「50歳まで現役」の布石が打たれた。マーリンズは5日(日本時間同深夜)、イチロー外野手(42)と来季の契約延長を発表した。サムソン球団社長、ヒルGMら球団幹部が、フロリダ州マイアミの本拠地マーリンズパークで今季の総括会見を行い、その席上でイチローとの新たな契約内容が明かされた。オプションとなっていた来季の契約選択権を行使するとともに、新たに18年もオプションが付いた。

 マ軍はこれまでも、イチローと「生涯契約」の希望を示唆している。昨年、背番号51を永久欠番にする話が出たときには、サムソン球団社長が「彼は50歳までプレーすることを希望している。その年齢になるまで、この話はしないつもりだよ」と発言。2年後もオプションを付けたことは「生涯契約」の意思表示とみられ、イチローに現役続行の意欲がある限り、サポートしていくものとみられる。

 来季年俸は今季と同じ200万ドル(約2億円)のほか、打席数などに伴う出来高を含め、今季とほぼ同等の条件とみられる。来季も現役野手最年長となる43歳で、メジャー17年目のシーズンを迎えることになった。

 今季143試合に出場したイチローは、日米通算でピート・ローズが持つメジャー最多の4256安打を超えたほか、史上30人目のメジャー通算3000安打を達成。昨季を上回る95安打、打率2割9分1厘の成績を残した。マッティングリー監督は会見の席で、「イチに関して、年齢は考えたことがない。外野すべてのポジションを守れるし、走れる。常に、我々が望む役割を果たしてくれる」と外野の4番手ながら、絶大な信頼を寄せている。

 現時点で来季のマ軍の布陣は不確定だが、イチローは代打をはじめ、今季と同じような起用法になる見込みだ。