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田口フィリーズと契約、年俸9900万円
カージナルスを退団した田口壮外野手(38)が23日、フィリーズと1年契約を結んだ。年俸は90万ドル(約9900万円)。球団側が09年の契約選択権を持ち、行使しない場合は、違約金として田口に15万ドル(約1650万円)を支払う。渡米7年目にして初めて移籍する田口は、今季ナ・リーグ東地区を制した強豪で、2度目のワールドシリーズ制覇を目指す。
米国のクリスマス直前に、フィリーズ入りが決まった。日本に帰国中の田口は「早く決まってよかった」と、ほっとした様子だった。「今年は地区優勝もしている。力を出せるチームだと思っている」と新天地での活躍に意欲をみせた。
6年間在籍したカージナルスを離れ、自分の持ち味を発揮できるチームを探していた。カブス、メッツ、ジャイアンツなども興味を示していた。その中で「フィラデルフィアは米国建国最初の地。街もチームも歴史がある」と、以前から好印象を持っている本拠地に決まったことを喜んだ。
フィリーズは今季MVPのロリンズやハワード、アットリーらリーグを代表する強打者が所属。7月に井口(現パドレス)が移籍したことで日本のファンにもなじみがある。指揮を執るのは近鉄、ヤクルトで強打者として活躍したマニエル監督だ。田口も「日本の野球をよく分かっているので、やりやすいと思う」と前向きに話した。これまで見てきたラルーサ監督とは違うチームづくりを間近で勉強できることも、今後にプラスに働くはずだ。
アマロGM補佐は「田口は外野ならどこでも守れる選手。それに打撃でも大事な場面で結果を出すことは証明済みだ」と獲得を喜んだ。田口は今季、代打での打率がリーグ1位の4割6厘。ワールドシリーズを制覇した06年にはプレーオフで2本塁打を放ったことも関係者に強い印象を残している。
カージナルスのファンは声援が温かいことで知られるが、逆にフィリーズのファンは辛口で有名だ。「そういう土地で、どれだけできるか。そういうことも含めて経験を積まないといけない。野球を勉強する、いい機会」。日本人メジャー初の2球団目のワールドシリーズ制覇もかかるだけに、新たな挑戦を楽しみにした。
[2007年12月25日9時23分 紙面から]
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