[ 2014年5月18日7時50分

 紙面から ]横浜斎藤(後列左から4人目)は横浜プライマリーの選手に激励される(撮影・桑原亮)

 日本代表の横浜MF斎藤学(24)が17日、「脱・ハマのメッシ」を宣言した。横浜市内で今日18日の川崎F戦に向け調整後、サプライズで下部組織の小学生たちから激励され「励まされるのはうれしいね」と笑顔を見せた。交流後は質問を受け、その中の1つに、敏感に反応した。

 「メッシに勝てる自信はありますか?」

 無邪気な子供の好奇心。それに対し、斎藤は思いをはっきりと伝えた。

 「ハマのメッシはもう卒業しようと思ってる。エヒメッシも終わり。これからは斎藤学で売っていこうと思っているから」

 4年に1度の夢舞台を前に、覚悟を決めた。

 横浜の下部組織出身。J2愛媛での武者修行を経て、ドリブルに磨きをかけた。いつしか「ハマのメッシ」と呼ばれるようになった。本家メッシは、バロンドールに3年連続で輝いた世界最高選手。だが、誰かに例えられるのはこれで終わり。先月15日のACL全北現代戦ではスーパーゴールを決め「MANABU」を強烈にアピールした。

 W杯では、試合途中から出場し流れを変える切り札として期待される。子供たちからは「世界にドリブルを魅せつけろ」とメッセージを受け取り、気持ちを新たにした。

 川崎Fには昨季最終節、同じアウェーの等々力で0-1と敗れ、優勝を逃した。リーグ中断前、最後の一戦に「W杯もそうだけど、まずは明日が大事。去年の借りも返さないとね」。日本のジョーカー候補が、世界を前に一皮むける。【桑原亮】

 ◆ハマのメッシ

 169センチと小柄ながら、細かいタッチで巧みにボールを操る高速ドリブル。その姿がアルゼンチン代表FWメッシ(バルセロナ)に似ていることから、J2愛媛時代の11年に「愛媛のメッシ」と言われ始めた。横浜復帰後もMF中村俊が「和風メッシ」と言うなど、次第にその名が定着した。