【150秒の青春】箕面自由学園チア選手名鑑~日本一を目指し全国から集まった23人

チアリーディングで高校女王に輝く大阪の箕面自由学園GOLDENBEARSに憧れ、今年は23人の新入部員が加わった。Jr.BEARSからの7人を含め北は北海道、南は九州から集まった新1年生と2,3年生の全部員58人を紹介。夢を抱いて日本一のチームの門をたたいた選手たちの思いとは…。

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~プロローグ~
流れなかった映像

GOLDENBEARSを描く時、どんな言葉を使ったらいいのか。いつも迷っている。

美しく、輝いていて、他を寄せ付けないほど強い。

努力の過程を見ていると、そんな言葉だけでは表すことができない、もっと深い魅力がある。

笑顔の時も、涙の時も。

自分の限界を決めてしまい、「もう辞めたい」と漏らした生徒もいた。

素顔は普通の高校生。

だが、心の奥底には普通の高校生ではない、芯の強さがあるような気がする。

日本一に憧れ、いつか自分もその舞台に立ちたいと願う。

そのために辛く、長い練習を続けている。

4月17日。大阪・フェスティバルホールであった大阪万博の開幕1年前イベントは、満員の観衆で埋まっていた。

そのオープニングステージにGOLDENBEARSが立った。

彼女たちの演技とともに流れるはずだった映像は、機械トラブルにより暗闇のまま。

実際の映像には、こうある。

私たちは知っている。

元気の裏には、つらさがあること。

勇気の裏には、怖さがあること。

笑顔の裏には、涙があることを。

誰かのおかげで私が輝けることを。

つらさの数だけの元気を、

怖さの数だけの勇気を、

涙の数だけの笑顔を、

未来の誰かに届けられるように。

足をケガした生徒のリハビリ。失敗をして、涙を流した生徒の姿。

美しく、完璧な演技は、何度も壁にぶつかり、そこからはい上がって築き上げてきたものだった。

笑顔の裏側~
日本一の覚悟

チアリーディングの原点は「誰かのために」-。応援をし、勇気を与えること。

そこから競技性が生まれ、日本一を争うようになった。

応援に特化したチームもあれば、近年は競技性を重視するチームもある。

この両方にこだわるチームは、そう多くはないように感じる。

創部34年目で日本一になること40回。

どんなスポーツでも強くなればなるほど、永遠の強さを求めるようになり、大切なものを見失ってしまうことがある。

しかし、GOLDENBEARSは違う。

決して謙虚さを忘れることなく、誰かのために感動を伝え続けている。

チアの原点を忘れず、日本一を守り続ける覚悟。

それが愛される理由だろう。

もしかすると、こんな言葉がふさわしいかも知れない。

「人の心を動かす魔法を持ったチーム」

今年もまた、全国から23人の部員がGOLDENBEARSの門をたたいた。

日本一に憧れ、魔法を身につけるために-。

全国から集った全員を紹介する。

会員限定ページは「保存版」GOLDENBEARS全員の選手名鑑を掲載!

冒頭のサムネイルを含む写真はGOLDENBEARS提供、撮影=岩國英昭

冒頭のサムネイルを含む写真はGOLDENBEARS提供、撮影=岩國英昭

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編集委員

益子浩一Koichi Mashiko

Ibaraki

茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。