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プロ野球2008年度契約更改
楽天山崎武1億9200万円で一発サイン
- クリスマスツリーの前で満面の笑みを見せた楽天の山崎武(撮影・中島郁夫)
2冠を獲得した楽天山崎武司内野手(39)が20日、仙台市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季の8250万円からジャンプアップとなる1億8000万円にタイトル料1200万円の1億9200万円(推定金額)プラス出来高で1発サインした。39歳で1億円以上のアップは94年落合(巨人)以来2人目となる。04年にオリックスから戦力外通告を受けてから3年。43本塁打108打点と、成績も年俸も自己最多となった「オッサンの星」は、成績次第では2億円超えの可能性が出てきた。
今季43度描いたアーチと同様に、山崎武の更改も豪快だった。目標の2億円にあと一歩。だが「そんなの関係ねえ」と、小島よしおばりに言い切った。
山崎武「ハンは押してきました。2億円という攻防を目安としてやってきたんですが、2冠のタイトル料を500万ずつ、ベストナインのお祝いも200万いただきまして。2億に近い数字を提示して頂きました。これだけ上げてもらえれば、1000万や2000万は、どうでもいい」。
球団最高となる05年岩隈の1億8000万円を抜いた。自身の1億2000万円も大幅更新。「普段、やることなすことオッサンかなと、思うこともある」と、自らも認めるオッサンが、楽天トップに躍り出た。「出来高については、焦らずに、キャンプくらいに話せばいいかって話になった。クリアすれば2億は行くよ」と、さほどハードルは高くなく設定されたようだ。
オリックスから戦力外通告を受けて3年。反骨心と経験が、球団の顔に押し上げた。「『いらねえよ』と言われて、見返してやるという気持ちはあったよね。1億2000万円から5000万円に下がって。1年で結果出せなかったら、辞めようと思っていた。環境の変化、いい出会い。ホント、ツイてるよね、オレ。イーグルスが出来ていなかったらどうなっていたか」と、しみじみと話した。
オッサンは、昇給を単純に喜ばない。「若いころは、上がったら何買おうかなって考えたけど、今は『うれしい、うれしい』というのがない。大人になったのが好成績につながったのかな。うれしさよりプレッシャー、責任感が大きくなった。給料に恥じない成績を残さないと『何だよ』となる。楽天に拾ってもらって『ソコソコやってくれれば』と言われたのが『絶対やって』という立場になった」と笑った。球団からは若手の手本やカミナリ役も期待された。「ユニホームを着ている以上、若手もベテランもない」と言う一方で「辛いときは『40歳だからつらい』とサボったり、うまくやっていきたい」とも話す。自然体のオッサンは、来季もきっと、豪快なアーチを描く。【金子航】
[2007年12月21日9時55分 紙面から]
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