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反町監督が「父」に祈りの勝利/五輪予選

「頑張れオシム回復を祈る」と書かれた横断幕の前であいさつする選手たち
「頑張れオシム回復を祈る」と書かれた横断幕の前であいさつする選手たち

<北京五輪最終予選:日本4-0ベトナム>◇C組◇17日◇ベトナム・ハノイ

 【ハノイ(ベトナム)17日=山下健二郎、奈島宏樹】サッカーU-22(22歳以下)日本代表が、病床の日本代表オシム監督に4発快勝を届けた。FW李の2得点など前半だけで3点のリードを奪ったが、反町康治監督(43)は攻撃的な布陣を貫き、得点力不足の課題を払しょくするゴールラッシュ。4-0でベトナムを下し、4大会連続の五輪出場権獲得へ必要だった大量得点を勝ち点3とともに手にした。21日は運命の最終サウジアラビア戦。勝利と五輪切符をオシム監督への見舞いの品にする。

 笛の音を耳にし、反町監督は腕時計からハッと目を離した。選手たちの笑顔が視界に飛び込むと、全身の力が抜けた。ベンチの柱にもたれ、勝利の余韻を味わった。大量点での勝ち点3が必要だったアウエー決戦。厳しいプレッシャーをはねのけて実現した選手たちが、頼もしく見えた。

 反町監督 この結果によって、次の試合に大きな望みをつなぐことができた。オシムさんにもいい報告をすることが、我々の使命だった。

 指揮官は、言葉に力を込めてそう振り返った。10月カタール戦で逆転負けを喫し、予選C組2位に転落。21日の最終戦で強豪サウジアラビア戦を迎えるだけに、勝つだけでは五輪切符がかすむ。さらに、試合前日の16日にオシム監督が病に倒れた。チーム発足時からA代表とともに「人もボールも動くサッカー」を追求してきた反町ジャパンは、いわば全員が門下生。過度の重圧とショックに苦しみながら、迎えた一戦だった。

 前半で3点のリードを奪っても、手は緩めない。千葉監督時代からオシム監督に師事した水野が「こんなデキじゃ怒られるでしょ」と運動量を惜しまず、90分間サイド突破を仕掛け続けた。相手選手との接触で鼻骨を骨折した水本も、痛みと流血をこらえながら最終ラインでベトナムの猛攻を食い止めた。

 ベンチも動く。反町監督は後半25分に梅崎を、9分後には興梠を送り出した。いずれも最終予選で初招集した、攻撃的な選手。「最後まで攻めを貫く」という思いを采配に込め、選手を奮い立たせた。

 五輪予選突破を危ぶむ周囲の声は、試合を重ねるごとに強まった。森島康(C大阪)と家長(G大阪)を出場停止で欠く上、DF安田(G大阪)とMF本田拓(法大)も故障で帯同できなかった。反町監督は眠れぬ夜に何度も、かばんに忍ばせてあった睡眠薬に手を伸ばしかけた。だが、苦楽をともにしてきた選手たちが逆境の中、必死に練習に打ち込む姿を目の当たりにし「選手たちに助けられていると思った。おれが気負っても空回りするだけ。すべての責任はおれが取ればいい」と腹をくくった。

 チーム一丸で徹底的に取り組んだ攻守の切り替えのスピードアップが、得点力不足解消に光りを差した。次はいよいよ最終サウジ戦。指揮官は「人もボールも動く、日本らしいサッカーの集大成」と言い切った。オシムの息子たちが、夢の舞台へ向かって、最後の力を振り絞る。【山下健二郎】

[2007年11月18日9時35分 紙面から]

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