<国際親善試合・キリンチャレンジ杯:日本1-1ベネズエラ>◇15日◇札幌ドーム

 32歳MF遠藤保仁(G大阪)と31歳DF駒野友一(磐田)のベテランコンビから待望の1発が生まれた。前半14分、MF本田のパスを受けた駒野が右サイドをドリブル突破。相手DFの股を抜いてかわすと、右クロスが相手DFに当たり、ゴール正面の遠藤の前に転がった。「駒野がいいボールを入れてくれたんでね。流し込むだけ。久しぶりにいいゴールだった」。代表では10年W杯南アフリカ大会デンマーク戦のFK以来の2年ぶりの得点を喜んだ。

 イラク戦で出場停止となる内田の代役で出場した駒野は得点シーンだけでなく再三、右サイドを崩しチャンスメークした。「内田が出られないということが刺激になった。ただもっと点に絡んでいきたい」。後半30分には自身の右クロスに、中央で本田がつぶれ、ファーサイドの香川にぴたりと合わせた。シュートは惜しくも外れたが、ザッケローニ監督に、攻守の安定感と精度の高いクロスでアピールした。

 今回のメンバーで06年W杯ドイツ大会を知る2人。苦しい時代を知る2人の国内組が強行日程の中で結果を出した。駒野は「ベテラン同士といっても。まあ、たまたまです。中にヤットさんがいただけなので」と苦笑い。実は準備万全で、今回の札幌合宿は2人とも12日に前乗りして、万全のコンディションで臨んだことが、精力的なプレーにつながった。

 9月11日のイラク戦から再開されるW杯最終予選に向け遠藤は「2列目、3列目の選手がゴールに絡むのはいいこと。どんどん増やしていきたい」と手応えを口にした。【永野高輔】