横綱鶴竜(31=井筒)が大関豪栄道(30=境川)を上手出し投げで下して13勝目を挙げ、千秋楽を残して7場所ぶり3度目の優勝を決めた。

 立ち合いで呼吸が合わず、3度目で立つと左四つに。鶴竜が右を巻き替え、豪栄道も巻き替え返してきたが、そこでタイミング良く体を開いて土俵外へと投げた。「流れです。しっかり体が反応しました」と鶴竜。3度目の優勝に「最高です。今までは逆転しての優勝だった。今回は自分で単独トップになっての優勝。それができて良かった」と静かに喜んだ。

 目の前で日馬富士が白鵬に敗れ、豪栄道に勝てば優勝が決まる状況になった。「心がぶれないように。自分の相撲だけに集中した。自分の相撲を取ろうと思ったのが良かった」。名古屋場所では腰を痛めて途中休場するなど、今年は優勝のチャンスもなかったが、1年納めの場所を最高の形で締めた。「気持ちと体がうまく絡まず、苦しい時期を過ごしたけど。最後いい形で終われて良かった」と胸をなで下ろした。