このページの先頭



ここから共通メニュー

共通メニュー


ホーム > 芸能 > シネマ > ニュース



吉永小百合34年ぶり山田洋次映画

 吉永小百合(61)が新作主演映画で、山田洋次監督(74)と34年ぶりにコンビを組むことが5日、発表された。大平洋戦争下の東京で家族を支えながら生き抜く母親の姿を描く作品でタイトルは「母(かあ)べえ」。夫を投獄されながら、必死に子供を守り抜く肝っ玉母さんを演じる。08年公開予定。

 吉永が“日本の母”を演じる。112本目の出演作「母べえ」は戦争による悲劇を背景に家族の愛ときずなを描く。これまで演じる女性の生きざまにこだわって主演作を選んできた。今回はやさしさとたくましさを兼ね備えた母親像に強くひかれて出演を決意した。

 舞台は日米開戦直前の東京。夫は治安維持法で検挙され獄中の身となった。吉永演じるヒロインは、非難にさらされ、生活苦と闘いながら残された子供たちを守り抜く。苦境に耐えながらも明るく生きようとする肝っ玉母さん。これまでにない役柄ではあったが、山田監督から出演依頼の手紙を受け取り、快諾した。

 原作は黒沢明監督のもとでスクリプター(撮影記録係)を務めた野上照代さんが84年に発表したノンフィクション小説「父へのレクイエム」。山田監督は黒沢監督を通じて交流があった野上さんから著書を贈られ「あのころのお母さんはまさにこうだったと熱い共感を抱いた」。最近は「たそがれ清兵衛」を皮切りに、夫婦、家族の在り方を時代劇を通して描いてきたが「家族をひしと抱えて生き抜いたやさしいお母さんたちへのオマージュ」として、新たに「昭和」を舞台にした。

 山田監督とのコンビはマドンナを演じた72年「男はつらいよ 柴又慕情」、74年「男はつらいよ 恋やつれ」以来で、公開年で数えれば34年ぶりのコンビとなる。吉永は「夢のようです。昨年の夏、山田監督からこの作品のお話をいただいた時、何としても出演したいと思いました」と、来年1月の撮影開始を心持ちにしている。原爆詩朗読をライフワークとして続けるなど平和運動にも熱心に取り組んでいる。戦争が家族の幸せを奪う悲劇を描く今回の作品には思い入れも強く、「暗黒の時代を懸命に生きた母べえを深く表現できるように全力を尽くします」と話している。

[2006年9月6日8時15分 紙面から]

関連情報

最新ニュース

記事バックナンバー



このページの先頭へ