ヤンキース田中将大投手(26)は今季ワーストの9安打を浴びながら7回2失点と踏ん張ったものの、報われなかった。1-1の同点で迎えた7回、マイナーから昇格したばかりの伏兵ディートリッチにソロを被弾。「(狙ったところに)投げきれない技術のなさがあった。点の取られ方は腹立たしい」と悔やむ失投で、開幕戦以来の黒星がついた。

 敗れても、憧れのヒーローとの勝負では意地を見せた。5回1死一塁。イチロー外野手(41)と3度目の対決で5球目、全力を込めた最速95マイル(約153キロ)のフォーシームで見逃し三振。「イチローさんがスプリットを意識しているところに、ど真ん中にストレートがいった。頭になかったボールじゃないかなと思います」と、結果オーライを強調した。

 それでも対戦を振り返って、「やっぱりこう、意識はしましたね。それでいて2安打も打たれてしまったんで、完敗としか言いようがないですね」と潔く負けを認めた。兵庫県出身で、地元オリックスのイチローはスーパースターだった。「やっぱりイチローさんと、この舞台で対戦できたっていうのは、自分が小学生の頃からは想像がつかなかった部分かな」と感慨深げに話した。(マイアミ=水次祥子)

 ▼田中がイチローと初対戦。日本人野手との対戦は昨年の川崎(ブルージェイズ)以来2人目。川崎との対戦成績は5打数1安打3三振。

 ▼田中は3試合連続で無四死球。大リーグ移籍後は初で、日本時代を含めると12年まで3度ある最長タイ。