2020年東京五輪・パラリンピックの費用分担問題で24日、東京都の小池百合子知事や丸川珠代五輪相が31日の開催が決定した関係団体の協議会で、関係自治体が運営費の一部負担に合意するという認識を示したことに、神奈川県の黒岩祐治知事は「合意など全くない」と反発。都が試算した自治体負担400億円も「全く聞いていない」と不快感をあらわにし「立候補ファイルの原理原則」を順守すべきと改めて主張した。

 立候補ファイルでは都外の自治体が「警備、医療、会場への輸送など大会開催に必要な事項を実施する」と記載がある。それについて黒岩氏は「県が負担する」とする一方「警備といっても通常のもの。海の会場では空から狙われるかもしれないが、そこまで全部というわけではない」と、通常の行政経費以外の負担は厳しいとの見方を示した。セーリング会場の漁業補償も「まさしく運営費で、都か組織委が持つべきだ」と語った。

 組織委の武藤敏郎事務総長は「主催都市の都ができなかった会場を自治体が引き受けた。都や組織委が運営費を持ってほしいと思うのも自然。それが協議の重要なポイントだ」と自治体の反発に理解を示した。

 31日の大枠合意に向け現在、都と自治体が最終調整中。関係者によると400億円のうち賃借料・営業補償など50億円、警備費250億円の一部を、都などが負担することで自治体負担を軽減する詰めの作業を行っている。