<国際親善試合:日本1-0フランス>◇12日◇サンドニ

 日本代表が98年W杯王者をアウェーで撃破する歴史的な大金星を挙げた。

 MF遠藤保仁(32=G大阪)が歴史的な日に、偉業を達成した。02年11月のA代表デビューから足かけ11年。紆余(うよ)曲折を経て、井原正巳氏と並ぶ歴代トップタイの国際Aマッチ通算122試合出場に到達した。中3日で迎える16日ブラジル戦で、いよいよ単独トップに躍り出る。成熟期を迎えた日本の大黒柱が、14年W杯まで「鉄人記録」を歩む。

 「毎試合、勝ちたいという思いを持ちながらやってきました。とてもうれしい。何よりいい相手に対して、勝利できたことがいい。(記録は)チームとは関係ないこと。次に向けてやる。その繰り返しです」

 ジーコ体制時はMF中田英寿ら「黄金の中盤」の控えで06年W杯も出番なし。運動量が求められたオシム体制では「走れない」と言われた。周囲に「俺の時代は終わった」と漏らしたこともある。それでも課題の走力を増やすことで、代表で不動の存在に定着。後に「オシムさんに出会えたことが、最も大きかった」と明かした。岡田体制で日本の心臓と呼ばれた。歴代の代表監督の信頼を得て、今がある。

 後半途中から左腕に黄色いキャプテンマークを巻いた。途中交代の長谷部から譲り受けたものだ。欧州組が中心の現代表で、フランス戦に先発した国内組は今野、中村を含め3人だけ。ボランチからトップ下にも入り、自在に香川や清武らを操った。来年1月には33歳。衰えを知らない。これからも記録を伸ばし続ける。【益子浩一】