合宿4日目を迎えたなでしこジャパンは25日、体調不良の選手が続出し、予定していた午後の練習を急きょ中止した。午前に吉備国際大女子サッカー部と練習試合(25分×4本)を行ったが、FW永里優季(24)DF矢野喬子(27)の2人が体調の異変を申し出てピッチから出る緊急事態が発生した。永里優は出場時間35分が過ぎたところで交代を望むしぐさを見せ、硬い表情のままピッチを出た。矢野も試合終了間際、肩で息をしながらロッカー室に直行。佐々木則夫監督(53)は「疲労感ある中でやってもしょうがない」と午後の練習中止を決断。全選手に“強制休養”を命じた。

 過密日程が立ちはだかるアジア最終予選をにらんだ緊急措置だ。前日24日、大学生男子との合同練習中、MF沢穂希(32)が接触プレーで左足首を打撲し、この日は別メニュー調整。大詰めを迎えたチームづくりに微妙な狂いが生じる中、攻撃の軸となる永里優、予選初戦に出場濃厚な矢野がダウン。W杯優勝後、各選手はオフも行事やイベントに追われ、疲労を残したまま合宿入りした。練習試合は気温30度、湿度も70%と高かった。佐々木監督は「しっかり休んで明日につながればいい」と体調維持を最優先した。練習後、永里優と矢野は、選手バスより先にワゴン車で宿舎に戻って静養した。

 ほかの選手たちも午後はリフレッシュに努めた。丸山桂里奈(28)安藤梢(29)の両FWは買い物に出掛け、DF鮫島彩(24)MF宇津木瑠美(22)はエステで気分転換を図った。チームは今日26日、初戦タイ戦をにらんだ対策練習などを行って再びギアを入れ直す。【松田秀彦】