ラグビー速報(2003年度大田尾組) |
大学選手権プール戦第2節 早大対東海大 |
内容悪いながらも勝利し準決勝進出決定 ◇大学選手権プール戦第2節 早大対東海大(12月28日 秩父宮ラグビー場) 大田尾に続いて副将川上までも欠いて臨んだグループリーグ第2戦。常にリードは保つが序盤からミスを重ね終始リズムに乗れないまま試合終了。2連勝でプール最終節を待たずに準決勝進出が決定したが、次の強豪・法大戦に向け課題の残る試合となった。 〈戦評〉 先制点は前半7分。ゴール前のラックから、ラインに入ったフランカー松本がパスを受けた瞬間に相手をかわし、ゴール真下に飛び込むトライを奪う。このまま早大のトライショーが始まるかと思いきや、この後、早大はチグハグな展開を繰り返す。東海大の勢いあるアタックの前に守勢に回ると、アタックではハンドリングミスなどを多発し、なかなか敵陣奥まで攻め込めない。24分と30分にWTB首藤が個人技で2トライを奪うのみで前半終了。21−7で折り返す。後半、4分にロック内橋が密集をうまくすり抜けトライを奪うが、またこの後が続かない。前半に比べてワイドな展開は見せるが攻め切れず、17分に東海大にトライを許し26−14。さらに直前にNo・8佐々木がハイタックルでシンビン(10分間の退場)となっており、嫌な雰囲気が漂う。それでも、早大は23分、インサイドCTB矢富の作ったラックから、素早くアウトサイドCTB今村が、35分にはFB小吹がトライを奪い、守ってもその後は無失点に抑え38−14で試合終了。プール戦2連勝とした。この日同じプールの法大も京産大を下し2連勝とし、これで早大、法大の準決勝進出が決定。次戦は1位通過をかけて法大と対戦する。 〈総評〉 ラグビーにおいて、ハンドリングなどのイージーなミスが多発する、またはチームが噛み合わない試合とはよくあるもの。この試合もこれにあてはまる。それでも、次の試合で気持ちを引き締めればいい、という考えるのが普通だ。しかし、今季早大がこの手の試合を何度繰り返してきただろう。シーズン序盤ならまだしも、いまはもう12月末。イージーなミス、チームの歯車が狂うことが慢性化しつつあるのでは、との思いを抱かせる。次の法大戦からが、いよいよ強豪との対戦となる。今後の試合でミスの連発は絶対に許されない。 また、こういう試合展開になった原因は大田尾を筆頭に主力選手が不在で、経験の浅い選手を多く起用した時に見られる。ベストメンバーの時はあまり見られない。特にこの試合では、大田尾不在が響いた。厳しい言い方をすれば、先発SOの久木元、その久木元の不調で前半35分に途中出場した安藤は、ともに早大のアタックを担うには荷が重かったと言える。次戦、プール戦1位通過を懸けての法大戦には大田尾が帰ってくる。早明戦以降欠場していた内藤慎もこの試合で復帰した。首藤の調子も上がってきた。法大戦はほぼベストのメンバーで戦えるだろう。この試合のような内容にはならないはずだ。ただし、大田尾欠いた早明戦以降の大学選手権3試合で早大は成長したとは試合を見る限りでは、お世辞にも思えないし、ベストの布陣が組めなかったこの3試合の代償は大きいように思える。法大戦、過去3試合の内容を上回るのは当然、早明戦より一回り大きくなった早大の姿が見れるか。そうなっていないと連覇は厳しいと言わざると得ないだろう。
早大出場メンバー 1東野憲照(法4)→諸岡省吾(法3)、2青木佑輔(人2)、3伊藤雄大(人3)→市村茂展(理工2)、4内橋 徹(政経3)、5桑江崇行(人3)、6古島 直(政経3)、7松本 允(人2)→東条雄介(教1)、8佐々木隆道(人2)、9後藤翔太(教3)、10久木元孝成(教2)→安藤栄次(人3)、11首藤甲子郎(スポ1)→内藤慎平(人3)、12矢富勇毅(スポ1)→池上真介(人2)、13今村雄太(スポ1)、14吉永将宏(人4)、15小吹和也(人2) コメント 清宮監督 下手なゲームプランをお見せしてしまった。FWにあれだけ力の差があって、BKの能力も勝っていたら、もっと簡単に崩してトライというのが普通。東海大は先週に比べ随分意識が統一されていたので、一概にワセダの不出来が課題というわけではないと思う。(久木元について)。こうしようとしたことをやってないから交代した。(大田尾は)法大戦は出る。ワセダのアタックはキャプテン・ゲームリーダーが帰ってこないと機能しないというのがわかった。次はひさしぶりの(試合)ということで期待したい。(矢富は)アタックでこういうプレーをするだろうと思ってそれを見るために出したけど、そんなによくなかった。元々SHで伸ばそうと思っている選手だし、今日のはその場凌ぎの起用。(インサイドCTBは?)これから決める。今日替わりに入った池上はよかったので、可能性に懸けるのか、読める範囲のプレーヤーを使うか、という話。(チーム作りは)うまくいっていないということはないけど、順調とは言えない。アタックはやろうとしていることをやっていないから、やろうとしていることをやるだけ。ディフェンスはシステムとして人と人とはぶつかってるのにタックルしてない所があるので、メンバーを替えるなりして止められるようにする。 大田尾 今日の試合に関しては、やることはやってるし、落ち着きはあるし、経験が無いのかなと。ノックオンについてはしょうがない。ディフェンスのところで見せてほしかった。(次は)出ます。この試合見てて思ったのは、色んなことに手を出しすぎているので、攻めを統一したい。色んな攻め方を覚え、崩し方も覚えたが、それが多すぎ。攻撃統一をしてゆきたいなと。今日の試合はディフェンスですね。ワセダらしさを取り戻したい。しつこさ無いし、安定感もないし。この4日間を如何にワセダらしく過ごせるか。 後藤 (苦戦の原因は)ボールを一つ一つを大切にしてなかったし、タックルも同じ。(法大戦は)強い。気持ちの問題になってくる。(今年2回勝ってるけどやりやすいとかある?)そんなことはないですね。激しいタックルと前に出ることを心掛けたい。(大田尾が帰ってくるけど多少なりとも変わりますよね?)変わってくれないと困りますよ。(若い選手が多いとどこが大変?)ミスが増える。そしてそのとき的確な判断ができていない。 内橋 (今日の試合について)→最悪でした。チームの雰囲気が良くない。一戦一戦、これで負けたら終わりという危機感がない。それは練習中も。(自分のプレーはどうでしたか?)チームの出来の悪さがそのまま自分のプレーに反映された。今日は本当にダメでした。 内藤慎 (今日の自分のプレーについて)→短時間すぎたので何とも言いようがないです。(外から試合を見ていてどうでしたか?)→もうちょっと相手にプレッシャーを与えた方がいい。余裕を持ってプレーさせてしまってた。もっと激しくあたっていくべき。(今日はウイングでの出場でしたが)→練習に復帰したときコーチに「次ブラインドウイングでいくよ」と言われて、その練習をしてきた。(FBへのこだわりはありますか?)→チームの状況的に、そんなこと言ってられる場合じゃないんで。与えられた場所をやるしかない。 伊藤 (今日の試合) 相手のスクラム弱かったです。今日は65点。スクラムは67点。チームとしてのスクラムが組めなかった。個人としては押せてたんですけどね。そこでしか貢献できないので。65点はもっとディフェンスできたなって。(全体としても)ディフェンス弱かったです。相手がどんどん前に来たのにはずされて、一人で一人を止められなかった、で二人でかかって。前に出て一人が一人を止める、単純なことができてなかったです。(法政戦へ)FW強いと思うので、スクラムで押す!相手ボールを取る!僕にできるのはそれだけです。 吉永 (今日の試合)基本的なこと・タックルとかブレイクダウンのとこがしっかりできず、後手後手に回って、ミスして…課題の多い試合でしたね。よくないです。(ここ止められないのかって場面がありましたが。)流れをつくらせてしまいましたね。最初のタックルが甘いですよね。そこをしっかり止めないと。特にBKのタックルが甘いんで、ファーストタックルをしっかりやる。それも課題ですね。(自身は何度か相手の独走を止めてましたが?)だんだんみんなが(止めに)いかなくなって、情けなくなって。BKで4年生自分だけなんで、気持ちこめたプレーで見せようと思って。(4年生としても、選手としても最後が近づいてますが)そうなんです。今日にしたってあと何回かしかないのに、ふがいない試合をしてしまって。もったいないし、悔しい。会心のゲームがやりたいですよね。(決勝に進めばおそらくは関東学院大と対戦することになると思いますが?)一人一人がもっと責任を持ってね、最大のライバル・関東学院大と戦う上で。グラウンドにしか落ちてないと思うんですよ、勝利とか何とかそういうものは。1日1日の練習で関東(学院大)を意識して、一人一人が成長していくしかないですね。(法大戦にむけて)一番強いですね。気持ちの入ったタックル、気持ちの入ったプレーで、今度こそは会心のゲームをしたいですね。 矢富 (自分で抜きに行く場面が目立ちましたが?)自分がパスをあまりしないのは、(パスに定評のある)曽我部とは違う自分の長所を生かしてこい、と清宮監督に言われているから。自分の長所は「人を抜く」技術。その技術を買われて試合に出ているはずだし、それをやらなきゃと。(本来はSHですが今はCTBをやっていますよね?)ずっとCTBでいくかは監督が決めることだから分からない。(自分としてはどう思いますか?)行けと言われたら、どのポジションだろうがやります。 桑江 今日はとりあえずいまいち。チームとしてのディフェンスが出来てなかった。(FWは割と 優勢だった?)はい。FWは結構チームとして調子は上がってきてると思います。 池上 今日は外でみてた時、チームがうまくいってなかったんで自分で流れを変えようと思って入りました。最初に思いっきりタックルが決まったんで、自分のプレーでチームが少しでも勢いづけたならよかったです。自分に求められているプレーはディフェンスです。持ち味がディフェンスだとされてます。今日の試合は特に、バックスのディフェンスがポイントだったんで、自分が頑張らなきゃと。法政戦は、相手もどんどん縦にくるんで、押し返すようなディフェンスを意識してやります! 今村 ・今日の感想は?→ぜんぜんだめでした。50点くらい。タックルとかまだまだです。 ・チームには馴染んできましたか?→前よりかは馴染んできて(前はもういっぱいいっぱいって感じでした)周りも見えるようになってきました。 ・メンバーが流動的ですがその中での自分の目標は? →変わったメンバーの中でいつもと同じプレーをする事です。 東野 Qキャプテンとして臨む今日の試合はAみんなを引っ張っていこうとしました。普段よりまわりを気にしていくようにと。 Q試合内容については?A体を張るということができてない。技術とかじゃなく、ラグビーの本質の体と体のコンタクトの部分がダメ。試合中に言ったが修正できなかった。今後の課題です。 Qスクラムは押せてたがターンオーバーはなかなかできなかったが?Aダイレクトフッキングとか、エイトがサイドにすぐに出たりしたんで。でもFWは良かったと思います。 Q法政戦は?勝ちます。自信はあります。(BK主体の似たタイプのチーム同士ですが?)いや、早稲田はFWのチームだと思ってます。FWで勝ちますよ。(決勝までの通過点?)いやもうそんなことは言ってられないです。勝負です。 佐々木 (今日の試合でやろうとしていたことは)力強く前に攻めるところを攻めていこうとしていた。1回1回フェーズを重ねて、とっていこうというのがテーマだった。しかし、ゲームプラン通りにいかなかった。(しつこさのないディフェンスについて)そこがチームの課題でもあるんですけど、一人一人のタックルの弱さですね。(今回のチームとしての反省)思うようにできなかったことがひとつと、今日の試合は完璧を目標にしていたができなかったこと。チーム状態はワセダが一番どん底なので、あとは上がっていくだけです。1年生が多いとか2年生が多いとかじゃなく、一人一人自覚できるチーム状態にしていく。そうしないとカントーの前に法政にも勝てないので。 |
大学選手権プール戦第1節 早大対京産大 |
関西の雄・京産大を寄せ付けず快勝 ◇大学選手権プール戦第1節 早大対京産大(12月21日 秩父宮ラグビー場) グループリーグ第一戦。前の試合に引き続き、主将大田尾をはじめ主力選手を欠く中で、新たな戦力が活躍し、関西3位の京産大を相手に67−12と圧勝した。 〈戦評〉 開始直後の55秒、CTB今村が相手を振り切り独走。ゴール前でFWへとボールが渡り、ロック桑江が先制トライを奪うと、5分にもSO久木元が自らのキックでゴールラインを越えたボールを抑えてトライし、早大ペースの立ち上がりとなる。その後も20分には、モールをそのまま押し込み最後はLO桑江がこの日2つ目のトライ。33分にはCTB今村がタテへと突破し、WTB首藤へとボールが渡ると自ら走りゴールラインへと飛び込むなど、前へと攻めようとする気持ちが勢いとなってあらわれ、前半は7トライ、41−5で折り返す。 後半開始後は早大にとって苦しい時間帯となる。攻めきれない状況が続き、自陣でのプレー時間が増えていく。しかし守備が機能し得点は許さない。14分、その中でWTB首藤が左ライン際を独走、相手2人を見事抜き去りスピードを生かした首藤らしいトライを決めると、18分には途中出場CTB矢富、22分にはWTB吉永が得点を奪う。その後もゴール前まで攻め込まれるシーンが多く見られ、36分にトライを許すが、ロスタイムにはフランカー松本がだめ押しのトライを決め、67−12と危なげないスコアでの勝利となった。 〈総評〉 今回多く見られたのは「タテ」の攻撃だった。主将大田尾、CTB曽我部の不在により、対抗戦での勝利を支えたワイドな展開による攻撃を考えれば、個人の突破や近いところへとボールを回すことでトライへとつなぐ今の早大に物足りなさも感じるが、CTB今村などの新しい戦力が、「タテ」という強みを持っていることを改めて感じさせる内容となった。後半になると相手が早大の攻撃をつかんできたため、思うように攻められない時間も続いたが、前半は「タテ」の力が存分に発揮され、素早い攻撃でトライを量産した。守備に関しては、清宮監督も「明らかにディフェンスの指示の意図を感じられるプレーがあった」と、納得の様子。しかしブレイクダウンからターンオーバーされるなど、課題点も見つかった。目指す頂上まではあと4戦。課題のひとつひとつを修正して次へとつないでほしい。
早大出場メンバー 1東野憲照(法4)→諸岡省吾(法3)、2青木佑輔(人2)→紀 昌宏(人4)、3伊藤雄大(人3)、4内橋 徹(政経3)、5桑江崇行(人3)、6川上力也(教4)→佐々木隆道(人2)、7松本 允(人2)→紀 昌宏(人4)、8古島 直(政経3)、9後藤翔太(教3)、10久木元孝成(教2)、11首藤甲子郎(スポ1)→正木健介(人4)、12豊山 寛(教3)→矢富勇毅(スポ1)、13今村雄太(スポ1)→安藤栄次(人3)、14吉永将宏(人4)→太田淳平(二文2)、15小吹和也(人2) コメント 清宮監督 アタックとディフェンスで2つずつテーマを与えたんですけども、まあまあいんじゃなかったかなと。70〜80点のデキだったと思う。ゴール前でディフェンスするシーンが後半長く続いたけど、あきらかにディフェンスの指示の意図を感じれるプレーがあったので、まあ70〜80点のデキです。アタックはあんなものでしょう。(アタックのテーマは)ブレイクダウン。4つ5つ技術が足りないシーンがあった。技術が足りなくてあきらかにターンオーバーされたシーンがあった。 後藤 (試合の印象)先週に比べればよかった。一人一人の仕事に対する意識が違った。(後半ペースが落ちたが)前半あれくらいやったから・・・。(CTBは色々な選手が試されているが)それぞれみんな特長があるから生かしてあげたいと思うし、それとは別に特長だけを出せばいいというものでもない。全員が共通でやらなきゃいけないプレーがあるから。ディフェンスや落ちたボールに対してとか。 豊山 (今日の出来)全然ダメ。自分じゃなかったらターンオーバーできた場面も何回かあったし。(ここ2試合12番でのスタメン。しかし途中交代が多い。どうレギュラー定着へとアピールしていくか)自分はDFとか接点の強さが武器でサポート系が多い。それをいかにアピールしていくかだと思う。それで12番を着続けられるようにがんばりたい。(今日の交代理由は)持ち味が出せなかったからだと思う。けがとかはない。ただ調子が悪い。 (今後の課題)意識して練習に集中して自分の持ち味を出していきたい。 今村 (今日の試合のポイント、ブレイクダウンについて)今日は特に意識してやったんですが…(ターンオーバーを)連続してやられてしまって。前からの課題だったんですけどね。(監督からは攻撃のアクセントとして期待されているが)自分の持ち味はスピードとパワーなんで、監督からはパスは気にしなくてどんどんいけと言われてます。でもパスできたほうが攻撃の幅も広がるので、パスも練習したいと思います。(CTBとして3試合目の出場ですね)だいぶ慣れてきました。周りも見えるようになってきたし、スペース創って走り込めるようにもなってきたんで。 内橋 (試合はどうでしたか)相手が相手なんで、それなりにというかんじ。特別良くもないし、自分自身のプレーは悪くなかった。(後半点数がのびなかったが)怪我でメンバーが入れ替わったりしてたので、少しまとまりに欠けました。特に今日の試合のキャプテンの川上さんが抜けてから、それぞれが自分がやらないとと思ってしまった。 東野 Q今日の試合は?Aチームの主軸が抜けてから意志統一ができなかった。個人個人がバラバラにいったので結果的に得点が取れなかったんだと思います。フィットネスが落ちたとかではないです。Qスクラム組みづらそうでしたが?A全然そういうことはないです。相手がスクラムにこだわってくるチームで、お互いにこだわりがあって譲れない部分があったからそうなっただけです。(FWのデキは?)80点くらいです。Q今日のテーマのブレイクダウンについては?Aただ球を出すだけでなくて、相手を圧倒していかないといけない。じゃないと関東学院には敵わないです。そこの部分は課題です。 首藤 Q 今日のトライと試合内容は?全然ダメでした。納得とかいう以下です。Q DFは?低いレベルの話ですけど、まあ悪くはなかった。抜かれずに止められた場面はありましたから。 佐々木 Q前の試合はケガですか?はい。腰です。今日は様子見だったんですけど、あまり思っていたほど痛くは無かった。Q今日の試合の課題であった、ブレイクダウンについては?ちょっと二人目のよりが遅かった。それと、個人でもまだ弱い。自分からヒットしたときでも、ボディコントロールができていなかった。バックスへの展開も遅かったですね。Q次回の東海大戦での課題は?一戦一戦強くならないと、見て分かるようにカントーには勝てない。ミスを少なく、うまくボディコントロールできるように精度をあげてゆきたいですね。 松本 (京産大とやってみて思ったことは?)関西の大学はコンタクトが強いし、近いし、FWがいい。関東学院もFWが強いから、FWの強い大学ということで意識していた。(関東戦の前に、東海大戦、法政戦などがありますが、意識しているのは常に関東ですか?)そうですね。でも他の大学を低く見ているのではなくて、関東へステップアップしていくための道のりというか。とにかく、ケガ人多いが個人個人が自分の役割を意識して、1人1人がチームをひっぱっていくことが大切だと思います。 伊藤 (今日の試合について)疲れました。一試合まるまる出たの久しぶりだったんで。スクラムは関西一と言われてるチームで、変わった組み方をしてくるんで疲れました。(今日の出来は)60点。スクラム以外はもちろん、スクラムもばちっと組まなきゃだめです、ばちっと。ばちっとっていうのがポイントなんです。ただ味方に球が出るだけじゃなくて、ばちっと組まないと。関東は見ていた?見ました。やっぱりFWのチームだなって思いました。強いですね。山村を中心として出来上がってる。 桑江 (完封したかったっていうのはないですか?)当然抑えたかったですけどね。チームが若いんで。DF甘かったですね。(後半序盤、自陣でのプレーが続きましたが?)キレちゃったんですかね。点差開いちゃって。(総合的に今日の試合のチームの出来は?)FWがだいぶ動けるようになってきました。(次東海大戦について)チームとしてもっと完成度高めることですね。ステップアップできるような試合にしたいですね。(プールではやっぱり法大戦が山場ですか?)どこもあんまり変わらないです。同じようなレベルのチームとの試合に対して、いかに関東(学院大)に対戦するときのステップアップになる試合にするか。たとえばFWでいかないときはいかないとだめなんで、きつくても。FWが強い関東(学院大)戦を想定して、相手をどれだけ強いチームにできるかです。 吉永 (今日の試合について)前半は良かったですけど、後半は受けに回ってました。それで相手にペースを握られ、また受けに回ってしまって。(ターンオーバーされる回数が多く、する回数は少なかったですが)アルティメットクラッシュが体現できてない。こぼれ球への反応が遅くてキープできてない。個人で止めれてないのもターンオーバーが少ない原因。一人一殺しないと。毎回言ってることなんで、意識の差ですね。(試合後、大田尾とは何を話してたんですか)いいボールもらえないねって言われました。(次は東海戦です。ベストメンバーが組めてないですが)今出てるメンバーがベストメンバーなんで。誰が出ても変わらないチームにしたいです 小吹 (今日の試合は?) いい部分もあったけど、やっぱるディフェンスやターンオーバーの修正しないと。個人的にはゲインをしてもトライを取りきれなかったり、キックに対して100%球を出すことが出来なかった。コンバージョンも今日は決まらなかったし。ブレイクダウンについては 激しいブレイクダウンがテーマで、前に出ることを意識して出来ない部分があった。テンポも良くなかったし。後半はミスが多かったのと、安心感が出てしまってあまり点が重ねられなかった。後半こそ、ブレイクダウンを意識しなければならなかったのにそれは出来なかった。 |
大学選手権1回戦 早大対関西学院大 |
主力温存ながら余裕の完勝、グループリーグへ進出 ◇大学選手権 早大対関西学院大(12月14日 秩父宮ラグビー場) 故障中の大田尾竜彦(人4)、曽我部佳憲(教1)に加えて、いつもと大幅にメンバーを入れ替えて望んだ早大。不満の残る内容ながらも、85−15と快勝し、大学選手権連覇へ向けてまずまずのスタートを切った。 <戦評> 試合開始から圧倒的な早稲田ペースで試合は進む。前半3分にラインアウトから右へ大きく展開して崩したWTB吉永将宏(人4)のトライを皮切りに、その後も、8分、33分にフランカー松本充(人2)、11分にLO桑江崇行(人3)、18分にCTB今村雄太(スポ1)、22分、37分にWTB太田淳平(二文2)がトライを奪い、相手に的を絞らせない多彩な攻めを披露。早大クラスの展開力を持ったチームが関西リーグにはないためか、前半相手はとまどっているように見えた。前半終了間際にPG、トライで失点を許し、前半を45−8で折り返す。 後半は2分にトライを奪われるなど、なかなかリズムに乗り切れない早大。ディフェンスラインを簡単に突破される場面もしばしば見られ、チームとしてのディフェンスは機能しているとは言いがたかった。しかし、結局その後は相手にトライを与えず、逆に、今村や途中出場の矢富勇毅(スポ1)、菅野朋幸(人1)らの若い力が躍動して、後半だけで6トライを奪い、85−15と快勝した。個人能力では圧倒しながら、チームとしては内容的に圧倒しきれない何かもどかしいゲームであった。 <総評> この試合、目立ったのは個人の力。個人個人で強引に突破していくシーンが多々見られた。しかし、それは裏を返せば、連携プレーがうまく機能していなかったということ。事実、今村は「サインミスが多く、うまく噛み合わなかった」と振り返った。メンバーが大幅に入れ替わったこともあるが、いつもの流れるような攻めはあまり見られず、ディフェンス面でも簡単に抜かれるなど早大らしさは影を潜めた。個の力で圧倒しながらも、後半は自陣でプレーさせられる時間が多かった。打倒早大を掲げるチームを相手にしていくこれからの試合で、けが人が出る可能性は十分にある。けが人が出てベストの布陣が組めなくても早大らしさが発揮できるようにしておかないと、これから迎える強敵たちとの戦いは厳しくなるだろう。故障で主力の太田尾、曽我部を欠く今こそ、チーム一丸となって、早大ラグビーを体現してほしい。
早大出場メンバー 1東野憲照(法4)、2青木佑輔(人2)、3市村茂展(理工2)、4内橋 徹(政経3)→阿部卓留(人3)、5桑江崇行(人3)、6川上力也(教4)、7松本 允(人2)→紀 昌宏(人4)、8古島 直(政経3)、9後藤翔太(教3)、10九木元孝成(教2)、11太田淳平(二文2)→正木健介(人4)、12豊山 寛(教3)→矢富勇毅(スポ1)、13今村雄太(スポ1)、14吉永将宏(人4)→菅野朋幸(人1)、15小吹和也(人2) 清宮監督 メンバー沢山変えて、どれくらい個人のパフォーマンスを出せるかを見たい試合だった。(相手の)ディフェンスが見てのとおり、嫌なディフェンスだったで、見たかったところが見れなかったのが残念。ディフェンスはきっちり奪ったのが一回しかないので、非常に不満。トライを取られたとじゃなく、ディフェンスのターンオーバーが 一回だった 大田尾 (外から見てどうだったか?) もうとっとキックフェーズを使って統一させて、そういう動きをしたほうが良かったんじゃないかなと思いました。あと、(メンバーが)若かったので修正に時間がかかった。 (外から見ることで初めて分かることはあったか?) 練習中からやっていかなきゃいけないことなどが。些細なことというか、注意を払ったらミスが減るところを練習中から厳しくやれば減るだろうし、そういうところが大事だと思いました。 後藤 意思統一できず、80分経った。(個人的にも)情けないプレーが多くて、周りを気にしすぎて自分のプレーができなかった。(ディフェンスについて)この1週間清宮さんに言われたことが、ちょっと甘くなった。(これからやるべきことは?)頭の中クリアに整理されてない。チーム全体として。監督に言われたことを一つ一つしっかりクリアしていくしかない。関東は見てるけど、一戦一戦大事に勝って行かないとレベルアップしない。 内橋 (ディフェンスについて)今日は声がでていなかった。途中で交替して外から見ていてもよくわかった。FWは対抗戦のメンバーとあまり変わらなかったのに、コミュニケーションがとれなくてミスが続いた (これから試合が続きますが)スタミナは大丈夫と思っている。ケガ人が多いのででれるメンバーが頑張らないといけない 吉永 (監督は試合内容が不満だったみたいですけど)ミスが多かったし、ミスの後の反応も遅い。DFも受け身でした。攻撃もチームとしてのアタックが出来てなかったし、早稲田らしさが出せてなかった。 (個人の調子は?)上向きでも下向きでもないです。選手権の決勝に向けて調子を上げていきたいですね 桑江 (今日の試合について)個人は最悪ですね。とにかく良くなかった。ノックオンとかあったし。 (チームについては?)チームも最悪。セットが遅いし、DF面ではボールに対して全然いけてない。(ラインアウトは?)途中からはまあ良かったけど、最初は甘えがあったように思う。リフトも雑だったし、ボール出しも遅かったですし。 松本 (今日の試合について)関学はスピードもありいいチームだったがうちのディフェンスがよくなく、不満の残る試合だった。 (ディフェンスが不満?)チームディフェンスがしっかり機能していない。今回のメンバーは一週間前くらいから合わせていて、時間がないというのもあるがそれでもよくない。自分のディフェンスもよくない。 小吹 久しぶりの80分だったんで、自分が出せる面が少しは出せたかなぁと。上から求められるものとかもだせたとは思う。それは外側を生かすということ。自らが突破するということはある程度できるから、外を余らすことを意識している。今日は何本かフリーで回せた。継続してつなぐことも大切だが、シンプルに確率よく回そうともしている。 矢富 (出場すれば活躍するという印象があるが自信は出てきたか)それは偶然。自信とかというよりは、本業はハーフなので翔太さんを目標にしてさらにさらに上を目指したい。 (センターとして守備面攻撃面伸ばすべきところは)守備では、受けないタックル、前に出るタックルをすること。これは清宮監督にも言われていること。攻撃では、抜くのが得意なのでそこを伸ばしていきたい。その中でパスにもみがきをかける。曽我部よりも上になれるように。 |
関東大学対抗戦 早大対明大 |
明大の追い上げを振り切り勝利、対抗戦3連覇! ◇関東大学対抗戦 早大対明大(12月7日 国立競技場) <戦評> 試合が動いたのは前半11分。早大ゴール前での明大のラインアウト、ボールを確保した明大はいったんゴール正面でラックを形成。そこから左に展開すると待っていたのはプロップ山下。早大のマークはSH後藤というミスマッチの状況で山下は後藤のタックルをはじき返し、インゴールになだれ込みトライ。明大が先制する。 だが、早大はすぐに反撃を開始。試合再開のキック直後にハーフウェーライン付近でスクラムを得ると、まずはNo・8佐々木がブラインドサイドを突く。そこから一気に逆に展開し、ラックを連取。そして、後藤が球出しの際一瞬間を置いて相手のマークを半身ずらし、隣の佐々木にパス。佐々木は一気にゲインラインを突破すると、相手FBを引き付けてから、ボールを左ライン際のWTB首藤へ。首藤は斜め後ろから迫る相手を必殺のハンドオフで突き放すとインゴール左隅に飛び込みトライ。コンバージョンは外れたが早大が5−5の同点に追いつく。続く21分、明大が自陣深くでのペナルティーからのタッチキックがラインを割らず、早大がラックを作った後に左へ展開。この日インサイドCTBで出場の内藤晴児がゲインラインを突破し、明大ゴール正面でペナルティーを得る。そこから3度に渡りサイドをついて最後はロック内橋がトライ。逆転に成功する。 それでも早大は勢いを止めない。28分、明大がキックのカウンターから、早大陣に真ん中まで攻め込む。だがラックを作り左に展開したところでパスが乱れ、こぼれ球を後藤が拾う。攻撃の体勢となっていた明大のラインを後藤は自慢のスピードで難なく突破。60メートル独走のトライを決める。さらに、37分。この試合の早大ベストトライが生まれる。明大陣中央からの早大ラインアウトを桑江が確保。後藤、SO大田尾と渡り、大田尾は内藤晴とクロスし勢い良く走り込んできたCTB今村にタイミングを見計らってパス。今村が一発で鮮やかにゲインラインを突破。30メートル独走のトライを奪う。直前にケガをした曽我部に代わり急遽スタメン出場と今村のこのトライは今季早大には見られなかった豪快なトライだった。このあとロスタイムに明大がハーフウェーラインやや内側からPGを狙うが失敗したところで前半終了。 24−5。ワンサイドのゲームの予感が漂うなか、試合は折り返した。 しかし後半、試合は膠着状態に陥る。「後半がいつもの明治。早明戦の明治だった。」という大田尾の言葉通り、明大がペースをつかむ。早大は曽我部を欠き、大田尾も慶大戦で足を痛めたことにより、キックで陣地を進められず、自陣に釘付けとなる。それでも整備されたディフェンスで得点は許さない。後半はスコアレスで24−5のまま試合は終盤を迎える。30分ついに均衡が破れる。早大の自陣真ん中でのラインアウトを明大がキャッチ。2度のラックからSO鈴木がステップを切りゴール右ポスト手前まで迫る。今度はそこから大きく左に展開。大外に余っていた途中出場のプロップ林にボールが渡りトライを許す。24−10で残り10分に突入する。ようやく早大も明大陣に攻め込むがミスなどで得点は奪えない。37分、ハーフウェーライン付近で明大スクラム。No・8日高がブラインドサイドを突いて右ライン際を大きくゲイン。FBと1対1の状況となり、早大陣真ん中でラックを形成。そこから素早い球出しで、途中出場のSH脊川が左に大きく展開し鈴木へ。早大はラックサイドを固めるのがやっとで、ラインは4対4しかも、鈴木のマークはロック桑江というピンチ。鈴木は外にズレ、早大のマークを引き付け、3対2の状況を作る。そして、隣の林にパス。林はプロップとは思えぬランニングでギャップを突き、ラインを突破。ゴール中央に飛び込む2本目のトライ。コンバージョンも決まり24−17。国立にドラマを期待する雰囲気が流れ始める。 しかし、最後に早大はらしさを発揮する。試合再開後、早大が後半初めて敵陣深くまで攻め込む。時間はロスタイムに突入。ここで早大は右中間残り5メートルのところでペナルティーを得る。時間は42分。PGを選択すれば試合は終わる。だが、ここで選択したのはタッチキック。「(PG)が外れれば絶対勝てる点差ではなかったから」(大田尾)。早大のマイボールラインアウト、内橋がキャッチしそのままモールで押し込む。モールが崩れたのち、一度サイドをついてから、後藤、大田尾と左に展開。大田尾を右側に走り込んできた吉永へ逆目のパス。明大は近場に人数をかける状態に。再びラックから、後藤、大田尾とわたり、今度は左へ。パスを受けた今村は斜め前方へ突進、明大のマークが集中し、外には早大の途中出場したFB小吹と首藤だけが余っている状況。ここで今村は倒れながら懸命に小吹へ勝利を決定づけるパス、最後は首藤がフリーでインゴールに飛び込みトライ。29−17。コンバージョンが終わったところで試合終了。早大の対抗戦3連覇が決定した。 <総評> 早大圧倒的有利の下馬評のなか、最後は「早明戦」らしい、手に汗握る展開となった。ただし、いまの早大にとってそれはいい展開ではなく「苦戦」と言えるだろう。要因は二つ。それは後半に垣間見えた。ひとつは大田尾の足のケガ。いつもの変幻自在の姿はそこになく、棒立ちのままパスを投げているというだけ。司令塔が機能しない継続ラグビーは迫力にかけ、安定したボールキープもままならず、リズムをつかめなかった。それに追いうちかけたのが、もう一つの要因、キッカー・曽我部の不在。大外への展開を計る第二の司令塔という役割以上に大きかったのはキッカーとして役割だった。後半、自陣で明大の攻撃を耐え、ボールを得ても、キッカーがいないため、陣地を大きく回復できなかった。ボールを継続できず、キックも使えない。明大が真の力を発揮した後半、自陣に釘付けにされたのは必然の結果だった。大田尾、曽我部のケガ。これが苦戦の要因だったと思われる。厚い選手層を誇る早大にとっても、大田尾、曽我部という似たタイプの二人が同時にケガをしてしまったことは痛かった。選手権で強豪校と対戦する時はこの二人がどちらも万全でないという状況は避けたい。特に大黒柱・大田尾が本調子でないと早大の真の強さは発揮できないことがこの試合で証明された。今後しばらく比較的軽傷の大田尾はケガの回復を優先すべきだろう。 一方で、明るい材料もある。アウトサイドCTBで出場した今村だ。前半37分のトライは圧巻の一言。ヨコの曽我部に代わりタテの要素をチームにもたらした。曽我部のケガの状態は不明だが、今季中の復帰は厳しい様子。清宮監督も大学選手権にむけて「早稲田の点の取り方、チームの肝になる部分を変えていかないと優勝できない」と述べている。正確なロングパスを放る曽我部が出れないとなると対抗戦でみせてきたヨコへ素早く大きく展開をするスタイルは難しくなる。しかし、馬力とスピードを兼ね備えた今村の登場により、CTBでのタテへの突破、ポイント作るスタイルに可能性が見出せたことはこの試合の大きな収穫だ。また、ロスタイムに見せたオフロードパス(タックルを受けながらパ投げるパス)に磨きをかければ、相手をひきつけて外へという大きなトライパターンが確立でき、その突破力がより生かせるだろう。もう一人のCTB内藤晴も鋭いステップでのタテ突破を持ち味とする選手。選手権ではCTBがタテを突く場面が増えるはずだ。
早大出場メンバー 1諸岡省吾(法3)→東野憲照(法4)、2青木佑輔(人2)、3伊藤雄大(人3)→市村茂展(理工2)、4内橋 徹(政経3)、5桑江崇行(人3)、6川上力也(教4)、7松本 允(人2)→古島 直(政経3)、8佐々木隆道(人4)、9後藤翔太(教3)、10大田尾竜彦(人4)、11首藤甲子郎(スポ1)、12内藤晴児(人4)、13今村雄太(スポ1)、14吉永将宏(人4)、15内藤慎平(人3)→小吹和也(人2) |
関東大学対抗戦 早大対慶大 |
ミスの多い内容ながらも慶大を寄せ付けず6連勝 ◇関東大学対抗戦 早大対慶大(11月23日 秩父宮ラグビー場) 今年で80回目を迎えた伝統の早慶戦。独特の雰囲気に呑まれたのか、早大は基本的なミスが目立ち前半は接戦になるが、後半に突き放し、早慶戦3連勝・対抗戦6連勝。対抗戦優勝は目前に迫ってきている。 <戦評> 開始4分、佐々木が右サイドをつき、川上にかえしラック、後藤―大田尾―曽我部―内藤慎平とつなぎ、最後は首藤がトライ。しかし、20分に早大のペナルティーから慶大にトライを許し7−5。一瞬ムードが悪くなるが、この悪いムードを一掃したのが首藤だった。30分に連続ラックから首藤が抜け出しトライ。さらに39分には佐々木が抜け出し、最後は松本が独走トライ。21−5と点差を広げる。そして前半終了間際の41分に慶大がラックからもぐりこんでトライを決め、21−10で前半を折り返す。後半4分、早大のハンドの反則からペナルティーキックを得た慶大だが、これを外してしまう。その後は7分に首藤、15分に内橋、18分に吉永がトライを決め、42−10と突き放す。このあたりから早大は次々と選手を交代させ、19分には大田尾もベンチに下げた。これが影響したのか、早大は流れが悪くなり、29分に後藤―内藤晴児とつなぎトライを決めるが、31分に早大のコラプシングからトライを決められる。33分に入ったばかりの矢富がラックから持ち出しトライを決めるが、39分にモールで押し込まれ、終了間際の42分にもトライを決められる。結局56−24とダブルスコアになったが、真の早大の力を出し切れないまま終わってしまった試合となった。 <総評> 早慶戦の大舞台で1年生コンビが活躍した。首藤は鋭いダッシュで切り込み、序盤にトライを量産し、曽我部はキック8回全てを成功させた。特に曽我部のキックの精度の高さは慶大と対照的で、勝負を分けたポイントの1つだった。しかし、この試合、早大は基本的なミス、特にハンドリングミスが多かった。それでも慶大相手にこれだけの点差をつけられる力はさすがだが、頂点を狙うためにはこのようなミスはしてはならない。もう一度基礎をしっかりと確認して、次の早明戦までに修正して欲しい。
早大出場メンバー 1諸岡省吾(法3)→東野憲照(法4)、2青木佑輔(人2)、3伊藤雄大(人3)→市村茂展(理工2)、4内橋 徹(政経3)、5桑江崇行(人3)、6川上力也(教4)→阿部卓留(人3)、7松本 允(人2)→紀 昌宏(人4)、8佐々木隆道(人4)、9後藤翔太(教3)→矢富勇毅(スポ1)、10大田尾竜彦(人4)→今村雄太(スポ1)、11首藤甲子郎(スポ1)、12曽我部佳憲(教1)、13内藤晴児(人4)、14吉永将宏(人4)、15内藤慎平(人3)→小吹和也(人2) 清宮監督 慶応のディフェンスをどれだけうまくというか対応して崩せるかが焦点だったけど、起点となるハーフの球出しの時点でリズムが崩れた。後半は意図したとこで突破できた。メンバーが変わって雑なゲームに最後なった。まだまだ若い慶応がやってくることは分かっていた。それをどう仕留めようかということを今週屋ってきてそれで半分くらいできた。 大田尾 今日は慶應のディフェンスがかなりよかった。出足相当早い。。今日慶應はプライドを持っていい戦いをしてきたと思います。早稲田にノックオンが多かったのも慶應の出足が早かったから。 今日は自分の前があいてたからがんがんいった。ミスもいっぱい出たし、いい試合を経験できたからよかったんじゃないですかね。あと、劣勢のときのゲームメイクをもっと楽にしようと思った。 川上 (今日の戦いについて)伝統の一戦ということとでいつもと違う激しさ、速さがあった。難しいプレーを選択してしまっていた。シンプルまプレーを心がければもっと楽な展開になったと思う。自分としては序盤にやってしまったノックオン。あれはやってはいけないミス。流れに乗り切れないきっかけになってしまった。接点での激しさはお互いあったが慶應はスクラムがうまかったし、よくうちを研究してるなと感じた。竜彦が抜けた後は自分が引っ張らなくてはと思い、周りを鼓舞した。結果的に自分も抜けてしまいチームが若くなり、ゲームプランどおりにいかなくなってしまった。やはりBKですね一番メンバーが変わって崩れてしまうのは。曽我部にはああいう状況をもっと経験の中で勉強してもらいたい。独特の雰囲気の中でやることによって得る経験がチームを上に押し上げると思う。 首藤 (今日の自己評価は?)40点。全くチームに貢献できていない。チャンスをものにできていない。(後半の30分以降、センターよりにいたのは?)内側を狙おうと思ったから。(今季6トライになりましたが?)満足できるトライはない。 曽我部 ・緊張しましたか? A、ピッチに立った瞬間は緊張したけど、試合が始まったらそんなこと忘れてしまいました。 ・CTBからSOへうまく切り替えられた? A、周りのみんなは竜彦さんが抜けてリズムが悪くなったって言うけど、自分は矢富とかと2、3トライ取れたのが すごく自信になった。 ・やっぱりSOのほうがいい? A、いや、今はCTBのほうが楽しいです(笑)でも今日はやっぱり感覚が鈍ってるなって感じましたね。 後藤 慶応はディフェンスに気迫があった。そこは予想以上だった。今日はディフェンスのセットが遅かった。そのせいでギャップをつかれた。(明治の印象は?)早明戦のメイジは別。FWをセットさせてしっかりFW対FWで勝てれば。展開はうちが数段上なんで。局地戦で勝って展開でも勝って行きたい。 諸岡 今日の試合はどうでしたか? 初めての早慶戦ということもあって、最初は浮き足立ってしまった。はじめは慶応に攻め込まれていたし、ワセダとしてはいい試合ではなかった。たぶんみんなもそう思ってると思う。 前半のアーリープッシュとかは浮き足立っていたことの影響? そうですね。相手のスクラムを軽く見すぎていた。相手は押されることを前提でフッキングなど対策していて、うまく押せなかったりした。 慶応のFWの印象は? 接点の強さとかはあまり感じなかったですね。 監督からはどんなことを? 相手は一人一人大きくないけど固まってくるから、強くヒットしてからのびようと話した。あとはこの前サントリーと組んできたんですけど、その時に色々アドバイスされました。(具体的には?)大きい相手には低く速く当たらなくちゃいけない。あと、どうしても自分たちのリズムで組んじゃうんで、そうではなく、レフェリーの合図で組まなくちゃいけない。 早明戦に向けては? 自分はけっこう小さいころからラグビー見てて、早明戦ていうとワセダがゴール前で必死に耐えるというイメージがあるので、その図式を変えたい。明治がFWでごりごり押してワセダがそれに耐えるっていうイメージがやっぱりあるんで。(ということは明治のFWの印象はあまり強くない?)いや、早明戦になるとどうなるかわからないので、気を引き締めてます。 内橋 試合について 「早慶戦」っていうのは特別な思い入れが、こっちも相手もある。慶応はいい集中をしていた。それに押されてリズムが狂ってミスがでた。今日は反省点が多い。(たとえばどういった点ですか?)試合の特に後半、大田尾さんが抜けてからが全然だめ。集中が切れた。(今日は相手のラインアウトがかなりとれてたように思いますが)あれは計算どおりですね。ビデオでラインアウトのとこだけ何回も見て研究しました。ラインアウトだけを見れば今日はうまくいった。(トライよかったっすね)あれは自分は何もしてない。ゴール前で拾ってだけですね。それより2本目が…惜しかったと思う。失速しました(笑)体力ないですね。(次は早明戦ですが、どういう戦いをしたいですか)メイジは個々が強い。むこうはFW勝負でくるのかもしれないけど、こっちはFWでもBKでも圧倒したいですね。 伊藤 (慶応は?) FWは思ったとおりの強さというか弱さで。もうちょっと押せたかなとは思いますけど。むこうの猪口がうまくてやられました。 (交代は?) 体調を見てですね。早明とその次まだあるので。まぁまだ清宮さん次第ですね。(戻り具合は)6割7割ってところです。 (メイジのFW) ビデオで見た感じではそんなに強くなさそうでした。相手ボールを取ることですね。 (次へ向けて) 次っていうか、全部勝って優勝します! 桑江 (今日の試合を振り返ってみて)チームとしてはミスが多かった。例えば、ハンドリングのミスとか。自分自身は、いまいちだった。接点のとき強く行けなかったから。(慶応のラインアウトが良く取れていたが、サインを読んでいたのか)サインについては以前から研究していた。今日はそれを生かしてよく取れたと思う。 松本 Q初めての早慶戦の感想は? A今までとは違い、客の数も、雰囲気も、慶応の気合いの入りようも違って気合い入りましたね。 Q満員の観客の中で緊張しませんでしたか? Aあまり緊張しませんでしたね。 Q今日の試合、相手のアタックをどのように防いだのですか? Aとにかく向こうが力で向かってきたので、1対1で負けないコトを意識しましたね。 Qチームとしての出来はどうでした?いくつかミスもみられましたが。 A雰囲気に呑まれたわけじゃないと思うんですけど、基本的な部分でミスが多かったですね。 内藤晴 (今日の試合について)チームも自分もあまりよくなかった。(今日の相手について)集中力が高く、プレッシャーが激しかった。(大きくゲインすることが多かったが)たまたま。プレッシャーがきつかったので近場を狙っていた。 佐々木 (今日の試合の出来は?)50点くらい。(全体的には)流れをつかまないといけないところでミスが出て、流れをつかむのを逃してた。個人的にも同じようなことだが、ボールを振ったときの一歩 目の動きがよくなかったというか、ボールに絡まないときの動きなど、細かいところが悪かった。 (サイドアタックが多く見られたが。)チームの戦術だったので。(チームの作戦?)負けていたのが、グイグイ行くところで差し込まれていたところ。相手の型にはまったのが、苦しんだ原因。後半は、相手をふっとばしていこうと。そうしたら相手も止まるので。(早明戦でのポイントは?)接点ですね。激しさを出して、相手のペースではいかせないこと。モールでは絶対に行かせない。 |
関東大学対抗戦 早大対帝京大 |
前半苦戦するが後半突き放し快勝 ◇関東大学対抗戦 早大対帝京大(11月8日 秩父宮ラグビー場) 対抗戦第5戦は前評判の高い帝京大との対戦。前半は一時リードを許す場面もあり苦戦したが、後半に入ってからは危なげないゲーム運びで64-26と勝利。早慶戦、早明戦と大一番を控えてチームは順調に仕上がっている。 <戦評> キックオフ後すぐの前半1分、後藤、青木と連続して縦にゲインした後のラックから大きく横に展開し、外に余らせながら曾我部が相手をかわしてトライ。幸先のいいトライで早大快勝かと思われたが、トライ直後に、帝京大に個人技からトライを奪われてしまう。ここから試合は白熱した展開へと変わる。8分には、相手のミスからトライしたが、その後は劣勢に回り、20、28分と二つのトライを取られ、逆転をゆるしてしまう。しかし後半38分、帝京ゴール前で大田尾からの華麗なタップパスを受けた松本がトライし再逆転。21-19とリードして後半を迎える。 後半になると早大の攻撃力が爆発。後半6分に曾我部がこの日二つ目のトライ。さらに9分、後藤、川上とつないだボールが佐々木に回ると、佐々木が約30mを走りきりトライをあげる。この後帝京大に1トライ返されるが、早大は攻撃の手を決して緩めない。16分には、この日スタメンに復帰した伊藤がトライ。その後も試合を支配し続けた早大が4トライを奪い、終わってみれば後半だけで7トライ。早大が帝京大を振り切り勝利した。 <総評> この日の勝敗を分けたのはスタミナだろう。後半に入っても前半同様の攻撃を仕掛けた早大のスタミナに帝京大はついていけなかった。このスタミナこそが早大の強みの一つといえる。またFW陣のがんばりも勝因である。前半ターンオーバーが多かったことは修正しなければならないが、FWの強い帝京大に対して試合を通して安定したスクラムを組めていた。課題をあげるとすれば、ディフェンス面での一対一の弱さである。前半は帝京大の個々の強さにやられていた場面がいくつもあり、トライを許してしまった。個々がしっかりと相手を止めるタックルを心がけなければならない。反対に、オフェンスでは一対一の場面でしっかりとゲインできる個々の強さを見せてほしい。
早大出場メンバー 1諸岡省吾(法3)→東野憲照(法4)、2青木佑輔(人2)、3伊藤雄大(人3)→市村茂展(理工2)、4内橋 徹(政経3)、5桑江崇行(人3)、6川上力也(教4)、7松本 允(人2)、8佐々木隆道(人4)、9後藤翔太(教3)、10大田尾竜彦(人4)、11首藤甲子郎(スポ1)→矢富勇毅(スポ1)、12曽我部佳憲(教1)、13内藤晴児(人4)→豊山 寛(教3)、14吉永将宏(人4)、15内藤慎平(人3) 清宮監督 点数的に前半終えて後半突き放さないといけない状況になったチームがその通りの結果を出してくれてうれしい。内容は悪いところがいっぱいあるので、これからコーチ陣と、修正していかないと。でも今日はまず第一関門で結果出して満足している。(ハーフタイムのアドバイス)ボールキャリアーの体の使い方やボールの置き方などポイントを指示した。後半はターンオーバーはそんななかった。崩し方も指示した通りのエリアで取れたなという感じ。前半のディフェンスはタックルで芯で入れてなかった。(伊藤は?)まだまだ。勝ってはいたがレフリングに注意されてから崩せなくなった。(矢富について)いいですよ。ラグビーセンスがいいですね。最後のディフェンス簡単だけどセンスがないとできないプレーだった。 大田尾 今まで戦ってきた相手よりは強いわりには点はとれたと思う。一年がのびのびとできて、思い切りの良さがいい方向に出た。修正するとしたらディフェンス。1対1のところで守れなかったりしたのでそこらへんを修正したい。前半に関してはそれなりの力をもった相手だったらあれくらいの内容になるのはしょうがない。最初は強いから。その辺はわかってたし、前半最後の松本のトライあたりで帝京がばててきたのもわかったからあれはでかかった。相手FWの強さは警戒していた。後半は最初に縦をついてから横にふるようにしたからずっと楽にいけた。最初から横にふってもああはいかなかった。そこらへんはなんていうかやってる具合で判断できる。 川上 最初のいい流れが続けばもっと自分たちのペースでやれた。球出し、ブレイクダウンの荒さが前半の反省点。後半は相手が疲れたのもあって、こっちのやりたいことができた。しかし相手が 集中して前半の展開がずっと続いていたら危なかったし。そういう意味では直していかなければいけないところは多い。ターンオーバーされるのはしっかりと狙ってタックル、スイ−プに入ってないから。自陣で相手に組まれていてもそれを押し返して進まないと、中途半端に球出しして取られるのが一番よくない。サントリー出稽古にいって感じたのはそういうところ。狙って取りにいく、接点で集中して絶対に負けない。 後藤 きっちり攻めればとれていたのところでミスをしてばっかりだった。落ち着きのない、相手に付け入るスキを与えてしまった。前半はタッチに出せなかったり、自滅だった。後半はキックを使って陣地をとりにいった。(今日はずいぶん自分で突破していましたが?)捨てられてから。行きたくなかったけど空いてるから。トライはたまたま。嬉しいけどねらってはいない。 桑江 (今までの試合と比べてどうだったか)帝京は強かった。密集したときとか、接点のとこととか。(今日の試合で良かった点)スクラム:伊藤がいたので助かった。ラインアウト:よく取れたと思う。(悪かった点)セットが遅いこと。(前回チーム全体の集中力がないといっていたが今回がどうか?)やはり足りないと思う。 佐々木 (一人一人の選手の強い帝京大には、どのように対処してゆこうと?)それは分かっていたことだった。しかし、強さに負けたり、受けてしまっていた部分があった。(後半、ボールキャリアにどのような変化を?)客観的に見て、(接点での)二人目の寄りが遅かった。相手DFはタックルの時、ボールに絡みにきてたので、二人でキープしてゆこうと。また、寝転んでくるプレーヤーは徹底的に放してゆこうと。ブレイクダウンで激しく。(自分のトライで流れを変えられましたね。)あれはたまたま。しかし、そこから連続トライになったのは、チームにとって良かったと。 松本 Q帝京はどうでした? A強かったですね。ただ、点をとられたところは、自分達が出来てないトコをつかれただけなので、そこを修正すればよいと思います。 Qその出来てないところとは具体的には何ですか? Aボール付近の動きとか、基本的なところですね。 Q今日の試合、チームは前半負けてましたが、焦りとかはありましたか? Aとくになかったですね。焦らず、いつものラグビーわすれば大丈夫だと思いました。 Q同点トライを決めた時の心境は? A普通にうれしかったですね。ただまだ時間もあったし、意識はすぐ次にいってました。 矢富 (今日はウィングでの途中出場でしたが)緊張した。でも高校時代やっていたことがあるので、違和感なかった。通用するかなと思った。昔から同じポジションで3カ月やったことがない。試合に出れればどこでもいい。やりやすいとかそういうのはない。早慶戦新人戦でもハーフをやって、FBもやったし。(今日の最後のプレーについて)この辺でいいところ見せておかなければと思って。(大学でプレーしはじめて感じたことは)早稲田を選んで良かった。大学のレベルで通用しないこともないと感じている。 吉永 (今日の試合の感想は?)いまいちでした。やるべきことはやれましたけど。相手ウィングが強いと聞いていたんですけど、気持ちを高めて勝負しようと。でもやられました。(前半終了間際のプレーは)相手が速かったですね。早大には吉永がいるってことをアピールしたかったんですけど不発でした。個人的にすごく悔しいです。次の試合に生かしたいです。(前半接戦の原因は?)接点の弱さですね。きれいな球出しができなかった。(後半は突き放しましたが)地力の違いもありますけど、接点をしっかりするとか確実に修正できました。(BKのDFについて)自分は体が小さいんで、しっかり相手を捕えてからジャージをつかむんですけど、相手のジャージがピチピチでつかみにくかったんですよね。 青木 (スクラムについて)夏に(帝京に)やられて、清宮さんに怒られて、必死でしたね。今日は伊藤さんに引っ張ってもらって、よかったです。ほんとはフッカーが引っ張んないといけないんで、自分が引っ張んないといけないんですけど。(前半について リードされた場面もあったが)前半は取って取られてって感じで。相手も弱いわけじゃないんで。早稲田が圧勝するイメージがあるかもしれないけど、相手も強いんで。ここで1対1で闘ったら絶対負けちゃうんで。まぁ自分はセットプレーで勝ってると思ってたんで。(後半の建て直しについて ハーフタイムの監督の指示・ロッカールーム)フロントは基本的にスクラムのことしか言わないんで。あと二人目もっと速くしろって言われましたね。自分の寝方が悪いって言われて…全然ダメでした。FWがもっと前に出られるとよかったですね、竜彦さんが前に出ろって指示してたんで。ハーフタイムは隆道中心にまとめてたんで、ついていくだけでしたね。(今日の結果について)あんだけ点差開くってことはあんだけの力の差があるってことじゃないですか。ラグビーは90分でやるもんなんで。監督には最初からいくように言われてましたが…。(久我山三人で前かためてたことについて やりやすい?)というより嬉しい。アップが終わって着替えにいくとき、放送聴いて久我山が三人で嬉しかった。二人には私生活でもよくしてもらってるんで。 内橋 (前半点数を意識しましたか)特に意識はしてない。アタックし続けていたらとれると思っていた。むしろ焦らずにいくことを考えました。(前半と後半の違いは)前半はターンオーバーが多かった。後半は落ち着いて、球ぎわ早くしてできたのがよかった。(帝京のFWはどうでしたか)思っていたよりFW戦にならなかったので。あまり印象に残ってないというか。重いなって思うことはなかった。(首藤選手、山岡選手とけが人が続きましたが)でも変わったメンバーががんばった。矢富は高校でウイングやってたみたいだし、誰がでてもだいじょうぶと思っている。(早慶戦にむけて) 早慶戦っていうのは特別ですね。早慶戦になると慶応は全然別のチームになる。雰囲気が違って。緊張感もって戦います。 伊藤 (今日の試合について) 去年の借りが返せました。しかもおまけをつけて。調子は五割くらい。帝京はやっぱり対抗戦の中で一番強いんじゃないですか。明治はまた別ですけど。(久我山一列目は)やりやすいです。歳が近くて、自分が思ったこと言えるし、お互い言いたいこと言い合えて、試合の中でスクラム変えていけるんで。4年と1年とかじゃ無理でしょ。(ケガは完治?)8割くらいです(次へ向けて)次とかじゃなくて、今年も日本一になります! |
関東大学対抗戦 早大対筑波大 |
相手DFにてこずるも力の差を見せつけ勝利 ◇関東大学対抗戦 早大対筑波大(10月26日 秩父宮ラグビー場) 対抗戦第4戦目の相手は前の試合で慶大相手に番狂わせを演じた筑波大。慶大を苦しめた固いディフェンスに早大も前半16分までトライを奪えないなど苦戦したが、やはり力の差は歴然。最終スコア50―17で勝利し4連勝。次からはいよいよ帝京大、慶大、明大と強豪校との対戦が始まる。 <戦評> 最初のトライは前半16分、相手のキックをキャッチした内藤慎平からのカウンターで右へ展開し、後藤、大田尾、吉永とつなぎ、そのまま吉永がゴールポスト右に飛び込んだ。 しかし、20分代に入ると流れは筑波へ。24分にトライを許し7−5。19分と22分には、得点にはならなかったものの、2つのPGのチャンスを与えてしまった。流れを取り戻したい早大だが、なかなかチャンスをつかめない。ようやく30分にモールで押し込んだ後、大田尾がトライをきめた。続く36分、後藤がラックからブラインドを突き、左ライン際で20mの独走をみせ、3つ目のトライ。21−5で前半を折り返す。 後半は開始早々、22mラインのラインアウトから右への連続攻撃。3分に吉永がトライ。21分には佐々木、27分には山岡が、いずれも左右へ揺さぶる連続攻撃からトライを奪った。40分のラインアウトでは筑波ボールを奪った桑江が持ち込み、松本が40m独走、トライ。流れは早大のままロスタイムへ。最後はラックから左に展開、大外に余った首藤がトライをきめた。後半はスクラムを組む機会が増えた。相手にゴール前で押される場面が何度かあったが、うまく力で防いだものの、審判から注意されるなど、なかなか自分たちのスクラムが組めない点が目立った。 <総評> 慶大に勝って波に乗る筑波大の堅いディフェンスに早大らしいプレーを阻まれた試合だった。特に前半はDFのタックルで思うように前進できず、苦戦を強いられた。今までの試合で見られたような前半開始早々からの攻撃、トライが見られなかったところからも、自分たちのペースがつかめない様子が伺えたが、後半に入り、FWが敵を内へ集中させ、守りの甘くなった外からBKが攻めることを意識したことが得点に繋がったと言える。反省点としては、前半のハンドリングミスの多さと全体を通してのぺナルティの多さがあげられるだろう。これから、帝京大、慶大、明大と対戦するが、失点を防ぐためにも、DFの強化と共にミスを最小限に抑える修正が必要だ。あとは、選手たちも反省点として指摘しているスクラムだろう。相手の自由にさせないスクラムで、試合を早大のペースで展開するために重視すべき課題だ。
早大出場メンバー 1東野憲照(法4)→諸岡省吾(法3)、2青木佑輔(人2)、3市村茂展(理工2)→伊藤雄大(人3)、4内橋 徹(政経3)、5桑江崇行(人3)、6川上力也(教4)、7松本 允(人2)、8佐々木隆道(人4)、9後藤翔太(教3)、10大田尾竜彦(人4)、11首藤甲子郎(スポ1)、12曽我部佳憲(教1)、13内藤晴児(人4)、14吉永将宏(人4)→山岡正典(教4)、15内藤慎平(人3)→池上真介(人2) 清宮監督 筑波はディフェンスが良くてなかなかてこずった。思ったよりトライを取れなかった。ただ、ああいうディフェンスしてくるチームとやれたことがすごい収穫。(筑波のディフェンスがいいのは折込済み?)そう。(崩す)きっかけは作れてるけど、フィニッシュにいかない。失点はああいう形でしか筑波は取れない。そういう意味では取られた。 大田尾 全体として悪いっていうわけじゃないんだけど、やっぱりバラバラになってるところがあるからこういうゲームになる。トライラインをわるデザインさえ出来れば、これからの帝京とかにも勝てるだろうしうちはそれだけのチームだという自信もある。相手のディフェンスには苦しんだし、そこは単純に攻めればよかったのかもしれない。自分たちの点のとり方については、監督も言ってたけどようは崩しきれてないっていうのがある。攻め手を一回一回変えていったときにどう対応できるかが課題。今年のチームは常に成長し続けるチームだと思ってるから完成云々よりも、今はベースができたっていう感じ。 伊藤 調子はいまいちでした。走れない、スクラム押せない。もうだめだめでした。(交代の時、スクラムについての指示は)とくになかったです。でも自分が出るのはスクラムのため、スクラムを押すためなんで、言われなくてもそれはわかってます。(相手は)まとまってて強かったです。8人の体重は軽いんですけど、まとまってて見た目より重いんです。(次の出場は)今回より長くなるんじゃないかな…。自分としては最初から出たいですけど、清宮さん次第です。帝京は去年ケガさせられた相手なんで、この恨みはらさずしておくべきかっていう気持ちです。 |
関東大学対抗戦 早大対日体大 |
序盤一気の猛攻で危なく勝利 ◇関東大学対抗戦 早大対日体大(10月19日 秩父宮ラグビー場) 対抗戦第3戦目、昨年の対抗戦では最多失点を喫した日体大を相手に、13トライを奪い87対33。危なげなく勝利を飾った。また、伊藤雄大(人3)が途中出場で久々の復帰。チームも徐々に仕上がってきている。 <戦評> 前半開始から怒涛の攻撃を仕掛けた。前回の青学大戦と同じように10分で4トライ、すべてのゴールをCTB曽我部佳憲(教1)が成功させ、28−0と突き放す。前半13分には相手のラインアウトをターンオーバー、3次攻撃を仕掛け、曽我部からの3人飛ばしのロングパスを受けたWTB吉永将宏(人4)が右隅にトライを決めるなど、つながりある攻撃を見せた。30分からはミスとファールが多く苦しい時間帯となったが、前半は52対12で終了した。 後半も序盤からワセダがボールを支配する。7分、HO青木佑輔(人2)の縦への突破からSH後藤翔太(人3)につなぎトライなど、個人の縦へのゲインを起点にトライにつなげた場面も多かった。しかし後半に入り、スクラムやモールを押されるようになる。16分にはゴール前左サイドにつくられたモールを、そのままゴールエリアまで押し込まれた。42分にもモールからのトライを許し、後半だけのスコアを見れば35対21。FW戦からの失点が多く、これからの課題の一つが見えた。 <総評> 攻撃面ではラックに早くサポートがつき、より厚い攻撃を仕掛けられるようになった。またそれにより個人の突破、左右の展開を織り交ぜ、攻撃でのプレーの幅が広がった。CTB曽我部のゴールキックも14本中11本。サイドぎりぎりからでも狙える。確実に点数を上乗せできるようになったのは大きいはずだ。それだけに気になるのは反則の多さである。この1試合でファール数は17。その多くは前後半ともに30分過ぎからだ。オーストラリア遠征の疲れもあるだろうが、流れの悪い時間帯に正確なプレーができなかった。次は慶大を破り勢いに乗る筑波大。反則を防ぎ、失点をいかにして止めるかがポイントになる。
早大出場メンバー 1東野憲照(法4)→種本直人(スポ1)、2青木佑輔(人2)、3市村茂展(理工2)→伊藤雄大(人3)、4内橋 徹(政経3)、5桑江崇行(人3)、6川上力也(教4)→古島 直(政経3)、7松本 允(人2)、8佐々木隆道(人4)→阿部卓留(人3)、9後藤翔太(教3)→末石鉄之祐(人4)、10大田尾竜彦(人4)、11首藤甲子郎(スポ1)→今村雄太(スポ1)、12曽我部佳憲(教1)、13内藤晴児(人4)→豊山 寛(教3)、14吉永将宏(人4)、15内藤慎平(人3) 清宮監督 (失点が多かったが?)前半のハイペースで集中力、フィットネスが切れてしまった。遠征に行ったことで、多少規則正しい生活が崩れてしまった。(トライに関して)理想的な形、狙った通りの形で取るのが(前半)20分間続いた。途中からはこちらから指示を出して、違う形でやらせた。キックを上げて攻めていこうと。自分達のやろうしていることがことが相手が元気なうちにいい形でできた。(1、2戦に比べ)よくなってきているし、得点力に関してはかなり成長していると思う。(次は筑波)慶応が点を取れなかった筑波からどれくらい点を取れるのか。 大田尾 点は結構とられたなという感じ。けど前半最初の相手の元気なうちから点が離れたので、効率よく攻められているのではないかと思う。今日は出来としては悪くないがフィジカルなところでうけてしまった。これからは最初帝京にむけてフィジカルをぐっと一回あげて、集中力をきれないようにしたら自然と結果はでてくると思う。遠征の収穫は僕個人としてはW杯という最高の舞台を生でみることによって今までになかった新鮮な衝撃を受けた。ラグビー界のトップをみて、ああいうところに立ってみたいと思った。これを普段の自分のラグビーの取り組み方にいかしたい。フランス戦のミラーのプレイを見てて、こういうプレーをしたい!って。SOも勝負しないと。で今日は結構自分も勝負にいきました。 川上 ――今日の試合について いつも立ち上がりが悪かったけど今日は最初から自分たちのラグビーが出来たと思う。その分後半選手が入れ替わってペースが乱れたのが残念だった。近場から攻められ得点まで持っていかれましたが:そうですね、近場からの攻撃に対しては練習でも力を入れてやっている分今日のやられ方は反省点が残りますね。次の練習から修正していきたいと思います。 ――監督がFWに対しての注文を以前会見で述べていましたが 監督が要求することに対して僕らが適応できてないからだと思います。一つ一つのプレーの中に臨機応変さは求められていると思います。例えばこの人間が持っていったらダウンボールだなって決め付けないで、もしかしたら違う展開もありうるなということを頭にいれてやらなければならないと思う。 ――日本代表観戦はどうでしたか :いい勉強になった。低く深いタックルは見ていてすごいと思った。自分もああいうのができればなと。 後藤 ――序盤特にいいリズムでしたが? 一人一人のテンポが良かった。前に出て相手をかわして、ボールを置く、スイープ、球出しのどれもが。 ――失点も多かったですが? オフェンスからディフェンスの切り替えの対応が遅かった。ミスも多かったし。ハイペースもあったし、攻めまくちゃって切り替えが遅かった。 内藤慎 [ミスからトライをとられる場面があったが?]あれ(最初のトライ)は自分と(首藤)甲子郎のミス。いや自分のミスです。任せすぎたところがあったので。 [前半いいリズムで攻められた?]そうですね。あんなもんです。 [前半30分過ぎから押されていた]どんなにいい試合をしていてもそういう時間帯はあるので、その中でどうペースをもってくるかというところ。 佐々木 ――今日の試合の出来は? 60点くらい。(それは)ワセダが支配していた時間が僕が思っていたよりも短かった。ディフェンスが受けてしまっている部分が多かった。(序盤の大量得点につながったハイペースは)意図的ではなく、たまたま調子が良かった。それで後半ばててしまいましたが。 ――縦突破が多く見られたが? 今日のテーマとして、圧倒的な強さで勝つというものがあった。だから、FWもBKも(縦突破の際)真正面から受けるんじゃなくて、ちょっとずらして、そのままゲインを切って突破していく。そういう動きを求めた。小手先でかわすラグビーを知らず知らず自分達のラグビーのテンポに意識づけしていこうと。 ――ターゲットは帝京? はい。帝京には夏で苦戦した相手なので、完璧に倒せれば対抗戦も楽に優勝できると思います 首藤 ――今日の試合について 自分のミスで点を取られたから、自己採点は10〜20点。日体大にスキを与えてしまった。曽我部とのコンビネーションもよくなかった。 ――オーストラリアはどうでしたか? 楽しかったし、自分もやってみたいと思った。その場の雰囲気が伝わってきた。向こうでは練習もしました。(スコットランド戦を見て何か感じたことは?早稲田と共通するところは?)スピードで勝負する点かな・・・(誰か目標にしたい選手は?)いないし、興味がない。自分は自分。日本代表へのこだわりはない。 曽我部 ――今日も絶好調でしたね! そんなことないです。前の試合に比べればよくなったかもしれないですけど。 ――ディフェンスはどうでしたか?ファールも多かったですけど。 ディフェンスはラグビーやってる中で1番嫌いです。ファールは抜かれそうになったらつい手が出てしまいました。 ――オーストラリアはどうでしたか? 楽しんできました。ワールドカップを見て、またラグビーが好きになったというか、まだやってもいいかなぁと思いました。 ――センターのプレイは慣れてきましたか? 前に比べれば慣れてきました。自分のやるべきことがわかってきた。竜彦さんが届かないところにパスをさばくこと。 自分でトライをするよりも、パスをつなげることのほうが大切。 吉永 (早大にしては多く得点されてしまいましたが)運動量が低かったです。日体大もFW、BKともに良かった。(外までボールが回ってこない?)相手が弱いと中でトライできちゃうんで。苦しいときに外に回ってきますが、そういうときに仕事が出来なければならない(順調に勝ってますが)ターンオーバーがまだ少ないですね。関東とかのことを考えるとまだまだ。明治、帝京も強いみたいだし。(筑波戦に向けて)今日以上に気をしめていきます。トライも取りたいけど、4年だしみんなを引っ張っていければいいと思います。 青木 ――FWまわりからの失点が多かったように思いますが 多かったですね。あのへんは、目の色変えて当たっていかないといけないところ。今日は点をとられすぎた。0点におさえないといけない相手でした。 ――伊藤選手の復帰はFW陣にとって大きいですか? 大きいです。でもまだまとまらない。これからですね。1年の種本と、自分と3人同じ高校出身なんで、そういう面でもうまくやっていけると思ってます。 伊藤 (今日の試合は)個人的には悪かった。久しぶりの出場ということでフィットネスがダメだった。(スクラムの中心として大事にしていること)8人がチームとして組むことを大事にしている。(筑波、帝京と続くが)意識はない。選手権で優勝するだけ。 |
関東大学対抗戦 早大対青学大 |
ベストメンバーで圧勝 ◇ 関東大学対抗戦 早大対青学大(10月5日 秩父宮ラグビー場) 対抗戦第二戦の相手は青学大。初戦の立大戦とは一転、Aチームで試合に臨んだ早大は前後半あわせて18のトライを決めるなど絶好調。ミスからの失点ではあったが、相手を1トライに抑え116対7で快勝した。後半にはリザーブのメンバーも次々に出場し、層の厚さを見せつけた。 〈戦評〉 試合開始から3分、FB内藤慎平(人3)の相手を振り切ってのトライでワセダは早くも先制する。続く6分にWTB首藤甲子郎(スポ1)、9分に再び内藤慎、10分にはHO青木佑輔(教2)が立て続けにトライを決め、開始10分で24点のリード。好調な滑り出しを見せる。その後もワセダはテンポのよいパス回しでボールを支配し続け、青学大に攻撃のチャンスを与えない。62対0と完璧に近い形で前半を折り返す。 後半も変わらずワセダペースで試合は進む。開始直後、キックオフされたボールをパスでつなぎ、交代したばかりのWTB今村雄太(スポ1)がDFを振り切ってそのままトライ。リザーブメンバーが活躍を見せる。しかし、その反面パスミスなど連係がうまくいかない場面も見られるようになり、8分にはパスミスしたボールを相手に拾われて独走トライ。青学大に初得点を許す。だがその後は再びワセダの猛攻が続き、25分にはNO8佐々木隆道(人2)が100点目となる22m独走トライを決めるなど、後半で8トライ。116対7の圧勝で試合を終えた。 〈総評〉 出だしから、ワセダの強さを見せ付けられた。走るべき選手が走り、守るべきポイントはしっかり守り、各々の選手が目標を持ってプレーしているように感じられた。後半から続々と出場したリザーブメンバーにも同じことが言える。後半開始直後にスピードに乗ったトライを決めた今村を始め、2回のGKを落ち着いて決めたSH矢富勇毅(スポ1)、力強いプレーを見せたHO紀昌宏(人4)など、立教大戦で存分にアピールした自分のプレーを短い時間の中でも発揮していた。圧勝の中だからこそ、個々の能力の高さに注目し、改めて驚かされた試合であった。 10月7日から約1週間、早大ラグビー部はW杯観戦を兼ねたオーストラリア遠征を行う。トップレベルの戦いを生で見て学ぶことで、彼らが一回り成長して帰ってくることを期待している。
早大出場メンバー 1東野憲照(法4)、2青木佑輔(人2)→紀昌宏(人4)、3市村茂展(理工2)→種本直人(スポ1)、4内橋 徹(政経3)→阿部卓留(人3)、5桑江崇行(人3)、6川上力也(教4)→古島 直(政経3)、7松本 允(人2)、8佐々木隆道(人4)、9後藤翔太(教3)→矢富勇毅(スポ1)、10大田尾竜彦(人4)、11首藤甲子郎(スポ1)→今村雄太(スポ1)、12曽我部佳憲(教1)、13内藤晴児(人4)→豊山 寛(教3)、14吉永将宏(人4)、15内藤慎平(人3) <コメント> 清宮監督 ケンブリッジ大戦のあと、メンバーを色々新しいの試して、今週戻して、今のベストメンバーを前半使った。いい所もあれば出来ていない所も。できは思ったとおり。できないだろうとなと思ってた所はできなかったし、全て計算内。オーストラリア遠征では、メルボルンのクラブチームと親善試合とW杯観戦。世界のイベントを肌で感じられる。向こうにいって練習だけして帰ってくるんじゃ、シーズンの1週間気が緩むので試合を希望した。試合をすることで部員達の気を引き締められる。 |
関東大学対抗戦 早大対立大 |
初戦を勝利で飾る ◇ 関東大学対抗戦 早大対立大(9月28日 県営熊谷ラグビー場) ケンブリッジ大に快勝してからわずか5日。ついに対抗戦のシーズンに突入した。この日の相手は、今年度から対抗戦Aに昇格した立大。ワセダのスタメンにはケ大戦に出場したメンバーはたった3人のみしか入っておらず、主に控えメンバー中心の布陣だった。しかし、ミスやまとまりの悪い部分もあったものの、97−7と大勝。まずは対抗戦3連覇を目指し、大田尾組が白星スタートを切った。 <戦評> 試合は、序盤からワセダがペースを握る。開始早々に立大にゴールライン目前まで攻め入られるが、6分、WTB今村雄太(スポ1)が相手3人を振りきり40b独走のトライをあげて先制。このトライでリズムをつかんだワセダは、LO桑江崇行(人3)、SO大田尾竜彦主将(人4)、CTB内藤晴児(人4)らが中心となり、ケ大戦並のテンポの良い攻撃を見せる。FWの密集も早く、大田尾、内藤、今村と左へボールをまわすワイドな展開は圧巻。前半でのワセダの7トライのうち、今村が4トライをあげる活躍を見せた。立大に1トライを与えるものの、前半を47−7で折り返す。 後半になっても終始ワセダのペース。リザーブメンバーも全員出場し、19分には大田尾主将に代わり曽我部佳憲(教1)がSOに入った。しかし、トライを重ねるが、メンバーの入れ替えや点差が広がった影響もあったのか、終盤は雑なプレーやパスがつながらない場面が目立つようになる。だが、そこからは各選手が個人芸で持ち味を発揮してゲインを突破、後半で8トライをあげた。最後は100得点には届かなかったものの、97−7で試合終了。見事初戦を飾った。 <総評> 驚いたのは、ワセダのメンバーである。5日前のケ大戦のメンバーとは、桑江・大田尾主将・内藤・曽我部の4人を除いてまったく違うメンバーであったからだ。その理由を考えてみると、2つの理由があげられる。1つ目は、ケ大戦からの選手の疲労を考慮した結果であること。一回り大きい外人選手と戦った上に、中4日。顔面に傷を負った選手もいただけに、今後の長いシーズンを考えての処置であろう。そしてもう一つは、控え選手を試したかったこと。本日4トライの活躍を見せた今村に、今季のワセダBチームの主将を務めるWTB正木健介(人4)、長い間ケガに苦しんできたHO紀昌宏(人4)など、多くの控え選手が出場した。ノックオンやまとまりの悪い部分も多く見られたのも事実。しかし、各選手が課題を持ってプレーし勝利を収めたということは、自分自身にとっても、チームにとってもプラスであるはずである。 昨年、対抗戦7試合で出場したメンバーは全29人。対抗戦優勝は、15人では成しえないことなのだ。部員全員で支えあい、そしてアカクロを目指して奮起してほしい。それが必ず、対抗戦3連覇へつながるはずだ。
早大出場メンバー 1東野憲照(法4)→宮崎潤野(理工1)、2紀 昌宏(人4)、3古畑博也(教2)→種本直人(スポ1)、4阿部卓留(人3)、5桑江崇行(人3)、6古島 直(政経3)→鈴木顕二郎(人2)、7池上真介(人2)、8星野邦夫(法2)、9矢富勇毅(スポ1)→末石鉄之祐(人4)、10大田尾竜彦(人4)→曽我部佳憲(教1)、11今村雄太(スポ1)→豊山 寛(教3)、12三角公志(人2)、13内藤晴児(人4)→正木健介(人4)、14山岡正典(教4)、15太田淳平(二文2) <コメント> 清宮監督 色々なことを見れた。実力はあんなもの。今日は各選手に個人的な仕事があった。目標設定をした。ただやるだけのゲームはやめようということで。モチベーションが下がるということはなかった。みんなが試され見られた。(特に目に付いた選手は?)今はまだ…。ビデオで見ないと。(曽我部がSOで出たが?)大田尾がなにかあった時の準備として。 大田尾 チーム全体としてはケ大戦終わって勢いはよくなった。早稲田はやっぱり組織だから、組織で動こうとして、組織で動いて点が取れたからチームは後は上るだけってかんじですかね。ケ大戦にでてたメンバーは疲れていたから、今回は休ませる意味もあった。公式戦初めての選手が多かったから、やっぱりかたさはでた。今日スタメンのやつらには、今日自分がなんで1本目にいるのかって、自分のいいところを考えて試合にのぞめって言いました。来週あたりからはじめて、ケ大戦のメンバーで戦っていきたい。今日はリザーブに誰を使うかってのを見てた。(自分の交代に関しては)疲れてたから早くでたかった(笑)、というか、外からみるっていうのもいいことだから。いい1年生がいっぱいいて、2年も今日はいっぱい出てたしみんないっぱい伸びてきてて、特に1年は出てる以外にもCとかで頑張ってるやつもいっぱいいて、下からの突き上げを感じる。ラグビー部全体としてかなり層の厚いチームになりましたね。曽我部はプレーヤーとしての潜在能力は高い。後はチームをコントロールしたり、球の流れとかを勉強するだけじゃないですかね。矢富は体のさばきがいいですね。時間はかかるけど、なんでもできるんじゃないですかね。 桑江 (FWでは唯一のAチームだったが?)自分はFWを引っ張らないといけないプレーヤー。自分で言うのもなんだけど。(そういう自覚はいつから?)今年になって。もう3年、年齢的には4年なんで。(今日監督から個人個人に課題が与えれたようだが?)自分は80分間集中して変わらぬ、激しいパフォーマンスをし続けること。(デキは)まだまだ。(FWを引っ張るのは大変か?)個々に自分を持ってるやつなんでそこまで。(引っ張り方は?)プレー9割、声1割(笑) 曽我部 (SOでの出場でしたが?)全然ダメ。チームに迷惑をかけた。今日は考えすぎた。もっとシンプルにやるべきだった。(SOでのプレーは?)久々。SOが一番面白いけど、まだまだ。自分勝手なプレーで迷惑をかけた。(キッカーも任せれてたが)キックに自信がないことはない。高校の時はタッチキックだけ蹴っていた。(途中出場だったが?)試合がどういう雰囲気かをつかむのが難しかった。(大田尾のプレーは参考になる?)教科書っていうか、いいお手本。一緒にCTBでプレーしてて、試合の方向性、ゲームの動かし方、地域の攻め方が参考になる。 今村 (今日の出来は?)いいところも悪いところもありました。イージーミスもありました。(公式戦初戦でスタメン。気合い入ったでしょ?)はい。頑張ってアピールしようと思って。(アピールしたい部分は?)まずは走り。走って、コンタクトや衝撃の強さや倒れないところ。そこが課題でもある んですけど、そこを治してゆきたいです。(前半4トライもしたけど。)トライは夢中なんで覚えてないですけど、1本取れてほっとした部分はあります。(トライにはこだわる?)はい。WTBのポジションなんで、取らなくては。(今日見つかった課題は?)コンタクトです。高校と全然違って、(高校時代は)軽い気持ちで当たっていたけど、(大学では)そうはいかないんで。(1年の首藤選手と自分の違いはどこだと思う?)僕はタックル、コンタクトのときに倒れてしまう弱さがあるけど、(首藤)甲子郎はその辺が強くてそこからゲインできる。そこらへんが(二人の)違いですね。(矢富や曽我部も出て、とても1年生達のチームへの貢献が大きいですよね。)皆能力が高くて、アピールもしてるし、1年から出られるというのは…いいですね。(WTB、CTBと2つのポジションで出ているが、どっちが好き?)やっぱWTBですね。高校ではどこでやっても何も考えんでもできたけど、大学ではそうはいかないんで。(青学大戦に向けて、目標を。)WTBなら、試合に出れるならトライを狙ってゆきたいが、まずは今日出た課題を修正してゆきたいです 山岡 (今日の試合はどうでしたか?)雑でしたね。(後半のバックスのパスがつながらなかったのは、そのせいで?)はい。自分の中だけでというのが。自分は出すつもりでも、相手は全く思ってない。コミュニケーションがとれていないのでつながらない。(でも練習ではそのへんやっていますよね?)基本的なことやってるんですけどね。つながらなかったですね。(最近力のある若い人たちが多くて、ポジション争いが厳しいが?)人がどうこうというより、自分がいいプレイを見せないと。今日はダメでしたね。いいプレイを見せないと。あいつがいないから出れるとかじゃなく、プレイの精度を上げないと。でも若いのはいい刺激です。(個人的に監督から目標設定など言われたそうですが、具体的には何を?)いや、目標設定というか、気持ちの面で。1年生と勝負だぞ、とは言われましたね。一戦一戦頑張るだけです。去年・一昨年と出ているからといって、いけるだろうとか、レギュラー取れるとかないと思って。気持ちの面です。(チーム全体としては?)練習ではいいかなと思ったんですけどね。試合になるとダメでしたね。そうゆうとこ、若いってゆーか甘いですね。 豊山 (久々の出場ですが、どうでしたか?)調子悪くてBチームに落ちてたんですけど、やっぱり気持ちいいですね!(夏からずっと調子が悪かった?)はい。(自分ではなぜ調子が悪いと思いますか?)そうですね。接点で前にいくことができなくなったからだと。タックルであたって、でも前に・・・ができていない。(後半のバックスのパスがつながらなかったのは?)むこうのプレッシャーが意外と早くて。それにあわせて深くすればよかったんですけど、浅くなってしまって。相手の思う通りになってしまいました。(チーム全体としては?)今どんどん上がってますね。このまま勢いで関学も!(今後は接点で前にいくことを課題に?)あたって前えが売りなんで!戻して最前線で活躍したいですね。 |
日英大学対抗戦2003 |
秋シーズン到来 ケンブリッジ大に快勝 ◇日英大学対抗戦 早大対ケンブリッジ大 (9月23日 秩父宮) 菅平で関東学院に惨敗してから1ヶ月。新しいジャージを身にまとい、対抗戦を目前に控えた早大フィフティーンが強豪ケンブリッジ大を相手にのびのびとしたプレーを見せた。 <戦評> 風はややあるものの、絶好のコンディションで始まったこの試合。序盤から早大ペースで試合は進んでいく。まずは前半4分、ハーフウェイライン右のラックを起点に左へ大きく展開、うまくパスを受けたWTB首藤甲子郎(スポ1)が50M独走トライを決める。10分には、CTB曽我部佳憲(教1)が22b中央からのPGを決め着実に点差を広げた。22分、敵陣22bで得たPKをSH後藤翔太(教3)が素早くリスタートし、SO大田尾竜彦(4年)が余裕を持ってゴール右隅にトライ。29分にもPGを決め、追加点。直後の31分には、自分たちのミスで与えた自陣ゴール前右のスクラムから左をしかけられてこの試合初トライを許すものの、前半終了間際の38分には、ケ大の左へのノータッチキックをWTB吉永将宏(人4)がキャッチし、そのまま個人技で二人をかわし40Mの独走トライ。23−7と、いい形で前半を折り返した。 後半も両チームとも前半と同じメンバーでキックオフ。後半は前半とは打って変わっての一進一退の攻防で幕を開ける。3分、早大のアンフェアプレーで得た自陣10bのPGをケ大に決められる。8分には、敵陣左10bのラインアウトから大きく右に展開してラックを形成し、そこからさらに大きく左へとつなぐ早大らしい攻撃で最後はフランカー松本がトライ。11分には自陣5bのラインアウトからモールで押され、相手FWにゴールに飛び込まれる。15分、敵陣22b中央のPGをCTB曽我部が難なく決める。このまま激しい攻防戦が続くと思われた矢先、ゲームは思わぬ方向へ。17分、ケ大FWがパンチングを取られ、シンビンをくらってしまう。10分間、ケ大は一人少ない14人で戦わなければならなくなってしまい、好ゲームに水をさす形になってしまった。26分、敵陣ゴール前での早大のスクラムからナンバーエイト佐々木隆道(人2)がアタックしてラックを作り、最後はロック内橋徹(政経3)が飛び込みトライ。シンビンが解消して15人になったケ大に31分、モールで押されラックから左サイドを突かれてトライを許すが、直後の34分にケ大のSHがスタンピングでシンビンを取られ、またしてもケ大は14人で戦うことに。終盤にはケ大の追撃にあうものの、早大が粘りの守備で振り切り、38−22で勝利した。これで早大は1998年に日英対抗戦が始まって以来、3回目の出場で初勝利を飾った。 <総評> 久しぶりに早大のラグビーを見た気がした。ピッチ全体を使った攻撃、ボールへの高い集散力、素早いスイープからの高速展開。早大らしさが随所にちりばめられていた。 この試合は両チームのカラーが非常によくでた試合であった。そのパワーと体格を武器にスクラム、モールを多用してきたケ大に対して、持ち前の展開力を生かしてバックス陣のスピードで勝負した早大。ケ大が相手だったということもあり、早大バックス陣のスピードは際立っていた。バックス陣で注目を集めたのがJ首藤、K曽我部の一年生コンビ。小学校からの仲であるこの二人は、試合中息の合ったところを何度も見せ、お互いに「やりやすい」と口を揃える。特に、首藤がボールを持った時に観客から沸き起こる期待感は、一昨年の山下大悟(現サントリー)のそれを連想させる。 『高速』と『激しさ』いった従来のキーワードが目立つ一方で、今年から新たに加わったキーワード『Strength』には課題が残る形となってしまったこの試合。快勝ではあるが、ケ大がまだチームとしてまとまっていないのか、早大を研究して試合に望まなかったのか、対戦相手としてあまり高いレベルでなかったのも事実。はたして、大田尾組は本当に"進化"しているのだろうか?その"真価"を対抗戦で見せ付けて欲しい。
早大出場メンバー 1諸岡省吾(法3)、2青木佑輔(人2)、3市村茂展(理工2)→東野憲照(法4)、4内橋 徹(政経3)、5桑江崇行(人3)、6川上力也(教4)、7松本 允(人2)、8佐々木隆道(人4)、9後藤翔太(教3)、10大田尾竜彦(人4)、11首藤甲子郎(スポ1)→今村雄太(スポ1)、12曽我部佳憲(教1)、13内藤晴児(人4)、14吉永将宏(人4)、15内藤慎平(人3) <コメント> 清宮監督 勝つべくして勝った。スピードのない体の大きな相手、我々の勝る部分を出せば勝てると選手に話した。関東に連敗してファンはやきもきしてただろうがこの程度には仕上がってきた。 (ゲームプランは?)大きくボールを動かす、ヨコの逆を突く動きが弱いのでそこをつく、外と内の使い分けとキックを有効に使おうということ。曽我部はFB,13,12をやらして最終的に12に。ベストはSOだが大田尾に追いつくには10年早い。関東に連敗のショックは私自身にはない。選手にはあるみたいだけど。力を出しきって完璧にやられたわけじゃない。崩してターンオーバーされたのじゃなく、ミスしてターンオーバーでやられてる。これからもっともっとよくなるんじゃないでしょうか。 大田尾 今日は久しぶりに早稲田らしい試合ができた。球を大きくふるっていうのがうまくはまった。やろうとしてたことが出来たという感じ。苦しい夏を越えて、大きい相手に勝ったっていう自信にはなったと思う。関東とは比べてもしょうがないし、くらべようもない。関東はあんなに動けなくないし。関東が勝った相手っていうのも考えないです。 曽我部 ――関東と比べて・関東に勝った相手に勝ってどうでしたか? 関東はあまり意識していない。意識し過ぎると、ほかのチームに足下すくわれる。一つずつ勝っていって優勝できたらいいなと思います。 ――センターというポジションについて センターをやるのは初めてで、ガツガツしたえげつなイメージがある。僕がやっていいのかなって感じです。しかも、ワセダで。でもやっぱりSOが好き。常にボールを触れるから。いつかできたらいいなって思います。パスをするか、走るか、蹴るか、考える瞬間が一番楽しいです。でも、ほとんどの場合まわりの声で決めちゃうんですけどね。長いパスはやっぱりきもちいい。自分までのパスは決まってるんですけど、そこからは自分の判断で。周りの声と自分の見られる範囲で決めます。 佐々木 ――今日の試合の全体的&個人的な総括を。 チームの流れが良くない時に、力のあるチームに勝てたというのは勢いがつけられるし、良かった。自分はケガが完治していなくて、思うようなプレーができなかった。50点。 ――タックルでは充分外人相手に通用していましたよね? あれは、何人かでタックルがいけたから。個人的には、1人で止めたい。 ――接点からの玉出しが物凄く早かったですが。 そこがワセダの流れをつくるので、一番大事。それができれば、勝利に繋がるので。 ――関東が負けた相手に勝てたという意識はある? (ケンブリッジが)3戦目で、相手を研究できたのが大きい。実力としては、関東の方がやりにくい。まだまだ、うちはカントーに及ばないですね。だから、下からチャレンジャーで行くつもりで。 ――関東はどう? バック3に決定力がある。一つのミスでトライに持っていかれるし、一つのミスで負けてしまいますね。 ――オフシーズンは、U21にケガと、色々あったが。 春は体づくりができて、納得いく部分もある。U21に行って外人のプロやセミプロとやってみて、意識の差を感じた。で、帰ってきてケガして、(試合に)出れなくてフラストレーションも貯まった時もあったが、再び体を作れたというのが良かった。 ――対抗戦の目標は? まずは、対抗戦優勝ですね。(個人的には)関東に負けないように、当たり負けしない強さを追及してゆきたい。 首藤 ――ケンブリッジ大と関学と比べては やりやすかった。(自分が小さくて)相手がやりにくそうなのが分かった。 ――今日の試合とトライについて トライしたいと思っていたので、嬉しかった。(菅平でAチームで自分の納得できるトライがしたいと言っていましたが・・)自分の目指すところに少し近づけたと思う。ボールをもらうスピードがあがった。それを意識して練習してきた。今日は、60点。「積極的にボールを要求しろ」と言われていた。今日の試合は自身にもなった。 ――残りの40点は? まだ積極的になれないところがある。相手のプレッシャーに強くなりたい。それから、ゲームの流れを読みたい。 |
夏季練習試合 早大対関東学院大 |
またも関東学院大に完敗 ◇練習試合 早大対関東学院大(8月24日 早大菅平グラウンド) 屈辱の敗戦から2ヶ月。夏合宿の集大成として臨んだ関東学院大との試合で、早大はまたも29−67という大差をつけられ敗北を喫した。最大のライバルに2戦続けて完敗、連覇へ早くも黄信号が灯った。 <戦評> 開始早々のプレーがこの日の試合を象徴していた。ターンオーバーから外にふられ、相手WTBにいきなりトライを許す。その後も再三接点でボールを奪われてのカウンターから失点を積み重ねる。SH後藤翔太(教3)の個人技などで、応戦するが点差は開く一方。前半終えた時点で10−43。春よりもさらに惨めな結果に終わる予感さえ漂わせる。 だが後半、王者の意地からか、WTB吉永将宏(人4)らが3本トライを連取。接点からのスムーズな球出しで、2次、3次と攻撃を重ねてのトライで、29−43と詰め寄る。さらにこの流れにのり、もう1トライと思われる展開になったが、パスが相手に渡ってしまい流れが断ち切られると、また関東学院大のペース。結局その後4トライを奪われ29−67で試合終了。またも完敗を喫した。 <総評> この試合の早大の攻防は完全に表裏一体だった。攻めようとするところを狙われた。早大の選手が相手選手につかまる、いつもならここでラックを形成し素早く球を出し、次のアタックに移るのだが、この試合では、逆にターンオーバーを喫し、守備陣形の揃わぬ間に相手のビッグゲインを許す展開。接点での安定性とスピードが早大の生命線であり最大の武器なのだが、そこが狙われ逆に失点に結びついての敗北。この負けはまさに完敗だった。ただし、数は少なかったが接点での動きがスムーズに行きラックからの球出しが数回続くとトライに結びついた。つまり、接点を制していれば勝機もあったはずだ。ではその明暗を分けたのは何だったのかと言えば、それは個の能力、と言える。 今後、シーズン終盤で必ず訪れるであろう関東学院大との決戦にむけて、最も必要なもの、それは今年から新たにキーワードになった『strength』なのではないだろうか。
早大出場メンバー 1諸岡省吾(法3)→東野憲照(法4)、2青木佑輔(人2)、3市村茂展(理工2)→18、4阿部卓留(人3)、5桑江崇行(人3)、6川上力也(教4)、7池上真介(人2)→松本 允(人2)、8内橋 徹(政経3)、9後藤翔太(教3)、10大田尾竜彦(人4)、11山田智久(人4)→吉永将宏(人4)、12菊池和気(人3)、豊山寛(教3)、13曽我部佳憲(教1)、14山岡正典(教4)→首藤甲子郎(スポ1)、15内藤晴児(人4) <コメント> 清宮監督 意識することを意識しろと選手には言った。2回続けて負けたということは実力。春と比べてやられたところは同じ。攻めれば点が取れることは分かっていたがそれ以上に点を取られるのは関東が凄いと言うこと。今日はゲームを動かしにいったが、動いたゲームで向こうが上だった。テストマッチと大学選手権は違う。大学選手権でこういうゲームはしない。テストマッチと練習試合の線引きができた。 大田尾 今日は(池上のFLや曽我部のCTB)新しいチャレンジがマイナスになっちゃいました。後半の10分くらいは追いついたところがあったから、相手にもすきがあるということ。そういうときの集中力が今のチームにはない。早稲田は若い。反対に4年生が多い関東は集中力意識が違う。ここっていうときの集中力とか関東は知ってるなという感じ。合宿でも一番の課題はブレイクダウン。まだまだ反応が悪い。いままで何やってたとかは勝ってはじめて言えることで、負けた以上なにも言うことはない。やるべきこと、修正すべきことは明確だから、あとはもう前を向いてそれをやるだけです。 川上 試合の最初と最後の時間帯というのは倍の集中力で臨まなければいけないもの。試合前にそれを確認したのにやられてしまった。この前の敗戦を含め、迎える立場と追う立場になったことが明らかになった。(夏合宿は)三歩進んで、二歩下がるという感じ。課題が次々出てくる。副将として、監督と選手の間に入りたい。ただとにかく自分の場合は試合に出るというのがチームに貢献することの大前提となる。 山岡 情けない。ラックでとられたり、無理に繋ごうとしてとられたり。オープン戦と同様立ち上がりに失点するし。(関学が)変わったわけではなく、ウチが弱いだけ。でも疲れているからとか言い訳にしたくは無い。(合宿について)チームの完成度はまだまだ半分以下。結果だけ見れば春から下がっているようだが、避けてはいけない。強烈なインパクトのあった昨年の山下さん、羽生さんらはいなくなったが、全員でまとまって昨年よりもいいチームをつくりたい。(レイズアップについて)上がってはきてますよ。チームとしても伸び幅がまだまだあると感じる。個人の意識をもっと上げていければ… 後藤 (敗因は)接点。これに尽きる。ラックが3回くらい連取できればトライは取れるのだが…。個人能力はむこうが少し上。その相手に組織で完敗してたら勝てるわけがない。個人的には、自分でサイド突破をしろと指示を受けていた。1本目のトライはそれができたが、その一度だけだった。夏合宿の頃から「前を見ろ」と言われるようになった。それまでは、ヨコというか竜彦さんだけ見てろ言われてた。組織に封印されてる感じだったが、それが嫌ではなかった。最近ようやく前が見えて視界が広がった気がする。 諸岡 強かった。やられ方が毎回同じ。分かっているのに止められないのが悔しい。自分らがミスをしてターンオーバーされ、足の速いBKにやられてる。自分らがまだまだ力も集中力も足りなくて、対応しきれていない。(後半の立ち上がりは連続得点は)持ち味の連続攻撃の徹底を確認した。それが出たがまたミスをしてしまい、ズルズルといってしまった。情けない。 (夏合宿について)やはりスクラムの安定を一番に。今日の相手の山村は予想以上に強かった。練習してきたことが出来なかった。(スクラムの練習時間は?)午前に一時間と、全体練習後に一列だけで30分くらい。 豊山 (今日の試合について)一人一人の意識をしっかりして、やるべきことをこなすという気持ちで臨んだ。自分がやるべきことは接点を前に持っていくことだったが、関学のプレッシャーに負けてしまった。合宿の一番の目標としていた関学戦の勝利ができなくて残念。合宿で取り組んできたことができたところとできないところの両方が試合に表れた。勝ちたかった。」 (U21代表について)かなりよかった。日本では味わえない向こうのプロレベルが体験できてよかった。 内藤慎 まだ上手く整理できてないんですけど、春と同じことを繰り返してしまったな…と。 (夏合宿は順調?)今日の試合を見る限り、順調ではないですね…。合宿で一番大事な試合だったわけだし。個人的にはミスをしないこと。激しさや強さをもっと増してゆきたい。チームについては、これから自分達で見つめ直してゆきます。 (U21イングランド遠征で何を学んだ?) ‐チームを離れて一人になってみて、個人で足りなかったものがよく分かりました。また、日本が世界と戦っても、激しさが足りないと勝てないことも分かりました。 青木 (今日の試合を振り返ると)走れてなかった。(スクラムは)思ってたよりよかった。まとまればいける。(ラインアウトは)自分のミスが多くて申し訳ない。 市村 合宿中にやったサインプレーなどを試合でやったがうまくいかなかった。これはキャプテンも言ってたんですが。だけどそれは新しいことにチャレンジしてのミスなんであまり気にしないです。 (,スクラムは)前3人の息が合わなくて、ヒットのタイミングが合わなかった。それで今日の審判がそれをとる人だったので駄目でした。(試合中何度か取られたアーリープッシュのことを言っている)やっぱり山村が強かった。 (関東はやっぱり個々の力が強い?)立ち向かえないってほどではない。立ち向かえている人は立ち向かっているので。力也さんとか。 首藤 同じミスの繰り返しだった。ディフェンスが遅い。春攻められなかったところを攻められるようになった。そこは成長できたところ。パワー負けしていると思うが、そこまで差があるわけではない。自分自身の評価は30点。やるべきことが果たされていなかったから。トライを決めたのは当たり前のこと。弱腰になっていたところがある。 |
春季交流戦 早大対関東学院大 |
関東学院大に屈辱的な大敗 ◇オープン戦 早大対関東学院大(6月28日 三ツ沢球技場) 4月のNZU戦で大金星をあげて以来、セブンス、オープン戦と全て勝利でここまでやってきた大田尾組。昨年を上回る快進撃は、周囲の者に「今年のワセダは春季も全勝」という期待を抱かせていた。もちろん、選手たちも狙っていたに違いない。しかし、春季最後の練習試合。宿敵・関東学院大相手に早大は苦戦、大田尾組初の敗北を喫することとなった。しかも、14―75。完敗だった。 <戦評> 試合開始直後から、関東学院大が早大に襲い掛かる。1分、左のラックからルーキーSH吉田がボールを右へ展開。SO田井中からFB有賀へとボールを繋ぐと、有賀が疾風のごとく早大ディフェンス陣をかわしゴール中央へトライ。このフィニッシュまでの高速な展開は、まるでいつものワセダのようであった。このトライで歯車が崩れてしまったのか。早大は、SO大田尾からのパスや、相手とのコンタクトの際にノックオンしてしまうミスを連発。特に痛かったのは17分。早大陣22bでの早大ボールのラインアウトをLO犬飼に奪われ、そのままモールでインゴールへと押し込まれトライを与えてしまう。結局、前半に関東学院大に許したトライは4本。対する早大は、31分のCTB池上のあげた1本だけ。前半終了間際には、FB内藤がゴールラインまで走りこむも、トライ目前でノックオン。流れを変えられぬまま、7−26で前半を終えた。 後半からは、まさに関東学院大の一辺倒であった。前半と同じく1分、今度は早大ボールのラックをターンオーバーし、 WTB水野がトライ。ここから、関東学院大のトライラッシュが始まった。警戒していたはずのバックス陣を止めることができない守備、前半と変わらぬミスの多さ。春季最後でチームの課題を浮き彫りにされた早大は、7連続でトライを与えてしまう。40分に内藤がトライを決めたが、焼け石に水であった。そのまま試合終了。14−75という、大敗を喫した。 <総評> この試合で目立ったのは、関東学院大の強さと早大のミスの多さに尽きる。 まず、関東学院大の強さ。咋季の関東学院大は、学生屈指の強力FWのチームという印象が強かった。しかし、今回の試合で目立ったのは、バックス陣であった。昨年CTBレギュラーの鈴木がFLへコンバートしたが、WTB水野、WTB北川智、FB有賀ら俊足ランナーが名を連ねる今季のバックス陣は、紛れも無く昨年以上だ。特に、有賀の切れ味鋭いステップは、幾度と無く早大を苦しめた。そしてFW陣。昨年の主将北川俊澄(現トヨタ自動車)の背番号5を背負うLO犬飼のパワーに、さらに磨きがかかった。さらに、今回の試合に出場しなかった山本と日本代表で合宿中の主将山村を加えれば、関東学院大のFWは相手の脅威だ。個々の戦力は昨年より上。有望な新戦力が多く集まったことも考えると、早大にとって関東学院大は手ごわい相手になるだろう。 そして、早大のミスの多さ。昨年のチームの課題としてラインアウトがあげられていたが、今回はさらにノックオンの多さが目立った。うまくリズムが乗っている中でのノックオンが多かっただけに、悔やまれる。 今回の早大は、接点で負けていた。その証拠に、ターンオーバーされた回数がいつもの試合よりも多い。チームのキーワードの一つとしてあげられている『激しさ』が関東学院大より劣っていたのだ。現在はU21日本代表の遠征で内藤慎、豊山、佐々木、青木の4人が戦列を離れているが、この事情を敗因の理由としてあげることが言い訳にしかならないということは、選手たちが一番分かっているはずだ。夏合宿では原点に帰って練習を積み、関東学院大への雪辱を晴らしてほしい。 〈公式記録〉
早大先発メンバー 1諸岡省吾(法3)→16、2種本直人(スポ1)、3市村茂展(理工2)→18、4阿部卓留(人3)、5桑江崇行(人3)、6川上力也(教4)、7松本 允(人2)→19、8内橋 徹(政経3)、9後藤翔太(教3)、10大田尾竜彦(人4)、11山田智久(人4)→22、12池上真介(人2)、13菊池和気(人3)→21、14吉永将宏(人4)、15内藤晴児(人4) 早大リザーブ 東野憲照(法4)、紀 昌宏(人4)、宮崎潤野(理工1)、古島 直(政経3)、曽我部佳憲(教1)、太田順平(二文2)、山岡正典(教4) 関東学院大先発メンバー 1北川嵩之、2土肥功也、3坂本 亮、4三根秀敏、5犬飼陽生、6堺田 純、7鈴木博貴、8八木鉄兵、9吉田正明、10田井中啓彰、11大津留邦宏、12河津賢太郎、13霜村誠一、14北川智規、15有賀 剛 <コメント> 清宮克幸監督 「自滅。ふがいない。細かいところで差があった。15分から20分あたりで動けていないなと思った。(大差になったのは)試合がブレイクする(=壊れる)ポイントを経験のない選手がわかってなかった。(このくらいの点差になるのを)一昨年は予想していたが、今年はしてなかった。選手の実力を見誤った。こうなると分かっていたら、プランや始動を変えていた。この差の半分は監督のせい。これから鍛えなおす。これからの中身は変えていく」 大田尾竜彦 「今日の負けは自滅以外のなにものでもない。。関東は簡単には勝たせてくれないといった感じだし、相手のプレッシャーにも押されてたけどとくにこれっていうのはよくわからない。おそらく4年間で最低の試合。何もミスがなければ普通にトライとれたし。やることができてればあと40点くらいはとれた。関東は特別強いというわけではなかったし。チームの状態は悪くはなかったがどっか気持ちがのってなかったのかもしれない.やっぱりぬるま湯につかってたと思う。今日の負けによって、練習も激しくなるし、全てにおいてこの60点差をうめるようなことをします。『何かおかしい』が試合中ずっとだったから、これをはっきりさせて夏の課題にします。後から振り返ったときにいいくすりになったと言える敗戦にしたい。夏には勝つ自信がある」 川上力也 「見ての通り、完敗です。関東の一人一人の強さは、去年の方が上だった。しかし今日は、勝利に対しての貪欲さ、ひた むきさがあった。(早大も)春季最終戦だし、皆気合い入っていた。しかし、大一番ということで気持ちが上ついたのが結果に出てしまったのかもしれない。(春季は)今日は除いて、全体的に結果は良かった。しかし、練習での激しさが足りなかった気がする。夏合宿では、ひさむきさや激しさを意識して、原点に帰って練習したい」 諸岡省吾 「接点で負けてワセダの持ち味のフィットネスが出ずさらに走れもしなかっ関東のフォワードは思ったより強くなかった。届かない差ではなかったが勝てなかった。スクラム自体はやられた意識はないが安定しなかった。山村さんが出てたらどうなるか。今日はワセダの課題が出た。7・8月で修正し、菅平で勝つ!」 種本直人 「自分の仕事ができずに、焦ってくるとパニックになってダメだった。(今後の課題は?)全ての面。スキルという、基礎体力をあげてかなくてはいけない」 後藤翔太 「悔しい。関東は強いなとは思ってたが、この負け方は予想してなかった。意識の差がそのままプレーに現れた。受けて立ってしまった。後半からイケるかなと思ってけど…。(個人的には)守ってばっかりだったから体力的にきつくはなかった。(パスがばらついていたのは?)言い訳になるけど、汗ですべった。ノックオンが多かったのもそれ。これからは常に意識をもって立て直したい。足りないものは激しさ」 山岡正典 「(今日のポイントは?)いろいろありすぎて。強いて言えばボールの継続ですね。接点からの球出しとか。まぁ個人のレベルということもありますけど。それと相手の気持のほう が勝っていたということではないですかね。(春の成果はどのくらい出せた?)やりたい ことは何もできなかった。(これからの課題は?)今日出来なかった接点の強さ」 内藤晴児 「ハンドリングミスが多く、アタックできなかった。ワセダのバックスが悪かったし、春のワセダの取り組みが甘かった。夏に関学ともう一度当たるのでリベンジしたい」 |
上井草レポート〜部内マッチ(6月15日)〜 |
部内マッチ開催! ◇ 練習試合 早大Aチーム対早大Bチーム(6月15日 早大上井草グラウンド) 多少雨のぱらつく中、早大ラグビー部AチームとBチームの練習試合が行われた。しかし、単なる試合ではない。アカクロを賭けた戦いだ。 この試合、Aチームは明大戦とほぼ同じメンバー構成。開始早々WTB山田智久(人4)が左隅にノーホイッスルトライを決めると、次々にトライを重ねてゆく。CTB池上真介(人2)の力強い突破も目立った。 一方のBチームは、試合後半に反撃開始。戦列復帰したばかりのFO紀昌宏(人4)や、先月はアカクロを着ていたCTB安藤英次(人4)らがチームを引っ張った。また、Bチームの闘志には、鬼気迫るものがあった。 試合の結果は、84対19でAチームの勝利。果たして、28日の宿敵・関東学院大との練習試合では、誰がアカクロを手にするのであろうか。公式戦の戦いは、約半年。しかし、アカクロを賭けた部内での戦いは、1年中終わることはない。 |
第5回東日本大学セブンズ(5月5日 秩父宮ラグビー場) |
大田尾組、セブンスも絶好調!! 今大会、早大は大田尾主将(人4)をはじめ、山岡正典(教4)、佐々木隆道(人2)などレギュラーメンバーを中心とした編成で試合に臨んだ。 1回戦対山梨学院大戦を31−7と危なげなく勝利した早大は、1回戦の勝利チームで行われるチャンピオンシップトーナメントへと駒を進めた。その初戦は良きライバルである慶大。早大は後藤翔太(教3)を中心とした高速展開で慶大を圧倒。31−7で勝利した。 続く準決勝の相手である流通経済大は、強豪の帝京大、法大を破っている油断ならない相手。接戦になるかと思われたが、エンジン全開の早大は前半だけで5トライを奪うと、後半も3トライを加え50−0と大勝した。 決勝戦、相手はトンガからの留学生を擁する大東文化大。関東学院大、明大をパワーで粉砕して勝ち上がってきた。まずは前半、走れるSH後藤が先制のトライ。しかし、徐々にトンガ勢のパワーに押され始め、中央を突破され同点とされる。力勝負では不利となる早大は、コンタクトプレーを減らし、素早い展開と正木健介(人4)、山田智久(人4)、小吹和也(人2)のWTB組のスピードで勝負した。7点リードして迎えた後半、大田尾がパンチングの反則を受け大東大・ロトゥがシン・ビンとなる。有利になった早大は正木が左サイドから2人を抜いて中央にトライ。さらに、左から逆サイドまでつないで最後は山田がトライをあげる。その後の反撃を1トライに押さえ、早大は初の優勝を果たした。 セブンスの試合でも早大は輝いていた。個々の力にしてもチームの完成度にしても、他大より頭ひとつ抜け出していた。「セブンスをやることで(15人制ラグビーの)強化につながる」という今泉コーチ(平3人卒)の言葉通り、この大会の中で実力をアピールした選手もいる。今季、早大の継続の起点となる後藤は、「自分がチームのテンポを作っていきたい」と自覚は十分。また5トライをあげた正木は「まだスピードが足りない。相手を抜いてからも走りきれる力をつけたい。早大にはラグビーがやりたくて入ったから、本当のアカクロを着れるよう頑張りたい」と意欲を見せた。激戦区のWTBでレギュラーを取れるか。これからの活躍に期待だ。 |
上井草レポート〜セブンス部内マッチ(5月1日)〜 |
東日本大学セブンズに向けて、部内試合開催! ◇ 部内試合 CHAMPメンバー対SELECTメンバー(5月1日 早大上井草グラウンド) 先日、ジャパンセブンスプレート優勝を果たした『CHAMP』メンバーに対し、最大の敵が現れた。その名は『SELECT』メンバー。大田尾主将(人4)をはじめ、佐々木隆道(人2)、安藤栄次(人3)など、強力なメンバー構成。期待の新人、今村雄太(スポ1)、首藤甲子郎(スポ1)も出場した。勝った方が東日本大学セブンズに出場。意地と意地がぶつかった。 前半。青色のユニフォームの『SELECT』がペースをつかむ。中心は佐々木隆道(人2)。昨年よりも一回り大きくなったその体は、誰よりも目立っていた。1分に小吹和也(人2)がトライをし、今村雄太(スポ1)、首藤甲子郎(スポ1)もつづけてトライ。26−14の、『SELECT』リードで前半を折り返した。 後半。「赤黒は譲れない」。その気持ちが『CHAMP』を動かした。前半とは一点、終始『CHAMP』が。『SELECT』を圧倒。後藤翔太(人3)から始まる高速な展開。右に左に相手を大きく揺さぶり、最後は山岡正典(教4)、山田智久(人4)が敵を振り切って次々とトライ。10分間で6つものトライを奪い、26−54で『CHAMP』が貫禄を見せ付けた。 試合後は普段の練習へ。練習後には新入生恒例?の自己紹介も行われ、練習試合並に盛り上がっていた。東日本大学セブンズは5日。目指すは優勝、それだけだ。 『CHAMP』先発メンバー 正木健介(人4)、山岡正典(教4)、星野邦夫(法2)、後藤翔太(人3)、菊地和気(人3)、加藤かい(教4) 『SELECT』先発メンバー 大田尾竜彦(人4)、小吹和也(人2)、今村雄太(スポ1)、池上真介(人2)、佐々木隆道(人2)、安藤栄次(人3)、首藤甲子郎(スポ1) |
ニュージーランド学生代表来日シリーズ |
早大歴史的大金星 大田尾組初陣飾る ◇ニュージーランド学生代表来日シリーズ 早大対ニュージーランド学生代表(4月27日秩父宮ラグビー場) 大学選手権連覇、ジャパンカップベスト4を目標に掲げた大田尾組。その初陣の相手はラグビー王国・ニュージーランドの学生選抜チーム、ニュージーランド学生代表(NZU)。NZUは24日に日本代表のサブチーム日本A代表を97−14に圧勝しており、早大圧倒的不利の下馬評であった。しかし、前半を同点で終えると、後半、相手がベストメンバーに入れ替わったにも関らずNZUを突き放し、37−31で勝利。初陣を白星で飾り幸先の良いスタートをきった。また昭和11年から始まった日本のチームとNZUとの対戦の歴史の中で、単独チームとして初めて勝利を挙げるという歴史的快挙を達成した。(過去にNZUを破ったのは昭和57年の日本代表と平成11年の日本A代表のみ) 今季最初の試合、新たな早大の門出に期待感を寄せる観客が見守る中、まずは早大の選手達の入場。先頭の主将大田尾が秩父宮の芝に軽く手をついてからピッチに駆け出すと、残りの選手も意気揚揚と飛び出す。続いてNZUの選手達の登場。フィールド相手チーム側へ独特の隊形を作ると、ラグビー王国伝統の“ハカ”を披露。これに応えるかのように早大の選手も横一列になり肩を組んで相手を見つめる。ハーフウェーラインを挟んでの一種の異様な空気がたちこめる。そして、次第に両チームの距離がせばまり、最後はハーフウェーライン上で軽くぶつかる程度になったところで終了。観客にとっては最高の「前座」となった。 <戦評> 早大・大田尾のキックオフで幕を開けたこの試合。まずは早大がペースを握る。1分、ルーキーながらいきなりのアカクロデビューを果たしたWTB首藤にボールが渡る。左ライン際、対面の相手とラインにはわずかなスペースしかない。昨季までのWTB仲山聡(平15人卒)なら内に切れ込み球を継続させていただろう。しかし、このルーキーは迷わず外に勝負を仕掛ける。小柄な体から重心が低く腰の安定した走りで一気に加速し、対面の相手を振り切る。その後カバーにきた相手FBにつかまるがボールは見事に継続させ、チャンスを演出。早稲田が待ち焦がれていた、一人で勝負できるWTBの誕生を予感させる瞬間だった。 これで波に乗った早大は3分、中央のラックから後藤→大田尾→内藤慎とつなぎ内藤慎が見事なステップで相手を抜き去りゴール下に飛び込み先制。その後も早大の攻勢は続く。昨年同様の継続ラグビーでボールを支配し再三ゴールへ迫る。しかし、16分、18分にそれぞれ首藤、山岡がトライゾーンへ飛び込むも共にわずかにタッチに押し出されるなど得点にはいたらない。相手が個人能力の高いNZUということでわずかに球出しに時間がかかることで、ボールは支配できるが人数が余らない状態がつづく。司令塔大田尾が数回、WTBを走らせるショートキックを使ったことが攻撃の行き詰まりを感じさせた。 そうこうしているうちに26分、相手一人に対し複数で止めにいくことでラインブレイクを最小限にとどめ健闘していたディフェンスに穴があき、トライを奪われ同点とされる。だが4分後、敵陣ゴール前の右ラインアウトから、後藤→大田尾と渡り、大田尾は左にできていたラインとは逆の右横に走りこんできた山岡へパス。抜け出した山岡はタックルを受ける瞬間に豊山へボールをつなぎ、豊山は後ろからのタックルに逆に押されるようにゴールへとなだれ込みトライ。この後NZUに1トライを許し、前半は同点のまま終了する。秩父宮の雰囲気は早大がどのくらい善戦するのか、から、早大も勝つチャンス十分あり、という雰囲気へといつのまにか代わっていた。 後半も主導権を握ったのは早大。前半同様ボールを支配しNZUを自陣内に釘付けにする。NZUはこれに対して早大SH後藤らにオフサイド覚悟でプレッシャーをかけることで、継続のスピード・テンポを遅らせ、トライを許さない。早大はディフェンスでも後半ほぼベストメンバーとなったNZU相手に出足の早い、低いタックルを複数同時に浴びせる。ペースのつかめないNZUの選手の反則が増し、徐々に試合は荒れ気味の展開となる。25分まではペナルティーからのPGを早大が3本、NZUが1本を決めて23−17。 残り時間10分となったところで試合が動く。早大陣でのラインアウトからターンオーバーの応酬から、後藤がスキをついて抜け出す。後藤はハーフウェーライン付近で相手に囲まれる寸前にキック、これを相手FB、山岡の順に追いかける。そして相手FBがボールを手にしようと瞬間、ボールがわずかに不規則にバウンドし走り込んだ山岡の胸に収まった。山岡は追ってきた相手を何とか振り切りトライ。リードを広げる。さらに、34分、敵陣左のスクラムから右に展開、一度ラックを形成したあと、後藤→大田尾から最後は内藤晴が力強くトライ。背番号「13」を受け継いだ男の意地が垣間見えた。この後NZUに2トライを返されるが37−31でノーサイド。笛のなった直後にも小競り合いがあったが、それは王国の学生代表が日本の単独大学チームに負けたことを本気で悔しがったことの現われでもあった。 <試合総評> 清宮監督は3月の初練習の際に「今まで以上に“ワセダのスタイル”というものを作り上げたい」と語っていたが、今日の試合はチームが始動して間もないということもあり、昨季とほぼ同じラグビーを展開した。それでも昨季大学日本一となったラグビースタイルは伊達ではなかった。相手のNZUは選抜チームのため早大ほど組織性はないが、個人能力では早大の上を行く相手。早大にとっては言わば社会人のような相手だった。個で劣るならば組織で補う。その精神は複数で一人を止めに行ったディフェンスに顕著に現れた。攻撃でも、コンタクト力のある選手たち相手に上手くボールを支配できたいた。その上で司令塔大田尾は、オープンに大きくラインができていても人数が余っていなければ逆目の近場を攻めるなど、がいかに相手守備が薄くフォローの厚いところを突くかにこだわっていた。ただ、相手の接点での強さもあり、ボールを継続しているわりには人数が余る状況は少なかった。そういう状況でのトライはやはり手数をかけない速攻からのものだった。 また山下組が抜けた穴にも青木・首藤・内藤晴らしっかりと新たな戦力が台頭した。特に注目された継続ラグビーの中枢SHも、田原のあとを継いだ後藤が無難にさばいた印象があった。また、3トライ目でみせたようにな走力など田原にはなかった部分も持っているだけに今後が楽しみだ。 今季、いままでの「継続」「精確」「高速」「独自性」「激しさ」のキーワードに「strength(個の強さ)」が加わった。4月27日という今日の時点でも組織性は十分な完成度を誇っていた。今後長いシーズン、組織としては、3年目を迎える清宮監督のもと、さらにオリジナリティー溢れる完成されたラグビースタイルが作り上げられていくことは想像に難くない。あとは個としての強さを高めていければ、大学選手権連覇、そして今日戦ったNZUのようなタイプの相手、社会人を破ることを意味するジャパンカップベスト4の達成は十分に期待できる。 <公式記録>
早大先発メンバー 1諸岡省吾(法3)→16.2青木佑輔(人2).3市村茂展(理工2)→17.4内橋徹(政経3).5桑江崇行(人3)→18.6川上力也(教4).7松本允(人2).8佐々木隆道(人2).9後藤翔太(教3).10大田尾竜彦(人4).11首藤甲子郎(スポ1).12豊山寛(教3).13内藤晴児(人4).14山岡正典(教4).15内藤慎平(人3)→21 早大リザーブ 16東野憲照(法4).17屋比久健(二文4).18小島浩之(人3).19古島直(政経3).20末石鉄之祐(人4).21安藤栄次(人3).22山田智久(人4) コメント 清宮克幸監督 「勝因は接点でよい動きができたから。そこで相手に負けてなかったしスクラムも日本A代表ほど崩壊しなかった。スクラムは低すぎて嫌がっているように見えた。大田尾のゲームリードも光った。前半の相手メンバーを見て後半勝負と思った。その後半も変わらずいいプレーができた。ゲームが荒れたのは向こうが本気になった証拠。サインプレーなどの大枠はまだ去年と同じだった。これからはビデオを見て、それぞれのプレーの可能性を探って、うまくいきそうなものを実現させるように練習をしていく。首藤は日本A代表の試合を見て使おうと思った。ワセダが勝てる要素は、フィットネス、数的優位、HB団のパス、それと甲子郎のスピードだと思ったから。他に勝っているものがあったら、使わなかったかもしれない。前半2〜3本走って相手に速いと分からせることができて、外に速いのがいることで内側のギャップで抜けた。タッチラインを3回も踏んでいるなどまだ荒削りなところもある。そういう感覚はこれから教えていく。」 10大田尾竜彦 「今日はディフェンスをしっかりやろうと思ってた。それができたから勝つことができた。(芝の保養期間のため)ほとんどグラウンドが使えなかった分、フィジカルが鍛えられた。弱かったところが引き上げられ分、自信を持って戦うことができた。とりあえず最初に勝ってほっとした。負けるわけにはいかなかったから。相手も疲れてたとか色々あるけどとりあえず勝ったことは勝ったから。(首藤)甲子郎はいいねー。まさに部に新しい風を入れてくれる存在。」 11首藤甲子郎 「(今日の試合に先発は)4日前に言われてびっくりした。外人を相手にできるめったにないチャンスだと思った。今日の試合は楽しかった。(トライチャンスもあったが)しょうがない。大きい相手と対戦するのはワクワクする。体力面で後半きつかった。自分の持ち味はすばしっこさだと思っている。」 |