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根来代行がパの「強い勧告」を白紙に

 プロ野球の根来泰周コミッショナー代行(75)は21日、ジェレミー・パウエル投手(31)の二重契約問題でパ・リーグが出した「強い勧告」を白紙に戻す方針を示した。オリックス、ソフトバンクの衝突を仲裁する形でパが行った勧告に両球団が反発したため、同代行はその意義が失われたと判断した。これにより「ソフトバンクとの契約を優先させつつ選手登録は6月22日まで受け付けない」というパ・リーグ案の効力は事実上消滅。同代行を中心に新たな判断が下されることとなった。

 根来代行は、パの出した妥協案を頭の中から消し去った。東京・内幸町のコミッショナー事務局で「両者の球団が勧告を受け入れられないというんだから、結局白紙でやることになる。連盟の会長はなるべく穏便にということで勧告を出したが、白地(しらじ)に戻ったという前提で早く処理した方がいい」とパウエル問題の一からのスタートを宣言した。

 同代行はこの日午後から慌ただしく動いた。コミッショナー事務局にパ・リーグ村田事務局長を呼び、パの報告書と同代行が出していた質問状に対する回答書を受け取った。報告書、回答書はA4判の用紙100枚近くに及ぶ厚さだった。その上で約70分間にわたって協議。村田事務局長に「勧告はアドバイス。受け入れられて初めて勧告となる。受け入れられなければそれで終わり」と勧告が持つ意味に対する判断を伝えた。

 「白紙」は、パの結論である「6月22日までは両球団の選手登録を受け付けず、同23日以降はソフトバンクに限り受理する」という判断の消滅を意味する。同時に同代行は、新たな判断に向けて素早く動きだした。パ村田事務局長と協議した直後、事務局でソフトバンク角田球団代表とこれまた70分間の会談を持った。角田代表は「こちらが出した文書に対する説明」とだけ話したが、根来代行からも質問は飛び「聞きたいことは聞いた」と同代行が話したことから、会談は事情聴取の意味を多分に含むものとなった。オリックス側とも22日に同様の会談を予定。それを受けて週明けの25日にもパと再協議を行うとみられ、早ければ今月中にも同代行が何らかの判断を下す可能性がある。

 白紙は必ずしも「振り出し」を意味するものではなく、根来代行は「僕がやるかは分からんが、できるだけ早く野球組織として結論を出さないといけない」と早期解決への意欲を口にした。裁判になぞらえて言えば、今回は第2審が第1審の「判決」を破棄した形。破棄した上で差し戻しか、破棄して自判かは不明だが、いずれにせよ第1審の判決は破棄された。新たな判断が下される以上、第1審とは異なる判決が出る可能性は高い。問題は次のステージに移された。

[2008年2月22日9時20分 紙面から]

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