤はほかよりも準備ができていたということ。杉山は将来考えるともっと長い距離に出させたかったが、空いているのがここ(千五百b)しかなかった。思ってもみなかった入賞」


東京六大学対校

第34回東京六大学対校陸上競技大会(4月7日 東京・駒沢陸上競技場)

 トラックシーズンの幕開けを告げる六大学対校で、早大は見事優勝を果たした。まだ本格的なトラック練習はしていないものと思われ、記録自体は今ひとつ伸びなかったものの、いい形でシーズンを迎えられることになった。

 短距離では百bに登場した新人の北村和也(人1)が2位に入る活躍。定評どおり即戦力としての力を見せた。また八百bでは昨年の関東インカレ(関東学生対校選手権)2位の実力者、増原琢磨(法4)が優勝。今年もビッグゲームでの上位進出が期待できそうだ。ここ数年無敵を誇る四百bリレーも他を寄せ付けない圧倒的強さで大会5連覇を飾った。第三走者は北村と同じく即戦力と期待される大前祐介(人1)がつとめ、北村同様にその力を見せつけた。

 箱根駅伝では無念のシード落ちを味わった長距離も、まずまずのスタート。千五百bに出場した杉山一介(人1)は、新人らしかぬ冷静なレース運びを見せ優勝を飾った。「タイムはいまひとつ」と言う杉山だが、そのスピードには一目置くものがあり今後チームの中心として活躍しそうだ。五千bではポスト佐藤敦之(平13人卒、現中国電力)の呼び声高い森村哲(人3)が優勝。今後昨年の佐藤のような絶対的エースになれるかに注目したい。

 その他フィールド種目でもトラックに負けない活躍を見せ、5月に行われる関東インカレにも期待が持てる結果となった。

  記録

▽百b  2位 北村 10”96   ▽四百b  2位 佐藤真太郎 48”07   ▽八百b 1位 増原 1’51”25   ▽千五百b 1位 杉山 3’58”00

▽五千b 1位 森村 14’18”38   ▽百十bハードル 2位 萩野勝也 14”67   ▽三千b障害 2位 相楽豊(人3) 9’09 "76

▽四百bリレー 1位 早大<穴井伸也(人3)、中川博文(人4)、大前、小島茂之(人4)> 40”04

▽千六百bリレー 3位 早大 <中川裕介(人1)、大前、永戸洋平、北村> 3’14”64

▽走高跳 1位 遠藤永治 2m00   ▽棒高跳 1位 毛利公一(人2) 4m80   ▽砲丸投 1位 内田智也 12m85   ▽やり投 1位 中村航 64m45

※3位以上の者のみ掲載


立川ハーフ

第20回立川マラソン(3月11日 東京・国営昭和記念公園)

 後藤信二(理工2)が自己ベストとなる1時間3分44秒で2位に入った。レース前「前に出るな」と遠藤司コーチ(昭60教卒)と指示を仰いでいた後藤は、中盤まで力を蓄える作戦でラスト5,6キロで一気に出る展開を見せた。ラスト勝負では虎沢(専大)に競り負けたものの、冬季の走り込みの成果がうかがえる大会となった。また上位には食い込めなかったが中尾栄二(人2)、植竹誠也(人2)、矢花誠(人3)も自己ベストを更新した。

 また、2月に行われた熊本での熊日30`ロードレースでは、森村哲(人2)が1時間31分37秒の好タイムで学生トップの9位に入り、愛知で行われた犬山ハーフマラソンでは新井広憲駅伝主将(人3)が1時間3分47秒で優勝を飾るなど、早大勢の健闘ぶりが目立った。

箱根駅伝以降チームをレベル分けし、自主性を重んじる練習方法を取り入れてきた遠藤コーチの改革が早くも表われてきたようだ。いよいよトラックシーズンの到来だが、この流れのまま早大勢の活躍が期待される。

 ▽ハーフ 2位 後藤 1時間3分44秒   20位 中尾 1時間4分58秒

※公式記録が発表されている20位以上の記録のみ掲載。学部学年は大会当時のものです。


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