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大和の旅結実/映画大賞

 映画「男たちの大和 YAMATO」の旅が28日、一つの輝かしい結実を迎えた。石原裕次郎賞を受賞し、裕次郎夫人の石原まき子さんから300万円の賞金が主演の反町隆史(33)に手渡され、松山ケンイチ(21)、佐藤純弥監督(74)らと喜びを分かち合った。約半年間、セットとはいえ実物大の「大和」で、ある種、運命をともにした男たちの達成感ある顔が誇らしげに輝いていた。また主演男優賞は「明日の記憶」の渡辺謙(47)が、俳優生活28年目の初栄誉となった。

 それぞれの胸に「大和」への思い、そして戦争への思いが再び去来した。

 壇上には佐藤監督、反町隆史、松山ケンイチ、制作側から角川春樹プロデューサー、製作総指揮のテレビ朝日の広瀬道貞会長らが並んだ。幅広い世代によって支えられて完成した作品らしく20代から70代まで。戦争への思いが、映画の感想となって口をついた。

 「ぼくらの生まれる前の、多くの人たちの犠牲があって、今の平和な時代がある。そのことを映画に参加しながら改めて知った」と主演の反町が言えば「常識と思っていた平和が、いかに常識でないものなのか。それだけ、大事なものだと思った」と松山。

 終戦を12歳の中学生で迎えた監督は、大空襲の悲劇を胸に、撮影したとも語った。

 石原裕次郎賞は「ファンに支持されたヒット映画の中でも完成度の高い大型作品」という選考基準だ。6億円の実物大の「大和」のセットを作り、51億の興収を上げる大ヒットとなった「男たちの大和」は、その意味でも賞にふさわしい一作だった。

 反町に賞金300万円を手渡した石原まき子さんも

「戦争の悲劇を後世に伝える素晴らしい作品でした」と手放しに絶賛した。

 「一作・一家」。映画を撮る度に、そんな決意で臨む佐藤監督だが、それが石原裕次郎賞受賞という輝かしい形で、思わぬ“一家・再会”を果たしたのもうれしかったのだろう。授賞式後に「松山君も蒼井君も久しぶりだが、ますますりっぱになったね」と相好を崩した後、「若い人たちが生きていくこれからの時代が、平和な時代であってほしいです」と映画に込めた熱い思いをあらためて口にした。【馬場龍彦】

[2006年12月29日11時25分 紙面から]

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